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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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第121号(2001年2月28日発行)

沖縄県収用委員会 公開審理

 二月二三日、読谷村総合福祉センターで約八〇名の地主・傍聴人が参加して第二回公開審理が開催された。冒頭、収用委員会から楚辺通信所の基地内立ち入り調査について、「収用委からは委員と事務局員一五名、施設局から六名で実施。当事者である知花昌一さんや代理人抜きとなり、現地で地権者の意見を聞くという当然の権利を米軍の意志で拒否されている」との報告があった。

 それについて、阿波根弁護士よりどういうルートで立ち入りを申請したのかという質問があり、基地内立ち入り申請の矛盾点が暴露された。つまり、立ち入り申請がなされた日米合同委員会は日米対等であり、日本代表が同意しなければ決定にはならない。米軍が地主の権利を侵害したばかりでなく、国民の権利を守るべき日本政府が米軍に同調して地主の立ち入りを拒否したのだということが明らかになった。

 次に那覇防衛施設局の裁決申請理由に対する求釈明(使用の裁決の申請理由説明書に対する求釈明の申立書)一九項目についての追求が行われた。この求釈明に対して二〇〇一年二月一九日付で那覇防衛施設局の回答書が収用委に提出されていた(付録参照)。

 施設局は一九項目のうち二項目のついて「馴染まない」という答弁をオウム返しのように繰り返していた。「馴染まない」二項目の内容は次のとおり。

A    「日米安全保障体制が我が国を含むアジア・太平洋地域の平和と安定にとって不可欠な枠組みとして機能している」とあるが、アジア太平洋地域と極東地域とは違うのか。違うとすれば、アジア太平洋地域の地理的範囲を明らかにされたい。
J    トリイ通信施設と楚辺通信所は、従前はケーブル線で連結されていると言われていたが、現在も両施設はケーブルで繋がっているのか。

 知花昌一氏とその代理人は、楚辺通信所はそれを実際に運用してきた海軍部隊が一九九八年に解散したことによって、現在は民間会社が委託されて管理しているにすぎず、通信施設として機能していないのではないかと指摘した。そして今回の強制使用は、現施設の継続使用ではなく、キャンプ・ハンセンに新しい基地を建設するための人質のようなものだと非難した。また、「米軍側の説明によって、現施設には国防省直轄の国防通信沖縄分遣隊が配置されていると承知している」と繰り返すだけの施設局に対して、新垣勉代理人から、「日米安保は陸・海・空の駐留しか認めていない。それ以外の政府職員の駐留は安保条約を逸脱している」との追求がなされた。それに先だって、地主の現地立ち入りが認められなかったことについて、収用委が米軍に強く抗議したことを高く評価するとの発言があった。

 移設日程について「四年二ヶ月で返還できるのものと考えている」として移設スケジュールを具体的に示さない施設局に対し、収用委当山会長からも「前回は期限内に移設できるとのことで収用したが、さらに使用期限四年二ヶ月収用の申請が出されているということはどのような根拠があるのか」「またその確実性について収用委としても興味がある」との発言があった。つまり、収用委会長に「申請どおりの裁決を前回してやったのに、約束が守られていないじゃないか、今度だって、信用できるかな」と当てこすりを言われたわけだ。また、「……と承知している」と繰り返す栗原施設部長に対しては、米軍の提示をそのまま伝えるメッセンジャーではなく、国民の代表として基地の実態を調査し、報告する義務と責任があると施設局側の姿勢を批判した。

 第三回公開審理は三月二七日に浦添社会福祉センターで開かれる。反戦地主を支援するだけの運動ではなく、私たち自らの平和運動として取り組もう。      
 (I) 

第3回公開審理
 3月27日(火) 13:30〜
 浦添社会福祉センター