(資料)田無市の「市民の会ニュース」 

 合併の対象となっているお隣の田無市では、保谷よりも大分早く、今年の夏、「住民投票を求める田無市民の会」が発足しています。この会が出している『合併の是非は市民の声で! 住民投票を求める田無市民の会ニュース』1999年12月号を以下にご紹介します。

(第1ページ)

☆皆さん、ぜひ呼びかけ人になってください☆

住民投票条例の制定を実現させ、
 保谷市1との合併は住民投票で決めましょう!


 田無市民の皆さん
 いま田無市では2001年1月に向けて保谷市との合併の準備が進められています。合併は、一つの市の存廃に関わる大きな問題であり、市の将来と市民全体の生活に関わる重要な問題です。またこの合併には賛否両論があります。そこで、できうる限り皆が納得でき将来に禍根を残さない一つの方法として、合併の是非を住民投票で決めることを私たちは提案します。合併のような私たち市民の将来を大きく左右する大事な問題は、行政や議会に任せっきりにせず、私たち市民の一人一人が担い、決定することが必要だと考えるからです。
 とはいえその手続きは簡単ではありません。日本における住民投票は二段構えです。まず住民投票条例の制定を求める署名を集め、それが議会で可決されねばなりません。その上で初めて実施されます。地方自治法第12条・第74条に基づき、署名収集期間は1ヶ月、有権者の50分の1以上の署名が必要です。そのために私たちは合併に賛成の人にも反対の人にも可能な限り多くの方々に呼びかけ、保谷市との合併の是非は最終的に住民の意思で決めることを実現するための会を結成いたしました。署名集めの前段階として、まず、ぜひ多くの方々に呼びかけ人になっていただき、多数の賛同者を募って運動を広げていきたいと願っています。

(第2〜3ページ、見開き)

呼びかけ人からのアピール
田無市と保谷市の合併に
賛成
の人も反対の人も

住民投票

を望んでいます

ムダを省く合併に賛成!
でも絶対に住民投票を!


 「田無は東京ですか?」と東京の人にきかれるほど知名度が低いですね。土地が安かったせいか、不動産の広告につられただけで住むことにきめました。が、保谷市との合併話があると知ったとき、実は嬉しかったです。介護保険事業計画作成委員会に出てみて、二つの市が別々に似たような結論を出すとしたら、これこそ無駄だ、と空しくなりました。保谷に抱かれるような形の田無、これから介護保険のサービスがはじまったとき、広域でやりくりし合う方が効率がよいと思います。
 合併反対の人の意見をきくと、新庁舎のための大きな建物を建てるのがムダ、というご意見が多いようですが、建物は一回だけです。長いタイムスパンで見る場合、議会費や市職員を効率的にして無駄を省き広域的に合理的に大きな町になることの方が大切ではないかと思います。企業も合併、統合、リストラクチャリングの時代です。
 住民の税負担はどうなるのかもきちんと示して欲しいところです。住民投票は絶対にやってほしい。市長と市議会だけで決めることではないと思います。
山野貞子(向台町)

合併は住民不在の既定路線
市民の声に耳を傾けよ

 
 田無・保谷両市法定合併協議会(十月二二日・第二回目)の結果のごく一部だが、1新市名の公募を一月一日公示十二月末日〆切り期間内に行う。2協議会での協議項目なるものがズラリと列挙・一覧表示されている。@合併の是非を問う両市民の意向調査も徹底せず、両市民自立態勢の遅れも目立つ状況下で、新市名公募がなぜ先行するのか、順序が違うのではないか。A協議会に属する少数メンバーだけで、こんなに広範なる全ての専門分野に渡って、捌きつくせるのだろうか。要するに、両市合併という既定路線・手続上のレールをつっ走り終着駅は目の前に迫っている。住民不在である。その意向を訴えても、行政当局がどれだけ耳を傾けてくれるのか。協議項目も合併後、両市の行政職員達が汗だくになって初めてすり合わせることになろう。公的介護保険料・サービスを例にしても、いま全国の地方自治体で模索中の大問題である。どのようにすり合わされるのか予測もつかぬ。このような状況の中ではせめて合併という重要な問題については、その是非は住民投票に問うべきである。
長逸郎(西原町)

合併は選挙の争点ではなかった
再廣有権者の声を聞くべきだ

 民間企業は生き残りを賭けて合併を含む構造改革を行っている。これは、財政再建や企業競争力の強化、消費者サービスの充実などを将来的に解決するための措置である。
 地方自治体の合併も同様の理由から提案されたものであり、眼前の問題を論じるものではない。一時的な行政サービスの低下やインフラ整備予算などの不平等を近視眼的な視点から論ずることは間違いである。目的は行政構造改革にあるのだから、自治体の将来像を論議すべきであり、現状の維持凍結を前提とする反対論はナンセンスである。しかも、議会制民主主義の参政権を行使する場である選挙で、二度まで「合併」を争点に出来なかった事を問題にもせず住民投票を求める事は、議会制民主主義を軽んじる事にほかならない。
 但し、「合併」を選挙争点として提案されなかった有権者の立場から考えると別である。選挙当時の両陣営候補者達の政策的責任回避を結果責任として負わされる有権者は、たまったものではない。行政と議会の馴れ合いを出発点とする今回の「合併」は、過程から考えると有権者の権利を著しく侵害している。この有権者の権利を回復するためには、少なくとも住民投票が必要である。
浜中義典(本町)

具体的データを示し
住民投票で市民の意思確認を!

 保谷市との合併の必要性や効果が、配布された冊子では具体的には全く分かりません。税金などを低い方に合わせるとのことですが、保谷市は都市計画税を田無に合わせてアップする提案をこの九月議会に提出しました。合併で街作り推進に337億円が使えるといいますが100億円は返済が必要です。田無の借金270億円、保谷市380億円に上乗せです。少子高齢化社会の到来で税収の先細りが予想される今日「街作り出来て赤字の再建団体」になりかねず、行政サービスの低下が心配です。田無の特別養護老人ホーム待機者ほぼゼロに対し、保谷は100人をはるかに越えているのも心配です。
 末木市長の公約は「市民合意を基に合併を」です。この四月の市議選で当選した市議24名中、無条件で選挙公報上「合併推薦」を明言した市議は7名、市民合意などの条件付きが11名、見直しが2名、言及無しが6名です。この数字は住民投票で市民の明確な意思確認が必要なことを意味しています。
 先に合併ありきではなく、合併の是非は、市民一人ひとりが判断できるよう具体的なデータを開示し、市民の意思を問う住民投票により決定すべきです。
荻野矩正(芝久保町)

合併でオンブズマンの活性化を

 田無市においても不透明な行政の執行がなされていますが、その多くが議会でも追求されず、市民にも知らされないままになっています。そこで私は考えるのであります。合併したら、市政を監視するオンブズマンも増えるかもしれない。つまり、合併に伴う人口増と広域化で行政の権限の及ぶ領域は広がるが、権限自体は強まらない。しかし市民活動は、人口増により層が厚くなり、行政に対する力も増す。そして、オンブズマンも増え、田無市政から不正が少なくなる。私、少し甘いのかな。透明性を高めるために住民投票はもちろん必要です。
井上泰子(南町)

呼びかけ人になっていただける方は下記のいずれかに御連絡ください

【運絡先】 岡本卓郎 TEL&FAX:62−6023 松内則之 TEL:60−5413 龍谷 博 TEL:66−3662 桜井洋子 TEL:62−4337 真鍋映子 TEL:64−2470 横井琢哉 TEL&FAX:67−8322

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代表呼びかけ人
石橋シヅ子(保母) 寺村輝夫(児童文学者) 原希世巳(弁護士) 廣渡清吾(東京大学教授) 松山善男(中央大学教授) 横山南土(税理土)

呼びかけ人 青山百合子 本町 (以下174名が列記されているが省略) 

 
この会は、特定政党や組織とは無関係な、ごく普通の市民の集まりです。お金も人手もない中、チラシの印刷や配布もすべて会費やカンパ、ボランティアの労力でまかなっています。「合併」に賛成の方も反対の方も、私たちの活動に賛同して下さる多くの方々にアイディア・労力・寄付の御協力をお願いしています。また、会に対する疑問や批判も歓迎いたします。カンパ(できましたら一口500円以上〕の御協力をよろしくお願いいたします。

◎郵便振替口座:00120-0-151363   ◎三和銀行田無支店普通口座:3676573 
いずれも「住民投票を求める田無市民の会」名義