22.　 お勧めのＤＶＤ2点　（2003/09/15掲載）　

番外「反戦映画クラブ」

　市民の意見30の会･東京が続けてきた毎月の「反戦映画クラブ」が休館してから一年がすぎました。この間に、皆さんといっしょに見たかったフィルムはたくさん登場しているのですが、さしあたり、最近入手可能となったすぐれたビデオ（ＤＶＤ）を二つだけご紹介しておきます。どちらも劇場やＴＶ放映でご覧になれなかった人へのお勧めです。

（１）『ボウリング・フォー・コロンバイン』　マイケル・ムーア監督、脚本、主演　（2002年、アメリカ映画）

　昨年のカンヌ映画祭で特別賞（ここでは、映画史上前例のない20分に及ぶスタンディング・オベーションを巻き起こした）、そして今年のアカデミー賞をはじめ、多くの映画祭で最優秀賞や優秀賞を受賞したドキュメンタリー映画の傑作。
　銃による年間の犠牲者数　ドイツ　381　フランス　255　カナダ　165　イギリス　68　オーストラリア　65　日本　39　そしてアメリカ　11,127！　この銃社会アメリカの突出した数字の背景を、衝撃的な映像でつぎつぎと明らかにしてゆく。ムーア監督自身が、急襲インタービューで、全米ライフル協会会長のチャールトン・へストンを追い詰めてゆく場面などは息を飲ませる。
（カラー　211分。パイオニア8月末発売、ＤＶＤは定価 4,700円だが、実売価格はそれより15〜20％安い。いっしょについてくる小冊子『ＭＭＭＭ――マイケル・ムーアを撃つな！』も読み応えあり。ＶＨＳビデオも出ているが、こちらは今のところレンタルショップ向けのもので 16,000円とずいぶん高い。）

（２）『11'09"01　セプテンバー11』　統括プロデューサー：ジャック・ベラン（2002年、フランス映画）
　監督：ショーン・ベン、クロード・ルルーシュ、ケン・ローチ、今村昌平、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ダニス・タノヴィッチ、ミラ・アイール、サミラ・マフマルバフ、ユーセフ・シャヒーン、アモス・ギタイ、イドリッサ・ウエドラオゴ

ＴＢＳテレビが一回だけ昨年の9・11の一周年の夜に放映して話題となり、その後劇場公開もされた映画。全世界11カ国の名監督11人が、9・11事件をテーマにして、11分9秒という同じ長さで製作した11作品が収められている。日本の今村昌平監督作品の評価は、賛否両論に分かれ議論を呼んだ。いずれにせよ、11篇すべて、それぞれ衝撃的な内容のもので、必見。
（カラー　134分　東北新社　9月初め発売。定価 4,700円だが、実売価格は 3,000円台。）