沖縄県収用委員会 第9回審理記録

島袋善祐


当山会長:それでは最後になりますが、島袋善祐さん。どうぞ。

島袋善祐

 えー、これから、お話申し上げたいのは、私が話すのは、この話は科学的か、それから、社会的か、人の正義がどこにあるかということを、今日、集まっておられる方々は裁判官になったつもりでお聞きしてもらいたいと思います。だから、公開審理というのは、すごいんだ、公開って書いてあるでしょ。みんなで決めるということ。よろしいですか。

 そして、防衛施設庁の資料では、わたしの土地はキャンプシールズというが何回も言われましたけれども、わたしはそう言うところには土地はありません。キャンプシールズというのは、アメリカが勝手に、だれとも相談も無くして付けた名前なんですね。そこで、そういう名前は、わたしにはなじみません。

(笑いと拍手)

 ここは、この土地には固有名詞ていうのがある。固有名詞というのがありますよね。沖縄には、英語の土地というのはないんです。ここは、名前の示すとおり、お茶が曲がりくねるほど、ユー ユカトール ジー ヤイビーン、だから曲茶原(まがちゃばる)。よろしいですか。

 土地の科学的非科学(幾何学?)的性質というのがあって、沖縄でお茶ができる(と畑)というのは、決まりませんよ。沖縄の土地で、お茶のできるところと、できないところがあります。だから、国頭にはたくさんお茶あるけれども、島尻には一本のお茶もないでしょ。ここはお茶のできる南限なんです。だから、曲茶原。よろしいですね。

 だから、ウチナーンチュは黙っている人もいままでたくさんおりましたけれども、黙っておっては平和はこない。よろしいですか。

 土地も奪われ、地名まで奪われ、このまま黙っておると、文化も歴史もすべて奪われ、もう半世紀余にもなりますね。もう次に奪われるのは、ガイドラインの見直しということですから、次奪われるのは命なんですね。だから、私たちは、もっとがんばらんといかんということです。

 沈黙は何も生みません。そうでしょう。黙っておっては平和は来ないというのは、そのことなんです。奪われた財産、奪われた権利は必ず取り戻す。これが、人間である、ね、証として、権利を奪われても黙っている。こんな人はもう死んだほうがいいと私は思っている。だから沖縄県の県民は、土地だけでなくして、奪われた権利をはやく取り戻し、そして人間らしい生活をしたい。それには、行動することが沖縄の平和に繋がり、日本の平和に繋がり、ひいては世界の平和に繋がるとわたしは思っています。

 平和でないから、平和を取り戻すために、がんばろうということです。

 声を出すことが、今日的な沖縄の闘い、行動することが沖縄を変え、勇気あるいは抵抗することが沖縄の平和を取り戻す、一つの行動じゃないかなとわたしは思っています。それには、確信というのがある。どうしても必要と、わたしは思っています。

 それで、反戦運動は一つの沖縄の大きな財産じゃないかなとわたしは思っています。平和の歯車をみんなで回しましょうと、わたしは、方々で、わたしは声をかけているのであります。しかし、政府は、口を開けば沖縄の振興を打ち出して、日本の繁栄と沖縄の平和は、日米安保条約の基本をなしていると何回もいってきましたね。

 そうであるんだったら、基地は、わんからわんから、わったーはたんかい、むっちくーよ(私から私から、私たちのところにもってこいよ)、っていう国会議員は一人もいないでしょう。基地の面倒は沖縄だけで見てくれと言うが、沖縄にはそんな 土地は無いんです。よろしいですか。がんげーてぃ んーじみそーれ(考えてみて下さい)。

 山はゴルフ場でしょう、海はリゾート開発、農地は軍事基地でしょう。わったーうちなーんちゅや、どこに住めばいいですか。本当は基地は、平和のためじゃなくして、基地は諸悪の根元であり、犯罪の温床だと言うことを、ヤマトンチューはみんな知っているわけね。

 あの大田知事を訴えた眉の長い総理大臣、なんといったかな、あの人もね、自分のところには、基地は受け入れないでしょう。それから、あのポマード付けた総理がいますね。みんな(自分の所には受け入れない)。こういう人達、ヤマトンチュは、ウチナンチュからみたら、大変な人種だなあと思って、私はヤマントンチュ見たら嫌いだと何回もいいました。

 ところが、沖縄の苦しみを(作り出すのは)政治家がるわっさいびいん(政治家が悪い)、民間の人はいい人が多くいました。それでこういうふうに、たくさんの人達が、沖縄の応援しようと言って来られていることに対して、ありがたく思っています。

 それから、基地は危険で、子や孫のためによろしくないということが、多くの人達から(言われています)。だから基地は受け入れない、と私は思っているんです。で、沖縄には、これだけの基地の被害があります(補助者が約5メートルの巻紙を広げて示す)。沖縄タイムス・琉球新報にお願いして、年表をつくりました。ところが私は百姓ですから、字を書くのが非常に難儀で、途中で止めてありますけれども。沖縄の軍事基地、基地があるために、これだけの被害(がありました)。

 これ、みんな、アメリカが来てからの事件事故です。だから軍事基地は、いやだといって、沖縄に押しつけるのは、ね(ひどいことですよ)。

 これ説明したら、ゆーがあきーいくとぅ(夜が明けてしまいますので)、視覚に訴えて、訴えるために持ってきました。話を続けたいと思っています。

 ところで、沖縄の基地被害というのは、昔は、みんな平和に暮らしていました。マイホームのない人はいなかったです。かやぶちやー(茅葺き屋根)でもマイホームをみんな持っていましたね。マイホームにはカギがなかった。ぬすどぅ(盗人)はおらないから、アメリカーもおらないから少女も襲われなかった。

 ところが、あの天皇の仕掛けた戦争によって、この沖縄は大変なことになりました。たくさんの爆弾が落とされて、多くの犠牲を出しました。わたしはその時、その現場にいました。ところが、わが家だけはかすり傷も受けないで生き延びることができました。理由は、わたしの父は、日本軍のいうこと、政府のいうことは聞かなかった。「防空壕を掘りなさい」、掘らなかった。掘って防空壕に入った人は、 隣に爆弾が落ちて爆風で吹き飛ばされて、そして、土の中で、夕方帰ってきたら、死んでいた。

 だから、日本軍のいうことを聞いた人は、死んでいる。長生きするためには、ひょっとしたら日本政府のいうこと聞かないのが大切。

(そうだの声。拍手)

 それから、収容所から出てきたときに、いままで見たことのない金網が(張って)あった。そして、この金網を抜けて入ると食べ物があるけれども、収容所というのは食べ物がなかった。だから、この金網を抜けて入るとそこはもうアメリカなんですね。そして、金網を抜けて、食べ物を探しにいきますけれども。生き延びて帰ってくる保証はありませんでした。ある人は地雷を踏んで吹っ飛ばされて、ある人は、女が米兵に追いかけられ強姦され、それを助けようとして、鉄砲でやられた。それで、帰ってこないものに はそういうのがありました。わたしは、具志川村江洲 宮里でそれを見ました。

 だから、金網を抜けていくのも大変でした。アメリカはこの金網に何万ボルトという電流を通して、金網を手でこう捕まえると、吸い込まれる。これを私の父は見た。人間が黒こげになるんですね。だから、金網に手を触れる時には、手の甲で、こう。びりっと来たら今日はやめる。こういうことです。

 そして、この金網を抜けてきて、知花の十字路に来ました。ここでは多くの年寄りがこの、先ほど話があった、ブルトーザーを見ていました。よろしいですか。

 よく本には「銃剣とブルトーザー」というようなことが書かれていますけれども、昔は、沖縄の人達は、「ブルトーザー」とは言わない。英語だから分からない。「ドゥルボーザー」といっていた。

 (笑い)

 「ドゥル」とは、土の事を「ドゥル」という。「ボーザー」というのははぎ取ることをいう。似ているから、「ブルトーザー」とは言わずに「ドゥルボーザー」といってたんですね。そして、今まで見たことのない大きな道になりました。沖縄の道は曲がりくねっていました。それをまっすぐにしたんですね。曲がりくねったために文化があり、歴史があるとわたしは思っています。

 どういうことかというと、沖縄では年間2千2百ミリ降ります。よろしいですか。道がまっすぐにできているとなると、雨が降いねえ(降ったら)すぐ海洋汚染。海んかいいちゅせー(海に流れ込む)。昔は、道も曲がりくねっているし、溝も曲がりくねっているから、降った雨は曲がりくねっている間に、地球にしみこんでいく。ね、大地を潤す。

 アメリカのやることは心は曲がっているけれども、やることは真っ直ぐ。

 (大爆笑)

 沖縄は逆だ。沖縄は道は曲がっているけれども、

 くくろーまっとーばやいびーん(心はまっすぐでございます)。

 (大拍手)

 この違い。よろしいですか。

 世界地図を見て下さい。ヨーロッパの地図を思い出して下さい。ベルギー、オランダ、フランス、全部、国境、国の境が曲がっていますね。ね。

 では、アメリカの地図を思い出して下さい。豆腐を切ったように、比較的四角があるでしょ。あれはどういう意味ですか。アメリカという国はかつてインディアンがいた土地でしょ。

 文化もない、歴史もない。ちゅぬむんどぅ、けーとぅとーいびーる(人のものをかっぱらったのです)。あれは豆腐を切ったようにやったのは、緯度経度によって切ったわけでしょ。人の財産を奪っている。そういう癖があるんだね、アメリカーというのは。

 (爆笑)

 その次にきたのは、少女暴行事件でした。よろしいですか。少女暴行事件は今に始まったことじゃない。収容所からある。50何年前になるけれど、硝煙の消えはつることのない沖縄。現在も。それから、少女暴行事件もずっと続いている。

 さきほど、道をつくる話をしましたけれども、このかやぶちやー(茅葺き屋根の家)、これも立派なマイホームですけれども、アメリカはライターで火を付けていった。ぬーんちちきーが(何で付けるのか)と言ったら、壁もみな打ち壊す。友軍がそこに潜んで、仕返しをするという。

 しばらくすると、部落にみんな落ち付いて学校ができて平和な生活をしているときにアメリカはこういいました。学校にもきました。布教といったかな、クリスチャンを連れてきました。民主主義を一生懸命説いていった。そして、こういいました。共産主義者は土地も奪う、女も強姦する、それから、貯金通帳もみな取り上げてみんな共同になる。そういうふれ込みでアメリカが沖縄にいる理由は共産主義者から沖縄県民を守るということ。その権利と義務があると言う。誰がそれを与えましたか。土地を奪い、女を犯したというが、ソ連の人に犯された人がおりますか。土地取られた人が、沖縄におりますか。ソ連の人に土地取られた人沖縄におりますか。いないでしょ。

 こういうことで、取られた土地を、ね、銃剣とブルトーザーで取り上げた土地を日本政府は、本来でしたら、すまなかったねって、アメリカから取り上げて、熨斗をつけて県民に返すのが筋でないかと。わたしはそう思います。

 (拍手)

 法律のブルトーザーで土地を取るのか。急がないと時間がないですから、急ぎます。沖縄の基地被害を訴えたら、防衛側は、みなさんも聞いたと思いますけれども、わたしも何回も聞いた。アジアの平和のためには、貢献していると、そう言いました。しかし、日米安保条約は安全でない、ときどき、女も強姦して爆弾も落ちる、人も殺すって言えばよかった。

 平和のために、貢献している、アジアの平和のためにわたしは、ベトナムに行って調査してきました。時間がありませんから、今日は枯れ葉剤についてだけ、お話したいと思います。スライドお願いします。

 枯れ葉剤には、3種類あります。大きく分けると。午前中にかけると午後から葉っぱが枯れるのがあります。よろしいですか。そして、早く枯れるもんだから1カ月もするとまた芽が吹き出してくる。そして、もう一つの枯れ葉剤というのは、葉っぱにかけると葉っぱから浸透してきて維管束を通って、根っこを傷つけるわけですね。

 これを浸透型枯れ葉剤という。それから、浸透型枯れ葉剤を使うと、今、ダイオキシンの話をしているんです。この薬を使うと葉っぱが枯れるのはゆっくりなんです。これを早めに枯らす必要があります。次にかけるのが、蒸散作用がある薬なんですね。そういう3種類がある。

 わたしはこの薬を手に入れて、自分のバラ園に撒いてみました。(スライドを指して)比較のために、この大きなバラは普通のバラです。右側の小さいのがありますね。あれは枯れ葉剤に侵された、生態系が始まっている。薬を多くかけると早めに枯れる。しかし、風によって少しかかったのは、なかなか枯れない。秋の夕暮れと同じです。秋の夕暮れは暮れそうだがなかなか暮れない。枯れそうだがなかなか枯れない。

 しかし、生態系の破壊である。これは品種は変わりますけれども、こういう風にだんだんだんだん、衰えてくる。スライド次に進んで下さい。

 これを人間にかけたらどうなるか。ね。これは、ベトナムの枯れ葉剤をかけられたところの、周辺の病院を訪れて、医学博士にそういう状況を見せてくれないかと今、頼んでいる所です。許可が出ました。

 この人達は枯れ葉剤の後遺症になっている人達を集めているところです。手のない子がいます。あんまり見ないで下さい。足のない子が産まれました。早く進んで。そして、二重胎児が産まれました。ホルマリンに漬けられています。

 この、ね、ホルマリンに漬けられた、あー、シャッター押すのも非常に心が痛かった。

 わたしはこういう写真を撮って、方々の人達に戦争の恐ろしさ、ダイオキシンの恐ろしさを説明しました。そうしたら、ある人がこう言いました。あんたは、反米主義者でなんでもかんでもアメリカのせいにするのかと。わたしは反米でもない、親米でもないんです。悪いのはただ、悪いと言っている。沖縄の軍事基地がそういう非人道的な行為に使われているのに、告発するために、話しましたけれども。聞かない人がいるんですね。知らないからそういうことをいうわけですから、知っている人が教えんといかん。、知らんといかん、私は教えました。

 ベトナムはフランスにも攻められました。ところがフランスと言うところは、枯れ 葉剤を撒かなかった。こういった奇形児はまるでない。それから、もう一つ。ベトナムは熱帯地で、沖縄みたいにハブがおるんですね。ところが、枯れ葉剤撒かれた地域にはハブ1匹もいない。

 もうひとつ、人間のDNA、昔で言うと染色体といいますね。あれは遺伝子。何個あるかご存じですか。知っている人、手を挙げて下さい。私は、調べました。常染色体が46個ある、性染色体が2個。合計48個ですね。性染色体というのは性を決定するもの。XXで女の子、XYで男の子。だから、この地域では、女でない人が、男のシッコするところがない、女のシッコするところがない子が産まれてくる。だからこの染色体が1個でも侵されると子や孫に遺伝する。こういう話をわたしはお医者さんから聞きました。医者としてはこれは常識ですよとということを、言っていました。

 だから、基地と言うのは、沖縄にあるのが反対じゃなくして、どこの国にあっても、人類を破滅に追い込むものだから、われわれ反対します。

 大田知事もわれわれ反戦地主を大いに応援してきました。ところが50億円というお金が動いて、大田さんがおかしくなりました。多くの人に言って欲しいけど、みんな言わんから私が言う。

 橋本の思いをK、U、Yに託して、大田を恫喝して、この、50億円が動いたと言われている。半分は調べました。Yは吉元。

 昨日おとつい新聞にデカデカと出ましたでしょ。そして、橋本、吉元が、ね、太いパイプで、沖縄に50億円を流しておかしくなりました。しかし、沖縄は橋本のものでもない。吉元のものでも。私たちはこの、足元を見つめないと。大変だ。

 (笑い)

 ね、根性が曲がっちゃいけないということ。私はそう思う。そこで、この、50億円が来たときに、私は天国と地獄を一遍に見ました。申し上げますのは、国際法律家協会の、肝煎りで、ワシントンに沖縄の問題を訴えようといって、県民投票をして、基地撤去に、たいなーんまるきちたんよ(二重丸つけたよ)。そして、飛行機に乗って、みなさま方が9割方の票で圧倒的多数で、勝利したわけでしょ。この時私はワシントンの空の上でした。これは天国でした。しばらくペンタゴン行動をして、4日後でしたかな、そこでは、地獄でした。50億円を渡されてね、そして、この50億円の話になりますけれども、日本政府はこの50億円に対して、沖縄の振興資金だと言った。アメリカは私たちが記者会見やいろんな、マスコミにも追っかけられて*、ゆぬじんでやいびんど*。アメリカはこの、50億円を賄賂と言っていた。

 それから、今は亡き私の母は、こういうお金のことを、じんとぅぬちとーさよーん。むぬくぃーしるわがうすーんり。むぬくぃーしるわがうすーんり、とは軍用犬と、犬と同じだということ。

 我々は、四つん這いになってはいかんということだ。ひじんむなみてぃん、いぬんかいや、ないなよ(実が入ってなくてひげのように細い芋をなめるような羽目になっても、犬にはなってはいけない)。

 話に夢中にないねー(なって)、50万、50億円のーけーわしとーさ(忘れていました)。このお金は、私に言わせると不幸への招待券だ。50億円っていったらね、どれくらいあるか。(発泡スチロールで作った50億円の大きさの立方体を示して)これだけあります。これ回して皆さんに見せて下さい。

 日本政府は振興資金と言ったね。アメリカは賄賂という。わたしの母は、むぬくぃーしるわがうすー、と言った。そして、わたしの番、これは、不幸への招待状。

 このお金は、本来でしたら、政府のお金というのは、積算基礎をちゃんと取って、国会に出して、審議をして、ね、成立してはじめてのお金でしょ。しかし、このお金は手掴みである。さっき言った、聞こえはいいが、ね。

 そこで、私たちは、なにか、そのお金のことで、昔を思い出しませんか。弁務官資金と似ていませんか。うへーにちょんねーそーいびいーんどーや(ちょっと似てますよね)。弁務官資金というのがあって、アメリカは水道公社をつくって、県民に水を売って、水商売やりましたね。それから、電気を作って、電気会社を作って、電気で儲かっている。それから、琉球銀行というのを作って、中身の49%は民間、51%はアメリカ。吸い上げた金で選挙になると、ビラをつくって飛行機から撒いていたさ。お忘れですか。ウチナンチュはみんな覚えているでしょ。

 そこで、弁務官が好きなところと嫌いなところがはっきりわかりましたね。それがあの有名な又吉道路。又吉道路というのがあるんですね。泊から安謝に。えー、安謝だったかな(註、正しくは泊から安里まで)。あれを又吉道路という。それから、この通り、県庁に抜ける道を瀬長道路といった。ね。

 雨が降ったら、私、その時、那覇にいましたから分かります。雨が降ったら、天に傘をさすのは又吉道路。この瀬長道路では、バスに向かって傘をさすんだ。どぅるぶっちゃー跳ねかけるから。

 しかし、弾圧と差別は抵抗を生む。抵抗を生みました。頭のはげた、なんといったかな、なんといったか、アメリカの・・・アイゼンハワーが来てね、来なければよかったのに。そして、琉球政府に入っていったね。ウチナンチュたくさんのデモ隊に、琉球政府は取り囲まれて、彼は逃げ場を失って、彼は玄関から出ることができなくて、トイレから出た。そして、どぅるぶっちゃー(どろだらけ)の道から飛行場に逃げて、とうとう東京に、内地に上陸することができなかった。これは、沖縄の大きな闘い。先輩方はやった。

 それから、最後の土地収用法の不当性について、話したいと思っています。地籍が確定していないところを強制使用しようとしているときに、国会で、これは何回も論議されました。一筆一筆が確定していない土地には強制使用はおよばないという政府の答弁があるにも関わらず、私たちが東京行動に行ったときに、確か当時の渡辺長官というのが、いたと思いますけ れども、地籍が確定できていない土地も周囲の状況から判断をして、土地を特定して強制使用できるという。できないというなら反証を示せと。

 どうします、今日、反証を示しましょうか。向こうが希望だから。

 日本政府は土地をね、5%づつ増やしてここはあなたの土地ですよと言って、押印を求めたわけですね。これが大田知事が、代理署名というのは、あたしたち32名に代わって、こういう種類で印鑑を押すということ。大田さんはそこ見たことない。どういう風に違っていたかというと先ほど、スライドにも出ていましたけれども、わたしの名前が違っているね。公務員は、もうすこし字はきれいに書くかと思ったら、私のほうが、もっと字はうまいんです。

 (笑い)

 あれは他人が書いているわけでしょう。ねえ。私は考えは左だが、しめすへんに、字は右。だから、自分の名前を間違う馬鹿いないでしょ。それから、ここにありますけれども、一例を申し上げますと、2552平米あるのが2600平米に、1300平米が1500平米に。5%増えたのと3%増えたのは、差別です。法の下の平等に反する。

 それはいいとして、私は聞きました。世の中には、増えるものと増えないものがある。増えるものは生物、増えないものは無生物。土地は増えたから生物ですかと聞いた。生物ですかと聞いたら、答えられないね。しかも、5%づつ土地を増やすと言うことは、土地に足が生えてどんどん玉突現象になって土地に足が生えて動くというのは、このこと。

 5%づつどんどん進んでいく訳ですね。そして、杭を打った訳ね。場所によっては昔の境界線が残っているところがあるんですね。境界線が正しいのか、越境した杭が正しいのか聞きました。防衛施設局の田名コーメイと言う人、今日来ていますか。この田名コーメイがいうにはですね、昔のものは反古にして防衛側が打った杭が真正であると。歌にもありますよ。昔の名前で出ています。昔の境界が出ています。

 (笑い)

 自分の隣の屋敷からね、垣根が越境してくるというのは、あんまり、そんなことないでしょ。こういう周囲の状況から判断すると土地は特定できない。こういうんです。それから、こういう風に土地がなにもしないでも増えるということは、これは、学問的にいうと、地球膨張論なんでしょうね。 それから、田名コーメイが、これでありますという杭、ね。だから、本人が杭を打つならいいけれども、反戦のこころに杭を打つと言うことは、将来に悔いを残すからいやだといったのは、このことだ。

 (拍手)

 それで、くっさ説明しん(これだけ説明しても)、くぬひゃーたー(こいつら)・

・・・<以下録音不明>

 強制使用をしようとして恥じることもなく法律もどんどんと変えるわけですから、これに対抗するのを、私の、子供が考えました。中学3年生で「お父さん、この本を持っていけば絶対勝つ」と。ここに日本国憲法29条、ね。このアンダーラインを引いてありますけれども、公共のためには、適正なる保証を 支払って、土地を強制使用することができるということが書いてありますね。

 私の子供は言いました。「人を殺す土地も、学校とか病院とか建てる場合も、これも公共ですか」と。「なぜ、これ言わないの」と。「政府のいうところは歯が立たないんだよ」と言いましたら、次にこの数学の本を持ってきました。これはピタゴラスの定理が載っている。面白いことに、この本を書いたのは、また、橋本という人だね。

 (笑い)

 こういうことです。土地が増えているから、ね、反証を示せと言うから、今これで示そうとしているんですよ。(直角三角形を描いたボードを示して)この三角形の辺をaとbとします。ね。斜辺をcとします。aの辺とbの辺、どれが長いですか。はい、bの辺が長いと思う人手を挙げて下さい。(手が挙がらない)

 では斜辺cの辺が長いと思う人 。

 (はーい、の声)

 沖縄の人は頭がいい!

 防衛施設局ではbが長いことになっている。

 普通は、昔の登記簿面積というのは、cの辺を計りました。それを、やまなり測量という。山に沿って計るわけね。ところが、国土地理院の測量では、cを水平に降ろして、ね、水平じゃない、垂直に降ろして、bの辺を計るわけですね。そしたら、短いでしょ。面積は減らなくちゃいかん。

 沖縄の土地は、米軍基地は防衛施設庁が、計る訳ね。基地の外は沖縄開発庁が計る。開発庁は真面目ですから、ね、開発庁のは減っている。これで、ウチナンチュは納得する。ね。どこから増えたんでしょうね。

 法廷でこれをやろうとして、最高裁にもっていってもみんな蹴飛ばしたでしょう。だから司法・立法・行政、日本はみんな腐れている。

 そして、本来でしたら、異議があり、訴えたり訴えられる際には、例え銀行強盗であろうと、裁判所に呼んでどうだったかということを、聞いて調べて判決を下すのは、これ当然。しかし、我々は場合は、そうじゃない。防衛施設庁のいうことは、聞いて、我々のははじき飛ばした。野球で言うと、バッターボックスにバッターが入らないうちにピッチャーが球 投げて、ストライクと。これと同じ。

 日本には裁判所ありますかと、東京で聞いた。マスコミに言ったのはそのことです。

 収用委員会の先生方は、この公開審理で真実はここにありと、道理はどこにあるかということを、十分議論なさって。不当性のある防衛庁のこのウソ八百を並べた、並べられたのは、門前払いしてもらいたいとわたしは思っています。

 そして、沖縄から早く軍事基地がなくなるように。そのまま、わたしたちが進めていくとあの普天間基地に足が生えてどんどん進んで、ついに、ね、東京まではいかんだろうけれども、辺野古にいま作られようとしているわけ。当面の我々の力を注ぐべき、ところはそこだと思っています。

 約束の時間がきましたので、終わりに致します。本来、ね、軍事基地も契約が切れたら、時間が来たら、返すものだ。時間がきたら延長というのは、もう、恥、恥ずかしい、ことですから。

(笑いと拍手)

 当山会長:はい、ありがとうございました。これで本日の審理は終了します。あの、次回は、沖縄コンベンションセンター劇場棟におきまして、平成9年12月25日木曜日、午後1時より開催いたします。なお入場受付は午後0時30分から開始いたします。本日はありがとう。おつかれさまでした。


  出典:第9回公開審理の録音から(テープおこしは比嘉


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