辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会
kaeru
http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html
連絡先沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック(090-3910-4140)、市民のひろば(03-5275-5989)


辺野古からの電話メッセージ

崎原盛秀さん(沖縄平和市民連絡会)

 

 今日、抗議に参加している皆さん、ご苦労さんです。平和市民連絡会の崎原です。

 沖縄県は、相当に機軸が変わっていますね。私たち実は10日に行動を起こして、県がどうもぶれ始めているということで、抗議をしたんですけれども、その時には「決してぶれていないんだ」ということを言っていました。ところが翌日になりますと、いわゆる政府案を基本として普天間飛行場の危険性の除去とかいう形になっているんですね。

 そのことに対して19日、私たちまた県に行って、基本的な姿勢が完全に日本政府に屈伏した形になって、県民裏切りじゃないのということで、県に行動をしたんです。ところが、その時においても「何も受けていません」といっているんですね。

 ところがあれを良く読んでみてください、「政府案を基本として」と明確に言っているんです。政府案とは何かというと日米安全保障協議委員会において日米が決めたところの問題なんです。これは明らかに沿岸案であり、V字型の滑走路2本を設定したものなんですね。そういうふうな非常にあいまいな立場を取って、いま、さらにまだ沖縄の人びと、民衆をだまそうと、はぐらかそうと、そういう状況があると思います。

 副知事がおそらく今日、そちらのほう、ヤマトに行ったという話を聞いていますけれども、新聞にもありましたけれども、沖縄の中で誰一人としていわゆる県の解釈が折れていないというふうな考え方をする人は、誰一人としていない。これはまさに政府に屈伏し沿岸案を承認した、そのことだというふうに認識をしているのがもう沖縄の人びとの考え方なんです。

 だから、女性団体が抗議行動を展開したり、いろんな形で県は抗議を受けている。そういった中で、慌てふためいて、今閣議決定を前に副知事を送ってさらにそこで日米双方がどのようにして沖縄の民衆を騙せるか、騙していけるか、そういうふうなことを一緒に考えているんじゃないかなと思ったりしますね。

 民衆運動の、圧倒的な攻撃の中でついに動揺をきたしているという状況が今日の沖縄県の状況かもしれません。

 私たちは、明後日から平和市民連絡会、市民共同行動、県をこのような、いわゆる県民を裏切り、そして国に対して完全に屈伏をしていくその状況を絶対に許さない、そういう思いをこめての県民広場での抗議の2日間の座り込み行動に入ります。そして26日は小泉が来るそうですけれども、小泉に対しても徹底して沖縄は沿岸案を絶対に拒絶するという姿勢を明確に示しながら抗議行動も展開していきたいと思います。

 いろいろと厳しい状況というのはこれから続くかもしれませんけれども、絶対に県の今日の状況を許されないし、更には沖縄の闘いというのは25日には緊急の県民集会も持たれるようなんで、そういうことを私たちは常に日常的に運動を作り上げながら県を徹底して追及する中で、普天間基地の即時閉鎖、同時に県外への移設ということを、あるいは国外の移設、できたらこれはもうアメリカに持っていけということをきっちりと主張しながら、これからの運動を着実に進めたいと思います。

 ヤマトにおける闘い大変ご苦労さんです。皆さん方の闘いは、ある意味では私たちに対する大きな励みにもなるし、共にそういう意味で、連帯の絆を築きながら今後の闘い強力に頑張りましょう。ありがとうございます。



内閣総理大臣・小泉純一郎殿
防衛庁長官・額賀福志郎殿

辺野古岬周辺新基地建設撤回と日米安保強化を止めるよう求める要請


 私たち「有事立法・治安弾圧を許すな!北部実行委員会」は、周辺事態法、組織的犯罪対策法制定の動きが始まって以来、「対テロ」を軸とした有事法制の整備と治安弾圧の強化に反対する取組みを行なってきた。この間は東部方面隊イラク派兵や共謀罪反対に取り組んでいる。その取組みの中で、私たちは、「対テロ」を軸とした日米安保強化は自衛官を殺し殺される状況に追いやり、住民に対する監視体制を強化につながることを問題にしてきた。その予想は、第一師団イラク派兵とそれに際した重戒厳体制で、まさに現実化となった。そのことを、私たちは許すわけにはいかない。

 ところが、日本政府は、さらなる日米安保の強化に踏み出そうとしている。

 5月1日、日米安保日米安全保障協議委員会(2プラス2)は、在日米軍再編に関する最終合意文書「再編実施のための日米のロードマップ」と「共同文書」を発表した。

 「共同文書」は、「テロ」対処共同態勢の強化やイラク・アフガニスタンでの協力とともにイラン・北朝鮮の「脅威」を喧伝し、「軍事力の近代化についての透明性を求める」という形で中国をも牽制している。そして、「弾道ミサイル防衛、両国間の計画検討作業、情報共有と情報協力や国際平和協力活動」などの分野で「協力の実効性を強化」し、「自衛隊と米軍の相互運用性を向上する」という。

 「ロー・ドマップ」ではキャンプ座間への米軍統合司令部と陸上自衛隊中央即応集団司令部の設置や横田飛行場への共同統合運用調整所設置が明記された。また、キャンプ・ハンセンでの陸上自衛隊との共同訓練や嘉手納飛行場での航空自衛隊との共同訓練に加え、嘉手納などの米軍航空機と航空自衛隊との移転訓練など、部隊レベルの連携強化も明記された。司令部の共同統合運用と部隊レベルの連携強化は、「日米協力の実効性強化」の第一歩だ。中央即応集団の仮司令部が置かれ、共同使用・共同訓練が頻繁に実施されている朝霞駐屯地の存在する東京北部で暮らし働く私たちにとって、これらは見逃すことができない問題である。

 辺野古岬周辺の新基地建設も、「共同文書」の「実効性強化」の文脈からすれば、北朝鮮に対する圧力強化、中国に対する牽制強化の一環といわざるを得ない。しかも、それを英豪軍にまで使用させるという案も提案されている。この提案と、在韓米軍基地再編、民間施設の緊急時使用も含む日米共同作戦計画刷新などの動きとを合わせれば、新基地は、アメリカ主導の有志同盟諸国軍が北朝鮮に予防先制攻撃を行うことをも想定した基地ともいえよう。そして英豪軍も含む使用案は、辺野古新基地が有志同盟諸国軍の展開する「対テロ戦争」の拠点であることを如実に物語っている。

 「沖縄の負担軽減」は欺瞞でしかなく、共同使用・共同訓練に加え新基地を負わせ、東アジアの緊張激化の最前線に沖縄を置く日米安保再編を断じて許すわけにはいかない。

 しかも、日本政府は、グアムに移転する米海兵隊施設建設に巨額を投じる方針だという。これは、沖縄返還時の密約から始まり「思いやり予算」に発展した米軍に金銭を供するあり様の問題性を端的に物語るものだ。

 日本政府がなすべきことは、日米安保をさらに強化して海外派兵を拡大したり、予防先制攻撃が可能な態勢を構築して東アジアを緊張させることではない。日米合意を受け入れさせるために名護市長や沖縄県知事を呼び出して恫喝したり、振興策で歓心を買うことなどでもない。そうした姑息な合意受け入れ強制が民衆には受け入れられず、その反対の声で失敗するということを、日本政府は、辺野古沖案が阻止された事実から学ぶべきだ。日本政府がなすべきは、返還時、さらには沖縄をアジア侵略の踏み台とした上に捨石とした近代日本国家の歩みに遡って日本政府が沖縄に行ってきたことを反省することである。

 上記を踏まえ、以下、要請する。

一.日本政府は、辺野古岬周辺新基地建設を撤回し、すべての米軍基地の撤去をアメリカ政府に求めよ。
一.米軍および自衛隊施設の共同使用や米軍と自衛隊の共同訓練の拡大を止めること。
一.グアム海兵隊基地建設費用支出を止め、基地被害への謝罪と補償を行なうこと。
一.日米安保強化を止め、「対テロ戦争」への加担を止めること。

2006年5月22日

有事立法・治安弾圧を許すな!北部実行委員会