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駐留軍用地使用裁決申請事件に係る公開審理(第6回)

日時:2004年9月2日(木)13:30
       場所:県女性総合センターているる 1階


○渡久地会長
 これより、那覇防衛施設局長から使用裁決申請及び明渡裁決申立のあった、駐留軍用地使用裁決申請等事件に係る第6回目の審議を開催いたします。

 はじめに、審議を行う収用委員を紹介します。私は、会長の渡久地です。会場の皆さんから向かって左側が比嘉堅会長代理、大城宏子委員、當真良明委員、右側が玉城辰彦会長代理、田村就史委員、兼島雅仁委員です。

 本日の審理は本来、前回に引き続き、土地所有者の方々から提出のありました求釈明の申立書及び求釈明の補充申立書にかかる陳述と、これに対する那覇防衛施設局の説明をする予定でありましたが、先日、地権者の方々から、先日のヘリ墜落事故に関して、ぜひ意見を言いたいという申し入れがありました。

 当収用委員会としましてこれを検討しまして、本来の予定を変更いたしまして、本来の予定を審理の後半に持っていき、申し入れのありました墜落事故に関係する意見陳述を本審理の前半に持っていきたいというふうに思っております。

 これから審理に入りますけれども、申し入れのありました事項につきまして、当収用委員会の姿勢について説明をいたします。
 本来、収用委員会は、皆様ご存知のように、政治的な事項を判断する機関ではございません。そしてまた、事業認定に係る事項を判断する権限もございません。したがいまして、本件申請に係る審理と、申し入れのありましたヘリコプター墜落事件との関連については、検討しなければいけない事項が多々ございますけれども、我々の基本的な姿勢といたしましては、今回の事故が普天間基地に関連しておりますということ、普天間基地は今回の申請対象の土地でございます。したがいまして、全く関係がないことはないということがまず1点ございます。
 そして、ヘリコプターが墜落してきたことに関する意見陳述が、我々が有しております、我々が判断をしなければいけない事項と関係するかどうかということを、我々はきょうそのことに関する意見陳述を聞きながら、じっくり十分に検討し、判断をしていきたいと思います。したがいまして、我々がそういう基本姿勢であるということをぜひご理解いただいた上で、意見陳述をお願いしたいというふうに思います。

 これから意見を求めますけれども、審理進行についてお願いがあります。

 意見陳述者は、私から指名しますので、指名された方のみ意見を述べてください。勝手に意見を述べないようにお願いします。また、審理記録作成のため必要ですので、意見陳述者及び説明者はマイクを使用し、土地所有者の方々はご自分の権利に係る施設名及び氏名を、那覇防衛施設局の方は職名及び氏名を述べてから、意見陳述または説明を行ってください。ただし、施設局において説明を行う方が同一人で、引き続き説明に当たる場合には2回目からは氏名、職名等は省略して結構です。審理会場におきましては、携帯電話は電源を切っていただき、定められた場所以外には立ち入らないでください。また、報道関係者以外の写真撮影はご遠慮ください。入場時に、審理会場における注意事項を配付してございますので、ご確認ください。

 あらかじめ通知しましたとおり、本日の審理は午後4時までとなっておりますので、審理をスムーズに進行するよう多くの方が、そして意見陳述できますよう皆様のご協力をお願いいたします。

 それでは、申し出のありました、ヘリコプター墜落事故に関して発言をされたい方、いらっしゃると思いますので、どうぞ。

○阿波根代理人(土地所有者側)  
 普天間飛行場に土地を持っている地主の、宮城正雄さんの代理人の弁護士の阿波根です。 新しい会長さん、就任おめでとうございます。當真委員、兼島委員、今後よろしくおつきあい願います。

 ご存じのように、沖縄県収用委員会における審理、米軍基地に対する審理は20数年前から行われておりまして、この沖縄県収用委員会における審理は、公平的な審理、実質的な審理が、ある一部の期間を除いては行われてきております。地主としても、沖縄県収用委員会におけるこの公開審理が正当な手続きでなされてきている、およそ、法律的ないろいろ争点はありますけれども、地主の意見を聞きながら、公平、実質審理をしようと努められてきたことについては、私たちは高く評価するものであります。

 渡久地会長の本日のご発言がありましたけれども、私は普天間飛行場のあのヘリ基地、飛び立ったヘリコプターが国際大学に落ちた事故、この件と本件、強制収用の手続、これがいかなる関係を有するのかということについて、一言、意見を申し上げたいと思うんです。

 ご存じのように、沖縄における地主の長年の闘いの中で、強制収用の土地法の体系は、大きく変わってまいりました。地主に非常に不利なような形で権利が制限されて、非常に手続きがいびつな形になってまいりました。米軍特措法が改正されました。そして、前会長の当山会長のもとで審議されている最中に、いわゆるさっぱり意味のわからないものでしたけれども、暫定使用というのが出てきて、どんなにその手続きがほころびても、米軍の使用権だけは確保できるという形の、でたらめな形の法構造になりました。

 そして、昨今は米軍特措法だけではなくて、土地収用法も改正、改悪されました。その中で、会長ご指摘のとおり、いわゆる使用認定の段階で、適正かつ合理的な要件については、使用認定の段階で本件に関して言えば、内閣総理大臣の審査する中で言いなさいと、収用委員会の中ではそんなことは言っちやいけませんという形に、法律が基本的にはそういう形に変更されています。

 私は、だからといって、このことについて収用委員会の中で全くものが言えないというふうには考えておりません。収用委員会の審理は主として、その使用の期間とか、その強制収用すべき土地の範囲とか、あるいは使用の方法とか、あるいは補償金等について審査がなされますし、この飛行場は米軍に提供することが適切なのか合理的なのかについては、本来的な審査の対象にならんという立場、そういう立場だと思うんですけれども、私たちは少なくともその使用方法とか、使用の期間を審査する中で、どうしてもこの基地がどのように使われているか、そしてその基地が、この施設の安全性がどのように確保されているかについての、当然、それはチェックするべきものだと考えています。

 そういうことで、おそらく施設局のほうは、会長の説得できょうの審理方向の変更についてやむを得ず同意したかもしれませんけれども、施設局はよもや私たちの、この審理におけるヘリ墜落事故についてのいろんな質問を今後いたしますけれども、これについて全く審理になじまないというようなことをおっしゃらないでいただきたい。

 私たちは、8月の27日に、那覇防衛施設局に対して、普天間飛行場は住宅地のすぐそばにあるんだと、世界で一番危険な飛行場になっているんだと、SACOの合意もそのことを受けてSACO合意があったんだということ。そして、そのSACO合意は、単なる合意といっても、これは日米間の条約みたいなものなんです。2プラス2で合意されている。1996年に合意されて、閣議で了解されているわけです。ということは、SACOの合意は、5カ年ないし7カ年で普天間基地を撤去させるということは、これは日米両政府が、日本国民、沖縄県民、そして地主に約束したことであります。その約束を履行されておりません。その約束をちやんと履行して、普天間基地を沖縄から撤去する。それがSACOの合意をちやんと履行することになるわけです。まずそれを履行されていないことは、地主に対する債務不履行が残るわけです。まず、そういうことまで明らかにしていきたいと思っています。

 それから、私たちはこの普天間飛行場は、そもそも住民地域の真ん中にあって、危険な基地が許されるかという問題があるんです。構造的な欠陥飛行場です。基地としての適格性がもうないです。基地としての適格性のない飛行場は、これは今後維持することはできないと思うんです。

 したがいまして、この飛行場にある土地を強制使用とする本件裁決申請については、速やかにこれを取り下げていただきたいというふうに考えます。

 一応、そのことについて防衛施設局から、意見でもありますけれども、やっぱり一方的な意見になるわけではありませんので、施設局の基本的な考え方、このヘリ墜落事故についての基本的な考え方、そして今後この普天間飛行場の裁決申請を維持するかどうかについての基本的な考え方を聞かせていただきたいと思います。

○渡久地会長  防衛施設局。

○大澤代理人(起業者側) 
 ただいま、ご意見の中で、ご質問というような形でございました。今後とも、現在、収用委員会に裁決申請をしております事件につきまして、継続をするのか、あるいは取り下げるのかというお尋ねかと思います。このことにつきましては、私どもといたしましては、引き続き審理をお願いをする考えでございます。

○阿波根代理人
 基本的には取り下げないのかどうかということが重要ですけれども、基本的にこのヘリ墜落事故について、那覇防衛施設局はどのようにお考えになっているのか、基本的な認識を聞かせてください。

○渡久地会長  どうぞ。

○大澤代理人(起業者側)
 大変恐縮ではございますけれども、ただいまの点につきまして、その質問の意図といいますか、正確な意図も十分承知いたしませんので、大変恐縮ではございますが、会長におかれまして釈明事項を整理していただいて、文書の形で提出をさせていただいて、その上でお答えをさせていただきたいと思います。そのようにお取り計らいをいただきたいと思います。

○阿波根代理人  非常に明白です。

○渡久地会長
 阿波根先生、できれば質問は概括的な質問よりか、具体的に項目を絞っていただいたほうが回答を引き出しやすいと思います。

○阿波根代理人
 でも、やっぱり基本的な立場、これぐらい県民の関心を多く寄せている、この事故について、強制収用のその基地を維持使用している起業者の立場からその本件の事故に対しては、どのように受け止めているか。そして今後、安全対策については、どのようにやればいいのか。普天間基地をどうしていくのかという基本的なお考えを聞かせてほしいんです。どうぞ。聞かせてください。

○渡久地会長  施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 安全対策をどうしてくのかということを含めて、今ご質問でございましたけれども、そうしたことを含めまして、求釈明の形で文書をもって照会をしていただければ、それにお答えをさせていただきたいと思います。

○阿波根代理人
 求釈明は文書の形で一応出されてはいますけれども、それは後でお願いしたいと思いますけど、求釈明の個々的なことに対するご回答ではなくて、那覇防衛施設局の責任者としての、この事故に対する基本的な受け止め方、それをお聞きしたいんです。それが審理をまじめにやっていく、施設局にそういう役割があると思うんです。それをぜひ説明してもらいたいというふうに考えます。

○渡久地会長  施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 ご質問の意図が私正確にわかっていない点もあるかと思いますけれども、事故が起こったことについて、施設局としてどう思うのかということ、そのことだけについてお答えをさせていただければ、我々として米軍のヘリコプターが、ああいった市街地の住宅地の近傍で、なおかつ大学の構内に墜落をするという形の事故であったわけでございます。そのことについては、全くあってはならない事故であったと思いますし、そういうことが起こったこと、そのことについては極めて残念だし、遺憾であるというふうには思っております。そのことだけお答えをさせていただきたいと思います。

○阿波根代理人 
 先ほどあなたはその取り下げ作業をしないと。おそらく審議を粛々かどうかわかりませんが、進めていきたいという具合にお考えになっていると思うんです。ところが、もう普天間飛行場は、今や一日一刻も存在を許されない立場の基地なんです。その施設について、私たち地主だけじやなくて県民も一日も早く普天間の町の中から、飛行場を撤去してほしいという、そういう強い気持ちでいっぱいなんです。ところが、皆さんは、この基地について、あと10カ年間も、SACOの合意でも5ないし7年でしたね。今で過ぎているので、さらに20年過ぎてしまう。そのような10カ年間の期間も、また強制使用させてほしいと。今でもこのような事故が起きて、幸いといいましょうか。人命の被害はなかったんですけど、大惨事になりかねない事故が発生する。このような構造的な欠陥をもっている基地を、一日も存続が許されないこの基地をあと10カ年間も申請していこうとしている。

 申請の期間は、私はそれを取り下げてほしいと要求しましたけれども、皆さんの立場に立っても、10カ年もそのような基地を存続させるというのは、おかしいではないでしょうか。この10カ年も使用という、その中請をもっと維持するつもりなんですか。

○大澤代理人(起業者側)
 ただいまのご質問については、今この場でお答えできることは引き続き今の形で審理をお願いするということでございます。

○渡久地会長 地権者の皆様でどなたか発言ございますか。

○宮城正雄(普天間基地土地所有者)
 私、普天間基地米軍基地内の土地を所有する宮城と申します。今回は第6回目の公開審理にあたり、去る8月13日に沖縄国際大学構内で発生した米軍ヘリ墜落大事件に関連して、権利と財産を守る軍用地主会の立場から、アメリカ政府、ブッシュ政権を厳しく糾弾し、またそれに事実上協力加担してきた日本政府、小泉自公政権に強く抗議の意思を表明するものであります。

 そして、日米関係当局が普天間基地の閉鎖など、諸要求の実現と、県民が納得のいく確実な回答を強く求めたいと思うのであります。

 反戦地主会は、土地は生活と生産の場に取り戻し、戦争のためには−坪たりとも使用させない。この旗を高く掲げ、踏まれても、蹴られても、耐えて違憲共闘会議の支援のもとに団結し、統一して戦い抜いてまいりました。

 私も、その一人として、あの太平洋戦争の沖縄地上戦を九死に一生の思いで生き抜いてきた者として、祖先が血と汗にまみれて築き上げたこの土地と財産を守り、親としての最低限度の役割を果たす責任として、子や孫たちのために契約を拒否し続けてまいりました。これは人道上当然のことで、私は祖先にも子孫にも、さらに県民や国民に対しても道理と真実に誇りをもって報告することができると思うのであります。

 他方、今回の米軍ヘリ墜落が示しているように、普天間米軍基地が市民の日常生活と安全を脅かすとともに、イラクなど他国の侵略と戦争の出撃拠点になっている現実を考えるとき、私は、土地を奪われた被害者であると同時に、強制的に協力させられ、加害者にもさせられておるのであります。このやり場のない怒りと悔しさを痛感せざるを得ないのであります。その思いを噛み締めながら、いくつかの重要な点に絞って訴えていきたいと思います。

 まず第一は、米軍ヘリ墜落事故の主な事実関係についてであります。2004年8月13日金曜日、午後2時15分ごろ、宜野湾市宜野湾の沖縄国際大学の1号館に米海兵隊普天間基地所属のCH−53D大型輸送ヘリコプターが激突し、学内の敷地に墜落し爆発、炎上しました。墜落現場から約350m南側、我如古公民館の近くにテールローターが落下いたしました。墜落激突した衝撃で、残骸やコンクリートの破片などが数100m四方に飛散し、周辺の民家を直撃しました。事故当時、沖国大の1号館には20名ほどの職員がいましたが、危険を感じて逃げて全員無事だったことが報道されました。

 目撃者の話として、民間上空で、テールローターが切断落下した後、バランスを失い、操縦不能のまま進行方向にぐるぐる回りながら墜落していったそうであります。CH−53D米軍ヘリの墜落事故は、老朽化によるものか。欠陥機なのか、それとも操縦士のミスによるものなのか、その原因と被害状況を徹底的に調査し、その結果を速やかに公表するとともに、被害補償の完全な実施を強く要求するものであります。

 2点目は、市民の怒りと恐怖の点についてであります。この重大事故は、市民を一瞬にして死の恐怖のどん底にたたきつけました。また、この事故は、爆音など日常生活を破壊する基地被害の増加とともに、まさしく死と背中合わせの生活を強いられていることを実感させるものでありました。

 ここは戦場ではない。生きた心地はしなかった。59年前の戦争を生き抜いてきて、また殺す気なのか。などなど日米両国政府よ、あなたたちはこの現地の声が聞こえますか。稲嶺県知事、岸本名護市長よ、あなたたちはその意味がわかりますか。私は、今回の事故で普天間米軍飛行場が構造的欠陥を有し、適格性を欠いていることを明確に証明したものであり、同基地の全面閉鎖を厳重に申し入れるものであります。

 3点目に、事故現場の米軍の横暴についてであります。事故現場に一番早く到着して乗員米兵3人を救出し、キャンプ桑江の海軍病院に搬送したのは、そして消火活動を行ったのは、宜野湾市消防署の職員でありました。ところが、米兵たちが大学のフェンスを飛び越えて校内に入り込み、県警察や消防隊員、それに大学の職員を排除し、事故現場を米兵が占拠し、道路を封鎖するなど、目にあまる米軍の横暴は絶対に許されるものではありません。

 沖縄県警が検証を始めたのは、事故機の残骸がすべて撤去され、事故から1週間後のことであります。ここは治外法権か、主権国家なのかなどの市民の怒りと不安の声があがりました。なぜ、こんなことが起こるのか。外務省は、地位協定23条を持ち出し、米軍の財産の安全を確保する規定があると説明しているが、とんでもないことです。

 米軍の引き起こす事故こそ、県民の生命、身体、財産を破壊し、脅かしている張本人であり、国民の命と財産を守ることは政府の責任ではありませんか。今、日本政府に求められているのは、主権国家にあるまじき米軍地位協定を抜本的に見直すべきことであります。そのことを明確に指摘しておきたいと思うのであります。

 第4点目に、米軍のいわゆる謝罪と、飛行再開の問題についてであります。米軍ヘリ墜落糾弾の声が高まる中で、在沖4軍司令官は県庁で知事に対し、事故機種以外の飛行を再開したことを表明いたしました。その舌の根も乾かないうちに、CH53ヘリを複数機同時にイラクへ出撃させたわけであります。この中で、県民をばかにするな、日本政府はなめられている、米軍は絶対に信用できないなど、県民の怒りの声が起こるのは当然であります。

 さらに許せないのは、在日米海兵隊のジェームズ・フロック副司令官が8月27日、石平のキャンプフォースターで、マスコミ関係者に事故の背景を説明した中で、あれは緊急着陸であったと強弁し、また、在日米軍のワスコー司令官は26日、東京での公演で被害を最小限に食いとめようとした。人のいないところに行った。乗員の対応はすばらしいなどと発言したそうであります。これは戦後、県民の生命、財産、人権を奪い、民主主義を根底から踏みにじってきた米軍占領支配とどこが違うんですか。同じではないですか。私は一連のこの発言の撤回と、謝罪を求め、全機種の飛行停止と、普天間基地の即時閉鎖を再度強く要求するものであります。

 次に、劣化ウラン弾と放射能汚染の疑いについてであります。1995年未と、1996年に米軍射爆場である沖縄の鳥島に、米軍は1,520発の劣化ウラン弾を投下しました。米軍及び日本政府はたったの200発足らずの劣化ウラン弾の残骸を、破片を回収しただけで、大部分はいまだに鳥島に埋まったままになっていると言われております。また、劣化ウラン弾が大量使用されたのは第一次湾岸戦争で300t、コソボで10〜100t、アフガニスタンで1,500t、イラクで1,700tが使用されたと推定されております。米軍がイラク戦争で今日も劣化ウラン弾を大量に使用したことが暴露されつつあります。これは、在沖米軍と普天間基地のヘリ部隊が深くかかわっており、専門家の問から今回の米軍ヘリ墜落事故は米軍が事故現場を占拠し、最高レベルの事態に対処する黄色い色をした防護服を着て測定作業を行い、ヘリの残骸と土壌、校舎についたススまでも運び出すなど、放射能物質による汚染の疑いが極めて高いわけであります。日本政府が主権国家として事故の全容解明とともに、劣化ウラン弾や放射性物質による汚染がなかったかどうか、責任をもって公表するよう厳重に要求したいと思うのであります。

 6番目に、普天間基地の危険性のもう一面についてであります。普天間米海兵隊は、実戦、出撃訓練基地になっております。KC130空中空輸機が配備され、ヘリコプターは4種類でそれぞれ役割と任務を持っています。墜落したCH53輸送ヘリコプターは、50名の完全武装兵を一遍に運ぶ、輸送できる、そういう機能を持ったヘリコプターであります。また、離着陸訓練は共通して行われているわけでありますが、AH1という攻撃機がいます。これはベトナム戦争でもベトナム人民を殺りくしたヘリでありますが、これが空対地訓練もここで行っている。さらに、救出、救援、軍事物資の輸送などの訓練を昼も夜も行っているわけであります。そのために、住民上空を低空して旋回飛行を繰り返し、繰り返し行っているわけであります。

 最近、街を歩いていますと、子供のような、少年のような童顔の外国人を見かけます。この人たちが軍隊なのかという、思われるような非常に若い人たちでありますが、今アメリカでは高校、大学を卒業しても仕事に就けない、特に貧困家庭の場合は、親が知らないうちに兵隊に入隊していく、こういう事態が起こっているそうであります。

 私が言いたいのは、未熟、熟練操縦士ではなくて、未熟な新兵少年兵がこの訓練に参加し、操縦し、普天間基地から離陸して住民上空を低空して旋回飛行を繰り返す、こういうことが行われている疑いがあるわけであります。また、CH46という中型ヘリがありますが、これはオスプレーという新たな飛行機に交換されようとしております。これは、機種が老朽化した証拠です。ですから、このCH53も、あるいは4種類あるヘリコプターも老朽化している上に、未熟な少年操縦士が民間上空を我が物顔で飛び立って演習をやる、これは夜も昼も毎日行われているわけでありますから、いつ何時墜落をして大惨事になりかねないという、こういうことは起こらないという保証はどこにもないわけであります。ですから、その点で今度の事故機の乗員の氏名、年齢、階級など、日本政府は責任をもって県民の前に明らかにしていただきたいと思うのであります。

 最後に、米軍基地安保優先の日本政府の悲しい実態についてであります。戦後59年たちました。復帰してからでも32年間がたちました。日本政府は27年間、何かを得るために、何かを得るためにというのは、後で詳しく意見陳述の中で述べたいと思うんですが、27年間も何かを得るためにアメリカの軍事的占領支配、全面占領支配下に沖縄を放置してきました。72年の、沖縄が本土に復帰した際にも、戦争で米軍が不法不当に接収した軍用地を地主に何の相談もなく、返還することなく、日本政府は勝手にアメリカに提供してしまいました。
 それが、沖縄の米軍基地であり、宜野湾市のど真ん中に居座り続け、爆音を撒き散らし、市民を危険にさらし、世界一危険な基地と言われる普天間米軍基地であります。

 復帰後、1972年から2003年12月まで、米軍航空機事故は実に275件、沖縄全域で、これは北は辺戸岬や伊平屋、伊是名、南は宮古・八重山全域で航空機の事故が起こっているわけであります。その内、ヘリコプターの事故は、不時着が49件、墜落が15件、物品等の落下など、実に82件も起こっているわけであります。日米両国政府はSACO最終報告で普天間基地を5年ないし7年で返還する合意を発表いたしました。

 この基地が世界一危険な飛行場との認識を内外に表明せざるを得なかったわけであります。この大事故の根本的原因と責任の所在は、どこにあるのでしょうか。それは日米両政府が県民の命ともかえがたいあの辺野古の美ら海に海上基地建設の無理難題の条件を押しつけ、7年が過ぎても危険な普天間基地を放置してきたからではないでしょうか。

 那覇防衛施設局様よ、違いますか。日本政府と那覇防衛施設局は、米軍に基地を提供し、自ら決めた7年以内返還を放置してきた中で起こったこの大事件に、何の責任も傷みも感じないのですか。それともアメリカは独自の案をちらつかせ、焦っているようでありますが、日本政府はあくまで海上基地を追い続けて、あと10年以上も危険な普天間基地を県民に押しつけようというのでしょうか。

 私は、ことがここに至っては、政府と防衛施設局は、すでに破綻したSACO合意を率直に認め、そうすることが常識ではないですか。筋ではないですか。そして私は普天間基地を無条件に撤去し、海上基地建設を断念するとともに、那覇防衛施設局は新たに10年間取り上げようとする強制使用裁決申請を直ちに撤回するように強く要求をいたします。

 以上、普天間基地のヘリ墜落に関連して普天間基地の地主の一人として時間をとって訴えさせていただきました。ありがとうございました。

○渡久地会長  どうぞ。

○照屋秀伝(普天間基地土地所有者)
 ただいま宮城正雄さんが、意見を述べられましたが、要求をつきつけましたが、僕も全くそのとおりであると思います。
 
 先ほど、防衛施設局は、あってはならない事故が8月13日に起こったと、こう言われました。それから多くの人たち、政府関係、基地に関する人たち、県知事もそうですが、一歩間違えば、大惨事になりかねないと。こういっていますけど、13日の事故とは大惨事ではないですよね。防衛施設局の皆さん、大惨事、単なる日常的な事故ですか、大惨事ですか、お聞きしたいと思います。

○渡久地会長  施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 おっしゃっている大惨事という意味でございますけれども、私としてヘリコプターが墜落をするということ自身につきましては、それはそれで惨事だと思います。それで、どれと比較して「大」をつけるのかということになるんだろうと思いますけれども、ヘリコプターが落ちること自身は惨事だとは思っております。

○照屋秀伝 
 何に比較すると惨事になるんですか。何に比較するんですか。何に比較すれば惨事になるんですか。

○渡久地会長  施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 何に比較すると惨事かということではなくて、惨事は惨事だと。今起こった事故は惨事だというふうに思いますというふうに申し上げました。あとは、何と比較して大きい、小さいということをおっしゃるんだろうと思いますけれども、その一つ一つ起きたこと、そのことは惨事であるというふうに申し上げたつもりでございます。

○照屋秀伝 
 これは比較すると大中小があるんですか。そしてもう一つは、こういった事件、事故が起こるたびごとに、原因の徹底究明と、これは何百回聞かされたか。戦後60年間、ずっと毎日聞かされているような気がするんですが、今回の場合の、原因の徹底究明はされたんですか。明らかになりましたか。これは僕はされてないと思うんです。原因は、これは徹底究明はできない。こういえば、皆さんが徹底究明をして明らかにして対処したいと、総理大臣もそう言っているわけです。これは徹底究明は出来ないと思うんです。またした試しがない。

 私たちが何で戦後ずっと軍事基地はよくないなと思って反対をしてきたかというと、8月13日みたいな事故がいつも起こって、これまでもずっと起こってきた。40数年前の宮森小学校のジェット機墜落事故、あるいは山で仕事をしているとカービン銃で撃ち殺されて、究明したらイノシシと間違えたと。赤信号を渡っていたら轢殺されて、米兵は、私が見た車のところの信号は青だったような気がすると。強姦して、捨てられて、犯人を捕まえようとしたら逃げていませんと。こうなっているわけだよ。数年前、もっと前か、こういう事件はいっぱいあるの。昔からずっとある。今もある。将来もあるんです、これは。あってはならないとあなた方言うんだけれども、あってはならないことが日常的にあるんだよ。だから僕らはこんなのはよくない、もう基地は御免。こういっているわけです。60年前のあの戦争の教訓は何であったのか。防衛施設局の親分である日本の軍隊、沖縄の民衆に県民に言ったのは、アメリカヒージャーミーが攻めてくる。こいつら人間じやないよと。こいつらが鉄砲を持ってきたって、日本軍にいるところに逃げてきなさい。僕らが助けてあげると。こういって沖縄の民衆は、基地があるから大丈夫、義勇軍がいるから大丈夫ということで、基地のあるところ、軍隊が日本軍のいるところにみんな逃げていったら、そこで悲惨な沖縄の惨事が起こったんです。守ってくれるはずの日本軍が僕らに襲いかかってきた実態は皆さんも軍事研究で知っているはずです。

 ウチナーンチュがあの戦争体験から知っていることは、基地があると戦争になる。戦争になったら基地から逃げなさい。こういうことを教えられた。今、夏休みになると、沖縄に平和学習ということで、たくさんの高校生・中学生が学習にやってまいります。沖縄で平和学習、沖縄は何で平和学習になるのか。沖縄みたいになったら大変よと。鹿児島も愛媛も青森も富山も長野も、沖縄みたいになったら大変よと。こういうことを学んで帰っていくんですよ。沖縄は、戦争、平和の反面教師になっているんです。

 でも、あなた方は、防衛施設局というと、防衛施設庁、防衛庁、その上はなんだった大臣がいる。8月28日にこの収用委員会に申請をした申請書を却下してもらいたいと要請文を出しました。上司に伝えるということで、伝えましたか。皆さんの上司はどうなっていますか。大澤さん。

○渡久地会長  施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 私が直接お会いをしたわけではございませんけれども、そうした皆様のご要請があったということにつきましては、私、報告を受けております。それから、私どもの上司であります局長にはご報告をしてございますし、また私どもの上位の機関でございます防衛施設庁にもお伝えをしてございます。

○照屋秀伝 
 向こうからは返事はくるようにはなっているんですか。こないんですか。いつまでとは僕は申しませんけども、あったか、君たちでよきに計らえと、こうなるんですか。いや、僕らが皆さんに申請を取り下げてもらいたいということで、要請をしたあのことはどうなりましたかと、報告しただけですか。いつか返事がきますか。それはできないとか、もう少し検討しようとか、そのとおりだなと。どうなんですかね。そのへんが僕は皆さんの仕事の中身がよくわからないものですから、不信感がやっぱり出てくるんです。お願いします。

○渡久地会長 施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 冒頭のご意見の中でご質問という形であったかと思いますけれども、今回の審理にお願いしてございます事件について、取り下げる考えはないということを、そのお会いした際にも申し上げたかと思います。それで、私どもとしてそういうことを申し上げたことも含めて、私も報告を受け、あるいは先ほど申し上げたように、報告、お伝えもしたということでございます。そうした中で、私どもが行った対応について異論がないといいますか、私どもの中でそういうことですということで、認識をされているということで思いますし、そのことをもとにして私、最初に取り下げるつもりはないというふうにお答えをしたつもりでございます。

○照屋秀伝 
 28日には、島尻さんという方がお会いしていただきました。最初から、いや、これは手続、私たちの仕事は手続の問題ですから、普天間の墜落事件とは無関係に粛々と、済々と言ったほうがいいですかね、進めるだけですと、こう言っておりましたが、私たちは、そういうところに同じ沖縄で仕事をしている、皆さんは私たちにも不信感はあるかもしれませんよ。あいつらは何言っても同じだと。不信感を募っているだけですよ。

 皆さんは、防衛大臣の、あるいは総理大臣の末端の窓口として、私たちと接しているわけよ、地主とね。そして、今まで沖縄の多くの地主がだまされてきたのは、皆さんの土地は日本の平和と安全のために使うんだから、皆さんの土地を基地に提供することは、あなた自身が日本の平和と安全に寄与するんだよと、することになるんですよと、大体そういうふうにだまして取り上げた。みんなそう思っているんですよ。だから、普天間基地の地主さん、二千何百名いらっしゃるそうです。こういう危険な基地は一日も早くなくしてもらいたいと、こういう声でしょう。小学校の生徒さんも、もう戦争だと思ったと。こんなのはなくしたほうがいい、なくしてくださいと。お父さん、お母さん、市長さん、お願いしているんでしょう。皆さんそれでも、皆さんがこれから進める、粛々として進める、この公開審理の状況や、あるいは皆さんは、皆さんの親分、上司は、収用委員会の皆さんも信用していない。どうせ時間かかるはずだから、そこで裁決待っては間に合わない。よっしや、審理はどうなろうが、こういう方法でできるということで特措法も改正、改悪して今のようになっているでしょう。これは形式的になっているじやないですか、形式的に。

 それでも、あなたはこの公開審理の場で、私たちから取ろうとしている、あるいは今暫定使用ということで使っているこの土地は、この基地は、日本の平和と安全のためになっていると、これからもなるという、あんたは僕らに言えますか。どうぞ。

○渡久地会長  施設局。

○大澤代理人(起業者側) 
 今、お答えをする前に、まず皆さんのご意見を私どもが不信がっているというふうなお話がございました。私として、一人一人の沖縄県民の方々、一人一人いろいろな思いがあるということについて理解をしているつもりです。また、防衛施設局におきまして、いろいろな方々とお会いをさせていただいて、そのいろいろなお考えを伺う機会も多うございます。

 そうしたことについて、そのこと自身は私としてもできる限り理解をするように努めているつもりでございますので、私どもの立場を不信にお思いになるなら、ある意味で皆様のお気持ちですから、そのことを私、とやかく申し上げるつもりはございませんけれども、私どもとして、皆様の気持ちを不信に思っているというふうに理解していただくことだけは、ぜひ避けていただきたいと思います。

 そのことを申し上げた上で、今、米軍に提供している施設及び区域、これが皆様の安全といいますか、そういったことにつながるのかどうかということについて、お答えをせよということだと思います。私どもといたしましては、その我が国の平和と安全というものを考える上で、日米安保体制といいますか、そういったものの必要性を前提として考えております。そうした中で、その米軍に提供する施設及び区域というものは、そういった我が国の安全保障の上で必要なものだというふうに考えておりますことを、お答えをさせていただきます。
○照屋秀伝
 時間がありませんからこのへんで終わりたいと思いますが、もう皆さんの話を聞いてみると、平和もたまたま、たまには人を殺すと、こんなですよ。これは、ブッシュはイラクに行って、そういう場合に何言っているかというと、誤爆と、こう言っているわけよ。平和も、使いようによっては人を殺すよ。皆さん、殺しているよ。もうずーつと。皆さんがだまして取った、これは僕が心が痛いのは、僕が土地を取られたために、おれの土地から爆撃が飛んでいくのよ。隣に落ちて、地主でない人が死んだり、損害を受けたり、悲しんだり、こんなベトナムや湾岸やイラクで、僕らの土地から、僕らの土地からと言うより、僕らの地主から、僕らが所有している土地からだよ、飛んでいって、やっている。貸さなければこんなことはなかったのになと、思うでしょう、人間として。こんな気持ちないのかと言っている、ないんですかと。

 だから、僕らはベトナムで戦争が起こっても、朝鮮で戦争が起こっても、イラクで起こっても、湾岸で起こっても、心が痛い。責任を感じるのよ。だから、自分たちの土地だけは絶対に提供しない、これは地主、契約をさせられた地主、させられたんですよ。皆さんは、僕は後でまたやりますけど、契約書、これは見たこともない。契約はさせられている地主も、契約書は見せられていないんですよ。契約書は交わしてない。文房具店から照屋という印鑑を300円、200円ぐらいで買ってきて、これを押せば、もう認めるのよ。こういうでたらめな手法で沖縄の莫大なこの土地が、広大な土地が戦争のために使われている。これに憤りを感じている。このことは、皆さんがどんなことを言おうが、皆さんは上司のメンツのために仕事をしている。あんたの上司は、またその上司のために仕事をしている。

 小泉総理大臣は、ブッシュのメンツをつぶしてはいけないということで、でたらめな国際協調ということでイラクまで行って殺す手助けをしている。これに僕らは心が痛むから、このことは絶対に許してはならないと、こう言っているわけです。時間がありませんから、ここで終わりますが、大変ありがとうございます。

○渡久地会長  これから、休憩に入ります。

○有銘政夫(普天間基地土地所有者) ちょっと休憩の前に‥…・

○渡久地会長 はい、引き続きということでしょうか。はい、それではどうぞ。

○有銘政夫 
 普天間の地主である有銘です。今さっき、防衛施設局は、一応の答弁はしていますけど、もう一度お聞きしたいんですよ。

 27日に私たちは要求書を出してあります。こんな危険な、そして絶対不当な強制使用はやめてほしいと、それで、しかもSACO合意に基づいてと言いながら、期限が切れている、それを10年も申請するというのはけしからんと、取り下げてほしいという要請を出して、きょうで1週間目です。

 先ほど、ちょっと納得できない答弁だったので、もう1回確認をした上で僕は意見も述べたいと思いますから、もう一度お願いします。この1週間、その私たちの出した要求書をめぐって、どういうような話し合いがなされていますか。具体的にお聞かせください。お願いします。

○渡久地会長  防衛施設局。

○大澤代理人(起業者側) 
 お答えをさせていただきます。その話し合いという有銘さんがおっしゃった意味について、十分は承知しておりませんけれども、私どもといたしまして、先ほどご質問の中にも名前も出ましたけれども、私どもの用地調整室長が皆様と対応をさせていただきました。
 
 その対応につきましては、皆様から要請に来られるご趣旨というものが事前にわかっておりましたので、そうしたことについては取り下げる考えはないということで対応をするということで、意思統一をして、そういう対応をしたわけでございます。

 なお、その皆様との対応ぶりについては、先ほどもご説明をさせていただきましたように、私も報告を受けておりますし、また私の上司である局長にもご報告をしておりますし、私どもの上級機関である、施設庁本庁にもお伝えをしてあるということでございます。

○有銘政夫 
 非常に重要なことでしょうからね。今、再度伺いますけど、何の検討もしていない。これが1点ですよね。それは大問題ですけれども、今、非常に、先ほどもいわゆる話し合いに出た人が取り下げはできないということを言ってあるはずだと、今もおっしゃったのは、私たちは話し合いをして、これは取り下げることはできないということを確認して、きょうもそのとおりに言っているわけですよ。確か施設部長ですよね。

 本当に皆さんは、僕らがこの間お会いした室長、そしてあなた、これは取り下げません、取り下げないという権限をお持ちですか。これは明確にしてください。そうならば、そう聞かざるを得ません。権限あるなら。どうですか。お願いします。

○渡久地会長  防衛施設局。

○大澤代理人(起業者側) 
 皆様既にご承知のとおり、この申請につきましては、那覇防衛施設局長という職名でお願いをしてございます。したがいまして、権限があるなしということでおっしゃられるのであれば、那覇防衛施設局長が権限があるということでございます。

○有銘政夫 
 あるわけですね。局長、あるわけですね。そこが問題よ。要請書をもらった人がそう言ったということは権限委譲というこにとなりますよね。だから、もしあなたが今おっしゃるならば、局長は報告を受けて、これはどうしようという話し合いがなされなければ、権限の問題に触れないんじやないですか。

 それと防衛施設局長が権限があるというならば、これは事態の変更、大事件であったわけだから、その権限もあるはずなんです。変更の権限も。そのことを私たちは追及しているにもかかわらず、要請しているのにもかかわらず、一向にそういった態度がない。

 もう一つの観点で聞きましょうね。これは明確ですから、それははっきりさせておきましょう。もう一つは、これは新聞でもすでにお分りでしょうけれども、あの当日、米軍は、とにかく勝手に消火活動が終わった後に、勝手に校内に入り込んで、その落ちた場所を確保して、そしてまず大学に不法侵入して、そして県警まで排除している。これははっきり地位協定に基づいてやったんだと正当性をその時は言っていました。これに対して、防衛施設局は、どうして黙認したんですか。そのことを黙認したんですか。答えてください。

○渡久地会長  防衛施設局。

○大澤代理人(起業者側)
 まず今のご質問にお答えする前に、先ほど私が申し上げたことが、正確に伝わってないようでございますので、私どもの用地調整室長が対応したときの話をまずさせていただきたいと思います。私は先ほど用地調整室長が皆さんとお会いするのに際して、要請の趣旨がわかっておりましたので、私どもの中で相談をして、用地調整室長がそういうふうに対応いたしましたというふうに申し上げたっもりでございます。その時点で、用地調整室長が対応すること。その内容につきましては、局長の了解を得ているということでございますので、その点はご理解をいただきたいと思いますし、また先ほどそういうふうにお答えをしたつもりでございます。

 それから、今の大学構内に米軍が入って活動したということでございますけれども、その点につきましては、私どもの所掌といいますか、国の中でも私どもの所掌と離れてございますので、私のほうからそのことについて何らかを申し上げることは差し控えたいと思います。

○有銘政夫 
 冗談じやないよ。提供義務はある。それは何に基づいてかと言ったら、日米安保、国際条約だから。しかし、アメリカが実際に行動に出たときに、これに対して一言も言えない。何で黙落したかと言ったら差し控えます。何でこんなときに遠慮するの。冗談じやないですよ。この収用委員会の中で僕たちが本気になって質問したときに、審理に馴染みませんといって、いわゆる収用委員会の権限まで抑えようとする皆さんの態度がなぜ米軍になると急変して、今のような情けない返事になるんですか。トラの威をかるキツネというのは、皆さん方のことです。何が防衛施設局ですか。何から何を防衛するんですか。冗談じやないですよ。収用委員会の皆さんに申し上げます。今はっきりしたでしょう。こういう人たちを相手にして、私たちは無権利状態にされて、強制使用、それが日米安保だと、大義名分がつくられているわけです。

 しかし、これは問題ですよ。日米安保に基づいて、これができたんじやないです。占領によって、普天間基地があるのです。スタートは占領です。それを日米安保とか、日本政府とかが黙認してきた。追認してきた。その結果、ここは一番密集地で大変だと。アメリカの高官が来てでさえ、ここで事故が起こらないのは不思議だと。私もツアーで今の伊波市長が地区労の事務局長をしているときに、一緒にアメリカに行ったことがありますけどね。アメリカでこんな状況だったら許されませんよと。行く各場所で言われました。状況を説明するとですね。それでアメリカに行くと、基地を見に行くために、いわゆる街からここの私たちの所から、150キロの猛スピードで走って、車で1時間半して行かなければ基地は見れないんです。その間、街も何もありません。そういう状況の中で、すぐフェンスの隣に学校がありますなんていったら唖然としていますよ。アメリカの人たちは答えようがないんですよ。これに対してね。こんなのを許しているあなた方が悪いんじやないのかと、こうなるわけですよ。そういう基地なんです。これは危険だということで、日米両政府のトップが5年ないし7年といって約束をした。これがSACO合意です。

 その中で、現実に13日に起こった事件は、まさに収用委員会の皆さん方は、それを新聞、マスコミ報道で聞いたときにすぐ感じたと思います。なぜか。ウチナーンチュの血を引いているからです。これは大変なことになったなと。おそらくみんな思われたと思います。そのとおりです。そしてこの落ちたヘリはどういうヘリだったかというと、はっきりしていることは、イラクに派遣されるために、その事前に演習をしていたヘリなんです。

 ただ、沖縄にあったヘリ、普天間基地にあったヘリじやないですよ。これは何時召集されるかわからないという、そのために訓練をしていた。イラク攻撃のための訓練をしていたヘリなんです。それが落ちたんです。それを裏付けるように、その2日後ですか、あれだけ強い抗議・要請、いろんなことがありながら、緊急司令が出たと言って、イラクに持っていったじやないですか、あのヘリを全部。だからまさに普天間基地は出撃基地なんです。しかもほとんど第一線部隊はイラクに送られているんです。もうこの機能は停止です。もし仮に、今あるとするならば、その後方支援じやないんです。その次の出撃を待っている、指令を待っている人たちが時々訓練をするとかいう、だからあれは緊急だというので、嘉手納に移動して訓練をやっているじやないですか。そういうことなんです。

 そして、このことをこれだけ具体的に並べるとはっきりしていることは、これはいわゆる安保条約という場合には、極東の安全です。極東の範囲を越えているということは、口をすっぱくして収用委員会で私たちは申し上げてきました。これを防衛施設局は明らかにしません。そうするとはっきり言って目的外使用です。そこまできますと、収用委員会の手続きというのは何かといったら、ある目的があり、申請を受けて、それに土地を貸していいかどうか、使用させていいかどうか、審理するところでしょう。仮に今のことがこういった事実を並べたときに、いわゆる私たちの契約とか、土地の売買とか、契約とか、使用とか、かかわる時は、契約書に盛られた内容違反、目的外使用の場合は、これは撤回も可能だし、拒否もできるはずなんです。

 しかし、私たちは意味が違います。初めから絶対に貸さないと言ったんです。提供しないと言ってきた。それを強制使用して提供するというときに、これだけはっきりした目的外使用、不当が明らかになった以上は、これは承知できません。だから、今さっき、確認をしてみたんですけれども、防衛施設局、今発言しないと言っている。これは明らかに提供の義務があるというのを知っているからです。あと返事をしたら何が帰ってくるのか。いわゆる防波堤をつくっているだけです。

 しかし、僕は第一の当事者だと思います。防衛施設局が。土地を強制使用して提供しているわけですから。これについて防衛施設局が知らぬ存ぜぬで通るなら、これはとんでもない話です。だからはっきりしています。これは無責任です。こんな当事者に収用委員会は、少なくとも迎合はしないでしょうけれども、少しでも同情してはならないと思います。

 だから、沖縄には日米安保があり、支配者としての米軍がいるために、防衛施設局まで全部支配されている一言も言えない。そう言う中で大見え切ったら困りますよ。だから、もうあっさり皆さんお詫びしなさい。私たちここで務まりませんと。沖縄県民には少なくとも何も言えないので、防衛施設局は閉鎖してくれと。これだけは言えるでしょう。ないほうがいいです。これも一日も早く、どうでしょうか。普天間基地より先にたたんで帰ったら?これは国内法ですから、大丈夫ですよ。これをぜひ実行してください。

 少なくとも収用委員会は憲法に基づいて、そして県民の側に立って、普天間基地のこの不当な強制使用申請だけは、却下に催しますよ。防衛施設局に何を言ったって、ここから聞いていても、あの飛行機が落ちたよりか、アメリカの支配が恐いわけですから。これは総理大臣まで一緒でしょう。夏休みを隠れ蓑にして、まだ沖縄にも来ないでしょう。何で今ごろ北方領土に行かなければならないんですか。飛行機から視察するというけれども、あんまり意味ないです。だから、こういったことが明らかになっていて、そして具体的に私たちは今収用委員会にも堂々と不当性を言える。こういう立場ですから、その後で収用委員会から却下され、アメリカから無視され、県民から阻害され、立ち往生させましょうや、この際は。私たちがアメリカ軍政下のように立ち往生するのではなくて、少なくとも真っ先に防衛施設局はいらんですよ。

 もう一つだけついでに申し上げておきますけれども、沖縄には大使なんていうのがいるそうですよね。大したものです。どこの国ですか。治外法権もいいところで、こういう中で県民の前に立つときだけトラの威をかりて威張りくさっている。そして本当に真髄を突かれると、ここでは非常に丁寧でしたね「差し控えさせていただきます」と。冗談じやないです。何でそんなときに、僕などに丁寧な言葉を使うんですか。そういう時に「馴染まない」と言ってみたらどうですか。こういうことも今日もはっきり申し上げておきますので、ぜひそうじやないと、もうやっぱり今は防衛施設局に帰ったらどうか、なくしたらどうかと言いましたけれども、収用委員会の存在が問われます。本当にお一人お一人の心情を考えるときつい言葉ですけれども、次はこれを本当にまとめて、日本政府の無理難題に屈して提供したとなると、皆さん方が責任を問われますから、これだけは腹をくくって、やらないでおきましょうや。そのことを最後に申し上げておきたいと思います。

○渡久地会長   はい、それでは10分間休憩をとります。3時15分に再開いたします。

(午後3時1分 休憩)


資料提供:安里秀雄さん


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