シュワブ沖調査結果報告書
平成9年11月
普天間飛行場移設対策本部
V 調査結果
4−8 海生生物調査
(1)調査目的
調査水域及びその周辺水域の海生生物の生息状況を把握する。
(2)調査内容
調査水域及びその周辺水域における潮間帯生物、植物プランクトン、動物プランクトン、魚卵・稚仔魚、魚類、底生生物、海生哺乳類ジュゴン及ぴウミガメの生息状況を調査し、とりまとめる。
調査位置は、図4−8−1のとおりである。(3)調査方法
ア 潮間帯生物(調査期間:平成9年8月4日〜5日)
大潮干潮時の高潮線から低潮線にかけて6測線(合計382m)を設置し、測線上の50cm方形枠内に出現する潮間帯生物の目視観察を行った。
イ 動植物プランクトン(調査期間:平成9年9月2日)
調査は8地点とし、植物プランクトンについては、干潮時に採水器を用いて試料を採集し分析した。動物プランクトンについては、干潮時に定量ネットを用い、試料を採集し分析した。
ウ 魚卵・稚仔魚(調査期間:平成9年9月2日)
調査は8地点とし、満潮時から下げ潮にかけて、稚魚ネットを用いて試料を採集し分析した。
エ 魚類(調査期間:平成9年8月13日〜14日)
調査は8地点で潜水目視観察を行った。
オ 底生生物(調査期間:平成9年8月13日〜14日)
調査は8地点とし、潜水目視観察を行うと共に潜水採泥を行い分析した。
カ 海生哺乳類ジュゴン(へリコプター飛行による調査期間:平成9年9月20日、22日、24日、26日、28日)
調査水域及ぴ周辺水域において、へリコプター飛行による上空からの確認調査等を行った。
キ ウミガメ(調査期間:平成9年9月18日、28日、10月3日)
調査水域における海岸部を踏査し、産卵場としての可能性の有無、及び産卵の痕跡を調査した。
(4)調査結果
海生生物の確認種は、表4−8のとおりである。
ア 潮間帯生物出現した潮間帯生物は、イワフジツボ、イボタマキビガイ等沖縄県で普通に見られる種類であり、特異的な群落は見られなかった。
イ 動植物プランクトン出現した動植物プランクトンは、沖縄県で普通に見られる種類であり、量的にも赤潮に至るような異常は見られなかった。
ウ 魚卵・稚仔魚辺野古崎南側沿岸部のリーフ外でブダイ科の卵が出現していた。その他の地点は普通種のベラ科の卵が多かった。
エ 魚類出現した魚類は、モンツキスズメダイ、アミアイゴ等沖縄県の珊瑚礁域、及び沿岸部で普通にみられる種類であった。
オ 底生生物出現した底生生物は、ベニコチョウガイ、ベニアナエビ等沖縄県の珊瑚礁域、及び沿岸部で普通にみられる種類であった。
カ 海生哺乳類ジュゴン調査期間中の平成9年9月20日に1度、調査水域外の海域において、遊泳中のジュゴン1頭を目視した。飛行確認調査によるジュゴン目視位置は図4−8−2のとおりである。
キ ウミガメ本調査においては、足跡、ボディピット及び産卵巣は確認されなかつたが、キャンプ・シュワブ基地内北側の1カ所の砂浜において、毎年ではないが、足跡、又はボディピットが過去に確認されている。