16. 「反戦映画クラブ」 2002年6月〜7月のご案内 (2002/05/27掲載)
市民の意見30の会・東京が毎月第2土曜日の午後、事務所で開催している「反戦映画クラブ」の6〜7月のご案内です。
6・7月反戦映画クラブのご案内
スポーツ国際試合と「国家」の名誉を考えるアカデミー賞4部門獲得の作品
『炎のランナー』 (6月)
民族を分割する軍事境界線をめぐる 韓国の話題作、ヒューマン・ミステリー
『JSA』 (7月)
6月8日(土)午後2時より
『炎のランナー』Chariots of Fire
●監督・ヒュー・ハドソン●脚本・コリン・ヴェランド●音楽・ヴァンゲリス●出演・ベン・クロス、イアン・チャールソン(一九八一年、イギリス作品)
サッカー・ワールドカップが始まる。スポーツはいいものだ。だが、国際試合が諸民族間の友好と平和に貢献することもあれば、偏狭な愛国心を駆り立てたり、戦争へ進む道具とされたりすることもある。後者の最たる例は一九三六年のベルリン・オリンピックだ。国際試合が、「国家」を単位に行なわれ、国旗や国歌が必ず登場する。本来、個人、あるいはそのチームを単位に行なわれるスポーツが、「国家」の名誉と結び付けられる。この映画は、一九二四年のパリ・オリンピックに出場した実在の選手、「国家」のためではなく人種偏見に抵抗するために走る青年と、神のために走る青年とを主人公にし、その問題を正面から考え直させてくれる作品だ。日の丸・君が代の強制反対の先頭に立つ内田雅敏弁護士は大のスポーツファンだが、この映画を必見だと推奨している。
7月13日(土)午後2時より
『JSA』 Joint Security Area(「共同警備区域」)
●監督・パク・チャヌク(朴賛旭)●音楽・ヴァンゲリス●出演・イ・ビョンホン、ソン・ガンホ、イ・ヨンエ、キム・テウ、シン・ハギュン、チェ・サンウ、キム・ミョンス(二〇〇〇年、韓国作品)
7月27日という日付を言われて、何の日かを答えられる人は多くないだろう。一九五三年のこの日、3年前に勃発した朝鮮戦争の休戦協定が調印されたのだ。朝鮮半島を分断して南北間に非武装地帯が設けられ、「板門店」という狭い窓がつくられる。この映画は、そこで起きた殺人事件、北の国境警備兵を南の兵士が殺害するという事件を描く。その真相をめぐり、南北の主張は真っ向から対立する。その謎を解くミステリー仕立ての中に、南北兵士の間の友情と分断された民族の悲劇とが描き出される。韓国では史上最高の観客動員数を記録(ソウルだけで253万人)した問題作。そのことだけからも、韓国の民衆の抱く強い思いが伝わってくる。ベルリンの壁はなくなり、ベトナムを分断した北緯17度銭も消えた。だが、北緯38度線は今も厳然と存在するのだ。日本でも昨年劇場公開されたばかり。原作はパク・サンヨン(朴商延)の「DMZ(非武装地帯)」
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市民の意見30の会・東京の会員、読者の方は参加無料。歓迎。会場は、事務局(代々木駅から徒歩3分)、参加ご希望の方は、前日金曜日の午後7時〜10時の間に事務局 (03-3423-0185)に電話でご連絡を。