月に一度は、と思っているのですが、まあ、年のせいにしておくのが無難かな。と、いういいわけで、こんにちは、です。
本作り。初校や再校、それに著者校、装丁にかける時間……なにからなにまでまるで初めての体験になっていて、ノロノロ歩きでしたが、それでも周りの人たちの応援で、九月には、石神井書林さん、内堀さんの新刊がお目見えしますので、よろしくです。
タイトルは『古本の時間』。272ページで、四六判上製、装丁は平野甲賀さん、です。
装丁の打ち合わせに、石神井さんの目録を何点か持参したのですが、平野さん、エラク興味を示しまして、目がどんどん輝いていくのでした。「こういう目録があるんだね」とね。その様子で、興味深い装丁になると思うのでした。まあ、実に単純な男の予想です。
内容は、もう、古本と業界の楽しい、わくわくする話でいっぱいです。さすが、商売、という大地を歩いているだけに、リアルで、古本の、業界の年輪一年一年が静かに刻み込まれていくようです。寺山修司の原稿を買った日。山口昌男と歩いた神保町。どんどん生まれて来る若い世代の古本屋に送る温かいエール。……そして、亡くなっていく同業者を見送る眼差しのやさしさ。
――本好きが開く本屋さんという牧歌性が残っているのは、もう古本屋さんにしかないのではないでしょうか。
石神井さんのフレーズが、いつのまにか、ぼくの体のなかで転がっているのでした。
こう、御期待、です。