2 海上ヘリポートの安全対策

(1)航空機の運用に係る安全対策

 普天問飛行場の代替ヘリポートの設置場所については、地元の皆様の安全について最大限配慮することとしており、このため、地元の皆様の居住地から1.5km以上離れており、最も危険が少ない海上に投置することとしているところである。

 また、米軍においては、航空機の整備・点検の徹底や飛行要員に対する安全教育の徹底等の措置により、航空機事故の防止に努めるとともに、場周経路を外洋側に設定する、集落や学校・幼稚園等の上空の飛行を避ける等の措置を講じることとしている。

(2)漏抽対策

 海上ヘリポートの建設に際しては、以下のとおり、漏油対策を講じることとしている。

 ア 海上ヘリポート上の燃料タンクについては、十分な強度を確保する。

 イ 海上ヘリポート上に漏油が生じた場合、油がそのままが海上に流出することがないよう、排水溝を経由して貯留の上、施設内部の油水分離処理装置によって適切に処理する。

 ウ その他、海上ヘリポートの構造につき、漏油対策上、防油堤の設置等の配慮を施す。

 (3)船舶の衝突に対する安全対策

 海上へリポートヘの船舶の漂着・衝突については、建設場所毎に、次のような排置をとること等により、安全性を十分に確保することとしている。

 ア A地点に海上ヘリポートを建設する場合(杭式枝橋方式)

 1 この場合、建設場所はリーフの内側となるため、大型船舶が近援海域まで標流してきたとしてもリーフの端部に衝突して止まることとなり、海上へリポートへの衝突といった事態は想定されない。

 2 小型船舶の衝突に対しては、海上へリポート自体の安全を保つとともに、かつ船舶も破損しないようにするため、一番外側の鋼管杭に防舷材を設置するとともに、杭と杭の間にラバーネットを設置し、衝突による衝撃を緩和する。

 イ B地点に海上ヘリポートを建設する場合(ポンツーン方式)

防波堤の内部に浮体を設置するため、外洋側から船舶が浮体に直接衝突するといった事態は想定されない。

 また、海上ヘリポートは二重構造としており、万が一の船舶の衝突に対しても十分な強度を持たせるとともに、防波堤自体にも、十分な強度を持たせることとしている。

 (4)台風に対する安全対策

 海上ヘリポートの建設に際しては、沖縄本島における100年確率の風を考慮することとしており、台風に対して十分な耐久性を確保することとしている。

 (5)波浪に対する安全対策

 海上ヘリポートの建設に際しては、波浪について、沖縄本島周辺における100年確率の沖波の諸元を考慮することとしており、波浪に対して十分な耐久性を確保することとしている。

(6)地震に対する安全対策

 海上ヘリポートの建設に際しては、耐震性について、岸璧等の港湾構造物の耐震設計の方法に準拠し、運輸省の定める港湾施設の耐震基準を採用することとしており、相当大規模な地震に対して十分な耐久性を確保することとしている。

(7)津波に対する安全対策

 海上ヘリポートの建設に際しては、過去に沖縄本島に来襲した津波のうち最大のものであるチリ地震津波を考慮しており、大規模な津波に対して十分な耐久性を碓保することとしている。


出典:『海上へリポート基本案について』
   (平成9年11月)普天間飛行場移設対策本部


『海上へリポート基本案について』 目次


海上ヘリポート建設計画][沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック