「再稼働反対」の多くの声を政府は受け止めず、夏期ピーク時の電力不足の可能性をあおり、大飯原発再稼働を強行した。だがこの夏、節電が進み、電力は余り、東電は火力発電を一部止めるほどだった。西日本では、電力を「融通」すれば、関電は大飯原発なしでも十分足りた。また、そもそも関電は火力発電を動かせば間に合ったのだから、大飯原発の再稼働は原発推進の巻き返し策であった。
原発依存度ゼロは、政府の決断で、今すぐにできること。政府のエネルギー政策のシナリオでは、依存度の選択肢は2030年が目標だが、私たちは、今、2012年に、原発依存度をゼロにすることを求める。大飯原発の運転を止め、全ての原発を再稼働しない決定、つまり廃炉決定を求める。
原子力規制委員会が発足するが、これまで原発を推進してきた者はメンバーになる資格がない。現在の人事案は、第三者機関としての公正さを保障できないので撤回するべきだ。
福島第一原発の事故は未だに収束せず、放射性物質の放出が続く。高濃度汚染の現場では、廃炉に向けて被曝労働に支えられた先の見えない作業が続く。労働者の被曝隠しが発覚したが、命を削る労働の場で、人権が守られていない。差別と犠牲で成り立つエネルギーはいらない。
政府は福島で除染を進め、チェルノブイリより4倍も高い避難基準で、再び人々が暮せるよう帰郷を仕向けている。除染は移染にすぎず、汚染物全てを取り除くことは不可能だ。放射能汚染が続く中で暮し続ければ、人々は健康を守ることができない。特に、子どもたちの被曝線量を減らすために、国は責任をもって、保養や移住の制度を整えるべきだ。
自然界に存在しない核物質は自然と共存できないことが、明らかになった。人間は自然の一部であることを忘れずに、地球を汚さない生き方をしていこう。
「原発はいらない」どこにもいらない。私たちは、福島で、日本中で、世界中で「原発NO!」の意思表示を続ける運動と連帯し、行動する。
2012年8月26日 原発はいらない西東京集会参加者一同