沖縄における基地問題並びに地域振興に関する決議

 本院は本年五月の沖縄の祖国復帰二十五年の節目にあたり、ここに改めて、長きに亘る沖縄の苦汁の歴史に思いをいたし、かつ、沖縄県民の筆舌に尽くし難い米軍基地の過重負担に対する諸施策が極めて不十分であったことを反省する。この際、沖縄のこころをこころとして厳しく受けとめ、沖縄問題解決へ向けて最大限の努力を払う決意を表明する。

 本院はその決意に基づいて、政府に対し、沖縄が直面している諸問題の解決を図るため、引き続き米国との協議を通じ、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)における合意事項の早期実現を期しつつ、在沖米軍基地の整理・統合・縮小・移転等について、全力で取り組む。また、アジア状勢の安定化のための積極的な外交努力を行い、二国間及び多国間の安全保障対話を推進すると共に、「日米安保共同宣言」に基づきアジア・太平洋地域における米軍の兵力構成のあり方を含む軍事態勢について日米間の協議を進めるよう求める。

 さらに沖縄県の過去の歴史と伝統的な特性を維持しつつも、経済的かつ文化的に優れた国際交流拠点として、活力に満ちあふれた真に魅力ある地域となるよう、地元の意志を十分に尊重しつつ、統合的かつ実効性のある大胆な改革を含めた沖縄振興策を講ずるべきである。

 未議決議する。

(1997年4月22日 衆議院本会議にて賛成多数で可決)


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 新崎盛暉さん(沖縄大学教授)の解説(1997年5月10日の講演)


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