沖縄県収用委員会審理記録

阿波根昌秀弁護士(土地所有者代理人)


○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 代理人の阿波根昌秀です。

 きょうは楚辺通信所についての具体的意見陳述、13施設のトップバッターとして楚辺通信所の施設の意見陳述をしようと思って、スライドも用意して準備しておりました。時間がありません。それで前置き抜きにして、最後にどうしても今日中にお聞きしたいことがありますので、ぜひお答え願いたいと思うんですけれども、一昨日、私たちは現地立入申立についての斡旋方の説明、この文書をいただきました。この文書の中で、地主が立ち入る方法として三つの方法がありますということで、文書をいただいております。

 その一つは、日米合同委員会の事務局を通じて申請しなさいというのが一つ。

 あと一つは、防衛施設庁を通じた在日米軍基地司令部に申請しなさいというのが一つ。

 あと、現地米軍に直接申請しなさいという形の方法について、申請に三つの方法がありましたけれども、私たちが立ち入りを求めたことについて、この三つのうちのどの方法でだったら可能なのかということについてはっきりしませんので、まずその点を明らかにしていただきたいと。

 現地米軍に直接申請でやりなさいということじゃないかと思うんですけれども、地籍明確化作業の段階で、防衛施設局の職員がこちらと協議しまして、各施設に入って現地立入調査をしたことがあるんです。ああいう形での調査は、この1、2、3の中で、どの分類に入るのかどうか。

 合同委員会の事務局を通じて、那覇防衛施設局の職員が中央の職員として、合同委員会に申請してそれでやったと、現地立入調査をしたんだというような方法で、前回の地籍明確化方法のときの立ち入りはなされたのかどうか、あるいは第3番目でやったのかどうか。今回は第3回の立ち入りについて限って輸旋しましょうということなのか、そこらへんを明らかにしてもらいたいと思います。

○当山会長代理

 施設局、よろしくお願いします。

○起業者(那覇防衛施設局施設部長 坂本憲一)

 われわれのほうは、皆さんの書類をいただきまして、現地米軍にそれをもっていくということでございます。その前の経緯については承知しておりません。

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 すみません。前のほうは承知してないと言うんですけれども、地籍明確化作業のときに入っているんですよ。担当職員がいますので、お聞きになったらすぐ分かります。そのときの、いわゆるこれは一般的な立ち入り方法として申請書を出せば、「私たちは現地米軍にその文書を提出しますよ」というだけの話なのか、もっと積極的に、基地内立ち入りについて地主側と協議をして、立ちいる方法についても施設局が積極的に対応していこうと、そういうことの回答なのか、お聞きしたいんです。どうですか。

○当山会長代理

 施設局、どうぞ。

○起業者(那覇防衛施設局施設部長 坂本憲一)

 前回もお答えしておりますが、斡旋でございますので、申請の要請がございますれば、回付いたします。

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 それじゃ、単なる事務的な作業の橋渡しをするにすぎませんということなんですね。具体的に、現地立ち入りについて強制収用手続きのー環として、地主の意見陳述権を行使する前提としての立ち入りじゃなくて、「誰でもよろしいから、申請があれば施設局は案内いたしますよ」と、その程度のことでございましょうか。

 それだけだったら、意味がないんですよ。やっぱり、意見陳述をする前提としての立入りについて、施設局の方でもっと積極的に応答してもらいたいということなんですよ。

○当山会長代理

 今のは希望ですか。

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 希望です。

○当山会長代理

 一応、そういう希望ですので、施設局も検討してください。

 ちょっと予定時間をオーバーしてしまいましたけれども……

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 希望ですから、お願いですから回答を求めてください。お願いしているわけですから。

○当山会長代理

 今すぐ回答できれば、お願いしたいんですが。

○起業者(那覇防衛施設局施設部長 坂本憲一)

 前回、答えたとおりでございます。

○当山会長代理

 答えている意味は分かったと思いますので、分かりますよね。

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 さっぱり分かりません。

○当山会長代理

 じゃ、何をどうしますか。

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 時間がありませんので、手っ取り早くしますけれども、回答を明確にしてもらいたいと思うんですけれども、こちらの基地内立ち入りについて、協力する姿勢があるかないかということをお聞きしているわけです。

○当山会長代理

 施設局、どうぞ。

○起業者(那覇防衛施設局施設部長 坂本憲一)

 収用委員会のほうから斡旋ということできておりますので、立ち入りの申請がございますれば、回付したいと思います。

○当山会長代理

 その範囲での協力という意味ですか、そういうことだそうです。

○土地所有者代理人(弁護士 阿波根昌秀)

 分かりました。

○当山会長代理

 大変おそれいります。今後の日程ですけど、会長が今入院している関係もございまして、1週間ないし2週間、はっきりしないんですが、検査の結果が分かり次第、退院するそうですので、それを待って、明確には決定するとして皆さんと調整したいと思います。きょうは大変ご苦労さまでした。ありがとうございました。

(午後5時10分 閉会)


 出典:沖縄県収用委員会 公開審理議事録
    違憲共闘会議提供、テキスト化は仲田

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