10 都知事選挙についての共同声明に参加しました。(1999.4. 6.掲載)
来る都知事選挙については、私の周辺では、投票すべき候補がおらず、棄権しようか、しかし、棄権は、右派民族主義候補の当選を利するだけだし、無関心による棄権と思われても困る、という意見をかなり多くの人から聞きます。私は、本多勝一、石川真澄両氏から勧誘された以下の共同声明に参加することにしました。
この声明は、4月5日、事務局に当たった柴田勇雄氏(行動する市民東京代表)らが、東京都庁内で記者会見をして発表しました。以下に声明全文と、参加者氏名を掲載します。
都政の破滅を阻止するための無党派知識人と市民活動家の共同アピール
東京都知事選で革新無所属の三上満候補(日本共産党推薦)への支持を五日表明した「都民のための都政」を考える市民ネットワークの「都政の破滅を阻止するための無党派知識人と市民活動家の共同アピール」全文は次の通りです。
東京都知事選は大詰めを迎えようとしています。この時にあたり、私たちは強い危機感から緊急に都民の皆様に訴えたいと思います。
東京都はヨーロッパの一国に匹敵する人口規模を持つ世界屈指の大都市であるばかりでなく、日本社会の「一極集中」の弊を背負いながらも、ともかくこの国の政治・経済の中心であります。そのため、東京都は平和で民主的な国・日本の顔として、世界の国々に向かって開かれた都市であることが運命づけられています。
ところが、マスメディアが報じるところでは、私たち日本がよって立つ憲法を罪悪視し、超国家主義的な立場を標榜し、さらに隣国・中国を、当の中国人が日本人にそう呼ばれることを最も嫌悪する「シナ」という言葉で呼んではばからない候補が、今回の選挙で当選への最短距離にあると予測されています。そして、この候補者以外の有力視されている顔ぶれも、新旧自民党の国会議員だった経歴をもつ人々や、その他の保守系の政治家たちですが、その憲法意識、歴史観、都政への姿勢等は、いずれも前記最有力候補と大同小異と見るほかありません。これらの候補の誰であっても、都知事として都民の心と生活に沿う都政を作ってくれることは期待できないと私たちは思います。
私たちは東京都知事選がこれらのうちいずれかの政治勢力の勝利に帰す司能性の高いことに深刻な危機感を抱いております。そして、こうした事態を避けるためには、革新無所属の三上満候補の勝利に期待するほかないと考えるに至っています。
私たちはさまさまな考えをもつ無党派市民と学者やジャーナリストですが、三上候補を支援する政党のすべてに共鳴するどころか、違和感や、時と場合によっては反感をもったことのある者まで含まれています。しかし、今回の都知事選では、主だった候補のなかから憲法と都民の立場に近い人物をと、消去法で探して行くと三上候補くらいしかいないという結論に達しています。そして私たちは、三上候補及び関係政党との連絡を一切持たずに、いわば勝手連的に声をかけあってきたグループであることも申し添えておきます。
投票日まで片手で数える日数しか残っていない時に、このようなアピールを出すのは、選挙の常識を外れているとは思いますが、同じ思いを抱く人は少なくないと考え、あえて同憂の人々の結束と三上満候補への支援を訴えます。
石川真澄(ジャーナリスト)、奥平康弘(憲法研究者)、中川晶輝(全国老人福祉問題研究所会長)、本多勝一(ジャーナリスト)、本尾良(市民活動家)、本間慎(東京農工大学名誉教授)、浦田賢治(早稲田大学教授)、星野安三郎(東京学芸大学名誉教授)、田島征三(画家)、横井久美子(シンガーソングライター)、大和田一紘(秋川流域自然保護団体協議会代表)、小川秋子(児童文学作家)、吉川勇一(市民の意見30の会)、岩瀬房子(憲法を生かす主権者の会代表)、堤園子(練馬まちづくり研究会代表)、熊谷伸一郎(東京青年の家を守る会代表)、富永さとる(新世代ネットワーク代表)、塚本敬(クルマ社会を問い直す会)、渡辺正子(大気汚染測定杉並連絡会)、井筒雅子(小金井一市民)、安達由紀(未来から止めてという声が聞こえる)、小林賢一郎(全国自然保護連合理事)、上野英雄(ジャーナリスト)、柴田勇雄(行動する市民東京代表)(順不同)