防衛施設庁長官 大森敬治 殿
5月11日、参議院日米軍事協力指針特別委員会で、野呂田防衛庁長官は、「周辺事態が発生した場合、沖縄が最も大きな影響を受ける可能性がある」と発言した。国内の米軍基地の75%が集中されている沖縄が、出撃基地の拠点となり、同時に戦争被害にさらされる危険性が最も高いという事実を防衛庁長官自ら正直に語ったのである。しかし、こともあろうにその翌日、「舌足らずであった」と前言をひるがえし、沖縄の現状を否定したことは、無定見きわまりないものである。
今、政府に問われることは、戦争の準備をするのではなく、戦争を行わない・起こさせないための努力に全力を傾けることである。防衛庁長官が語った「沖縄が周辺事態の影響を最も受ける」ことのないように、米軍用地を地主に返還すること、とりわけ沖縄県収用委員会が却下裁決した嘉手納基地をはじめとする米軍用地をただちに地主に返還することを、我々は要求する。
さらに、来週にも衆議院行政改革特別委員会で、地方分権一括法案の一部として米軍用地特別措置法再改悪案の審講が開始されようとしている。今回の再改悪案は、米軍用地強制使用を首相が使用認定し、手続きを進め、裁決するという、地主や自治体の関与を否定する法案であり、同時に、新たに土地の強制使用をして米軍用地として提供することを可能とするものである。土地収用法・憲法を真っ向から否定する再改悪案は断じて認めることはできない。そもそも、国会議員が法案すべてに目を通していることさえ疑問である475本にもわたる法案を一括処理すること自体、十分な国会審議を当初から否定したもであり、大きな問題である。
我々は、沖純返還から27年目の本日、以下、防衛施設庁に対して抗議・要請するものである。
以上
1999・5・15防衛施設庁抗議行動
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
東京都千代田区三崎町2−2−13−502