news-button.gif (992 バイト) 95.私のメインのパソコン・ハードディスクがクラッシュ! 10日間お手上げでした。 (2003/11/11掲載 )

 9月末〜10月初めにかけては、私の入院で、ホームページの更新もできなかったのですが、10月末には、メインのデスクトップのハードディスク(40GB)が作業中に突然クラッシュ。10日間は、お手上げでした。使っていなかった一世代前のデスクトップを引っ張り出し、アプリケーションなどを入れなおして何とか使えるように調整するのに10日かかったのでした。

 以下は、その間の苦闘のご報告ですので、御用とお急ぎでない方、メーカー(私が使っていたのは、DELL製のDimension 8100)のサポートの態度への不満・批判をお持ちの方はご覧ください。

 突然、ハードディスクがクラッシュしたようで、再起動しても、OSだけではなく、最初に出るはずのメーカーのロゴマークも出ないし、バイオスの設定キーも効かないのです。
 メーカー(DELL)のサポートに状況を詳しく知らせ、何度も電話でやり取りしたのですが、要するに結論は、メーカーに修理に出し、ハードディスクを取り替える以外にないとの話。その際、アプリケーションはもちろん、入れてあるデータも一切消えて、工場出荷の状態に戻してしまうから、それは了解せよ、とのことでした。
 市民運動に関連した重要なデータなどはバックアップを毎日とっていましたから、運動に大きな支障はないとはいえ、インターネットもメールも使えず、それに個人の資料(たとえば、まもなく必要になる年賀状のあて先リスト、日記帳、連れ合いの病状記録など)が全部消えてしまったとは大ショックで
した。何度も念を押して、何とか残っているかもしれないファイルの一部でも救い出す手はないのか、と聞いたのですが、答えは「申し訳ないですが、そういう状況では一切救出の方法はありません。あきらめる以外にはありません、申し訳ありません」の一点張りでした。
 しかし、いくらハードディスクのトラブルでOSのローダーが読み取れなくなってしまったとしても、パーティッションを区切って別にしてあるデータ類も一切救えないというのは、何としても簡単には納得できないことでした。神経性でしょうか、下痢を引き起こし、3日ほど続きました。
 そこで、
コンピュータに詳しい友人2人に相談しました。その一人、Cさんは、ハードディスクはIBM製だと言ったところ、IBM製ドライブの点検用フロピー・ディスクを貸してくれました。また、もう一人の専門家、Kさんは、もし別のパソコンが使えるようになっているのだったら、それのセカンダリ・ディスクのところへ壊れたディスクをスレーブとして付け替えてみたら、全部は無理にしても、一部のファイルは読み取れるかもしれない、と教えてくれました。
 結論から言うと、
データは全部救え出せましたDELLのサポートが断言的に言ったことは、真実ではなかったのです!
 まず、「IBM Drive Fitness Test Ver.3.50」なるフロピー・ディスクで立ち上げ、テストを実行したところ、報告は「One or more corrupted sectors found. /For sector repairing, DFT offers two different functions.  / 1) Erase Disk,  entire Disk will be rewritten.  / 2) Sector Repair, corrupted sectors are rewritten. / Note:  ――Erase Disk will DELETE ALL the data on the disk drive ./ ――Sector Repair will cause data loss in the repaired file, refer to the user guide for more information.」 (1ないしそれ以上のセクターが壊れています。セクター修復には2つの方法があります。第1の方法はハードディスク全体の消去で、第2の方法は、壊れたセクターだけの修復、書き換えです。第1の方法だと、ドライブの全データが消去されますが、第2の方法ですと、修復されるファイルだけが消去されます)というものでした。「One or more」というのがどれほどの数かによりけりですが、全部が救えないわけではなさそうな調査結果です。だいぶ希望が出てきました。
 しかし、その二つ目の救済措置をすぐにやるのではなく、Kさんがやってみたら、という一世代前のデスクトップのセカンダリ・ハードディスクのところに、壊れたHDを付け替えて立ち上げ、エクスプローラでどれほど読み取れるかを見てみました。驚いたし、嬉しかったのは、全部あきらめるしかないと言われていた中身のフォルダー名、ファイル名が全部出てくるではありませんか! 結局わかったのは、OS(WindowsXP)を入れてあったパーティッションのC:ドライブのどこかのファイルは壊れているのでしょうが、別のパーティッションになっていたD:ドライブの多くのアプリケーションやE:ドライブの「マイ ドキュメント」などすべてのデータ・ファイルはまったく無事だったのです。アプリケーションは入れなおし、設定しなおす必要があるにしても、すべてのデータ・ファイルから、IMEの辞書ファイル、メールのアドレスなどまで、一切を一括コピーして救出することができたのです。
 
DELLのサポートは、『日経パソコン』の読者アンケートでは第1位を占めており、評判はいいことになっているのですが、今回の事故の相談に関する限り、まったく落第でした。サポート係りの言うことを信じて、修理に出してしまえば、データはすべて消えてしまったはずです。ところが壊れたハードディスクを別のパソコンのセカンダリーにスレーブとして付け替えるだけで、データは全部読み取れたし救い出せたのです。
 
Cさん、Kさん、有益な助言、本当にありがとうございました。そして思うことは、友人が電話で答えてくれたような手段があり、もしかしたら救えるかもしない、ぐらいのことをメーカーの専門のサポート係りはなぜ言ってくれないのだろうか、という不信感です。これは大きな教訓となりました。下痢も治りました。
 それにしても、古いデスクトップ(OSは Windows2000
に、かなりの数のアプリケーションをインストールしなおし、各メーカーのホームページから新しいドライバーをダウンロードして入れなおし、各メーカーに再登録をやり、救出したデータ・ファイルをそれらと関連付ける作業は、実に手間と時間がかかる作業です。10日間をかけて8割かたは終えたのですが、72歳の老人にとってはいささかつらい仕事でした。これに懲りて、今度からは2台のパソコンに同じ設定をして常に同期させておくか、V2i Protector など、HD全体のバックアップ・ソフトを買うかをしようと思っています。