12. 電磁調理器もやはり補助額限度に近い値段付け (2001/11/13記入)

    いい人は介護する(?)――障害者として、介護者としての雑感  (その12)

 本欄の11で、音声付の電磁調理器が市販されていることを報告しましたが、その定価が、普通の電磁調理器の倍以上もするのは高すぎるとも書きました。

 今日、市役所の障害福祉課に電話で、購入の補助が出るのかどうかを問い合わせました。すぐ調べてくれましたが、視覚障害で、2級以上の身障者手帳の保持者だったら、電磁調理器の購入には、4万5千 400円まで福祉事務所から補助の交付券が出るとのこと でした。手続きとしては、まず業者から見積書を取り、それと器具のカタログ、身障者手帳、印鑑を持って市役所に申請することになります。事前のこうした手続きなしに買ってしま うのはまずいようです。ついでに尋ねてみたのですが、電磁調理器は補助の対象になっているが、電気釜、電子レンジは、音声付であっても対象にはなっていないので、補助金は出ないとのこと でした。電子レンジなどは、補助の対象となっていいはずだと思うのですが、理由はよくわかりません。

 取り寄せたカタログによると、視覚障害者用に、音声付電気釜が市販されていますし、また、電子レンジは、私の家で現在使っているものと比べて、現在のカタログにあるものはずいぶん便利になっている ようです。私の使っている電子レンジについているターンテーブルがなくなっており、下からも加熱するようになっているのです。音声案内はついていませんが、そもそも、 細かいことは言わず、標準的に暖めるだけなら、タイマーで加熱の時間を設定する必要がなくなっているのです。中に入れて加熱のボタンを押せば、あとは調理器のほうで、入れた食品の表面の温度を赤外線センサーで計測して、75度になると自動的に通電がストップする 分量や性質の違う食品(たとえばご飯とパンと牛乳)を同時に入れても、それぞれの温度を別々に計測し、以後は温度の低い部分だけを重点的に加熱するようになっているというのです。これはカタログの解説で、実際に使ってみたわけではないので、本当にそうかどうかはわかりませんが、このとおりだとすれば、音声案内などなくても、視覚障害者にとっては十分に使える器具 です。しかし、値段はやはり相当高く、三洋電機の製品で言うと、7万5千円〜8万8千円もします。これでは、補助が出なければ、私には入手はちょっと無理 です(数年前から、電子ピアノが欲しくて貯めていたヘソクリを、あきらめて放出すれば別ですが‥)。

 ところで、ふたたび、補助金の限度額と、製品の定価の関係の問題です。この欄の(その2)で、拡大読書器の値段と補助金の限度額との関係について触れましたが、今度もやはりそうか、と思 いました。前回、音声案内がついただけで通常の電子調理器の倍以上にもなるのは不思議だと書きましたが、その理由がわかったような気がします。自治体の補助限度額が4万5千500円 、それで値段は4万3千500円になるというわけなのでしょう! 音声ガイドのないもの――つまり、視覚障害者が買わず、補助金の申請がありそうもないものは、同じタイプですべて2万円台なの ですから。