14. 市民の意見30の会・東京 「反戦映画クラブ」
2002年2月〜3月のご案内 (2002/01/20掲載)
市民の意見30の会・東京が毎月第2土曜日の午後、事務所で開催している「反戦映画クラブ」の2〜3月のご案内です。
『武器なき斗い』と『箱根風雲録』 日本の独立映画の歴史的作品
12月の反戦映画クラブでの『よみがえれカレーズ』には、このクラブ始まって以来という参加者を迎え、盛況。アフガンへの報復戦争への関心や怒りの表れ。
年が改まっての最初の企画は、最近では、なかなか見る機会がないのだが、いずれも感動的な日本人の闘いを描いた歴史的な日本・独立映画作品の名画を鑑賞。ぜひご参加を。
3月5日は山本宣治の命日。それを前にして2月のクラブは、彼の伝記映画を見る。
2月9日(土)午後2時より
『武器なき斗い』 白黒映画
大東映画一九六〇年作品 監督・山本薩夫原作・西口克己 脚本・依田義賢 出演・下元勉、渡辺美佐子、東野英治郎、小沢昭一、宇野重吉 「キネマ旬報ベスト・テン」。
「ヤマセン」の名で知られた戦前の政治家、生物学者、山本宣治(一八八九〜一九二九)の半生を描いた劇映画だが、ほぼ事実に近い描写でドキュメンタリとも言える作品。山本は、同志社大学や京大の講師もつとめたが、「学連事件」で大学を追われたユニテリアン派のクリスチャン。進化論、社会主義に関心を寄せ、「産めよ、殖やせよ」の風潮に抗して、久津見房子らと産児制限運動にも力をつくした。議会では、政治的自由獲得労農同盟の代議士として、ただ一人、思想弾圧法である治安維持法の廃止を強く要求、一九二九年3月5日、神田の宿舎で右翼に虐殺された。京都・宇治にある墓碑には大山郁夫の書で有名な山本の言葉、「山宣ひとり孤塁を守る。だが私は淋しくない。背後には大衆が支持してくれているから」と刻まれている。
3月9日(土)午後2時より
『箱根風雲録』 白黒映画
新星映画社・前進座一九五二年作品。監督・山本薩夫。原作・高倉テル 出演・河原崎長十郎、山田五十鈴(ブルー・リボン賞主演女優賞、毎日映画主演女優賞)、轟夕起子、河原崎国太郎、中村翫右衛門、岸旗江
「箱根用水」として知られる深良用水を建設した江戸の町人、友野与右衛門らを主人公とする劇映画だが、幕府の厳しい弾圧をはねのけながら発揮される農民らのたくましい力の描写は感動的。用水は五年の歳月、人夫33万人の手を要して、一六七〇年に完成する。だが、友野も、完成後、幕府の手によって処刑されたとの伝承があり、ほぼ事実と推測されている。静岡県の惣ヶ原(長泉町上土狩)の芦湖水神社は、友野らを祀り、8月3日には例祭が行われている。
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「市民の意見30の会・東京」の会員、読者の方は参加無料。歓迎。会場は、事務局(代々木駅から徒歩3分)、参加ご希望の方は、前日金曜日の午後7時〜10時の間に事務局に電話でご連絡を
(03-3423-0185)