36 健康状態とブラックソブラニーと (2008年06月20日  掲載) 

  その後の健康状態はどうなのか?というお問い合わせを何人もの方からいただきました。 「いい人情報」に、私の肺の腫瘍の治療法が6月18日に決まるだろうと書いたからです。いろいろご心配をおかけして申し訳なく思っています。
 結論から先にいますと、決定は1ヵ月延期です。
 18日の検診では、もう一度肺のCTスキャンをやり、1ヵ月前のものと比べてみて、腫瘍らしき斑点が大きくなっているかどうかを確かめることになったのですが、この日の2度目のスキャンでも斑点の大きさは変わっておらず、5mm程度のままでした。
 老人はガンの進行はずっと遅くなると聞いていましたので、1月ほどでそんな違いが出るのもかと、医師に聞いてみましたが、もちろん、進行していれば1月でも大きさは違ってきますよ、悪性の場合は年配者でもかなり早いものです、ということでした。胸部のレントゲンもとったのですが、それには何も映っていません。腫瘍だとしても、レントゲンだけではわからかったろうというごく初期のものだとのことです。腫瘍、つまり肺がんの可能性ももちろんあるのだが、しかし、この影は、肺がんだけとは今の段階では断定できず、他の要因によるものの可能性も否定しきれない。この段階で治療をやるとすれば、その部分を物理的に除去してしまうという肺葉切除という方法になるし、そうすれば、肺がんであろうがなかろうが、その部分を取ってしまうのだから、それで終わりということにはなる。しかし、煙草のせいだろうが、肺気腫がかなり進行していて、肺の機能が相当衰えているから、物理的な手術は他の病気を引き起こす危険性もあり、腫瘍だと断定できるまでは、その危険は冒したくない、そこで、もう一月様子を見て、三度目のCTスキャンをやり、その段階で影の原因の判断や治療法をきめることにしたい、――これが、肺の専門医師の診断でした。というわけで、今のところは灰色状態、白黒の決定は7月半ばまで延期ということになった次第です。
 こうなってくると、おかしなもので、この前は、「本人は淡々としている」と書いたのですが、もしかしたら肺がんでない可能性もなくはない、ということになると、ま、ひとまずよかったな、という思いがしてきます。手術をするから入院だ、などと言われると、準備は結構大変で、ベランダにある山法師やアジサイやクチナシなどの鉢を川崎の妹の家に車で担ぎこんで、留守中の水やりの世話を頼むなど、いろいろ忙しなくなります。それが少なくともひと月はやらなくても済むわけで、ホッとしています。あるいは、天国にいる連れ合いが、そんなに急いで来なくてもいいよ、もう少しピアノの練習でもしてなさい、と言っているのかな、などという思いもしてきます。人間の気持ち、本当に揺れるものですね。
 7月の再度の診断を待たねばならないのですが、その直後の20日(日)には、災害犠牲者救援市民議員立法運動を進めてきたグループが、小田実さんの逝去1周年を迎えて集会をやるので、そこで話せ、という申し入れも、また、「障害者・患者9条の会」が、9月に結成3周年のシンポジウムをやるので、そのパネリストを引き受けてくれ、という依頼も一応、条件付き(入院などということにならないという)で、引き受けることにしました。
 病院の帰りに、今夜は少し飲むか、とスーパーで刺身の盛り合わせなどを買って帰宅したのですが、そこへ、お届けものです、と宅急便。差出人はまったく心覚えのない赤坂の「プラセール」という名前です。調べてみると、有名な煙草と喫煙具の専門店でした。包みを開けますと、なんと、ソブラニーのブラック・ラッシャンが1カートン(10箱入り)出てきました(写真)。10日付の本欄No.35 をご覧になったどなたかが、プラセールへ寄って、これを送るよう手配くださったのだと思いますが、送り主のお名前は書いてありません。ここでお礼を申し上げます。そのほかにも、大きなひまわりの花束や、山形の見事なさくらんぼうなども届けられました。ありがとうございました。しかし、くれぐれもお見舞いその他、これ以上のお心遣いはなさらないでください。親しい方々のお気持ちは十分、わかっております。