城間勝さん(一坪反戦地主)


城間さん:嘉手納地主の城間勝(しろま まさる)です。では、わたくしのほうからは、申請理由の説明要旨の「第1 申請理由等」の1の(3)のなかで「……平成9年5月15日までの使用期間中においても、賃貸借契約の締結並びに施設および区域の整理・統合・縮小の努力をかさね……」と、こうかいてあるわけですが、えー、いかなる努力をしたのか、具体的に明らかにされたい、ということです。まず、それから聞きましょう。施設局に、あるいは収用委員会に要望いたしますが、わたしたちの土地を、むりやり取りあげて使おうということですから、このわたしたちの質問に対しては、はっきりと誠意をもって答えてもらいたいと思います。

会長代理:あのー、城間さん。お願いがあるんですけど、担当されているのは、八項目のところでしょうか。

城間さん:えーとですね、いま……。

会長代理:もし、そうであれば、まとめてやっていただいたほうが時間の節約になると思いますが。えーと、これは先ほどの「審理にはなじまない」という回答にはならんと思いますが。お願いします。

城間さん:えーと、じゃあですね、まとめてやりますが、関連して質問しなければならないところがありますので、よろしくお願いいたします。

 えー、同じく(3)の中でですね、「……約33、6ヘクタールの土地については、所有者との合意が得られる見込みがない状況」とあるが、見込みがないと判断した根拠はなにか。任意の交渉はしたのかどうか、ですね。それから、任意の交渉をしたのであれば、すべての地主と交渉したのかどうか、その内容を明らかにしていただきたい。3点目には……。まず2点目まできいてから、次に質問を進めていきたいと思いますが。

会長代理:そのほうがやり易いですか。じゃあ、施設部長、お願いいたします。

坂本施設部長:最初の二の2につきましては、先ほどお答えしましたが、この事項につきましては平成9年3月10日付で「審理に馴染まないと思われる求釈明事項である」ことを回答したところであります。

 それから、「約33、6ヘクタールの土地については、所有者の合意が得られる見込みがない状況とあるが、見込みがないと判断した根拠はなにか。任意交渉はしたのか。任意交渉をしたのであれば、すべての対象土地と交渉したのか。一部の地主とだけ交渉したのであれば、他の地主とは、なぜ交渉をしなかったのか。」との事項についてお答えします。
 当局としましては、土地所有者の方々と直接面談する等により、賃貸借契約をお願いしましたが、軍事基地に反対、または、返還要望等の理由で契約を拒否されたことから、手続きを開始する時点におきまして、契約の合意が得られる見込みがないと判断いたしました。
  また、いわゆる一坪共有地主の方々につきましては、契約拒否運動を拡大する等々、その一坪反戦地主会の活動内容と、諸般の事情を勘案し、使用についての合意がえられる見込みがないと判断したものであります。

城間さん:じゃあ、続けていきますが。いまですね。えー、すべての地主に対して、一応交渉したと。しかしながら、一坪反戦地主会については、やらなかったと。これはもう、交渉しないまでもわかっていることだと。こういうふうにお答えをしています。このような、人の土地を取り上げるという時に、任意の交渉もせずに、手続きに入る前の任意の交渉もせずに、強制使用の手続きにはいっているというこういうことが、さきほどの静岡の石原正一さんの問題等が惹起する原因になっているんです。このようなでたらめな、人の権利を制限していこうとするときに、ちゃんとした手続きもやらずに、横暴に強制的に取り上げていく、こういうやり方が、このようなやり方が、いまいったような、これまでのような問題を惹起している。

 ちなみにこれは、前回の92年の強制使用のときの、わたしたちはこの求釈明のなかで、対象にもなっていない地主、契約期限が満了にもなっていない地主を対象にして強制使用の手続きをとっているということがありました。これは、わたしたちが求釈明のなかで明らかにしてはじめて、防衛施設局は撤回したということがありました。国がやっている、防衛施設局のやっていることはこのように、まったくでたらめな手続きを踏んできていることが、この間の事情であきらかだと思います。
 えー、ところで、防衛施設局は、この強制使用手続きに入る前に、この人は一坪反戦地主であるか。あるいは反戦地主であるか。どういう思想を持っているか。どういう団体に属するかというのを、調査してですね、任意交渉をするのかしないのか、それを決めているのですか。ちょっと答えてもらいたいと思います。

会長代理:それは、別の質問ですか。

城間さん:関連質問です。一坪反戦地主会という、そういう団体というだけで任意交渉をしないということをいっているわけですね。そういう調査をしてから、任意交渉をしたのかどうか答えてもらいたい。

会長代理:防衛施設局どうぞ。

(坂本施設部長、たちあがらない)

会長代理:城間さん、続きをお願いしたい。あのですね。ご意見は、また別にに言う機会ありますから、できるだけ次は質問に入っていただきたいと思います。

城間さん:いや、いまの点について是非聞きたいのです。

坂本施設部長:われわれの書類上では、一坪の方は明確には分かります。

城間さん:え?なんて言ったの?

坂本施設部長:一坪の方の名前は明確にわかっております。

城間さん:一坪の人であるという名前だけは分かっているという事ですか。一坪であるかないかという、そういうふるい分けはしてあるということですか。

坂本施設部長:いや、あの、登記簿に書いてあるとおりでございます。

城間さん:では、質問を進めていきます。

  防衛施設局はこの間、前回の二回の強制使用の手続きの中で、わたしたちいわゆる一坪反戦地主会には一度も任意の交渉はしておりません。しかしながら、去年の7月頃、夏頃に一部の一坪反戦地主の家をですね、施設局職員らが回っております。まずこの件について、質問をしていきます。
 この、去年の七月に、皆さんが全国の一坪反戦地主の土地を、――これは全部ではないですが――、回っておりますが、その回った期間は何時から何時までだったのかという点。 まず、これが第一点ですね。
 二点目には、何名の地主に会ったか。そしてその、他の地主にはこれから会うのか会わないのか。これが二点目。
 三点目には、この七月、――去年の七月ですが――、皆さんが回った目的は何なのか。
 四点目には……。いや、三点目まで聞いてから進めましょう。

会長代理:あの、事前にいただいた質問書というか、求釈明事項のどれなんですか。

城間さん:いや、求釈明事項にはないんですが。関連してです。任意交渉の件で聞いているんです。防衛施設局は事前の任意交渉はしていないのですが、任意交渉は一坪反戦地主会には会わなくても分かるといいながら、去年の7月に会ってきているわけですよ。このことについての意味と内容について知りたいと思います。関連質問です。

会長代理:先ほどの質問の続きと言う意味ですか。

城間さん:そうです。そのことはすぐ答えられる内容ですから。会長代理。

坂本施設部長:事前の資料にございませんので、ちょっとお答えできません。

会長代理:できるだけ質問書に沿ってお願いできませんか。

城間さん:はい、質問に沿ってですがね。関連して、こういうのはすぐ答えられる内容です。来ている職員たちがみんなやっていることですからね。こういうのはすぐ答えられる内容ですので答えてもらいたい。

 いまのこの一坪反戦地主会に会う必要がないといいながら、そして事前の手続きに入る前の事前交渉はしてないのですが、どうゆうわけか、去年の7月頃に、一坪反戦地主のところに、――これは全部ではないのですが――、やってきているのです。これはどうゆう……。ひょっとしたら、防衛施設局が、あの楚辺通信所の緊急使用を(収用委員会が)拒否したと、却下したと、そういうことがあって、どうにか辻褄を合わせておかなければいかん言うことで、あわてぃーはーてぃーしてですね、こういうことをやったのかなーというような勘繰りもされるんですが。じゃあ 、このことはきちっと、その目的と、一つは期間の問題。二点目には何名の地主にあったのか。三点目にはその目的。四点目には、なぜ手続きに入る前に、いわゆる使用認定の手続きにはいる前にあわせて、この時点で会ったのかと。こういう四点について明らかにしてもらいたいと思います。
 次回で、このことを是非明らかにしてもらいたいということを、お願い申しあげます。
 次に進んでいきます。

 第一の「申請理由等」の「3 裁決の申請にいたるまでの手続きの経緯」というところの、「(1)意見照会及び使用の認定」についてのところです。

 その(一)として、任意交渉について今言いましたが、その(二)、意見照会に対する回答は、すべての土地所有者がやったのかということ。やってないとすれば何名の人がやったのか、それを明らかにしてもらいたい。三点目には、意見書を提出しようとして、94年3月24日に、那覇防衛施設局に出向いた地主のうち、意見書の受理を拒否されたものがあるかどうか、これを明らかにしてもらいたいと思います。

会長代理:あのー、意見書の件はまとめていただけませんか。 (四)と(五)も意見書の件だと思いますが。

城間さん:いや、(三)までいってですね、あるかないかを答えていただいてからでないと、次に進みにくいので……。

会長代理:施設部長、お願いします。

坂本施設部長:「意見照会に対する回答(意見書提出)は、すべての土地所有者がなしているのか。」との事項について回答いたします。意見書の提出があったのは土地所有者のすべてではございません。約350名であります。

 「意見書を提出しようとして、平成7年3月24日、那覇防衛施設局に出向いた地主のうち、意見書の受領を拒否された者があるか」との事項についてお答えします。
 本件につきましては、平成7年3月24日、本局局長に面談を強要し、面談ができないと知ると、持参した意見書を提出することなく持ち帰られた一部の土地所有者があります。

(シャッター閉めたんだろうが!のヤジ)

 なお、ご指摘の件につきましては、平成7年4月17日付文書で、地主代表の方々に通知して ありますが、その要旨を参考までに説明いたしますと、平成7年3月10日、及び同月22日、意見書の受理について一坪反戦地主会・事務局長と事前折衝した際、当局といたしましては、担当課長が対応する旨説明いたしましたところ、同事務局長は、一方的に同月24日に来局すると言い残して、折衝を打ち切られました。

(一方的にシャッター閉めたのはお前たちだろうが、のヤジ)

したがって、当局の来局日程および意見書の受理者につきましては、双方での合意がなされておりませんでした。当日、当局担当者は来局した土地 所有者に以上の経緯をふまえ、意見書の受領は担当課長が行うことを再三説明いたしましたが、一部の土地所有者の方々は、これに納得せず、強硬に局長との面会を要求し、持参してきた意見書を局玄関内に掲げた後、これを提出することなく持ち帰えられました。

 このため、3月27日、当局は、同事務局長に対し、地主が整斉とした行動をとること、意見書は担当課長が受け取るとこと、日程調整をきちんとすることで意見書の受理を申し上げました。しかし、3月27日、同事務局長は、地主会の結論として当局の申し入れは受け入れない、意見書の提出は行わないと、回答してきたのであります。当局は、意見書は担当課長が受理する、もしくは、郵送でもよい旨再三説明し、意見書の受理を拒否したことはございません。

城間さん:部長。どうぞ、マイクのところに立っていてください。これから、今言ったことも含めて、聞いていきますので。

会長代理:どうぞ。ご質問続けてください。

城間さん:はい。今の点について、引き続き関連して聞いていきます。意見照会の期限は何時だったんですか。

会長代理:これはどの質問事項でしょうか。

城間さん:いや、あの、意見照会をやった……。3月3日に意見照会をしたと書いてありますね。提出期限はいつまでだったんですか。

会長代理:施設局、回答をお願いします。

坂本施設部長:3月24日であります。

城間さん:3月24日は金曜日でありました。いま、施設部長が話したように、私たちは、この3月24日は金曜日でありますので、できれば25日の土曜日にみんな意見提出をしたいので、一日延期してもらいたいということを、上原公報渉外官に申し入れました。しかしながら、上原渉外官は、この申し入れは検討した結果ダメだという回答をしましたね。一日の延期もダメだ。私たちは年休を取っていくものですから、できるだけ年休を取らなくて済むようなかたちで提出をしたいということで申し入れをしたんですが、それを一日の延期もダメだ、期限までに出すようにということを言われました。

会長代理:できるだけ議論ということではなく、できるだけ質問に対する回答を求めていただけますか。

城間さん:はい、わかりました。この期限の期日の変更を私たちには認めなかったんですが、皆さんは、これまで期日の変更を認めたことはありますか、ないですか。

坂本施設部長:・・・・。

会長代理:お答えいただけるのでしたら、お答えいただきたいのですが。

これは、どの質問事項に関連しているのでしょう。 意見書提出に関連してですか。

城間さん:わたしたち一坪反戦地主会の意見書提出に関する部分です。

会長代理:先ほどの回答では判らないと言うことですか。

城間さん:いや、わからないということです。先ほどの回答では、回答されてない事項です。

会長代理:(坂本部長に)いかがですか。

坂本部長:督促したことはございません。

城間さん:督促じゃないですよ。期日の変更、提出期限の変更をしたことはないかどうか。私たちには期日の変更を認めてないのですが、それ以外に期日の変更を認めたことはないかどうか、それを聞いているんです。

会長代理:あの、すいません。えーと、なんか、城間さんの質問だけでずいぶん時間がたちそうなんですが。もし、回答できないと言うんでしたらですね、そういう回答だというかたちで、次の質問をしていただいきたいと思います。

城間さん:それは、あとで、回答を……。実は、なぜこうゆうことを聞くかというとですね。先ほどから、一坪反戦地主会については、もう手続きもとる必要はないということで、のっけから、違法なですね、適正手続きがされていないわけです。他の団体には期日の変更を認めているのに、私たちにだけは期日の変更さえ認めていない。そういうこともやってきたんではないかということを、こういう差別的な扱いをやってきているんではないか。行政機関がこういうことをやってはいけないんですが、こういう不当なこともやってきているのではないかと聞いているわけです。それに関連して聞いているんです。

 では、関連して聞きますが。防衛施設局はこれまでは、前二回はこの意見書の提出は、誰々が受け取ってきたんですか。一坪反戦地主会は、われわれも、前二回、87年と92年の強制使用の時に意見書を提出しておりますが、誰々が受け取ってきたか。今回の、反戦地主の意見書提出は、誰々が、誰が受け取ったのかを明らかにしていただきたい。

会長代理:これは新たな質問でしょうか。ちょっと、もう、こっちにほうにきていないけれども、関連が広がっていっちゃうんで。それでね。新たな質問ならばそういう風におっしゃっていただいて、関連されている質問は、回答が準備されていますので、その回答は回答させていただきたいと……。

城間さん:いやいや。関連して、新たな質問としてお願いします。別に、そんなに検討しなくてもすぐ答えられる内容ですから聞いているわけです。施設部長などが日常的にやってきた業務ですからね。また、そばには、上原さんや、ずっとやってきた課長などもいらっしゃいますから、すぐ分かることです。

会長代理:すぐお答えいただけますか。

坂本部長:局長と課長でございます。

城間さん:これまでは、局長や次長が意見の受理もしてきました。課長というのはなかったと思います。局長と次長が意見の受理をしてきました。今回、課長であった。それでは、反戦地主は、今回誰がとりました。

会長代理:反戦地主はといいますと……。

城間さん:反戦地主は、今回の収用認定の意見書の提出をやっているんですが、反戦地主の意見書はどちらがとったんですか。

会長代理:即答願います。

坂本施設部長:反戦地主の場合は、前施設部長が受け取っております。

城間さん:前二回の使用認定の意見書の提出に対してですね、一坪反戦地主会の意見書提出に対しては、局長と次長がやってきたんですね。で、反戦地主の今回の意見書提出については、部長がやっている。なぜ、一坪反戦地主会については課長でなくてはいけないんですか。なぜ、一坪反戦地主会は課長ということで、それにこだわったんですか。このことを聞きたいです。

会長代理:回答はございますか。

坂本施設部長:日程調整の関連だと考えています。(笑い)

城間さん:私たちは、この意見書提出については、局長名義で出されていますから、局長に出すのが当然だと。局長の日程を調整してください。ということを言いました。しかしながら、上原さん、――いまあそこにいらっしゃるんですが――、私どもと折衝した上原さんがですね、この件については内部で話し合いをしてですね、一坪反戦地主の意見書提出については、課長が受け取る。部長や局長が受け取ることにはならなかった、受け取らないことにしたというんですね。こういう回答をしているんです。このようなでたらめな、差別的な行政がどこにあるでしょうか。しかも、私たちは、期日のことを聞いたんですが、3月24日の、金曜日ですが、3月24日までに出しなさいと言うことで、一日延期をして申し入れたんですが、それはできないと、3月24日までに出しなさいといったもんですから、この期日内に私たちは意見書を持っていったんですね。

 課長でしかとれない。局長や部長や次長はとれないと言うならば、それは、そこにいって地主の人たちにその事業を説明してください。私たちは期日内に持っていきますからと電話を切って行ったわけです。その現場の状況はどうだったかということで、今日ここに、前社大党の委員長の瑞慶覧さんとそれから、前県議の山川さんが、一坪反戦地主であります。お二人が、当日向こうへ行かれておりますので、どのような状況 だったか、お話をしてもらいたいと思います。

会長代理:ちょっと、最初の打ち合わせになかった事項であるんですけど……。意見陳述の機会は当然与えます。今日は意見陳述の日ではないんですね。質問に対する回答を求めるという日ですけれど。みなさん内での調整はいかがになってますか。

城間さん:あのー、時間内です。30分の時間がありますから。その時間内でやります。あのー、会長代理。時間ないですよ。

会長代理: 地主の方、もし時間内にできると言うんでしたら、結構ですけど……。


 出典:第二回公開審理の録音から(文書おこしは比嘉

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