職務執行命令行政訴訟・第二回口頭弁論
この裁判に関する詳しい内容は「強制使用裁判に関する沖縄タイムスの記事」(「米兵3人による婦女暴行事件に抗議する」WWWサイトにある)で読むことができます。
以下は、ASAHIネット(朝日新聞ニュース)などの資料をもとにまとめた。
代理署名訴訟で第2回弁論
沖縄の米軍用地の強制使用に必要な「代理署名」を求めて、首相が署名を拒否した大田昌秀・沖縄県知事を訴えた職務執行命令訴訟の第二回口頭弁論が九日午前、福岡高裁那覇支部(大塚一郎裁判長)で始まり、本格的な法律論争に移った。原告・国側は日米安保条約の公益性などを主張した。沖縄県側は「安保堅持論」への批判などを中心に陳述。三月末に迫る一部の軍用地の使用期限切れまでに判決が出るかどうか、今後の日程調整が注目される。
国側は、安保の公益性や沖縄の地理的条件、基地移転の財政的負担の重さなどから、強制使用の正当性を主張した。第一回口頭弁論の県側主張に反論する内容で、双方の主張がほぼ出そろった。
また、県側が基地の存在は憲法が保障する平和的生存権などに反するとしたのに対し、「憲法の『平和』は抽象概念で具体的権利性の根拠にならない」などと反論。さらに米軍への基地施設・区域の提供は「条約上の義務で公益性が高く、米軍は日本、極東の平和と安全に貢献している」などとした。
一方、県側は、日米安保体制について、「ソ連崩壊などでその対象を失った。米国の世界戦略で在日米軍の基地が使われているが、『極東の範囲』を超えるもので条約違反だ」と指摘している。
朝日新聞 1996年2月10日朝刊から(東京・第3社会面)
大塚一郎裁判長は、県側が申請した大田知事への尋問を次回の2月23日に行うと決定した。23日は県議会の代表質問と重なるため、県側は強く反発。閉廷後、裁判長は再検討を約束したものの、県弁護団は「ほかの証人を調べないで結審しようとする姿勢の表れだ。審理を急ぎたい国の意向に沿っている」と抗議している。
この日、県側は学者や女性、反戦地主ら23人の証人と、大田知事本人への尋問を申請した。これに対し、国側は「沖縄への基地集中などの事実は争わないので、証人は必要ない」と対立した。合議の後、大塚一郎裁判長は「23日午前10時に大田知事の尋問を行う」と表明した。23日は定例県議会の代表質問が行われる予定で、県側は「知事は出廷できないし、ほかの証人を調べないでいきなり被告を尋問するのもおかしい」と反発した。
4回目の期日は3月15日が予定されているが、判決が4月以降になった場合、3月末に使用期限が切れる楚辺通信所(沖縄県読谷村)の一部が「不法占拠状態」となる。国側代理人は「裁判所が判断するのに十分な論拠が出そろったと思えば、23日の弁論で終結を求めることもある」としている。
[職務執行命令行政訴訟][沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック]