諫山博弁護士(土地所有者代理人


○土地所有者代理人(弁護士 諫山博)

 地主代理人の弁護士の諌山でございます。安保条約第6条の極東条項については、新崎代理人、内藤代理人から具体的な求釈明が行われ、意見も述べられました。私はこの問題を沖縄で起きている現実問題に即して、質問したいと思います。

 沖縄県においては、基地面積においても兵員の数においても、大部分は海兵隊です。この海兵隊が1990年の湾岸戦争のときに、いち早くイラク攻撃に参加しました。

 安保条約第6条によれば、新崎代理人、内藤代理人も指摘されましたように、駐留目的は極東における平和と安全のためとされています。世界中どこにでも出動できるようにはなっていません。沖縄の海兵隊がイラクに出動したというのは、明らかに安保条約第6条の極東条項に違反するものであります。

 今、安保条約の再定義によって、海兵隊をアジア太平洋の全域、さらにアメリカの出動する世界各地に派遣しようとする動きが出ています。米軍から土地を強奪されている私たち地主としては、このような動きを絶対に容認することはできないのであります。

 海兵隊を安保条約第6条の極東の範囲を超えてイラクに出動させた条約上の根拠、さらにアジア太平洋全域に出動させようとしている条約上の根拠を明確に説明して下さい。

○当山会長代理

 収用委員会からまたお願いがございますけど、担当なさっているところをひとまとめにできませんでしょうか。

 というのは、先ほどから、時間多少ロスがあるような気がいたしまして、可能な限りたくさんの求釈明と釈明を聞きたいと思っておりますけど。

○土地所有者代理人(弁護士 諌山博)

 それでは、続けます。

○当山会長代理

 はい、お願いします。

○土地所有者代理人(弁護士 諌山博)

 おそらく防衛施設局としては、釈明事項になじまない、こういう答えをするのではないかと思います。これは事実上の答弁不能であることを自認するものであります。

 私たちは、もともと安保条約は憲法違反であると考えています。しかし、仮に安保条約を容認する立場をとるとしても、こういう形で私たちの土地が、安保条約さえ踏み越えて、アメリカの戦争のために使用することを絶対に認めることはできません。

 私たちの提起している問題について、釈明事項になじまないという言い方で逃げるのではなくて、明確に答弁することを要求して、次の代理人と交代します。

○当山会長代理

 はい、よろしくお願いします。


 出典:沖縄県収用委員会 公開審理議事録
    OCRによるテキスト化は仲田さん(XC8H-NKD@j.asahi-net.or.jp)
沖縄県収用委員会・公開審理][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック