30. 「障害者・患者九条の会」 、国民投票法案の廃案を求める緊急声明発表 (2007/05/26記入)

  私も呼びかけ人の一人になっている「障害者・患者九条の会」は、5月21日、国民投票法成立に抗議する以下のような声明を発表しました。


  声明
平和憲法改悪阻止にむけて運動の一層の強化を ――「国民投票法」の成立という新たな局面をむかえて――

2007年5月21日
障害者・患者9条の会

 さる5月14日、「国民投票法案」は、国会で採択されました。十分な論議を経ず、市民や野党の反対を押し切り、強行したことに強く抗議するものです。3年の凍結期間の間に、改憲、特に9条のあり方をめぐる議論が急速にすすめられていくことは、自明の状況となっています。
 私たちは平和憲法を守り、戦争や暴力のない社会をめざしていこうとする障害者・患者を中心とする市民の集まりです。このような状況の中、なんとしても「改憲」のくわだてを阻むため、あらゆる努力を行なうことの決意を新たにしています。
 「国民投票法」は、最低投票率の規定の欠落、広告規制のあり方、公務員への過剰な縛りなどの問題が指摘されるなど、議論は不十分です。にもかかわらず、安倍政権が強引にこの法律を成立させ、憲法9条を改正しようとしているのは、日本を、アメリカが世界のいたるところで行なっていく戦争にすすんで参加する国にさせようと、憲法の改悪を強行するためだからです。
 戦争になれば、障害者・患者など「弱者」と呼ばれる人々が真っ先に切り捨てられてしまうことは歴史の多くの事実が物語っています。第二次大戦でも軍隊に殺された障害者は少なくないと証言されています。
 世界ではいつもどこかで戦争が起こっています。しかし、「弱者」と呼ばれる「弱さ」の中に人間としての真実を見出だせないでしょうか。いま、すべての人々との調和を築くための"知恵"が必要とされているのです。日本という国も世界の中でそうあるべきではないでしょうか。その具現化がまさに平和憲法そのものなのです。
 いま日本は分岐点にあります。
 過去の過ちを繰り返さないためにも平和憲法を守っていくこととが、私たち日本の市民に課せられた責任です。
 私たちは、多くの市民との連帯をさらに広げ、平和憲法の改悪阻止に向けたとりくみの具体化と行動を進めていきたいと考えています。

 

秋元波留夫さんなお、この会の結成2周年集会は、9月15日(土)13時から都内で開催される予定です。詳しい内容が決まりましたら、本欄でお知らせいたします。「障害者・患者九条の会」のURLアドレスは http://www.nginet.or.jp/9jo/ です。

 また、掲載が遅くなりましたが、この「障害者・患者九条の会」の呼びかけ人の精神科医、秋元波留夫さんが、本年4月25日、肺炎のため亡くなられました。101歳でした。謹んで哀悼の意を表します。
 本ホームページの「News」欄 No.154 でお知らせしましたように、秋元さんは、昨年9月の結成1周年集会では、「
九条を目の仇にしている日米安保条約を廃棄することが決定的に重要なのだ」と力説されるご挨拶をのべられたのでした。(右は、そのときの写真。障害者・患者九条の会ホームページより)