40 久しぶりのイレウス来訪。短期ですが入院しました。 (2008年10月16日 掲載)
「ニュース」欄に書くほどのニュースではないので、この「雑感」欄に記します。まったくの私的な話です。
13日(月)、昼食をとっている最中に下腹部が痛み出し、食事中断。しばらく様子を見ても痛みは激しくなる一方で、症状は以前のイレウス(腸閉そく)にそっくり。これは入院かな、と思い、痛みをこらえながら、病院に持ってゆくパジャマや下着、洗面具、それにストーマ手当て用の器具などを揃えてバッグに詰め込みました。たまたま親しい友人が訪ねてくることになっていたのですが、彼が来たときは、痛みで床に寝て唸っている始末。もう入院しかないと、いつもの病院に電話、休日でしたが、宿直の医師が、とにかくすぐ来院するようにとのことです。ありがたいことに、その時訪ねてきていた友人が私の車を運転して渋谷の病院まで連れて行ってくれることになりました。そうでなければ、救急車を呼ばねばならぬところでした。その前に、ベランダの植木鉢にとにかくたっぷり水をやっておくのも、その友人に頼みました。
宿直の医師は眼科と小児科の医師だったのですが、とにかくすぐレントゲンを撮ってくれ、小腸が腫れており、本格的なイレウスとは断定できないが、少なくとも「ア・イレウス」(イレウスのなりかかり)だろうとの診断。入院決定。飲食禁止。栄養剤と痛み止めの点滴開始と、いつもの様な手当てがされます。幸い、明日の精密検査までは、鼻から胃へ突っ込むチューブだけはやらないというので、それはホッとしました。あれはかなりきついのです。
痛み止めのせいもあって、夕刻には次第に痛みも治まり、どうやら普通に歩けるようにもなりました。
とにかく、ずいぶん久しぶりのイレウスさん来訪、入院です。これまで何度入院してきたかわからぬ慣れ親しんだ病院ですが、2階から5階まであった病室のうち、2階部分が閉鎖されて、病室数は縮小されていました。ここも医師不足なのでしょうか。ベッド脇の備え付けTVは新しくなっており、NHKのBS-1とBS−2も見られるようになっていたほか、洋画や邦画の新旧作品の20本ほどが選んで見られるようにもなっていました。もちろん、有料で、10時間1000円のカード(ビデオだと時間はもっと短くなる)を挿入しなければならないのですが……。しかし、画面はまだアナログで、これもいずれは変えられるのでしょう。新しくなったのは、尿量計測の仕組みで、自分の番号を選んでボタンを押し、開いた蓋の中に、尿を入れると、自動的に計算する装置が設置されていました。守衛さんは顔なじみですが、看護婦さんはすっかり入れ替わっていて初めての人ばかり。でも、優しいことは変わりなし。ただ、丁寧な口調がにわか仕込みの感じで、どう考えてもおかしな日本語表現が次々出てきて、気になります。
食後、地階の職員専用食堂の裏側にある喫煙可能の場所へ行ってみると、結構、医師や看護婦さんがプカプカやっています。知り合った看護婦さんは、目配せして、ここだけの秘密ね、などと言うのでした。そう、変わったことと言えば、この職員専用食堂も、午後2〜2時の間には患者や見舞客にも開放され、昼定食500円のメニューや一品料理などが掲示されていました。
翌14日の午前中に撮った腹部のレントゲンによると、症状はかなり治まっており、本格的なイレウスにはなっておらず、ア・イレウスだとのこと、担当の医師によると、早めに入院したのがよかったとの診断でした。でも、今日の退院は無理、夜から粥食を出すが、それをとって様子を見て、大丈夫なら明日は退院できるだろうという話です。それで、その翌日と翌々日に参加するつもりだったドイツ文学者の山下肇さん(元わだつみ会理事長)の通夜と葬儀には行かれなくなり、友人に弔電を打ってもらいました。
本は、分厚い李恢成さんの『地上生活者』(1)を持っていったのですが、第1章を読み終わっただけ。
というわけで、15日(水)に、退院となりました。入院費は1割負担で、9,280円。傍の薬局に頼んであったストーマ用の器具は、本人負担分と補助額超過分で1万円以上を払いました。半年分ですが、結構ひびきます。帰りも、同じ友人が、車で自宅まで送ってくれました。たった2日ほどなのですが、ベッドで寝ていると、かえって疲れが出て、歩くのがあまり楽ではなくなっており、助かりました。いつもですと、タクシーで帰るところなのですが……。
やはり、賃貸マンションとは言え、住んで1年近くなる自室は落ち着きます。1日たったら、すっかり元気になり、16日には、溜まっていたゴミ出しや洗濯をせっせとやりました。それに、朝起きた時、ベランダの植木鉢の水が気になって出てみたら、久しぶりに富士山が見えたのでした。2〜3ヵ月ぶりのご対面です。まだだいぶ靄はかかっていましたが、退院を歓迎してくれているような思いもしました。(右写真)
昨夜は、死んだ連れ合いが長く勤めていた丸一商事の元社長、谷泰宏さんが逝去されたとの訃報を受け取りました。今日は、これから谷さんのお通夜に出掛けるところです。