63 「平和友好章」の副章の絵の話題 (02/03/19掲載)
この左の絵、何だと思いますか? 「ニュース」前号で、ベトナムの友好団団体連合会から、「平和と諸民族間の友好章」を受賞したという話を書きました。その時、いっしょに貰ったのがこの絵で、言ってみれば「副賞」とでもいうものでしょう。ものはタイルの上に七宝焼きで描かれており、竹製の額縁に入っていて、壁にかけられるようになっています。
もとになる原画があって、それを複製したものでしょうが、左側にある漢字(らしきもの)は、漢字を知らない人が似せて書いたらしく、読める文字もありますが、字になっていないものもあり、意味不明です。 問題は、絵の図柄です。
塀(家?)の中には、乳をはだけた半裸の女性と、その乳に左手をかけ、右手では外から迫る別の女性を留めようとしている男性。その左から迫る女性は右手に大きな鋏をかざしている。画面の下には、男の子が両手をさしのべている。
何の絵かまったくわからなかったのですが、ベトナムの事情通が説明してくれたところによりますと、右手の男女は、不倫の最中、鋏を持った女性は、その男の妻なのだそうです。夫の情事の現場を押さえた妻が怒って、鋏で夫の一物をチョン切ろうと迫っている図だとのことです! (下の男の子の説明は聞き逃しました。まさか、切られたものを下で受け止めようとしているのではないでしょうね。)
ホーチミン市のホテルのロビーでこの説明を聞いたのですが、周囲にいた仲間は大爆笑。友好団体連合会も、味な副賞をくれるものだ、と一同感心もしました。ところが、小田実さんや高橋武智さんが貰った絵は、図柄がまったく違う、どうということもない絵
(たとえば、高橋さんのは、幼い子どもが両手でアヒルを捕まている絵)なのだそうです。とすると、なんだって、私だけにこんな絵を贈ってくれたのかが、またひとしきり話題になりました。いろいろな説がでましたが、その中の一つ。「VCIA」が、章を授与する候補の素行や行状を事前に調査し、その結果に沿ってそれぞれにふさわしい図柄を選んだ。だが、授賞の際、渡した人が、小田さんにあげるべき絵と私のとを取違えてしまった、という解釈です。私は、この説がいちばん、真相に近いものだと信ずることにしています。