■[トピック] |
◆辛口レビュー
木頭村からの発信 日野雄策さん(日の出の森・トラスト運動共同代表)
◆CATCH UP ◆いずみ(編集長コラム)
◆〈辛口レビュー関連〉 木頭村通販
◆千代田区区長選 坂本起一さん善戦!
◆5・3憲法集会in東京―21世紀は統一行動!
◆箕面市長選をめぐる論争について 小寺山康雄(編集長)
◆観察から始まる自然保護 @次世代に伝えるために
◆不定期連載・OLのつぶやき(2) 「端女」から見た会社の身分制
◆介護保険がやってきた(8) 競争原理導入だけでは質は上がらない
◆労働者協同組合ってなに?
島村博さん・岡安喜三郎さんに聞く
◆ゲバ太の怒り!(12) 成人式のバカ騒ぎ
◆議会運営調査報告〜三多摩27市3町1村を比較
橋本久雄(市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク/小平市議)
◆市民派議員リレートーク(21) 木下克利(東京都青梅市議)
◆速報 茨木市議選・桂睦子さん上位当選!
◆ECOひいき @千葉・風楽 A神奈川・APA KABAR
◆旅 2000年の田舎(12) 淡海の幸
◆欧州短信「緑の党・リピエッツ氏 ニース首脳会談を酷評」
◆BOOK Review 『政治的エコロジーとは何か?』
アラン・リピエッツ・著 若森文子・訳(緑風出版/2000円+税)
◆広告(3面) さつき印刷
『軍縮』3月号……宇都宮軍縮研究所
『記録』2月号……株式会社アストラ
『創』3月号ほか……創出版
小さな村からの発信
日野 雄策さん
(GAIAネットワーク/鰍ォとうむら専務取締役)
伝えることと売ることをリンク
「政界のエコロジーショップ」
を全国展開するのが目標です
日野雄策さんプロフィール
ひの ゆうさく 1957年島根県生まれ、広島で育つ。89年、神田にエコロジーショップGAIAを設立(現住所・千代田区神田駿河台3-3-13*03-3219-4865)、エコロジー事業のコーディネーターとして全国を行脚する。現在はダムを止めた村(2000年10月、細川内ダムの中止決定)・徳島県木頭村の村おこしに専念。昨年12月『エコロジーショップ 本日開店』(ほんの木)を出版した。四月にオーストラリアで開催されるグローバル・グ
リーン世界大会への参加に意欲を燃やしている。
【構成/清水直子】
――GAIAを立ち上げてから12年、この間の社会の流れをどう見ますか。
エコロジーという考え方がひろまった反面、言葉だけが一般化して中身が薄っぺらくなりました。十二年前、マスメディアの間で原子力発電所に触れることはタブーでしたが、いつの間にかゴシップの間に原発事故のニュースが流されるようになった。情報だけは出してガス抜きをするけれど問題の所在を曖昧にします。おかげで、その先の恐怖感への想像力が失われた。
――日の出処分場のニュースの後にも、「ごみはみんなの問題です」といいますね。
ごみは製造者の問題なのにね。戦争は悪いと言いながら武器をつくる企業の責任を問わないのと同じ。与える側が一方的に強い経済の仕組みのもと、川下の消費者にリスクを負わせ、川上は旨い汁を吸っていることの反映です。この経済のつくり直しを生活手段を変えることから始めるのがエコロジーショップです。
――木頭村の村おこしに取り組んだきっかけは
これまでの活動を通じて僕は、エコロジーを軸に経済を活性化できるという方法論を持つようになりました。そこへ、九九年に木頭村の第三セクター・「きとうむら」の建て直しをしないかという話がきたのです。ダムに頼らない村をめざして事業を始めたところ、組んだ企業に騙され、経営が破綻していました。
ここで経済の活性化が実現できなければ、僕自身の理論も都会だけの話になってしまう。田舎ではエコロジーなんて通用しない、やっぱり公共事業だと言われてしまうと、この社会はどうにも変えようがなくなってしまう。
当時、月の売り上げは200万円程度でしたが、就任2年目で年商1億円に達する見込みで、やっと軌道に乗り始めました。それができたのもダム建設に反対して自然を守ろうとした村の取り組みと、それに共感して支援した都会の人がいたからです。「美味しいから継続的に買」うと言ってもらえる商品をめざしています。
――現在の木頭村の状況はいかがですか?
ダム問題をめぐって村が一つになれません。原発でも同じですが、公共事業が地域に無理矢理入り込むとき、大量のお金が用意される。それまではこの村を何とかしなければと、まとまっていた村民に、お金をめぐって感情のもつれが生じてしまうのでしょう。行政の圧力もあるようです。
――「きとうむら」の売り上げが4倍近くになったということですが。
木頭村の村民総生産が約23億円程度。そのうち80%程度が公共事業で、3、4億円が農業やその他の産業だと言います。その中での株式会きとうむらの一億円はそれなりの割合ですが、まだまだこれでは立ちゆきません。
公共事業がないと村は食べていけない。木頭村だけでなく全国の山村が同じ問題を抱えています。これは政治の問題です。戦後、高度経済成長を目指し、食糧自給率を下げてでも工業を発展させ、田舎の若者をどんどん都会に連れ出した。村では高齢者が残され、バスの本数も減り、インフラもなく、農地が崩壊した。
結局、ダムなど土木事業で環境を破壊することによって村を成り立たせるしかなくなるのですが、その土木事業を通じて、自民党にあぶく銭が入っていく。その金がばらまかれて票が集められ、次も自民党議員が当選する。この仕組みのままでは、都会の人間は、帰る農地もなくなり、ポストハーベストにまみれた輸入作物や遺伝子組み替え食品を食べるしかなくなります。
公共事業が全部悪いのではない。有機農業を育て環境を保護するなど、土木事業の公共事業に代わる公共的投資はあっていいのです。ドイツでは、環境保護的な農地の面積に対して補助金があります。日本は収穫した米に対する米価補助をしますが、ドイツでは収穫量が少なくても、農地をエコロジカルに保っていればやっていけるし、そこで収穫した農作物も市場で競争できるのです。
――権力を握る者に金が流れる仕組みを変えるには。
国の予算をオルタナティブな方向に流す政策と、公務員が机上の書類処理でなく現場を把握し対処するようになる必要があります。それらを実現するためにも、政治家が変わらなければ。既存の利益構造維持でない、提案型の政治家を増やすべきです。
――2000年7月の衆議院議員選挙で、日野さんが東京一区で、自由連合から立候補したのは意外でした。
詳しくは私の本を読んでいただければお分かりになるかと思いますが、自由連合から供託金を用意するから出ないかと言われ、ダムや原発の問題を訴えるパフォーマンスとしてやりました。自由連合というマイナスの風の中、3118人が僕を支持してくれ、驚きと同時にこれは真剣にやろうと思いました。今年の参院選は、エコロジーとエコノミーの調和を理念とした新たな政策ネットワークを作りたいと考えています。
――過去の選挙の教訓を踏まえ、緑の政治勢力に必要なことは何だと思いますか。
主張を明確にする必要があります。エコロジーがどの政党でも言われ始めましたが、エコロジーというのは、生態系の維持。その上で手段を問いかけるのです。目的は皆同じことを言い、どれが本当の緑か分からない中、際だって輝く緑になる鍵は、海外とのリンクです。宇宙から地球を見る価値観が必要です。
グローバルグリーンの世界大会に参加した結果を持ち帰り、それを高齢者に分かりやすい言葉で、若い人も興味を持てる見せ方をしつつ、次の参院選で緑の主張を明確にした選挙のマーケティングをしたい。その結果が、今後、緑の政治的な動きをする人たちの指針になればいいですね。
エコロジーショップは、伝えることと売ることがリンクしているけれど、選挙も伝えることが票に結びつく。興味のない人にいかに伝えられるかが勝負です。通りを歩いている人が、ふっと入りたくなるお店のような、政界のエコロジーショップを全国につくること。それが選挙における僕のテーマです。
20年にわたって、ボクを呪縛していたジンクスからようやく解き放たれた。5泊6日も応援にかけつけたのに、むっちゃんは勝った。それも九位。上位当選である。
5泊6日というと、朝早くから夜遅くまで働いたのだと思われるだろう。ところが告示日こそ、まあ早くからかけつけたものの、あとはみんなが出払ってから顔を出し、夜こそ遅くまでいたが、飲み屋が閉店する時刻にはあたふたと帰る。日中は原稿書きや講演のレジュメづくり、選挙に不可欠の肉体労働はポスターの張り替えを一度やっただけという体たらく。にもかかわらず、でなく、したがってむっちゃんは当選した。ぼくがやらない方が勝つジンクスはやはり生きていた。
マスコミの予測もあって、応援に来た人は「こんなことで勝てるだろうか」と、誰もが心配した。電話かけもしないものだから、事務所には1台しか電話がない。それすら1日かかってくる電話は数えるほど。深夜までやっている地元のお好み屋のおばちゃんは、現職なのに名前すら知らなかった。もっともおばちゃんは投票日前日に「頑張ってネ。私は入れるから」と言ってくれた。飲んだくれでも役に立つのである。
むっちゃんが妊娠しているというので、ゴロ新聞が「不倫か」と騒ぎ立てた。関西テレビは「シングルマザーの議員誕生」と、まともな報道をしたが、何も聞かされていなかった父親はそれを見て激怒し、むっちゃんは勘当された。
公報・政策パンフで訴えなかったのはなぜだか知らないが、街頭と個人演説会ではシングルライフを堂々とアピールした。父親の反応は、この年齢の人としてはけっして特別のものではない。むしろふつうの市民の常識的感覚であり、価値観である。
むっちゃんの挑戦は父親だけに向けられたのではなく、世間の常識への挑戦でもあった。次号で紹介する2人の若者は、むっちゃんの政策よりも、そうした生き方そのものに感銘、共鳴し、事務所に入り浸って手伝ったくれた。
むっちゃんの勝利は「静かな革命」の予兆かもしれないのである。
小寺山康雄
風楽 (千葉)
*アジアの服と自然派雑貨*
自主保育を始め、生協活動や親子劇場、ミニコミ発行など、子育て中だった私はとにかく社会との接点がほしくて、貪欲なまでに何かできることはないかと動き回っていた。母親としてだけでなく、一人の女としての自己実現の場が欲しかったからだ。
手当たり次第(?)できることをやっていくうちに、いつのまにか子どもたちは大きくなり、私も40歳目前に。ようやくアジア、女性、自然…など自分のやりたいモノがぼんやりと見えてきたときだった。女一人、どうせ仕事をするのであれば、メッセージを贈れるような、そして、自分にしかできないことをやってみたいと思い、『風楽』という店を創った。
フェアトレードをはじめとするアジアの服や雑貨が中心で、自然食品や石けんなども少し置いている。キーワードは「気持ちのいいもの」。
ところが、いざ始めてみたら、人通りの少ない場所にあるため、お客さんが誰も来ない日が何度もあった。立地の悪さはソフト面での充実で乗り越えられると信じていたが、来客数が少ないというのは何をやってもネックになり、経営の難しさを痛感。
そこで、店売り以外にもギャラリーを借りての展示会や、イベントなどへの出展、他の商品への委託なども始めた。
少しでもセンスが光って、オリジナリテイーあふれる商品がほしい。そのために、年数回、東南アジア中心に買いつけに出かけるようにもなった。現地ではNGOの生産現場を見てまわり、人びとの生活している写真を撮り、そして店やギャラリーでは、自分の見てきたことを話すようにしている。商品のつくられる背景を商品とともにお伝えしていく、メッセンジャーの役割ができたらと思っている。
アジアの女たちがどんな思いで織ったのだろうかと思うと、私は織物から目が離せなくなってしまう。そんな手仕事のすばらしさをこれからもご紹介していきたいと思っている。
毎月、民族音楽のコンサートをやってます。ぜひ遊びに来てくださいね。
川端栄子
【連絡先】千葉県印旛郡酒々井町東酒々井1−1−374
TEL 043-481-6900(FAX兼)
earthwind.eiko@nifty.ne.jp
APA KABAR[アパ・カバール] (神奈川)
*リサイクルショップ*
当店は「古き良き物を大切に」をテーマとして、古着を中心に古本、第三世界の雑貨、日本の古い家具などの販売を、若い世代を中心に行っております。
なぜ若い世代を中心なのか? 最近では街中にリサイクルショップが立ち、次から次へとモノが循環し始めてはいますが、若い世代にとってリサイクルショップというものに、あまり良いイメージがないように思われます。
若い人たちは、とても敏感で流行に流されやすいのは確かですが、本当にいいと思って探し出したものは、いつまでも大切に持っていてくれます。それが穴のあいているジーンズだったとしても、ボロボロの椅子だとしても。
そして買ってくれたときに一言、自然を大切にしよう!!と声をかけてあげると、かっこいいと思って買っただけのシャツが、実は環境問題ととなり合わせにあることに気づいてくれるのです。
若い世代から意識改革をしていくこと。かっこいいリサイクルショップをつくっていくこと。リサイクルショップに若い世代が溢れるようになること。
少しずつでもがんばっていこうと思っています。お店の方にも遊びに来て下さい。
小泉壱徳
【連絡先】神奈川県厚木市旭町4−3−13古郡ビル1F
TEL 046-227-1982
FAX 046-227-1984
ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
@お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)
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