沖縄県収用委員 第5回会審理記録

篠原弁護士(代理人)


当山会長:

 みなさん、こんにちは。えー、これより第5回公開審理を行いたいと思います。

 はじめに私より収用委員の紹介をいたします。えー、私が去る6月5日、収用委員会において前会長に代わりまして、会長に就任いたしました当山尚幸です。よろしくお願いいたします。(拍手)ありがとうございます。

 実は、本来は私の右となりに同じく選任されました会長代理の渡久知政實委員が座っているはずなんですが、裁判の都合で若干遅れるということなので、よろしくお願いしたいと思います。その右側に高良有政委員です。(拍手)そして大城宏子委員。(拍手)それから左に参ります。左となりが西賢祐委員、(拍手)次が比嘉堅委員です。(拍手)なお、前会長で現在も委員でございます兼城賢二委員は、まだ体調が不調で都合により、欠席しております。

 引き続きまして、審理進行のご協力についてお願いがございます。意見陳述をなさる方は、私から指名を致しますので、指名された方のみ意見を述べてください。勝手に意見を述べないようにしていただきたいと思います。審理記録作成のために意見陳述をされる方は、マイクを使用して、起業者那覇防衛施設局の方は、職名および氏名、土地所有者等は自己の権利に係る施設名、および氏名を言ってから意見陳述を行ってください。

 なお、まあ、今回はこれはないかと思いますが、起業者において、お一人で意見陳述を担当なさる場合は最初の意見陳述の際に、職名および氏名を言ってその後は省略していただいて結構です。

 今日も審理がスムーズに進行できて多くの方が意見陳述が出来るよう、審理に参加されているみなさんもご協力をお願いいたします。

 一つ、ご報告がまずございます。えー、前回、前々回と、防衛施設局のほうで、釈明を保留しているのがございましたけれども、本日、文書で釈明書が届いております。地主代表の方、いつでも収用委員会のほうで手に入れることができますので、どうぞご利用ください。

 えー、それから本日の審理の進め方ですが、事前に調整いたしましたところ、伊江島補助飛行場関係の意見陳述を主旨としてやりたいということですので、それをやりたいと思います。それでは、進め方なんですが。かなり、細かいスケジュール表が来ておりますが、あのー、一つ、采配を振られる方、だれか責任者をおいていただいてですね、順次各人に意見陳述をしていただけたらなというふうに考えますが、いかがでしょうか。私が聞いたところでは、新崎先生か、新垣先生がそれをなさるという話でしたが。よろしいですか、これで。それとも一人一人指名してやりますか。

 どうぞ。

阿波根弁護士:

 代理人の阿波根です。えっと、ただいまの件ですけれども、順序についてはですね、収用委員会の方に書面で記述されている通りです。時間等の配分についてもですね、一応書いてあると思うんですけれども、あの、時間で言えばですね、一つ一つ出来るように、時間的な配分についてはですね、新垣弁護士と新崎さんが調整していますので、そこで審理をね、時間的な調整をしていきたいというふうに考えております。途中、時間変更等ありましたら、事前連絡を、いたしますので、そのようなことでやっていただきたいと。

当山会長:じゃ、この資料の通り進めてよろしいですか。

阿波根弁護士:よろしいです。

当山会長:はい。ではこちらから一人一人指名してやることにします。

 じゃ、まず最初に篠原弁護士、よろしくお願いいたします。

篠原弁護士:

 ただいまご紹介していただきました篠原です。わたくしは伊江島の反戦地主の代理人です。本日は、伊江島の米軍基地について反戦地主の意見を陳述いたしますが、意見を、地主の意見を十分に理解していただくために、まずスライドを用いながら、伊江島の概況、伊江島の米軍基地の概況をご説明いたします。

 この写真が伊江島の全景です。伊江島は沖縄本島北部の本部の西沖合、5キロメートルに浮かぶ島です。島の東よりにはタッチュウと呼ばれる標高172メートルの城山(ぐすくやま)がある以外は平坦な島です。人口は約5,500人、面積は22平方キロメートルです。一口に22平方キロメートルといましてもなかなかイメージしにくいのですが、横7キロメートル、縦3.5キロメートルの楕円形を想像していただければよいかと思います。

 次のスライドをお願いします。

 美しいお花畑の写真です。ここに写っています黄色い花は、マーナとよばれる菜の花の一種だそうです。他の色の花はまだ名前を聞いていません。またあとから聞こうと思います。

 

 

 次お願いします。これは伊江島を西側から写した写真です。滑走路が3本あるのが分かると思います。南北方向に1本、2本、3本写っております。

 次お願いします。これが伊江島の基地の様子を図面にしたものです。この図を見ますと、狭い島のなかに米軍基地が如何に大きな面積を占めているかがよくわかります。島の35%、8平方キロが米軍基地となっています。かつて、島の63%が米軍基地でしたが、反戦地主を中心とした住民の闘いの結果、現在の面積にまで縮小させたものです。しかし、縮小したとはいえ、いまだ島の35%が米軍用地になっており、米軍基地の撤去は地域住民にとって切実な課題です。

 この米軍基地のうち、フェンスで囲まれて、実際に基地として使用されているのは、この地図の西側と中央からやや東側のほんのわずかな一部の2箇所だけで、その他は基地としては使用されておりません。のこりは黙認耕作地、または黙認住宅地として島民の方が使用しています。この図面で見ます、小さく四角で囲まれている部分が、土地を契約を拒否している反戦地主の土地です。

 この図を見ると、実際に使用されている土地の中心部分に、反戦地主の土地が集中していることが良く分かります。強制使用を許すか否かが米軍基地の存続・撤去に直結してしていることが、この図から良く分かると思います。それだけにこの審理が重要な意味をもっているということができましょう。

 以上を持ちまして、伊江島と伊江島の米軍基地の概況説明を終了いたします。

当山会長:はい、ありがとうございました。それでは地主のみなさんの意見陳述をいただきたいと思います。まず、最初に浦崎直良さん。


  出典:第5回公開審理の録音から(テープおこしは比嘉

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