阿波根昌秀さん
(12施設土地所有者代理人)


阿波根:

 地主の代理人である阿波根昌秀です。先ほど、石原昌一さんに対する違法、無効な裁決申請、そのことについて、明確な判断、釈明をするように求めましたところ、施設局からは、いまのところ明確な回答はありません。次回までにですね、必ず明確な回答をいただきたいというふうに思います。

 ところで、今回の公開審理のすすめ方について、わたしたちの希望を申し上げます。第一回公開審理は、収用委員会の適切な指導のもとにありまして、充実した審理がなされたとわたしは思っています。ただ非常に残念であったことは、この審理において一方の当事者である、あるべき、那覇防衛施設局長自身の出席がなかったということであります。今日の審議の場にも施設局長は出席しておりません。このような態度では、決して充実した審理は期待できない。この審理に今後如何に臨まれるか、再考されることを強く求めます。

 わたしたちは今日の審理において、およそ、次のことを発言したいと考えています。

 まず求釈明についてであります。求釈明という事は、これは公開審理に、はじめて今日参加されている人にはあまり聞き慣れない言葉だと思います。釈明を求める、すなわち、交渉とか討論、裁判などで相手方が主張している内容が判然としない場合、例えば、なにをいっているのかさっぱり理解できないとか、相手の主張が白といっているのか黒と言ってるのか、どちらにも受け取れるような場合、これを明確にするためにするのであります。ご出席のみなさんのお手元に、那覇防衛施設局が、第一回公開審理で発言した「裁決申請の理由」、「裁決申請の内容」という書面が、配られていると思います。どうでしょうかね、みなさん、この内容を一読してすべておわかりでしょうか。わたしたちも、わたしも、繰り返し読みました。しかし、読めば読むほど、また、考えれば考えるほど、わけが、わけのわからんことが、そのなかにはいっぱい書かれてあります。おそらく、これを読まれた多くのみなさんも、わたしと同様な感想をお持ちだと思います。

 そこで、今日は、会場のご出席あるいはご参加のみなさんと一緒に、この裁決申請の内容について検討していきたいと考えております。この裁決申請の概容については、わたしたちは、去る3月3日に、書面で、いわゆる求釈明、求める釈明、ですね。求釈明の申立を行いました。皆さんのお手元にも、その時に提出した求釈明申立書が配られていると思います。この公開審理ニュースという所にありますね。その2ページですか、に申立書があります。ご覧になっていただきたいと思います。これを見ながら、今日の審理に参加していただきたいと思います。

 今日の審理はですね、この求釈明の順序に沿って、やりたいと思っています。今日はこの求釈明申立書に書かれた順序で、地主やその代理人が、求釈明、わかりやすく言えば、質問を致します。これについて、施設局からは、おそらく、この場において、口頭による回答がなされるものと、わたしは、信じています。施設局からは、おそらく求釈明に対するなんらかの回答が、書面で、あるいは準備されていると思いますけど、あの、書面を提出するだけではなくて、そして、その回答は書面の通りです、ということだけではなくて、口頭で回答をお願いしたいと希望します。そうでなければいきいきとした審理はできません。この場は、公開審理の場であります。公開の場です。すなわち、知る権利を有する国民にひろく開かれた場所であります。したがって、この場は、ご出席、あるいはご参加されているみなさんが、ここで何が審理され、なにが議論されているかわかるかたちで、進めなければならないと思う。それはいうまでもありません。

 なお、那覇防衛施設局は、この求釈明に対し、この場で、口頭で、可能な限り、一問一答の方式で回答してください。このことは特に要求いたします。あの、求釈明だけですね、あの何分も、しゃべってですね、回答は、ちょこっとあるというのではなくて、一問一答できちっとご回答いただきたい、とこのことを希望いたします。

 それから求釈明の次に、わたしたちは、現地立ち入りの要求をいたします。これは、3月4日付の書面で、収用委員会に申立てをしております。これについても施設局は、この場で、この公開審理の場で、口頭で、ご回答されるように強く求めます。このことについては、求釈明に対する口頭が終わった後で、あらためて要望を申し上げたいと思います。

 最後には、最後に楚辺通信所の地主である知花昌一さんからの意見陳述があります。すでに使用期限が切れてやがて1年にもなろうとしている楚辺通信所の問題については、知花さんから切実な訴えが為されると思います。求釈明論争を中心とした、充実した審理がなされるよう、みなさんのご協力をお願いいたします。

 それでは、求釈明の担当者のトップバッターです。池原さんにバトンをわたします。(拍手)どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)


 出典:第二回公開審理の録音から(文書おこしは比嘉

沖縄県収用委員会・公開審理][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック