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『公害原論』宇井純(「宇井純を学ぶ」・「宇井純さんを偲ぶ集い」)のご案内。 (2007/05/19掲載)
6月23日(土)に、昨年なくなられた宇井純さんに関する催しが二つ行なわれます。ぜひご参加くださいますよう、ご案内いたします。
昼の部
13:00〜16:00「公開自主講座 宇井純を学ぶ」 場所:東京・東京大学・安田講堂 講演:「宇井さんの言葉と仕事は、何だったのか」 講師:淡路剛久、宇沢弘文、最首悟、桜井国俊、原田正純、宮内泰介、吉岡斉 討論:「宇井さんと言葉と仕事を、今後の研究と教育にどう活かすか」 パネリスト:鬼頭秀一、山下英俊、友澤悠季、三輪大介 ほか 資料代:1,000円(学生500円) 主催:公開自主講座「宇井純を学ぶ」実行委員会 (連絡先:113-0021 東京都文京区本駒込3-9-3 トライビル3F 亜紀書房気付 電話:03-3824-7238 Fax:03-3824-7256 E-mail:
ui@akishobo.com 共催:日本環境会議
夜の部
18:00開場 18:15〜20:45「宇井純さんを偲ぶ集い」 場所:東京・文京区民センター3A会議室 発言:宇井紀子、桑原史成、坂東克彦、矢野忠義、早乙女順子、平仲信明、柳田邦男、立川勝得 献杯:土本典昭 そのあと懇談、献花など。参加費:2,500円 主催:宇井純さんを偲ぶ会(連絡先:上の主催団体と同じ)
この催しの概要は、下記のHPに掲載されています。ネットを通じて多くの方に6・23の案内を広めてくださると幸いです。
日本環境会議(JEC) http://www.einap.org/jec/
環っ波 http://www.wappa.info/
それぞれの主催団体のアピール文を以下に転載します。
宇井純さんは、公害と環境の研究と運動において、常に「気になる人」だった。宇井さんの言葉と仕事は、ポジティブに、また人によってはネガティブにも、強いインパクトがあった。宇井さんはよく歩き、多くの人と語り、そして仕事をした。昨年11月に宇井さんは亡くなったが、彼のインパクトは多くの人たちの中に生きている。
「公害に第三者はいない」という科学の客観性と公平性に関わる問題提起、「分からなくなったら現場に出ろ」という現場主義、「矛盾している情報を掘り下げてゆくとそこに真実がある」という論理的思考と実証的データの重視、「複数の研究分野をもて」という学際的研究の実践、「どんな立場にいてもやることはある」という連帯への指向など、宇井さんの遺した言葉を、私たちは自分なりに咀嚼し、あるいは批判して、今後に活かす必要がある。そこで私たちは、学問や大学に対する批判も含めて、宇井さんの言葉と仕事が自分にとってどんな意味を持つのかを、宇井さんを直接知らない若い世代とともに考えるための場を企画した。
公開自主講座「宇井純を学ぶ」実行委員会
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呼 び か け
昨年11月11日の宇井純さんのご逝去は、私たちにとってこれ以上ない深い悲しみでした。
田中正造ゆかりの栃木で2歳から多感な高校時代までを過ごした宇井純さんは、化学会社に就職後、研究者の道に転じられました。
そして、水俣・新潟の現場を歩き技術者の観点から水俣病加害企業の責任を明らかにしたこと、知や学問のありかたを「公害原論」「大学論」で実践的に問うたこと、その自主講座運動のネットワークで各地の被害者闘争や住民運動を支えたこと、環境に見合った畜産排水処理装置や浄化槽の創案者であること、沖縄で教鞭を執りながら島を覆う乱l開発に警鐘を鳴らし続けたこと……余人をもって換え難い数々の実践を真っ直ぐに貫かれた人でした。
人の生命と生活がないがしろにされる事態や、自然環境が切り売りされる状況は、国内外を問わず枚挙に暇ありません。そんな時代であればこそ、反公害運動や環境教育をめぐる宇井さんの言動は、私たちの現在地をとらえ返す鏡・行先を照らす灯として、かけがえがありません。
また、沖縄大学を定年で退職の折、奥様が運転する車で、島伝い陸伝いに日本列島各地の運動仲間を訪ね1ヶ月かけて帰京されたというお話には宇井さんの人柄が偲ばれます。
ご葬儀には全国からのベ700人が駆けつけてお別れをしましたが、私たちはまだ、宇井さんの足跡と業績について学び尽くしておらず、伝え尽くしてもいません。そこで、ご冥福を祈るとともに、生涯をかけて発信されたメッセージを受け止めなおすべく、ご存命だったら75歳の誕生日にあたる6月に「宇井純さんを偲ぶ集い」を企画しました。当日は午後から「公開自主講座 宇井純を学ぶ」も行われます。あわせて、皆様のご参加・ご協力を呼びかけます。
2007年4月
宇井純さんを偲ぶ会 |