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ものづくりニュース

5月18日(木) 日本の職人展 @ジェイアール京都伊勢丹9階催事場

5月18日、JR京都伊勢丹9階催事場でおこなわれている「日本の職人展」に行ってきました。全国各地から、40人以上の職人の方が集まってきて、各地の個性あふれる伝統工芸品、その技を披露されていました。


催事場は4つのエリアに分けれられていました。
「ゆとりの名品」、「染と織」、「和の飾り」、「暮らしの中の傑作」。
それぞれの中から、気になったものを紹介します。

「ゆとりの名品」には、熊本からひょうたんの工芸品を出店されてる方がおられました。
ひょうたんというと、あの独特の曲線がいいのですが、従来のひょうたんだけではなく、その曲線をうまく利用してデザインされた花瓶や、飾り物が展示されていました。一見、ひょうたんとは思えないようなおしゃれな感じでありながら、和の落ち着いた雰囲気を持っていて、すごくよかったですよ。

「染と織」では、やはりきもの関係に目がいってしまいます。
京友禅や東京手描友禅といったものははやり美しいですね。
また、昔ながらの素材を生かして、洋服に仕立てて出されてる方がおられるのもすごいなぁと思って見ていました。

「和の飾り」では、高知から、土佐和紙工芸をもってこられてる方がおられました。
そのなかに、きれいな染和紙で表紙を作った和装綴じの無地の本が売られていました。
つまり、ノートですね。すごくかっこいいと思います。
この和装綴じ、丈夫なんですよ。ちょっとやそっとじゃ崩れない。
これに日記なんか書いたら、「土佐日記」気分になれるかな。ついつい、買ってしまいまいした。

「暮らしの中の傑作」では、福井のうるし木工に目が止まりました。
うるし木工は気をくりぬいて、おわんの形にして、塗りをするものです。

その職人さんとお話をしていて、そのものの良さというものを感じました。
職人さんがものの良さを伝えてくださるのは、本当に説得力がありますね。ただの商売で、営業で売っているだけの方とは違って、自分がこだわりにこだわってつくったもの、これだったら絶対売っても自信がある、と思えるものをつくってられるのだろう。そうでないと、売る気にならないだろうし、つくることすら、意味を感じないのではないかと思う。

そのうるし木工職人の方が繰り返しおっしゃってたこと。
いいものを使ってください。そうすれば悪いものがわかるようになりますから。」
それは、この品物ものはいいものであるいうことを保証した言葉だと思ったし、"自分はいいものしかつくっていない"という職人さんの誇りを感じました。

毎日使うものだから、いいものを。」
よくいわれている言葉でもありますが、ほんとうにそうだと思います。安っぽい、使い捨てのものになれてしまっている生活だけれども、きっと、ほんとうはそうじゃないんです。自分のこだわりの"もの"を使うっていうことは、自分らしさを自覚することでもあり、個性を形にしたものであります。そこには、いろんな思いやセンスが生きている。
自分の大事にしておきたい"もの"を身の回りにおいて、いつも使うことは、すごく大事なことじゃないかと思います。

ちなみに、このおわん、塗りがとれてきたら、塗りなおしてくださるとか。そして、1年以内にわれてしまったら、取り替えてもくださるとのこと。ほんとうにものを大事にしたいという気持ちが感じられますね。

でも、いろいろな職人技を見てきましたが、どこの職人さんもやはりたいへんです。大量生産、大量消費のこの世の中において、伝統産業は産業として成り立たない状況になっています。かつては、手作りしかなかったし、みんな、それを使っていたのですが、今はそうじゃないですからね。手作りの品は高いし、捨てられない。
でも、"捨てられる"ものばかりを持っているというのも寂しい話ですよね。

こういった場で多くの人がものへのこだわりを感じられたらと思いました。

(やっち)

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