news-button.gif (992 バイト) 220 5月3日の憲法記念日に、3紙に反戦の全面広告掲載。迫力のある紙面です。 (2011年05月03日  掲載)   

 5月3日の憲法記念日に、今年も、全国紙などに反戦の意見広告が掲載されました。今年は、『朝日新聞」全国版と、仙台市に本社があり、主要に東北地方で配布されている『河北新報」と、福島市に本社のある『福島新報』の3紙に意見広告は掲載されました。岡本太郎さんの「殺すな」の文字を大きくレイアウトされ、憲法9条と25条の主張と、原発問題についての意見が載っていますが、迫力のある紙面になっています(左の図。ここをクリックすると、大きな拡大が見えます)。その内容は、以下の通りです。

■東日本大震災の被災地では、人びとが復興のため必死の努力を続けています。これを支援するためには、不要不急の予算を思いきって振り向けることが必要です。その最大のものは、年間4.8兆円にのぼる軍事予算です。
■今回の災害援助で、自衛隊員は、消防庁・自治体職員、ボランティアの人びとと共に大きな役割を果たしました。しかし、自衛隊が持つジェット戦闘機、ミサイル、イージス艦などは、災害援助の役には立ちません。自衛隊が日本に住む人びとを守るために存在するならば、戦争のために使うこれらの高価な武器や艦船の予算は、すべて被災地復興に使うべきではないでしょうか。
■また、いまとりわけ不要で不適切な支出のひとつは、沖縄をはじめ各地にある米軍基地への「思いやり予算」です。被災地では多くの人が家を失い、仕事をなくしているのに、米軍基地の光熱費、ゴルフ場を含む施設費などに毎年1900億円も支払うのは、どう見てもおかしいではありませんか。
「抑止力」という神話
米軍は、51年も前の冷戦時代に改定された日米安保条約に基づいて、日本に軍事基地を置いています。軍備が戦争の「抑止力」になると見なされていた当時から時が経つにつれ、この条約は軍事同盟に変質しました。在日米軍基地は米国が始めた戦争の出撃基地になっただけでなく、その戦争に自衛隊が米軍の手足となって協力する体制になっています。米軍は私たちを守るために日本にいるのではなく、彼らの戦略にとって都合がいいから留まっているのです。「抑止力」というのは虚構に過ぎません。
■ 安保ではなく平和友好条約を
日米安保条約は、日本国憲法の平和主義(戦争放棄・非武装・平和的生存権)をまったく無視して結ばれました。しかし、安保条約の条文によれば、どちらかの政府が1年前に通告すれば終了できます。私たちは、非武装・不戦を定めた憲法9 条を実現するため、この安保条約を解消し、新たに両国が対等で真の友好関係を築く日米平和友好条約を締結することを提案します。
領土問題は軍拡では解決しません
北方領土や尖閣諸島、竹島などの問題で、「軍備を強化しなければ相手になめられる」というのは、弱肉強食の帝国主義時代の考え方です。領土問題は、そこを生活圏とする住民の意向を尊重した粘り強い話し合いと妥協によって解決すべきです。領土問題を口実に軍備を拡張しても、私たちの暮らしが苦しくなるだけで、何も得ることはありません。
誰もが安心して暮らせる
憲法25条の実現を今回の災害だけでなく、私たちの暮らしは不安でいっぱいです。とくに高齢者、失業者、非正規労働者など社会的弱者には、医療や福祉のセーフティ・ネットが届いていません。自殺する人が毎年 3万人を超え、若者の就職口はますますせばまっています。 私たちは、健康で文化的な最低限の生活を保障した憲法25条の実現を
目指し、公正で公平な福祉政策の充実を求めます。
原発のない暮らしに切り替えよう
「安全でクリーンな原発」という神話は崩れました。私たちは、政府がすべての原発を直ちに停止し、エネルギー政策を根本から見直すことを求めます。同時に私たち自身も、原発に頼らない暮らし方を追求しなければなりません。 「どうせ何を言っても変らない」と思ったら、本当に何も変りません。自然災害は避けられませんが、原発事故や戦争は人災です。私たち個々の市民が声をあげることによって、くいとめることも、変えて行くこともできるのです。声をあげましょう。

 
◆反戦短歌

○ 天災が生まれ変われと呼びかける
    軍隊改編人民救助隊
             野瀬吉夫(兵庫県)
○ いくさせずと 決意せしとき いちめんに
    ひろき焼野原にあらざりけりや
             坪井睦彦(神奈川県)
◆1人ひとりの思いが
私たちは、過去十数年毎年、全国から寄せられた賛同金によって、反戦の主張を意見広告としてさまざまな商業紙に掲載を続けています。この意見広告の賛同者総数は7276 件、ここにはその1人ひとりの思いが込められています。
(名前の公表可6754件/匿名希望522件 2011年4月12日現在)

◆意見広告について各紙への要望
 *注記:この稿は朝日新聞のみに掲載
集会やデモなどに参加できなくても、政治的主張を表現したい人びとが多くいる現在、こうした市民運動による意見広告は重要な表現手段となっています。しかし、掲載料金を考えると、市民運動が簡単に使える手段ではありません。私たちは、市民運動の意見広告には、企業広告とは別の、特別な料金体系が適用されるべきだと考えます。広告内容への規制も問題です。最近、この掲載紙ではないある新聞社が、とある市民団体の意見広告の内容が事実であるにもかかわらず、一般商業紙に報道されなかったという理由で一部削除を要求した例がありました。市民の意見広告は、なるべく制約のないものであるべきです。

◆東日本大震災・福島原発事故の被災地の皆様へ
 *注記:この稿は河北新報・福島民報のみに掲載

3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。また、福島第1原発の大事故によって避難を余儀なくされた方々、放射能汚染による被害を受けている農業・漁業に携わる方々には、1日も早く被害の補償と生活の安定がはかられるよう、私たちも一緒に政府に対して要求して行きたいと思います。
 
市民意見広告運動と市民の意見30の会・東京の事務局は、基金・繰越金から、東日本大震災の被災者支援のため「国境なき医師団東京」に200万円を寄付いたしました。
 
◆「殺すな」について
 1967年、ベトナム戦争が激化の一途をたどっていたころ、日本の市民は、米国の「ワシントンポスト」紙に、反戦を訴える意見広告を出しました。そこで使われた画家、岡本太郎さんが書いた日本語の文字「殺すな」は強いインパクトを米国市民に与えました。
 

◆「殺すな」 「九条実現」バッジ

殺すなバッジ 9条実現バッジ
入手ご希望の方は事務局までご連絡下さい。
 

◆ 皆さんのご意見をお寄せ下さい

色々なご意見をお待ちしています。平和な世界を実現するためにご一緒に考えましょう。なお私たちが編集した「武力で平和はつくれない」(合同出版)もご一読ください。
 

●「福島原発事故情報共同デスク」がスタートしました
 市民の意見30の会・東京も参加した、福島原発事故の情報共有化・発信を 目的とした市民団体です。問い合わせは、下記にお願いします。
連絡先:http://2011shinsai.info/
 
[事務局]
市民意見広告運動/市民の意見30の会・東京
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