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『ACT―市民の政治―』140号(2001年2月26日)

Line Up

  ◆辛口レビュー  東ティモールでNGO活動
     越田清和さん (PARC国際協力部長)
  ◆CATCH UP   ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆ノリが獲れない! 有明の海でいま何が起きているか
                   増本亨(佐賀県議)
  ◆日の出の森・トラスト運動―その後
  ◆2・10-11 非核・平和条例を考える全国集会inヨコスカ
  ◆観察から始まる自然保護 A「環境優先社会」実現と運動の方向性」
  ◆市民派議員リレートーク  丸山美子(東京都檜原村議)
  ◆2・3-4 虹と緑の500人リスト 第4回政策研究会in佐賀
     提言 「虹と緑」は何をめざすのか  橋本久雄(小平市議)
     学生参加者の意見  佐々木允(龍谷大学政治学科)
  ◆茨木市議選 桂睦子さん9位当選!
     わかもの魅きつける桂睦子のカリスマ性  小寺山康雄(編集長)
     素人たちの大奮闘記  尾辻かな子(大学生/議員インターン生)
  ◆ECOひいき @茨城・たまごの会
           A埼玉・炭人〜すみびと
           B東京・ふろむあーす
  ◆経済ウォッチング(11) 外国人労働者問題への視座
  ◆かわたなつみの英国Eco留学日誌 Aジュビリーとの出会い
  ◆BOOK Review 『幼稚園バス運転手は少女を殺したか』
               小林篤 著(草思社//2200円+税)
  ◆広告(3面) さつき印刷
           『火野葦平論』・『グローバル化と女性への暴力』……インパクト出版会
           『労働社会主義と労働時間短縮』……労働者の力社
           『創』1・2月号ほか……創出版


辛口レビュー

東ティモールでNGO活動
 越田 清和さんム
(PARC国際協力部長)

民衆自らの手でおこなう
“国づくり”をお手伝い

独立に向けたワークショップを開催

越田清和さんプロフィール
こしだ きよかず 札幌生まれ。札幌で反差別・反原発などの市民運動に関わる。1990〜92年までフィリピンで先住民族アエタの支援・調査をおこなう。93年よりPARCに入り、ODA改革ネットワークや債務帳消しキャンペーンなどに参加。
                                   【構成/加田斎・奥山妙子】


 1999年8月に住民投票で独立を決めた東ティモール。現在は国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のもと、憲法制定や独立へ向けての準備が進んでいる。
 PARC(アジア太平洋資料センター)は、かの地に紛争当初から入り、継続的な支援を行なっている。現地に駐在している越田清和さんがこのたびいったん帰国したのを機に、現在進められている国づくり≠フ様子についてうかがった。 

 ――新聞などでは、復興はかなり進んでいるとの話ですが、実際どうなんでしょう?

 首都のディリでは、まだ壊れた建物もいくつかありますが、スーパーマーケットなどがずいぶんできましたし、車もたくさん走ってます。
 でもそれらは、外国人がたくさん入ってきたことによるものですから、いってみればUNTAETバブルみたいなもんですよね。現地の人たちの仕事も、UNTAETとNGOの関係のものがほとんどで、あとは公務員くらい。
 完全な独立となって、UNTAETやNGOが去った後どうなるかは、まだ分かりません。経済格差が広がっていくことも充分考えられます。

――PARCは、住民投票以降、ずっと復興のための活動をされてるんですよね。

 最初に日本各地の市民やNGOに呼びかけて東ティモール市民平和緊急支援プロジェクト(PPRP)というのを結成して医療支援や食料・農業支援活動を展開してました。東ティモールが復興段階に入ったということで、昨年春にこれが解散して、PARCが独自に「PARC東ティモール市民平和再建プロジェクト」を立ち上げたんです。

  ――そのプロジェクトの内容というのは?

 活動拠点はリキサ県というディリに近い地域なんですが、ここで小学校の再建・改修工事に携わっています。主には屋根の修繕ですね。ODAを取得して、ユニセフの協力で事業を進めています。リキサ県では多くの学校に火がつけられ壊滅状態だったのですが、現在、40校中15校で作業が終了しました。
 とはいっても、まだ椅子も机もない状態ですから、授業は、床の上でワイワイやってるだけのようなところもあります。特に1年生は、何度もやり直している子がたくさんいることもあって、ホント賑やかですよ。なにしろ小学生の半分は1年生ですから。
 教科書も、インドネシアで出版された教科書の表紙を変え、冒頭に「東ティモール民族抵抗評議会」(政府の母体となる独立派統一組織)の議長シャナナ・グスマオが書いた前文を入れたものを、昨年末に配布しました。

 ――小学校の修復にこだわった理由があるんですか?

 もちろん、1日も早く子どもたちに教育を受けてもらいたいということがあるんですが、もうひとつ、学校を使ってワークショップをやりたかったんです。

 ――ワークショップ?

 簡単にいうと、村単位でつくる「未来を話し合うための場」ということですかね。村を担っていく老若男女を集め「村の問題」や「NGOに何を求めるか」といった議題で意見交換するんです。
 実はまだ数回しか実施してないんですが、正直まだまだ思うようにはいっていないのが現状なんですよ。というのも、やはりインドネシア時代は対等に話し合う習慣がなかったので、どうしても年長の男の人ばかり発言するんです。それにNGOっていうと「何かを持ってきてくれるもの」と思っているところがあって、「○○が欲しい」といった意見が多いんですよ。
 「自分たちの手で何ができるのか」を話し合ってもらうには、まだまだ時間がかかりそうですね。

――「国づくり」の基礎の部分を固めるということですね。

 まぁ、そうですかね。たとえば、これから憲法制定議会とかが組織されるわけだけど、その憲法にしたって、本来なら下からつくっていかねばならないものです。このワークショップで草案まではいかないまでも、せめて村レベルの希望くらいはまとめて提出したい気持ちがあります。
 そういった試みを他でもどんどんやっていけば、国連からの「お仕着せの国」ではない「自分たちの国」を「自分たちでつくる」という意識が高まってくると思います。
 国の方向を決めるのは、やはり現地の人たちです。ぼくらはお手伝いするだけ。早く去るべきだと思っています。 ―情報が民衆に行き渡れば、少しずつ変わってくるんじゃないですか?
 もちろん、このワークショップは前提として、情報を共有するという意味もあります。新聞が二紙と週刊誌が1誌発行されるようになりましたが、まだ東ティモール全体で輪転機が一台しかない状態です。テレビは普及してませんし、ラジオ放送は数局が流しているだけです。

 ――個々人の意識もそうですが、状況として、独立への道筋は順調なんでしょうか?

 UNTAETは今年中に統治・独立を確立するようなことをいっていますが……うーん、ちょっと無理だろうという気がします。
 何しろ選挙については、日程さえ正式には決まってないんですから。まして、具体的な中身についてとなると…。 また、インドネシアとの関係でいえば、国軍が支援しているといわれる西ティモールのミリシア(民兵)の問題はもちろん、住民投票後に起きた争乱についての真相究明などが進まないと、関係回復は難しいでしょう。一方、UNTAETは復興や開発には力を入れてますが、インドネシア軍への国際裁判手続きなど、人権問題の解決には及び腰といった印象があります。

 ――やっぱり一つの国が完全に独立するとなると一朝一夕にはいきませんねぇ。

 ぼくらNGOからすれば、確かにいろいろ大変ではありますが、それはそれで楽しいですよ。現地の人は、親切で明るい人たちが多いですしね。まぁ、のんびりし過ぎているところもありますが(笑)
 PARCでは、8月にスタディツアーを開催するので、ぜひ参加してください。

★東ティモールの子どもたちに、机と椅子を贈るための募金を募っています。ご協力お願いします。
   《郵便振替 東ティモール市民平和再建プロジェクト 00140-8-536957》


いずみ

 梁官洙(ヤン・ガンス)がとうとう韓国に帰った。本紙にたびたび寄稿し、「辛口レビュー」で南北首脳会談をコメントしてくれたので、読者もご存知だろう。
 1950年、朝鮮戦争勃発の年、全羅道珍島で生まれた。珍島は、朝鮮半島では済州島に次ぐ大きな島だが、ソウル大学に入学したのは梁官洙が初めてである。ソウルに出立する日は、村長以下村をあげて見送り、ご両親は鼻高だかだった。
 長年にわたって虐げられ差別されてきた全羅道の人たちにとって、梁官洙はソウルや慶尚道の奴らを見返す期待の星であり、郷里の英雄であったにちがいない。
梁官洙は期待を裏切らなかったが、人びとが期待した方向ではなく、朴正煕独裁政治と闘うことで韓国の無告の民の思いを受けとめた。そして数度の入獄、退学処分のあげく、80年の光州蜂起を経て、82年に婚約者の在日韓国人、金恵栄(キム・ヘヨン)さんを頼って日本に来た。金大中政権が誕生するまで韓国の旅券はおりず、でっちあげで指名手配されるなど事実上の政治亡命であった。
 日本語はまったく解さず、ハングル世代であったので漢字も不自由だったが、在日19年で日本語で書かれた著書は5冊。論文、訳文は数十にのぼる。研究者としての業績は申し分ないが、梁官洙の本領は社会運動にいかんなく発揮され、数百人の交友録をもつほどである。
 生一本とは、梁官洙のためにある言葉だ。怒るときは満面朱に染まり、ぶ厚い胸をまるでゴリラのように叩く。笑い、喜ぶさまは幼児のごとし。泣き顔は見たことないが、恵栄さんに言わせると、父親が亡くなり、葬式に行けなかったとき、髪をかきむしり地を打って号泣したという。
 斗酒なお辞さず、酔って乱れることなし。韓国演歌は、よほど興に乗らねば歌わないが、艶があり声量豊かな♪夜霧よ今夜もありがとうは、裕次郎より数倍も泣かせる。
 ふたつの文化に通じる梁官洙は、日本と韓国を比較考証することで、独特の観察眼をもっている。両国に新しい架け橋をかけるにうってつけの人物である。親友と離れる寂しさは耐え難いが、好漢の前途に幸あれと祈る。

                                          小寺山康雄


ECOひいき

たまごの会 (茨城)
 *美しき風景の中で*

 山と森と田園に囲まれた静かなところに、私たちの農場があります。26年前に、都市住民(消費者)が土地を借りてつくった農場です。
 この農場には、当時大学生だった人たちが設計して建てた木造の宿泊施設があります。現在、会員外の人たちには、1泊2食を3千円で利用していただいています。
 26年あまり、無農薬・無化学肥料でつくり続けてきた畑の野菜と、ヒヨコから育てて牧草をふんだんに食べている鶏の卵、それにやはり子豚から育て上げたヨークシャー、バークシャという種類の豚のお肉。このおいしさを堪能していただきながら、八郷の美しい風景に、心も体も休めていただきたいと願っています。
 農業の現場を見ながら、子どもたちの心にも自然を愛する気持ちと、食べ物への感謝の気持ちを育てる種を撒くことができるのではないかと、未来へ向かって願うものです。 

                                             和沢秀子

【連絡先】茨城県新治郡八郷町柿岡1297
     TEL 0299-43-6769
     cds38510@syd.odn.ne.jp
     http://www2.odn.ne.jp/~cds38510/

 

炭人〜すみびと (埼玉)
 *炭・木酢液・カブトムシ*

 埼玉県小川町で、里山が元気になることを願いながら、一人で木を切り、炭を焼いています。
 菊模様の美しいくぬぎ・なら茶道炭、飲料水・炊飯・入浴用のなら炭、高級丸炭、竹炭、床下調湿炭などの炭と土の窯から取り出した良質の木酢液、竹酢液、また、飾り用の菊炭・竹炭、竹炭ビーズやそれを使った手づくり竹炭アクセサリーや竹炭風鈴などなど。さらには山に育ったカブトムシ幼虫の産直も行っています。見学・体験歓迎いたします。
《注文方法》
 直接来ていただくか、電話またはEメール、またはホームページからもご注文いただけます。

                                             安部敬太

【連絡先】埼玉県比企郡小川町靱負(ゆきえ)1001-1
      TEL 090-1991-1691(昼)
      Email:sumi-bito@nifty.com
      http://homepage1.nifty.com/sumi-bito/
【行き方】東武東上線東武竹沢駅より徒歩7分
      関越道東松山インターより寄居方面に約16キロ約20分。

 

ふろむ・あーす (東京)
 *フェアトレード&エコロジー*

 フェア・トレード&エコロジーをテーマに、アジア・アフリカ・中南米などの人と環境にやさしい、生産者の顔の見える商品を販売するお店として1999年にオープンしました。10団体以上の国際協力NGO/フェア・トレード組織を通し、約30ヵ国、100近い生産者団体から、自然素材と伝統を活かしたていねいで温もりのある手作り商品を取り寄せています。
 オーガニック・コットン製品、無農薬コーヒーなど、環境に配慮したものがほとんでです。そのほかにもエコせっけんやナチュラル・コスメ類やネイティブ・アメリカンのアクセサリー類、アボリジニーの楽器などなど、狭い店の内外に所狭しとさまざまな商品が並んでいます。
 消費者の声をすぐに生産者に届けることができ、そのことを次に創られる商品に生かせることは、とてもいいことだと思います。また、発展途上国に対して、単なる援助ではなく、継続した仕事をつくりだしていくことこそ、大切なことだと思います。
 フェア・トレードに興味のない人も商品の魅力だけで気軽に買い物でき、そのなかでフェア・トレードや環境問題について興味を持つ人が何人かいればいいと思っています。

                                             藤田康祐樹

【連絡先】東京都世田谷区三軒茶屋2−13−11(エコー仲見世商店街内)
      TEL 03-3414-3545
【行き方】東急田園都市線三軒茶屋駅(世田谷通り出口徒歩1分)
      http://www.sangen-jaya.com/from-earth


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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