■[トピック] |
◆辛口レビュー 少数組合に招かれ来日
エルバ・ケレンさん(SUD・PPT専従役員)
◆CATCH UP ◆いずみ(編集長コラム)
◆[1面関連]SUDの来日を契機にし日本の労働運動見直そう
◆《一票・そのとき議員は》
ハンセン病補償法への川田悦子議員の白票
◆地球温暖化防止大集会
◆刈羽村プルサーマル計画住民投票・小さな村が国を揺るがした日
金子貞男(みどりと反プルサーマル新潟県連絡会)さん
◆OLのつぶやき・会社のかたすみから D成果主義はつらい
◆全国シェルターシンポジウムin旭川2001
久保あつ子(ウィメンズネット旭川)
◆地下鉄マンションの闇・その後 前川協子(西宮市民)
◆刈羽村住民投票―選択はプルサーマルNO!
武本和幸(柏崎原発反対同盟・刈羽村を守る会)
◆[お知らせ]コトパンジャン・ダム裁判原告団日本縦断キャンペーン
◆東京都議選・福士敬子さん見事再選! 小泉人気で動いたもの、動かなかったもの
◆市民派議員リレートーク(31) 山下慶喜(大阪府茨木市議)
◆Ecoひいき @山梨・てづくり屋 A長野・ぱんやさん きのめ
◆ひとときの光(5) マリンブルーよ、永遠に
◆Hot Issue in the World(2) 危機に陥っているインドネシア民主改革
◆広告(3面) さつき印刷
『連帯社会主義への政治理論』ほか……五月書房
『軍縮』8月号……宇都宮軍縮研究所
『創』8月号ほか……創出版
少数組合に招かれ来日
エルバ・ケレンさん
(SUD・PPT専従役員)
労働組合の力の源泉は
民主主義と職場代表制
選挙権使うことから社会を変える
エルバ・ケレンさんプロフィール
エルバ ケレン 1959年、ブルターニュ生まれ。結成10周年を迎えた郵政全労協などの招きで来日。SUD・PPT(連帯・統一・民主郵便電信電話労働組合 88年結成)の専従役員。両親とも小学校の教師で、組合活動家だったので、幼いときから労働組合に馴染んでいた。結婚制度にお互い反対の17年連れ添ってきた女性との間に、11歳と8歳の息子がいる。月収11000フラン(約19万円)で苦しいが、14年前に無理してアパートを買ったので、何とかやっていけるという。ウィットに富む稚気あふれる闘士である。 [6月17日の大阪での講演とインタビューで構成/文・小寺山康雄]
無表情で不気味な日本人
でも、熱気あふる皆さん
日本に来てまだ一週間ですが、皆さんに会えて心強い。道ですれ違う日本人、とりわけ若い人たちは一様に無表情で、気味悪い。でも、東京・仙台で出会った人たちも含めて、少数でも頑張っている皆さんは熱気あふれ、志の高さが感じられます(拍手と笑い)。
ヨーロッパでは、とりわけ労働者やふつうの市民は日本のことをあまり知らない。政治や政党についての報道がほとんどです。たとえば中曽根政権の臨調行革については詳しく報道されたし、国鉄の民営・分割についてもよく知られている。しかし、それに対する労働組合や市民の反応については、ほとんど報道されない。ですから日本の労働組合に招かれて来日できたことを大変嬉しく思っています。
フランスでは考えられない
労働組合の規模による差別
事前にインターネットで日本の労働組合について調べました。それで分かったことは、日本では労働組合の規模の違いによって、資本家、経営者、政府の対応が異なるということです。
東京で国労と交流できたが、国労は明らかに差別されています。NTTや郵政の少数組合も差別されているのでしょうが、このようなことはフランスでは考えられない。そんなことをすれば、労働者はもちろん市民が黙っていません。
国労はILOに提訴しましたが、1回目の勧告は国労に有利でした。しかし、2回目は政府の主張が認められた。ILOには各国の労働組合の代表も委員として参加しているので、ぜひスウェーデンのLO(ナショナルセンター)に働きかけるべきです。私も、帰国したらLOに働きかけたい。
富と利便性の差別を
拡大する民営化
私たちの組合は電信電話部門と郵政部門が一緒に入っています。しかし、EU統合と新自由主義の攻勢が相まって、電信電話部門の民営化は完了し、郵便部門についても公社化から民営化への流れが始まっています。このあたりのことは日本とよく似ています。
電信電話部門は技術革新のスピードが速く、自動化が進んでいます。人件費の占める割合は2、30%です。民営化が比較的容易なゆえんです。そして寡占化と国際化がすすんでいます。近い将来、EU全体で3、4社くらいになるだろうといわれています。
それに比べて郵便事業は人間の労働に依存する度合いが高くて、人件費も70%を占めています。民営化のメリットは少ないと考えられてきました。
EUでは、北部と南部で郵便の民営化についての考え方が違います。人口密度の高い北部では効率が良いので、民営化しても採算が合います。しかし、人口密度の低い南部では公共セクターが担わねばなりません。
スウェーデンでは、民営化によって人員が20%削減され、料金が60%高くなりました。さらに同じ郵便物でも、都市と過疎地で料金が違うようになり、15円から300円の価格差が生じています。民営化とは、富と便利さの差別をますます拡大するものです。
銀行が狙う郵便局の
貯金とネットワーク
フランスでは、全人口の3分の1の人が郵便局に口座を持っています。賃金や年金も郵便局に振り込まれ、郵便局が発行する小切手やカードで物やサービスの対価を支払います。銀行が小口の客を相手にしないので、政府が法律でそのようにしてきたのです。
ところが最近になって、銀行が郵便局の貯金業務に目をつけ、郵便事業から貯金業務を切り離せと圧力をかけています。それだけでなく、全国17000(日本は26000)ある局のネットワークを銀行にも活用させろと迫っています。
そうしたこともあって、郵便局側も民営化に備え、競争力をつけるために労賃コストを下げようとしています。10年ほど前から、新採用は公務員として雇うのでなく、非公務員として採用しています。この人たちは同じ時間働いているのに、賃金は14%低く抑えられています。現在、50万人の郵便部門中8万人が非公務員労働者です。それによって年間6000億円コストダウンし、この3年間は黒字に転化しました。
私たちが88年にCFDT(共産党系のCGTに次ぐ、社会党系のナショナルセンター)から除名されたのは、郵便配送車の民営化に反対する闘争が契機でした。非公務員労働者の労働条件改善の闘いは、組合結成以来の原点ともいえます。。
組合の官僚化を防ぎ
民主主義の徹底のために
私たちもその一員であるSUDは、組合民主主義のために、専従は3年2期までにしていますが、なり手が少なくて最近3期までに改めました。3年に1回開かれる全国大会で執行部を選出しますが、50%以上をパリ以外の人、40%以上を女性としています。
週2、3回発行のビラには、職場の日常のこと、2週間に1回は移民、失業者、女性、環境問題など社会運動と組合活動の大筋についてのニュースレター、そして月1回12頁の新聞を発行しています。情報をできるだけ多くの労働者に伝え、みんなで議論することが重要と考えています。
非組合員も参加する職場代表委員活動は、もっとも重視しているものです。SUDの成長は、職場代表委員会活動を抜きにしてありえなかったと思います。SUD・PPTの職場代表委員選挙では、今やCFDTを抜きCGTに迫る票を得ています。この選挙の得票数に応じて、組合事務所の便宜や組合休暇(組合活動のための有給の休暇)の取得日数が決まります。昨年、私たちのパリ支部は6000人の職場で2100票獲得しましたので、2100日の組合休暇を勝ち取りました(感嘆の声、拍手)。
伝統も文化も違いがある各国の労働運動ですが、同時に同じ労働者として共通するところも多いはずです。私の話が皆さんのこれからの闘いに何ほどか役立てば、これにまさる喜びはありません(大きな拍手)。
ホテルのロビーでビールを飲みながら、ケレンにインタビューした。ワインの方がいいのではないかと奨めたが、昨晩の歓迎会で飲みすぎたのでと、断られた。
型通りに生年月日、家族構成から入ったが、二人の息子の写真を見せられた。女の子と見間違ったくらいエレガントなのである。息子の写真とケレンの顔を2、3回見比べながら「母親似なんだ」と、勝手に納得してつぶやいた。
通訳が律儀にケレンに伝えたものだから、ケレンはむきになって、より可愛い方を指さし、「こっちが俺の若い頃に似ている」と強弁した。それだけでは収まらず、「俺のSUDのジャン・ポール・ベルモンドと言われている」と、言った。「アラン・ドロンと言わないだけ分を知っている」と、返したところ、律儀の通訳がまたも余計な通訳をして大笑いになった。
11000フランでは生活は苦しくないかと、初対面にしてはつっこみまくった。アパートを買っていたので、平均8000フランの家賃を払わずにすんでいるが、それでも苦しいと、率直に語ってくれた。
続けて、聞いてもいないのに「今回の来日は普通の女性なら許してくれなかっただろう。彼女だから来られたのだ。むしろためらう俺を後押ししてくれた」と、てらいもなくのろけまくるのだ。
コーデイネーターの郵政全労協の活動家が、明日京都を案内して、清水焼のペア茶碗をお土産にするという。ぼくはそれより彼女に浴衣を贈った方がいい。ペア茶碗は、なぜか女性の方が小さい。それだけでフェミニストは怒るだろう。絶対浴衣だ、浴衣代の足しにしてくれと、ACTの外交機密費から1万円カンパしたのである。
ほぼ四半世紀も続いている不況。失業率12%、平均失業期間16ヵ月。平均月収20万円台。加えて10%を割る組合組織率。滅入ってしまったもおかしくない。
それでも自分たちの生活は自分たちの力で守るという労働者の自立性と、それに対する市民の共感。にわか変革の人への異常な依存心ばかりが高まるこの国こそ滅入るばかりである。
小寺山康雄
てづくり屋 (山梨)
*エコナプキン*
てづくり屋では、安全な衣(わら草履)・食(野菜・無添加保存食)や環境に負担のかからない物を製造・販売していきたいと思っています。その一つの環境グッズとして、『ムーン・タイム』という、無漂白布製生理用エコナプキンをつくり販売しています。無漂白布製生理用エコナプキンは市販の化学製品に比ベ、ムレ・かゆみ・かぶれなど気になることはありませんし、塩素漂白されていないので燃やしてもダイオキシンがでません。また、洗って3年くらい使えますので、経済的で女性の体と地球環境を守ります。
てづくり屋からの提案として、まず自宅にいられるときから使用してみませんか? きっとムレ・かゆみ・かぶれ等から解放され、すてきななムーンタイム(生理)を過ごすことができると思います。
私たちは、五月に自宅出産を無事家族と友人のみでむかえることができ、命・環境の大切さをなおさら感じています。てづくり屋では、すばらしい環境をすべての子どもたちに残せるようにできればいいなと思っています。
お申し込み・お問い合わせは、FAX・Eメール・お電話でお願いいたします。お値段は、大・中・小のセットで1500円(送料別)。また単品でのご注文も受け付けています。
江口 浩二
【連絡先】山梨県北巨摩郡須玉町下津金1748 てづくり屋 江口
TEL 0551-47-3920(FAX兼)
E-mail: tedukuriya@cieloni.com
http://www.cieloni.com/t.htm
ぱんやさん きのめ (長野)
*国産小麦と天然酵母パン*
東京から伊那に引っ越して15年、“きのめ”をはじめて10年目になります。はじめるときに、夢というか、思いがありました。「素材でかみごたえのあるおいしいぱんを焼きたい。“障害”があってもなくても一緒に地域のなかであたりまえに暮らせる場があったら…」
今思うと、「夢」って思い続けていると、思っている方向にいくんだなぁー、としみじみ思えてます。
ライ麦ぱん、さつまいもぱん、かぼちゃぱん、あずきぺったん、いちごパイ…。これらに使う素材は、きのめのスタッフが、有機無農薬で育ててくれています。そのほか、友人が、りんご、有精卵、山ぐるみなどを届けてくれます。
楽しくぱんを焼くことができて、本当に嬉しいですね。
一方、友だちからのつながりで、きのめは「障害」を持っている人たちが、来られる時間に集まってくる場所になっています。昨年には、精神保健福祉を考える市民の会「はらっぱの会」を立ちあげました。そして、集まってる人たちが「ほっとできる」スペースをつくろうと、きのめの隣に土地を借りました。いずれ、そこを喫茶店にし、おいしい定食を提供する場にしたいと思っています。もちろんきのめのぱんで! 来年の春には補助金がつくことを期待し、いま準備中です。
きのめでは宅配もやっています。電話かFAXでお申し込み下さい。
原 美千代
【連絡先】長野県伊那市大字伊那前橋町2002
TEL 0265-76-4375(FAX兼)
【行き方】伊那北駅より徒歩3分
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
@お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)
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