17. 「反戦映画クラブ」 2002年8月〜9月のご案内 (2002/08/05掲載)
市民の意見30の会・東京が毎月第2土曜日の午後、事務所で開催している「反戦映画クラブ」の8〜9月のご案内です。
印パ核戦争の危機の実態など
必見のドキュメンタリ特集
8月10日(土)午後2時より
昨年パキスタンでつくられた核の警鐘!
@『核の影に覆われたパキスタンとインド』他 (8月)
Pakistan and India under the Nuclear Shadow
●監督・パルヴェーズ・フードバーイー●脚本・ジャー・ミヤーン●制作・イクバール・アフマド財団●日本語版製作・原水爆禁止日本国民会議(2001年、パキスタン作品、カラー、30分)
まず、この表を見てほしい。
都市名 | 人口 | 死者 | 重症者 | 軽症者 | |
イ | バンガロール | 3,077,937 | 314,978 | 175,136 | 411,336 |
ボンベイ | 3,143,284 | 477,713 | 228,648 | 476,633 | |
ン | カルカッタ | 3,520,344 | 357,202 | 198,218 | 466,336 |
マドラス | 3,252,628 | 364,291 | 196,226 | 448,948 | |
ド | ニューデリー | 1,638,744 | 176,518 | 94,231 | 217,853 |
パ | ファイサラバード | 2,376,478 | 336,239 | 174,351 | 373,967 |
キ | イスラマバード | 798,583 | 154,067 | 66,744 | 129,935 |
ス | カラチ | 1,962,458 | 239,643 | 126,810 | 283,290 |
タ | ラホール | 2,682,092 | 258,139 | 149,649 | 354,095 |
ン | ラワルピンディ | 1,589,828 | 183,791 | 96,846 | 220,585 |
これは、このドキュメンタリの製作者の一人、ジャー・ミヤーンらによる『核の影からの脱出』という昨年出版された本に出ているものだが、インド、パキスタンの両国が仮に5発の核兵器を使ったら、という想定で計算された両国科学者によるシミュレーションの数字で、死者290万人という恐るべき結果が示されている。
インド・パキスタン間の一触即発の危機は、やや遠ざかったようなものの、両国間の緊張関係は依然として鋭く、根本原因のカシミール問題も解決の見通しはまだない。そして、ここでも、9・11以後のアメリカの政策が強く影を落としている。
両国政府とはまったく自立した立場から昨年作られたこのドキュメンタリは、両国の政治・軍事・宗教の指導者とのインタビューや画像を使い、この地域の危機の実態と緊急性を描き出した画期的な作品である。
A『戦車闘争――1972夏●戦車闘争の100日間』(8月)
●撮影・記録・檜鼻達美ほか●監修・楠木徳男●製作・市民映画上映実行委員会〈相模原〉(1972年、白黒、1時間)
本年8月、あの歴史的な横浜・村雨橋におけるベトナムへの米軍戦車輸送阻止闘争から満30年を迎える。このドキュメンタリは、それ以降の相模原における戦車闘争の経過を、闘争参加者の側から記録したものであり、多くの歴史的場面・映像・音声が記録されている。
残念ながら、製作されてから時間がたち、画像も音声もかなり劣化しているが、そのもつ歴史的意味はいささかも失われない。
9月14日(土)午後2時より
@『砂川の暑い日――砂川闘争47年目の証言』
●監督・星紀市●語り手・原田芳雄●録音・久保田幸雄●製作・砂川を記録する会(2002年、カラー、一部白黒、2時間6分)
砂川の地にあって立川基地闘争の記録をとり続け、これまでにも多くの写真集やビデオをつくってきた星紀市さんによる最新作。1955〜56年の砂川闘争は、労働者、学生、主婦、市民らの非暴力の闘争によって実際に基地の測量を阻止し、拡張を中止させた画期的な闘いだった。この闘争に加わった二八人の人びとによる現在の証言を、当時のフィルムを交えて闘争の実態を再現しながらまとめたもの。
A『ベトナム戦争 枯葉剤被害――いまだ癒されない傷あと』
●製作・ベトナム赤十字社・枯葉剤被害者基金●制作・ベトナムテレヴィション●構成・演出・ミーン・チュエン●日本語版制作・発行・株式会社シーズビジョン(2002年、カラー、30分)
これは今年4月の反戦映画クラブで上映する予定だったドキュメンタリだが、それはベトナム赤十字社から贈られた英語版だった。このビデオに、日本のベトナム・ダイオキシン被害児支援の市民運動「子ぶた基金」の手によって日本語のスーパーインポーズがつけられ、また、特別に日本の民衆に呼びかけるいわば「まえがき」もつけられた。このビデオ〈3,000円で頒布中〉の売上金の3分の2は、ベトナムに基金として贈られる。これは27年前に終わった戦争の記録ではない。現在もつづく人道的闘いである。まずは、この衝撃的な「未来への戦争〈鎌田慧〉」の記録を見ていただきたい。
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市民の意見30の会・東京の会員、読者の方は参加無料。歓迎。会場は、事務局(代々木駅から徒歩3分) 。参加ご希望の方は、前日金曜日の午後7時〜10時の間に事務局 (03-3423-0185)に電話でご連絡を。