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俵義文さん(「子どもと教科書ネット21」事務局長)
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『軍縮』6月号……宇都宮軍縮研究所
『21世紀社会主義への挑戦』ほか……社会評論社
『創』6月号ほか……創出版
「新しい歴史教科書をつくる会」の実態を告発
俵 義文さん
(「子どもと教科書全国ネット21」事務局長)
戦争ができる国」めざす
あぶない教科書許さない
この3ヵ月が日本の進路を決める
俵義文さんプロフィール
たわら よしふみ 1941年、福岡県生。64年、中央大学法学部卒。出版社勤務。教科書労組共闘会議副議長、出版労連書記次長・教科書対策部長、マスコミ文化情報労組会議(MIC)教科書検定訴訟を支援する全国連絡会常任委員、労働者教育協会理事等を歴任。昨年、定年前に退職し、子どもと教科書全国ネット21の事務局長に専念。和光大学と立正大学の講師も務め、「つくる会」教科書問題での講演で多忙な毎日。今年3月から5月3日までの講演は全国75ヵ所。著書・共著書は多数。『ドキュメント・「慰安婦」問題と教科書攻撃』(高文研)は97年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)奨励賞受賞。近著に『徹底検証 あぶない教科書』(学習の友社)がある。
【連絡先】千代田区飯田橋2-6-1-201/TEL03-3265-7606/FAX03-3239-8590(同事務局)
kyokashonet@a.email.ne.jp
http://www.ne.jp/asahi/kyokasho/net21/ [構成:大島正裕]
――この4月、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)/扶桑社の中学歴史・公民教科書が文部科学省の教科書検定に合格しました。まず、この教科書の問題点についてお伺いします。
第一に、日本の侵略戦争と植民地支配を正当化している点です。第一次大戦以降、国際社会では、人類の課題として戦争を違法なものにする努力がつづけられてきました。そういう中で21世紀を迎えているにもかかわらず、この教科書は、戦争を美化し、子どもたちに「戦争してもいいんだ」という考え方を植えつける内容となっています。
日本は侵略戦争の中でたくさんの加害をおこなっていますが、従軍慰安婦についてはまったくふれられておらず、唯一ふれられている南京大虐殺さえも否定する考え方が述べられています。沖縄戦についてもその実態の記述はまったくなく、「ひめゆり」をはじめとして「お国のために勇敢に戦った」ことだけを強調しています。侵略戦争と加害の事実への反省がひとつもない教科書だということです。
第二に、「天皇を中心とした神の国」という歴史観を子どもに植えつけるために書かれた教科書だと言えます。いつの時代も天皇こそが最高の権威者だったという皇国史観が貫かれ、天皇につながる神話が数多くとりあげられ、あたかも歴史的事実であるかのように書かれています。
第三に、アジアへの蔑視思想が強調されている一方で、日本国家の優位性をことさらに強調していること。とりわけ、明治以降の日本近代を高く評価し、大日本帝国憲法を讃美し、教育勅語に至っては全文掲載されています。対照的に日本国憲法については否定的に描かれています。また、この教科書には民衆がほとんど出てきません。女性の歴史もほとんど出てきません。「女工哀史」も出てこなければ、女性参政権についてもほとんど出てきません。
この教科書の歴史や歴史教育に対する見方が最初の頁に出てきます。「歴史を学ぶことは歴史の事実を学ぶことではなく、当時の人がどう考えていたかを学ぶことだ」「今日の時点からみて当時のことを裁いたり告発したりすることではない」。歴史の科学性を否定し、それを物語として叙述する。これは、戦後の歴史教育、歴史教科書の到達点を全否定する考え方です。
――「つくる会」中学公民教科書の問題点は?
これは中学歴史教科書と一対のものです。公民教科書では、基本的人権を否定的にとらえて、逆に国益とか国家秩序というものを全面に出し、子どもに国家意識や国家への忠誠心を培わせようとするものです。ここでも旧憲法を高く評価し日本国憲法を否定し改憲論が展開されています。支援者のひとりである石原都知事も喜ぶほど自衛隊が前面に出され、軍備、日米安保、自衛隊を正当化し、しまいには日本も核武装が必要であることをにおわせるような書き方がなされています。
――戦後民主主義の三原則「主権在民」「基本的人権の尊重」「平和主義」すべてを否定しているわけですね。
そうです。公民教科書編集責任者の西部邁氏自身がそのような発言をしています。また、この公民教科書では性別役割分担の肯定、家事労働の奨揚、夫婦別姓の否定、家父長制の肯定など女性蔑視の傾向はさらに強まっています。
――4月4日の産経新聞では1面で「出来上がってみれば『普通の教科書』」とうそぶいていますが、とんでもない教科書ですね。
歴史も公民もともに「普通の教科書」ではありません。「つくる会」教科書は「戦争ができる国」をめざし、そのことを子どもに教えこもうとしているのです。
――高支持率の小泉政権ですが、9条改憲、靖国公式参拝といった右翼的傾向が見え隠れしています。こうした状況下、「つくる会」教科書の「採択戦」が始まっていますが、早急に対抗していくには何をすべきでしょうか?
自民党総裁選で私が注目したのは、総裁候補四人とも、「つくる会」教科書を支持したこと、そして靖国公式参拝を4人が競い合って公約に掲げたことです。小泉首相を含め四人とも「つくる会」と同じ歴史認識であると同時に、それを公約にしなければ総裁になれない自民党全体の歴史認識がよく現れています。
不況が長期化し先行きが不透明な時代にファシズムが台頭するというのは歴史の教訓ですが、小泉内閣の高支持率や石原人気、「つくる会」教科書の検定合格などにも、その萌芽がみられます。これらの危険な動きに対して、警戒心を持って注視していかなければなりません。
「つくる会」は、全都道府県で10%、計15万冊以上の採択を目標に掲げて、政治家による圧力を使い、違法行為までおこなって、自治体議会や教育委員会に教科書採択を働きかけています。もちろんこのような教科書は一冊たりとも学校教育の現場に入れてはならないのですが、仮に10%近くの採択が現実のこととなったとして、私は次のような点を非常に危惧します。
まず、日本の子どもたちが歪曲された歴史認識を持つようになり、自国中心主義的な内向き志向の子どもが育つということです。この21世紀に最も重要な「アジアの人びととの共生」が不可能になってしまいます。
アジアの人たちからの日本人に対する不信感は、いっそう強まるでしょう。今は検定を合格させた日本政府が批判され抗議を受けていますが、各地で教育委員会に採択を許すことになれば、今度は日本人自身がアジアの人たちからの批判の対象になるのです。
21世紀の早い時期に、憲法前文にある「国際社会で名誉ある地位を占める」ようになるためには、こういう教科書を絶対に許してはなりません。とにかく「子どもに渡すな、危ない教科書」という大きな世論を創りましょう。そのためにも各地で「つくる会」教科書の採択反対の声を大きくしていきましょう。
来年度の教科書が採択されるまでの5〜7月の3ヵ月間が、今世紀前半の日本の進路を決めます。
息絶え絶え、もう一押しでお陀仏になりかかっていた自民党が、変人・へらず口同盟の登場で息を吹き返した。
辛うじて一命をとりとめたばかりか、内閣の支持率は80%をこえ、史上最高。自民党支持率も10ポイント以上上昇し、30%台に復帰した。嵩にかかって、衆参同日選挙を呼号する勢いである。
小泉・真紀子同盟の勝利は一にも二にもマスコミのたまもの。マスコミは、不偏不党・公正中立のたてまえはとっくに投げ捨て、臆面もなく自民党広報役を買って出た。
ぎんぎらぎんのポマード頭は金権腐敗の守旧派、吉田茂の孫とやらは傲慢なとっちゃん坊や、警察あがりの柄の悪いのは没知性派、引き立て役も申し分なし。
いつの間にか変人が変革の人に変身し、日本を変えるには自民党を変えねばならぬ。自民党を変えるのは、脱派閥の小泉をおいて他にない。論理ぬきで煽りに煽り、稀代のアジテーターがボルテージをあげた。中味などどうでもよい。絵になることしか頭にない頭の弱いマスコミが、連日、二人に密着し、ヒトラー・ゲッペルスのデマもかくやとばかりにデマをまき散らした。
2世どころか3世議員。異端どころか毛並みの良さで若くして大臣になり、いまや総理総裁派閥の大番頭。日陰育ちのひねくれ者どころか、どこかの大監督同様、陽の当たる道ばかり歩いてきた。
弱者救済が旗印の没知性派の弱者とは、ゼネコンのおこぼれに群がる地元土建業者の謂にすぎぬから「改革なくして経済再生なし」のスローガンがさももっともらしい。厚生大臣時代に医療費を大幅値上げしたように、改革とは弱者切り捨てのことだ。
何を変えるかといえば、靖国神社参拝を定常化し、憲法9条を変えるタカ派的変革の人。今回で味をしめ首相公選制も狙っている。つまり新自由主義・国家主義の道をひた走るといっているのだ。
不況は現状からの脱出意識を促すが必ずしもいい方向に向かうのではない。むしろ石原慎太郎、小泉純一郎の如き右翼ポピュリストへの待望に向かっている。私たちは正念場を迎えている。
小寺山康雄
れんげや (東京)
*素敵な自然食屋*
先日、こんなことがありました。
韓国の古い友人から久しぶりに電話があって、彼は家族を連れて日本に留学していて、現在は韓国の大学で政治学を教えています。「今、学生たちを引率して日本にいるのだが、“れんげや”に何人か連れて行っていいか?」というので「もちろん大歓迎だよ」と答えたものの、このときはよく事情をつかめませんでした。
果たして、彼は4人の学生を連れてきました。彼ら彼女らは、とても誠実で素朴で、とても気持ちのいい時間を過ごすことができたのですが、実は、こういう事情だったのです。
友人は学生17人を連れて「日本視察ツアー」に来ていたのですが、その日が最終日だったので3つのお楽しみコースを提案したのでした。そのコースはディズニーランド、横浜、そして「れんげや」だったんです。友人は「4人しか連れて来れなかった」と申しわけなさそうでしたが、ぼくとしては、このコース設定の中から、よくぞ4人も来てくれたもんだと感激しました。
後日、友人たちの評価は「いい選択をした」というのと「物好きだよなぁー」と当然のように二分しました。
「れんげや」はよく町にある、普通の自然食屋です。でももう18年も続いています。こんな「安いことが正義」だという時代に、1200円もする醤油を売りながら…きっと不思議な人たちに支えられているんでしょう。
土曜日だけレストランもやっています。お近くにお寄りの際はぜひお越しください。
三浦 明人
【連絡先】東京都世田谷区南烏山5−1−14
TEL 03-3326-5085 FAX 03-3326-5091
rng@t3.rim.or.jp
[営業時間] 午前10時〜午後7時(日曜日休み)。
土曜日はレストラン営業(玄米定食800円)
水曜日は7時15分〜8時45分に英会話教室。
【行き方】京王線 千歳烏山東口徒歩5分
まほろば (東京)
*健康のための自然農場*
健康で長生きしたいと誰でも願っています。また、自分の家族、友人、皆が元気で過ごしているとほっとします。ですが、ストレスがたまる、子どもがキレる、体調が思わしくない、入院したなどと聞くと、暗い気持ちになります。自分が手伝えてあげらたら……。そんな気持ちで自然食品の店を始めて6年になります。
心の健康、体の健康を取り戻すには、質の良い食品を摂ることをお勧めします。質の良い食物とは、化学物質を含まない自然の恵みを受けて育った強い食物です。
なぜ化学物質(農薬・化学肥料・食品添加物・薬・合成洗剤など)が悪いかというと、これらはもともと自然界に存在しないものなので、体の中から排せつするのが困難で、肝臓・腎臓・血液中にたまり、人間の持つ機能を低下させ、病を引き起こします。
生命力の高い食物とは、われわれの先祖が何千年の間、命の糧としてきた米、それもできるだけ未精白の胚芽のある米を中心に、穀類・豆・野菜・発酵食品・良い塩・海藻・味噌・醤油・漬け物(いわゆる日本人の伝統食)。これらをきちんと食べて、動物性食品・精白された砂糖はなるべく減らしたらいいと思います。
簡単ですが、元気が出る食物の提案をさせていただきました。
国分南王子
【連絡先】大田区大森北5-1-2
TEL 03-3768-5275
※この欄に登場してくださる「Ecoひいき」なみなさんを随時募集しています。自薦他薦問わず。@お店・グループ名、Aお店の紹介や活動案内(五百字以内)、B連絡先、交通手段、C執筆者氏名、D掲載紙送付先、原稿に関する問い合わせ先を明記し、Eメール、FAX、郵便でACT編集部までお送りください。できれば、地図、写真を添付してください。(編集部)
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