118. 立川でのイラク反戦運動への弾圧についての訴え (2004/03/08掲載

 「ニュース」欄の No.108 でお知らせした、立川のテント村に対する言語道断な弾圧については、3月5日の『朝日新聞』社説が、「ビラ配りでなぜ逮捕」と題する主張を掲げたので、かなり知られるようになって来ました。しかし、7日に立川テント村のメンバーからのメールによりますと、「勾留は未だ続いています。仲間達への取調べは1日6時間から8時間にもおよび、毎日検事が調べに入るなど、起訴へ向けた動きが作られつつあります。また調べの中で、「おまえは寄生虫だ」「立川を追い出してやる」などといった許しがたい暴言・脅迫が公安刑事から吐かれています」とのことです。
 この件について、弾圧への抗議と救援運動へのカンパの呼びかけが出されています。以下に全文を転載します。ご協力をお願いいたします。

 立川・反戦ビラ弾圧救援会 ――結成とカンパ/行動参加のお願い――

 2月27日早朝、自衛隊基地のある立川で反戦・反基地運動を続けてきた立川自衛隊監視テント村のメンバー3名が令状逮捕され、6件に家宅捜索が入るという大きな弾圧がありました。この弾圧は、同市内にある自衛隊官舎への反戦ビラのポスティングを“住居侵入”と決め付けた100%不当な弾圧です。自衛隊官舎の構造は普通の集合住宅と全く変わらず、多くのチラシがポストに投函されています。
 立川署と警視庁多摩庁舎に勾留された仲間たちに対する取り調べは1日6時間〜8時間にも及んでいます。仲間たちは公安刑事から「立川から追い出してやる」「おまえは寄生虫だ」「この浮浪児が」などといった極めて悪質な言葉を浴びせられています。検事の調べも毎日行われ、起訴へ向けた策動が行われています。
 私たちは、この弾圧が自衛官と反戦運動との完全な分断を目的とした戦時弾圧であることを確信し、仲間たちの一刻も早い釈放を求めて「立川・反戦ビラ弾圧救援会」を結成しました。自衛隊の恒常的な海外派兵体制づくりが狙われ、戦争する軍隊へと大きな変貌を遂げようとしている中、自衛官への呼びかけはますます重要なものになっていると思います。立川での弾圧は、自衛官へと呼びかけるすべての行為にかけられた国家の暴力・恫喝にほかなりません。
 こんな暴力が野放しにされていいはずがない! 一刻も早く仲間を奪還し、もっともっと大きなイラク派兵反対の声をあげよう! こんなことで起訴されたらたまんないよ。カンパと行動への参加をよろしくお願いします。共に!
カンパ振込先:00190-2-560928(口座名「立川自衛隊監視テント村」)
 「2/27弾圧救援カンパ」と明記ください

反戦ビラ弾圧救援会行動予定
 3/11(木) 勾留理由開示公判(予定) 八王子地裁 ※要問合せ
 3/14(日)立川共同行動との反弾圧情宣 11:30 立川駅北口
  ※情宣後、立川警察署へ抗議行動
 3/15(月)反戦ビラ入れへの弾圧を許さない! 3・15立川集会 〜イラク反戦の声
を広げよう〜  時間:18:30  場所:未定(お問い合わせ下さいませ)  発言:弁護団、救援会、各地の反戦グループから(予定)

連絡先  立川・反戦ビラ弾圧救援会
東京都立川市富士見町2-12-10-504
TEL/FAX042−525−9036
tachikawa227q@yahoo.co.jp 
 


 また、この立川での弾圧(2月27日)にひきつづき、3月3日には、
警視庁公安部が、昨年の衆院選で日本共産党機関紙『しんぶん赤旗』号外などを配布した行為を「国家公務員法違反容疑」などとし、社会保険庁目黒社会保険事務所係長の堀越明男さん(50)=東京都中央区=を不当逮捕、自宅や党千代田地区委員会など計6ヵ所を家宅捜索しました。公安部が発表した「被疑事実」によると、堀越さんは昨年11月の衆院選で同年10月19日から141月3日までの間、日曜日や休日に、中央区内の計百数十軒に「しんぶん赤旗」号外などを配布。これが、国家公務員法違反(政治的行為の制限)などにあたるとしています。そして3月5日には、東京地検公安部は、堀越さんを釈放したうえで、国家公務員法違反の罪で起訴しました。これもきわめて異常というべき弾圧です。日曜日や休日に、市民が公務とは関係なく、どのようなビラを撒こうが、それは憲法で保障された言論・表現の自由の行為です。共産党は、東京地方検察庁、警視庁、東京・月島警察署などへの抗議を呼びかけています。(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-03-04/01_01.html )

 どちらも、行為があったとされる時から、長い期間を経た後に行なわれた弾圧で、かなり高度な政治的判断によって行なわれたものと見られます。堀越さんの『赤旗』配りへの逮捕、起訴は、近づく参議院選挙への影響を計算したものとも言えますが、総じて、今回の2つの事例は、権力が、自衛隊のイラク派兵という「準戦時体制」下にあって、反体制運動と見られる勢力の行動に対して、強権をもって抑圧に乗り出してきたことを示しています。ベトナム反戦運動が大きくなってきたときも、権力は反戦運動に対して、この種の不当な弾圧を繰り返しました。今度の2つの弾圧行為は、憲兵が存在し、治安維持法があって、反軍行動や反体制運動が片端から弾圧された戦時中、戦前の事態にまでは至っていないとはいえ、それへの予兆とさえ思わせる事態です。権力は、法の適用については、きわめて恣意的です。日頃は、何の問題もなく行なわれてきたのと同じ行為や行動であっても、彼らが弾圧しようと思えば、法律を勝手に解釈、適用して、弾圧を加え敵増す。私はベトナム反戦運動の中で、いやというほどそういう経験をしてきました。弾圧が引き続き行なわれるか、それともそれを阻止できるかは、一にかかって、権力と民衆の運動との間の力関係です。警戒心を怠らず、弾圧に対しては直ちに容赦のない抗議、反撃をすることが必要です。抗議の声を上げてくださるよう、訴えます。