60 頂いた賀状から (2011年01月11日 掲載)
多くの方から賀状をいただきました。その中から、いくつかをご紹介します。私状ですから、ご氏名は載せませんが。
状況への感想、意見
◎ 1953年3月、「同志スターリン」が死にました。2年後、解禁になったドストエーフスキイの諸作品が日本のナウカ書店にも並びました。左(の写真)は1955年刊行の『ネートチカ・ネズヴァーノヴァ』、右下は同年刊行の『貧しき人びと』です。いま、ソ連は亡霊としてしか存在しません。ドストエーフスキイは草葉の陰で喜んでいるでしょうね。
あらためてドストエーフスキイを読んでみると、ヴァルヴァーラとマカールとネートチカの悲しみと怒りと呪祖の声が聞こえてきます。もちろん、私が座視したまま生きているこの資本主義の濁世に向けてそれは叫ばれているのですが、せっかくの想像力を北朝鮮」や「領土侵犯」に浪費するこの耳には、届かないのですね。
◎ ふたり合わせるとなんと136 年も生きながらえていたことになります。生きながらえばいいわけではありませんが、見えなかったものもたくさん見ることができるようになります。政権交代のドタバタなどその良い例かもしれません。権力に目がくらむととんでもないことが起きてくる、というのは何年生きてもおなじ光景なのでしょうね。……
◎ ……私のような<非国民>は日本国家がどうなっても宜しいが、同胞や地域の諸関係(という意味での文化が衰亡するのは座視できません。まして、我々の体たらくが、我々の外部に諸悪を累積させるとすれば(させるに決まっています)それは放置できません。今更自分に何ができるか定かではありませんが、こういう時代だからこそ、例外なく最後の
一人までの自由を平等に保証するための運動が多層的多角的に作り上げられる必要があるのだと思います。<共産主義>という言葉を死語にしない余地があるとすればそういう運動のことを指す場合のみだと思います。
◎ 尖閤諸島の事件で国境が盛んな話の種になりました。「正義」というものがあるかのように、毅然とか断固という言葉が飛び交います。支配権力が力んでくるとロクなことはない。事件のヴィデオの流出がいけないと言われたけれど、むしろ市民社会が知るべきことだと思います。中国側のヴィデオも流れ出し、両国の市民が見て意見をもてることが民主主義と思います。つまり市民が部分的に国境をこえる時代がきますように!海でも公海や領海とはちがう共同水城の考えが生まれ、国境が硬直した線とかざらぬふくらみで両国人の雑居地域の存在を許す時代を人類が獲得できる。それらのことが、空想的にも見えて、実は遠い未来にかける願いです。……
民主党政権への批判、不満、
◎ ……せっかくの政権交代はいったい何だったのでしょうか?血圧が上がってしまいそうです。……
◎ 賀状推敲の今日 12・8は69年前の真珠湾攻撃の日 またジョン・レノンの命日。昨今の領土領海問題を巡り、バラエティ化したメディアの好戦的論調の囂すさに愚生は囂一言呟かざるの心境。
現政権は新防衛大綱を示し、基盤的防衛構想から動的防衛構想にと。いつか来た道「坂の上の雲」 戦争は為政者によるとしても、雷同した国民の熱狂も知れ! ジョン・レノンのイマジン反芻する。
日中友好交流に関わる者として、反覇権を説く中国の膨張的戦略と互恵的戦略に違和感を覚える。何れにせよ粘り強い平和外交力の発揮を強く政府に望む。
期待の政権交代の筈が唇寒しの状況。小沢がせ民主党内の痴呆ぶりを糾す! 国民不在、財政・経済政策の無い、個人的脚引張りの国会質問…鳴呼。用心々々
◎ 仙石さんがあんな間抜けとは思いませんでした。学生運動をしっかりやらなかったせいでしょうか。今年も、こちら側でお元気で。
◎ 半世紀ぶりの政権交代に期待するところが多かったため、がっかりすることが多い1年でした。アジア重視、米国やEUと等分に付き合う外交を期待していました。それがより極端な対米一辺倒ぶり。フィリピン上院議会のように「米軍基地撤退」とさえ言えません。……
◎ そちらの市議選挙、真夜中すぎまでどうなるかとオモッテイマシタガ、バンザイでした。それにしても とんでもない政権を作ってしまって、先見の明のなさにガックリしています。
絵やイラスト
◎左の「日の丸」のイラストと、右の「仁王の股たくぐり」の絵
生きるための姿勢
◎ あっという間に二〇一〇年が過ぎてしまいました。覚悟していたとはいえ、変化とは、浮き沈みする変化のうねりの持続であると再認識しています。日米関係を対等のものに変えるには、右往左往しない原理と胆力が必要です。政治家も市民も原理を語るぺし、政党は原理を建てるべし、です。……
◎ ……「取るに足らない者」ですが「反軍」=「軍隊を無くす」=「国家をそうするか」という壮大な夢を持ち続けながら現実を見据えて思考・行動していきたいと思います。……」
連帯・つなぐ
◎ 一人一人は弱し、/一人一人が繋がれたら/どんなことでも変えられる/はじめよう!…あきらめずに/命を紡ぐために
老齢でも声をあげて
◎ 如何お過ごしでしょうか/小生も、コウキ高齢者2年目を迎える歳となり、人様と同じく服薬と医院通いをしています。/が、このままではならじと年寄りの冷や水の同人誌を発行。往時茫々振り返ったり、戦火許すまじの声を細々ながらもあげています。お大事になさってください。
◎ 九条を護りながら生を終えたい
◎ ……いまさら時勢について、あれこれ言う気もおこりません。ただ、いままでのようにこれからも、自分のなかの自由の精神を護り育て、ここだけは一歩も退かないぞと決意を新たにしている次第です。……
◎ ……昨年、私は喜寿だったのですが、ナント、胃ガンになってしまいました。手術は成功したのですが、転移があるため、抗がん剤治療が続いております。/沖縄を裏切ろうとしている菅政権のことを考えると、何としても健康を回復してガンバラなきゃ、という思いが強くなってきます。……
禁煙
◎ ――紫煙なき 手もちぶさたの 春さびし―― (差出人のご本人のことでしょう。私のことではありません。)
吉川の健康について、連名の差出人について
◎ ……吉川さんにお会いすると脳梗塞も怖くないと思ってしまいますが、どうか、お大事に。
◎ 天国の方に人材豊富になりつつあり、当分はこちらでお体大切に!
◎ 『市民の意見』で、毎回吉川さんのご無事を確認して安堵しています。(あんまりハラハラさせないで下さいネ) 実は私も大腸ガンの集団検診に引っかかりました。でも、そういう時は、吉川さんの名言、「いい人はガンになる」!
◎ 「天国」よりの割り込み、がすてきです。永遠に会話は可能ですね。
◎ ことしも楽しい年賀、有難うございました。吉川さんの年賀状は個人的なようでそうではなく、吉川さんと、亡き奥さん両方ともいまの世に逆照射している想いがします。それにしてもしあわせな奥さんだった。そう思います。「思い出の河上肇と櫛田民雄」を舞台にのせたいと思った。小生も八三です。