2001年7月2日
内閣総理大臣 小 泉 純一郎殿
在沖四軍調整官 アール・ヘイルストン殿
沖縄から基地をなくし世界の平和を求める市民連絡会
共同代表 新 崎 盛 暉
金 城 睦
またも許せない事件が起きた。6月29日未明に発生した北谷町美浜での女性暴行事件は,基地が存在する限り沖縄県民の生命や人権が常に危険にさらされ、人間としての最低限の権利も尊厳も無視されることを、改めて実感させられた。心底から湧き出る怒りを禁じえない。
大型ヘリ2機の接触事故、モデルガン発砲事件、全裸米兵の民家侵入など米軍兵士、軍属等による、悪質極まりない事件などの続発は、米軍基地が存在する限りなくならないことを明確に証明している。
事件が起こされるたびに、日米両政府及び関係者は「事件再発防止の徹底」「軍人の再教育」等を繰り返し、それを強化すれば、事件を防止することができるかの如く説いているが、どのような方法を持ってきても防止することはできないことは、これまでの事件が明確に示している。
もはや、基地の撤去以外に人権は守られないことは、沖縄民衆の確信でもある。
ところが無神経にも重大な事件が発生しているにもかかわらず、米空軍嘉手納基地では30日「アメリカフェスト2001」を開催し、お祭り騒ぎを演じている。まさに沖縄民衆に対する冒涜であると同時に新たな暴力行為でもあり断固抗議する。
今回の事件の究明中に日米両首脳会談がもたれ、ブッシュ大統領はいち早く反応し「謝罪」の意を表明しているが(それでも許せないが)、小泉首相は何んらのコメントもない。それだけではなく、「日米安保」の重要性を強調し、沖縄基地の存続・固定化さえ、暗に示している。このことは、沖縄民衆への新たな抑圧・差別・忍従を強いるもので、私たちは、この日米会談を絶対に許すものではない。
私たちは、今回の暴行事件の早い究明と犯罪者の厳しい処罰と共に沖縄県民への差別の象徴である米軍基地の即時撤去を強く要請するものである。