2 海上ヘリポート基本案
現地調査の結果及び米軍運用所要についての概略的な調整結果を踏まえて、海上ヘリポートの概要及びその設置・運用が市民生活・自然環境に与える影響等について基本的な検討を行ったところ、現在までに整理された結果は以下のとおりであります。
1 海上ヘリポートの概要
(1)海上ヘリポートの規摸・工法等
ア 海上ヘリポートの規模は、長さ約1,500m、幅約600m程度である。
イ海上ヘリポートに、長さ約1,300m、幅約45mの滑走路のほか、管制塔、格納庫、駐桟場、整備施設、倉庫等、所要の施設を配置することとしている。
ウ 海上ヘリポートの工法について、杭式桟橋方式とポンツーン方式の2つを候補としており、その構造等については、各工法に応じて、それぞれ以下のとおりである。
1 杭式桟橋方式(浮体工法)
海底に固定した多数の銅管杭によって上部構造物(プラットフォーム)を支持する方式である。なお、格納庫等の施設については、上部構造物の上に設置することとなる。そのイメージについては、図2のとおりである。
2 ポンツーン(箱)方式
外洋からの波を防波堤で運断し、堤内に静穏海域を確保した上で、この静穏梅域にポンツーン(箱型浮体)を係留により設置するものである。なお、格納庫等の施設については、上部構造物の上と内部に設置することとなる。そのイメージについては、図3のとおりである。
(2)配置部隊・航空機・人員の概要
ア 現在普天問飛行場に所在する部隊のうち、ヘリコプター部隊及ひその運用に関連する部隊が移註することとなり、これにより約2,500名程度の人員が移駐することとなるものと見込まれる
イ 海上へリポートに配備される航空機の機種・機数については、普天問飛行場の場合とぼぼ同様と見込んでいる。なお、現在同飛行場に配備されているヘリコプターは、約60機(UH-1、AH-1、CH-53、CH-46)である。
(3)海上ヘリポートにおける航空機の運用形態等
海上ヘリポートにおける航空機の運用形態(飛行回散、飛行峙間等)等については、今後、米側と詳細に亘る調整を行う必要があるものの、普天間飛行場におけるへりコプターの連用形態とほぼ同様になるものと見込まれる。
(4)海上ヘリポートの建設場所等
海上ヘリポートの建設場所については、工法との組合せにより次の2つが候補地である(図4・5参照)。
ア A地点一杭式桟橋方式
辺野古崎南側のリーフ内に位置し、最寄り集落までの距離は約1.5kmである。
イ B地点一ポンツーン方式
辺野古崎南側のリーフ外に位置し、最寄り集落までの距離は約3.0kmである。
(5)海上ヘリポートの撤去可能性
SAC0最終報告において「海上施設は、軍事施設として使用する間は固定施設として携能し得る一方、その必要性が失われたときには撤去可能なもの」とすることが定められている。
杭式桟橋・ポンツーンいずれの方式も、構造上、この点について特に配慮されており、いずれの方式を採用した場合においても撤去可能である。
(6)海上へリポート実施計画の作成
海上ヘリポートの建設について地元の皆様のご理解を頂けた場合、今後、更に、安全性や生活・自然環境への影響、米軍の運用所要の充足、建設に要する経費等を精査し、具体的な工法と建設場所について総合的な見地から決定の上、日米両国政府間で実施計画を作成することとする。
出典:『海上へリポート基本案について』
(平成9年11月)普天間飛行場移設対策本部