軍用地を生活と生産の場に! |
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック |
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『一坪反戦通信』 |
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第178号(2006年5月28日発行) |
特集 米軍再編・日米「最終合意」を撃つ!米軍再編/各地の動き日米軍事再編・基地強化と闘う全国連絡会共同代表 金子豊貴男5月1日、日米両政府はワシントンで2+2、日米安全保障協議委員会を開き、米軍再編の最終報告をまとめ発表した。この「最終報告」の発表前の4月25日夕方、小川勇夫相模原市長を防衛庁に呼び、額賀長官が事前説明を行なった。そして防衛庁は相模総合補給廠の一部返還をあたかも相模原市が報告全体を受け入れたかのように発表、翌日の各紙は1面で「相模原市合意」と取れるような報道を行なった。 しかし、25日夜相模原市役所に戻った小川市長は午後8時過ぎから記者会見「この席では基地の強化・恒久化には反対、早期全面返還を求める」としたが、このことは翌日の各紙の記事にはのらなかった。マスコミの地方発の記事と締切時間をたくみに利用した中央政府のマスコミ操作が垣間見える。 以後、防衛庁は相模原市を最終報告「容認」自治体としてカウントし始める。マスコミも全国レベルでは相模原市「容認」で一人歩きしていく。実際はどうか。 相模原市長は5月10日開かれた市議会全員協議会の場で「容認しません。基地の強化・恒久化には反対です。たとえ戦車に引かれても反対の立場は変わっていません」と明確に答弁する。その後開かれた、相模原市米軍基地返還促進等市民協議会の場でも同様の見解を述べる。翌日の一部マスコミはこの点を伝えたが、中央紙の1面とはならず、以後も最初の記事が全体の市民の間に刷り込まれたままだ。同じような例は全国の自治体で行なわれている。受け入れという国の希望を全国紙に流し、それを一人歩きさせる。違うという各地の自治体の主張、意思表示は地方紙しか載せない、国の意向が独り歩きしていく。 私たちはこの、「国」が示す、あたかも自治体が受け入れたかのようなトリックを糾弾する。そして、自治体がまだ頑張っているんだということを広く訴えている。 国の報告がひどいまやかしだ、ということも徐々に市民はわかり始めた。たとえば今回15ヘクタール返還とされた相模補給廠の住宅地区。「返還」とは名ばかりで米軍から国に返されるだけ、それを地元市が使うには「有償」で国から買わなくてはならないこと、その金額が15ヘクタールで4〜500億円。途方もない金額になることが明らかになった。また、共同使用とされた土地も、米軍の訓練時や有事には地元に貸さないとされ、訓練では野戦病院設置なども行われることが明らかになった。これでは負担軽減・一部返還などまやかしであることが明らかだ。 こうした国の地元説明がまやかしだらけ!というのは他の地域でも同じ。名護市のキャンプシュワブ沖のV字型滑走路。離陸用と着陸用の滑走路など、風上に向かって離発着する飛行機に無理なことは明らかで、ごまかし用もないことが明白だ。また、厚木基地の艦載機を岩国基地に移し、岩国基地から自衛隊機を持ってくる、バーター案、これも艦載機部隊に付随する格納庫や整備部隊は動かされず、訓練空域も変更なしであるならば、いちいち岩国から厚木基地に来て訓練や整備を行うことは明確。騒音は減るどころか増える懸念さえある。 こんなでたらめなことは許されない。私たちは今後も粘り強く「基地の強化・恒久化」に反対した活動を続けていく決意だ。6月18日午後には横浜に全国の自治体関係者や地方議員を集め報告会とシンポジウム「米軍再編と自治体」市民フォーラムも計画している。中央政府の外交・防衛政策に「ノー」を突きつけた自治体を後押ししての運動は続く。 (関連資料p3表、p9「歓迎しない会・見解」) |