那覇軍港の浦添移設に反対する決議
浦添市議会3月定例会の初日(3月8日)、突如として「西海岸開発事業促進に関する要請決議」と同「意見書」の緊急動議が保守系議員と公明党議員17名の連名によって提出され、革新議員と傍聴席を埋め尽くした市民の追及と抗議にもかかわらず彼らは強行採決を行った。われわれは、心の底から怒りを込めて市民不在、市民無視の暴挙を糾弾するものである。那覇軍港の浦添移設と引き換えに、西海岸開発事業促進を提唱する保守系議員らは、[那覇軍港機能の浦添地先への移設については、軍港機能の強化拡大につながらぬよう安全性、効率性、環境等に配慮して行うべきである」と主張する。しかしながら、軍港機能とは何なのか、基地機能が強化されない保証はあるのかという追及に何ら答えることがことができない。いや、それだけではない。保守系議員は、「多目的埠頭を造り、その一部に軍港を待ってくるという軍民共用を私たちは望んでいる」と、ついに本音を出してきたのである。このことは、多目的埠頭の一角に専用軍港を認めることを公然と表明したものに外ならない。そして、3月3日に高村外相が「一定地域については米軍専用でなくなるのはなかなか難しいと思う」と国会で発言したことと軌を一にしたものであることをはっきりと確認しておく必要がある。
事態はそれだけではない。その日の午前中になされた浦添市長の所信表明も、浦添市民の期待を裏ぎるものであった。すなわち、浦添商工会議所の提言「物資の搬出入といった那覇軍港の機能(一部)の移設を認め、多目的埠頭を日米共同使用する」ことを具体的に検討するということがそれである。現在の那覇軍港は、16,000名の兵士が30日間の戦争を遂行できる武器、弾薬、戦車などを含むあらゆる軍事物資の搬出入ができる機能を有している。この物資の搬入を具体的に検討するということはどういうことなのか。那覇軍港の浦添移設に反対と言うのであれば、戦争のための物資の搬出入など具体的に検討するまでもないはずである。野中官房長官らの「一歩前進したもの、心から歓迎している」「前向きの姿勢、理解を示したものと受け止めている」との評価は、浦添市民にとって屈辱以外の何物でもない。
政府は、新ガイドライン関連法案の早期成立をめざして強硬な姿勢を示している。日米軍事同盟の強化にむけて、日米共同作戦態勢づくりを図るとともに在日米軍基地の再編強化を着々と推し進めている。なかんずく、日米安保体制の中軸を成す在沖米軍基地の再編強化は、日米両政府にとって必要不可欠と言ってよい。老朽化した昔天間飛行場の代替基地(ヘリ基地)しかり。使い勝手の悪い遊休化した那覇軍港しかりである。
われわれは、日米両政府による永久的な基地との共生の強要を断固拒否する。そして、米軍基地の再編強化を狙った基地の県内移設に断固反対するものである。とりわけ、県内移設の先例と位置付けられ、最大の焦点になっている那覇軍港の浦添移設を阻止するために、市民投票を含め重大な決意をもってたたかうことを本集会の名において明らかにするものである。
以上、決議する。
宛先 浦添市長、浦添市議会議長
那覇港湾管理者(那覇市長)
1999年3月12日
那覇軍港の浦添移設に反対する市民総決起大会