112.イラクにおける日本人3人の拘束について、また、その一人、高遠菜穂子さんからの昨年12月のメールについて(2004/04/09掲載 )
ついに、予想されていたような日本にとって重大な事態が生じました。イラクで拘束された3人を救出するためにも、日本政府は一刻も早く、自衛隊のイラクからの撤退を決定、公表すべきです。脅迫に屈しないなどという理屈で撤退をせず、いたずらに決定を引き延ばし、3人の生命や身体ヘの脅威が現実的なものとなった場合、その一切
の責任は、アメリカに同調し続けた日本政府にあります。アメリカと一緒に、無限の泥沼にこのまま入り込むのをやめて、侵略から手を引くには、今度の事件は日本政府にとって唯一の機会となっているとも言えるでしょう。「邦人の命を救うため」でも、「命は地球より重いから」でも、「政府としては、脅迫に屈したのではないが……」でも、「遺憾のかぎりではあるが……」でも、何と言ってももかまわないから、まず自衛隊を撤退させるという決定を即刻下すよう、要求します。
三人のうち、二人はボランティアとしてイラクの人びとに協力するためにイラクに入った私たちの仲間です。昨年暮、12月27日には、今度拘束された一人、高遠菜穂子さんからのメール2通が、埼玉NPOセンターの東一邦さんから転送されてきていました。ご覧になっていらっしゃらない方もおられると思いますので、以下に転載いたします。これの転載は自由です。
──以下、イラクからの手紙─────────────
みなさん、こんにちは。バグダッドより高遠菜穂子です。イラク人から日本政府あてに送られたメッセージです。転送、転載OKです。これらはもうすでに政府あてにメールしたものです。以下、日本語訳をつけてここに載せます。 ■………………………………………………………………… title: I'm Iraqi guy in Baghdad Are you really going to send Japanese troops to Iraq? Well, if you want my opinion, please don't. Because we do not want to see Japanese soldiers get killed in Iraq.If you really want to help us, come and get over here. And help us rebuild our country, but not with your weapons, but with your technology & industry. P.S. I feel really sad for the murder of 2 Japanese persons in Tikrit, because I have many Japnese friends. ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Now I write you the comment of my friend; "Japanese government must not always follow the US government, but it must take its own decisions" Dia Al Dulaimi Taxi driver in Baghdad ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ Dia Sulaibi Baghdad, Iraq (日本語訳) あなたは本気でイラクに軍隊を送るつもりですか?もし、私の意見を聞いていただけるなら、どうか送らないでください。なぜなら、私たちは日本の兵隊がイラクで殺されるのを見たくないからです。もし、本当に私たちを助けたいとお思いならば、この国の再建を武器ではなく、日本のテクノロジーと産業でここに来てください。 追伸:ティクリートで殺された日本人2名の殺害事件は本当に悲しい事件でした。なぜなら、私はたくさんの日本人の友達がいるからです。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 次に友達のコメントを載せます; 「日本の政府はアメリカ政府に従ってばかりではいけない。自国の決断を自身で下すべきだ」 ディアアルドレイミー タクシー運転手 バグダッド ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ディアスレイビー バグダッドイラク ■………………………………………………………………… We Iraqi poeple will appreciate Japanese people to solve the problem what we have now. We'd like to ask Japanese people to send us medicine and medical equipment. Age43 Iraqi (日本語訳) 日本の方々が私たちイラク人の現在抱えている問題を解決に来てくれることに感謝します。日本の皆さんには医薬品と医療設備などをお願いしたいです。 43歳イラク人 ■………………………………………………………………… We are welcome to get friends from all over the world. They are thinking about Iraqi people. And we want them as a friend, not as army. Kadum Abid Age30 Doctor (日本語訳) 私たちは世界中から来てくれる友人を歓迎いたします。彼らはイラク人のことを考えてくれるからです。軍隊としてではなく、友人として来てほしいです。 カドゥムアビッド 30歳医者 ■………………………………………………………………… NO WAR! Don't kill the people. That's enough... We had already got it from the Barth Party and dectator Saddam. We'd like to get Peace from Japanese people.Because Japanese people is our good friends in Asia. Peace, safe life, freedom is what we want. Adnan Hardan Baghdad, Iraq (日本語訳) 戦争反対!殺さないで!もうたくさんだ…。私たちはバース党と独裁者サダムでもう十分にそういうことは味わった。私たちは日本人から「平和」を学びたい。 日本人はアジアの友人だ。 「平和」「安全な生活」「自由」これらが私たちイラク人の求めるものです。 アドナンハルダン ジャーナリスト ■………………………………………………………………… Dear Kiozumi san; Iraqi people like Japanese people so much and most NGO from Japan gave us the very good impression about your country. So , keep this fame and try to send civilian companies to reconstruct our destroyed country. I think, as a Iraqi civilian, sending military troops to my country will increase the violence. sayonara our Japanese friend Waleed Baghdad (日本語訳) 親愛なる小泉さん イラク人は日本人のことが大好きです。そして、日本からのNGOの人々は日本に対するさらなる良い印象を私たちに与えてくれました。どうか、この評判を落とさないようにしてください。そして、私たちの破壊された国を再建するために民間の会社を送ってください。一人の民間人として私が思うのは、軍隊を送ることは私の国イラクでの暴力を増長させるだろうということです。 さようなら、ジャパニーズフレンド ワリード バグダッド ■………………………………………………………………… I say that we are welcoming Japanese people, because they are doctors, engineers, artists. On the contrary, Americans are fighters. Ziad Muhammed Subhi (日本語訳) 私たちは日本人を歓迎いたします。なぜなら彼らは、医者、技術者、芸術家だからです。反対にアメリカは戦闘家ばかりです。 ジアドムハンマドスビー ■………………………………………………………………… If the Japanese people is coming to Iraq with weapons, we don't need them. And to help the America, we don't want you to come here. We'd like to ask the people from foreign country to help the reconstruction of Iraq, most welcome as UN people and NGO people. teacher in Art school (日本語訳) もし、日本人が武器を持って来るというなら、私たちはそのような人たちを望んでいません。アメリカを助けるために来るのなら、来てほしくありません。私たちが外国人に望むことは、イラクの再建を手伝ってほしいということだけです。 国連、そしてNGOの方を大歓迎します。 芸術学校の教師 ■………………………………………………………………… we are welcome to get Japanese people as a visitors, NGO, doctors, engineers, and companies. Please no army any more! Mohanned Zaid Baghdad (日本語訳) 私たちはビジター、NGO、医者、エンジニア(技術者)、企業を歓迎します。軍隊はもうやめてください! ムハンマドザイード バグダッド ■………………………………………………………………… 訳>高遠菜穂子 |
--------------------------------------------------------------------
以下は第2信です。
・浦和市民連合、さいたまNPOセンターの東(ひがし)です。
やつぎばやですが、「イラクからの手紙」の第2回目です。 今回は日本の自衛隊が派遣される予定のサマワからのものです。 ぜひ読んでみてください。
遠い砂漠の国に「日本」がどんなイメージを持たれているのか。イラクの人が「日本」に何を期待しているのか。そして、いま日本政府がどれほど、イラクの人々の思いとかけ離れたやり方をしようとしているのか。
これらの人々の声を聞くと痛切にわかります。
だれも「水」が欲しいなどと言っていません。「仕事」と日本の「技術」が期待されています。 自衛隊が、これらの人々の願いに答えられるはずもありません。
わたしたちは、おそろしい間違いをおかそうとしているとおもわざるを得ません。
<ひがし>
───第1信と同じバグダット在住の高遠菜穂子さんから(だと思います)──
──────────
<<転送転載歓迎>>
手遅れ、なのかもしれませんがイラクの一般の人の声をどうにか届けたいと願う毎日です。 |
(転載終わり)