news-button.gif (992 バイト) 66 松井やよりさんの健康回復を願う友人の集い の報告 (2002/10/30掲載 31日に一部追加 

 ガンに見舞われた「松井やよりさんの健康回復を願う友人の集い」は、28日(月)の午後6時半から、四ッ谷駅前の 「プラザエフ」(元主婦会館)7階のホールで開かれましたが、参加者は会場にあふれ、急遽用意された9階の別室に第2会場が設けられて、ビデオで、本会上の模様が中継されました。第1部が終了して休憩になったとき、松井さん自身が参加されている本会場と9階別室の参加者が入れ替わる措置も取られました。あふれて9階に案内された人びとも、ぜひ松井さんご本人と同席したいという強い希望があったからです。はっきりした数字は会の詳しい模様とともに、いずれ主催者から報告されるでしょうが、400〜500人の人びとが参加されていたのではないかと思われます。とりあえずの私的印象をご報告しておきます。

 会は、アジア女性資料センターの丹羽雅代さんとシャブラニール=市民による海外協力の会の大橋正明さん(恵泉女学園大学助教授)の司会で始まり、まず、友人代表として、富山妙子さんと武藤一羊さんの挨拶がありました。富山さんは韓国の仲間たちから送られたバラの花束をご自分のバラの花束とともに松井さんに贈りました。武藤さんは、戦争用語であまり適切ではないかもしれないがと断った上で、松井さんは、友人というよりは、同志、ともに闘う戦士だといい、運動の中で自分より上に人がおらず、すべての責任を負わねばならぬような事態に立ったとき、松井さんは必ず、ともにその位置にすすんで立って、危険と責任とを負ってくれた仲間だ、と紹介しました。また、武藤さんは、松井やよりさんが、世界各地の抑圧されている人びとの問題の中に個人としての生き方を投入してきただけでなく、同時に、彼女個人の生き方そのものの中に、抑圧されている人びとの生が自然とふくまれてくるような生き方をしてきた稀有な人でもある、と表現しました。
 そのあと、松井さん自身が登壇、これまでの病状について、報告されました。アフガニスタンで異常を感じ、急遽、帰国して以後、数箇所の病院で診断を受けた、国立がんセンターにも行き、一時はそこへの入院も考えたが、がんセンターは、治療というよりは、患者を実験台として、新薬のテストなどにも使っていることを知って、そこはやめた、ということも報告されました。今はまだ、すこし腹部に軽い痛みを時々感じる程度だが、診断の結果は、肝臓ガンの中でも比較的発生率の少ない「胆管細胞ガン」で、これは一般の肝細胞ガンに比して進行が極めて早いもので、松井さんの場合、すでに肺臓や各所のリンパ管にまで転移は進行しているとのことだそうです。松井さんは、こうした様子を淡々と語り、しかし生きる意思が病の進行をさまたげると信じているので、できる限り生きる努力を続けると述べられました。松井さんは、入院という手段よりは、最近増えてきている、自宅などこれまでの生活の場で治療を続け、そこで人生をまっとうする道を選びたい、という希望も述べました。
 この後、松井さんは、アフガンでの眠れずにいた夜に考えたという、「女たちの戦争と平和資料館」の提案について報告し、この自分の夢を皆さんに託したい、と提案されました。(提案の全文については、上をクリックしてください。)

 この後、大学時代の友人、朝日新聞記者時代の仲間、ウルフの会やアジアの女たちの会のメンバーらから、それぞれ、松井さんの人となりが、耳よりなエピソードを挟んで語られ、それぞれ松井さんへの励ましの言葉を述べましたが、思いがあまって時間が足らず、司会者がやきもきして途中で注意する場面が続きました。また、フィリピンの女性がすばらしい美声で歌を松井さんに贈りましたが、残念ながら、私には彼女の名前も歌の題名も聞き取れませんでした。(注: これを読んだ大橋正明さんと越田清和さんから、それぞれ、この方のお名前や歌についての情報を送られました。それによると、彼女の名前は、、デッサ・ケセダさんで、今は日本ネグロスキャンペーン委員会の招きで日本に来ており、以前はそこの日本のスタッフで、もともと民衆演劇などに関わり、現在はARENAという団体の理事を、大橋さんと一緒にやっておられるそうです。唄のタイトルは「Ikaw Babae あなたは女」だというようで、フィリピンのフェミニストがよく歌う唄だとのことです。ありがとうございました。) 
 さらに、沖縄在住の宇井純さんからのメッセージも披露されました。このメッセージは、すでに一部のメーリングリストの上で10月17日に流されたものでしたが、最後は「彼岸の世があるならば、そう遠からずそちらでお目にかかり、又語ることもあるでしょう。」と結ばれているまるで弔辞のような文面で、最初、私がこれを読んだときは、まずいな、という思いもあり、松井さん宛てに、死の近いことを前提とした生き方をしてはだめだという趣旨のメールを送ったのでしたが、この会でメッセージを朗読された大橋さんが、それを明るく紹介されたため、雰囲気は暗くならず、会場から笑声も聞こえるなど、ホッとした次第です。
 この後、海外からの多くのメッセージのうち、3通を中原道子さんが紹介され、第1部を終了、先ほど述べたように、それまでの経過をビデオで見ていた9階の参加者との席交代が行なわれました。

 私は、受付の方に、松井さんへのメッセージと拙著『いい人はガンになる』を託して、ここで失礼させていただいたので、第2部の模様はご報告できません。プログラムによれば、第2部では、アジア女性資料センターなど、運動をともにしている人びと多数から「これからのために」という発言があり、花束贈呈のあと、松井さん自身の一言もあったはずです。

 松井さんへの激励のメールは大歓迎ですが、右翼などからの脅迫、いやがらせもあり、メールアドレスはここでは紹介しません。公開されているアジア女性資料センターの連絡先をご紹介しておきます。

アジア女性資料センター
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町14-10-311 TEL:03-3780-5245 FAX:03-3463-9752 E-mail:ajwrc@jca.apc.org