6月29日、またも嘉手納基地に所属する米国の3等軍曹によって、沖縄県北谷町の女性が暴行を受けたことに、心底からの怒りを表明します。これ以上、米軍兵士による沖縄の女性たちへの暴行を続けさせてはなりません。
今年に入ってからも、沖縄をはじめ在日米軍基地の周辺では米軍兵士による暴行、暴行未遂、放火など重大な犯罪が連続して発生しています。アメリカ政府・軍部は、事件・事故が発生するたびに「綱紀の粛正」と「再発の防止」を約束していますが、効果を上げるどころか、重大事件・事故が続発しています。その一因は、「米軍人・軍属による事件・事故被害者の会」や、沖縄県が要求する地位協定の抜本的見直しを拒否し「運用の改善」でことを済まそうとしているところにあります。
今回の事件では、沖縄県警による被疑者の特定・逮捕状の発行に基づく身柄の引き渡し要求に対し、日米地位協定を盾に拒否しています。これは、「殺人や強姦などの凶悪犯罪に限っては、米国側が好意的考慮を払う」という運用改善の日米両政府間の約束すら反古にしています。アメリカ政府・軍部は、重大事件・事故の発生のたびに一貫してこうした姿勢とり続けています。この態度こそが、沖縄をはじめとする在日米軍基地に属する兵士・軍属が、「重大事件を起こしても、政府・軍部が守ってくれるサイン」と受け止め、事件・事故を起こすことにつながっているのです。今回の女性暴行事件を引き起こしたのは、アメリカ政府・軍部のこうした姿勢です。
アメリカの政府・軍部は、今回の事件に対する小泉内閤の「好意的、融和的」態度が日本に住む人々すベてのものだと誤解してはいけません。沖縄など全国の米軍基地の周辺でくり返されるアメリカ兵による事件・事故の連続に対して、沖縄をはじめ全国で不安が拡大し怒りがうずまいています。すでに沖縄では女性たちをはじめ多くの抗議行動が開始されています。アメリカ政府が、今回の事件に対してこれまでどおりの姿勢を改めない場合は、より激しい抗議の闘いが沖縄をはじめ全国で繰り広げられるでしよう。私たちのこの抗議申し入れは、その決意を伝えるためのものでもあります。
私たちは、まず何よりもアメリカ政府が今回の事件について、被害女性に謝罪し、被害者が受けた身体的・精神的な打撃から回復できるように全責任をとることを要求します。また被疑者ティモシー・ウッドランド3等軍曹の身柄を沖縄県警にただちに引き渡すことを要求します。さらに、日米地位協定を「事件・事故被害者の会」などの要求に従って抜本的に改めることを要求します。
こうした事件・事故の根本的原因は、日米安保条約と在日米軍基地にあります。沖縄をはじめ、全国の米軍基地の一刻も早い全面撤退を求めます。
2001年7月6日
米国大統領 ブッシュ殿
「しない!させない!戦争協力」関西ネットワーク
関西共同行動(反戦・平和ネットワーク)