01/11/16 「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会

     (第15回)」議事録

 

 

「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会(第15回)」

                 議事録

 

 

              厚生労働省年金局年金課

 

 

         「女性のライフスタイルの変化等に対応した

        年金の在り方に関する検討会(第15回)」議事次第

 

 

                 日時 平成13年11月16日(金)14:00〜16:13

                  於 厚生労働省内18F専用第22会議室

 

 

1.開会

 

2.委員出席状況報告

 

3.議事

 

   ・報告書の骨格案についての討議

 

4.閉会

 

 

○袖井座長

 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「女性のライフスタイルの変化等に

対応した年金の在り方に関する検討会」を開催いたします。本日は大変お忙しい中、お

集まりいただきまして誠にありがとうございます。

 だんだん追い込みに入りましたが、それでは事務局より委員の出席状況を報告してい

ただきます。

 

○中原企画官

 本日の委員の出席状況についてご報告を申し上げます。本日は藤野委員が所用のため

欠席されております。その他の委員は全員出席されております。以上でございます。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、早速議事に入りたいと思います。本日は、前回申し上げましたように、検

討会の「報告書の骨格(案)」についてのご議論をお願いしたいと考えておりますので

、よしくお願い申し上げます。

 「報告書の骨格(案)」につきましては、前回の検討会でご了解をいただきましたよ

うに、私と宮武委員、駒村委員、佐藤委員、永瀬委員の5人による起草委員会を経てま

とめたものでございます。

 前回の検討会でも申し上げましたが、この検討会の報告書の内容は、これまでご議論

いただいた内容を整理し、今後の国民的議論に十分活用いただけるような形でまとめる

ことが大切ではないかと考えております。本日提出いたしました「報告書の骨格(案)

」につきましては、そのような認識に立ってまとめたものでございますが、全体的な構

成や個別の論点に係る記述内容につきまして、ご議論をいただき、本日の議論を反映さ

せて「報告書」という形にまとめていきたいと考えおります。

 委員の皆様それぞれ一応お目通しいただいたと思いますが、起草委員を代表いたしま

して宮武委員から「報告書の骨格(案)」の内容について簡単にご説明いただきまして

、それから、ご議論をお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 それでは、宮武委員よろしくお願いします。

 

○宮武委員

 ご指名ですので、僣越ですが、いわば骨格というか、たたき台でございますけれども

、これを提出して皆様のご議論を深めていきたいと思っております。時間が15分程度と

いうことでございますので、極めて粗っぽくなります。また傍聴の方もおいでになりま

すので、ご理解しやすいように、多少私なりに意訳することがあるかもしれませんけれ

ども、正しくは本文を見ていただければわかるようにやりたいと思います。

 検討会そのものが置かれた背景というのは、1つには女性の社会的・経済的な自立が

進むにつれて、その年金権の確立を求める声が高まっている。しかも女性のライフコー

スというのは極めて多様でありまして、その多様さに年金制度が応えていかなければい

けない、こういう課題でもあります。

 また、一方で少子高齢化が進展するにつれまして、働く現役世代が急減をしていき、

引退世代が急増していくという人口構造の激変が起きているわけでございますので、そ

の中で、女性には限りませんけれども、より多くの女性が年金制度の担い手になっても

らう、支え手になってもらうというのが時代の要請ではないか。そういうところが今検

討会の背景にあるかと思われます。

 報告書の骨格(案)は、2つのキャッチフレーズと3つの視点ということでまとめて

いきたいと試みてみました。キャッチフレーズについては、この本文の8ページをごら

んください。8ページの上の第2パラグラフでございますけれども、「女性自身の貢献

がみのる年金制度」にしたいというキャッチフレーズが1つ、もう一つは「夫一人で築

く年金から、夫婦で築く年金」に持っていきたい、こういうキャッチフレーズを掲げま

した。

 その上で3つの視点、1つ目は、その下でございますけれども、個人の多様な選択に

中立的な制度をつくっていきたいということ。

 第2番目には、年金の「支え手」を増やしていく方向で制度を考えていきたいという

こと。

 次のページにまいりますけれども、3番目でございますが、当たり前ですが、女性に

対する年金保障を充実させていきたい。

 こういう3つの視点で報告書のたたき台(案)をまとめたわけでございます。

 具体的に言いますと、この検討会でも焦点になったのは、6つの課題が挙がってまい

りました。それは少し戻る形になりますが、7ページをお開きください。7ページの真

ん中に、「年金制度において対応が必要と考えられる課題」というのが挙げてございま

す。

 (1) 標準的な年金をどうするか。

 (2) 短時間労働者に対する厚生年金の適用は今のままでよいのか。

 (3) 第3号被保険者制度というのはどうすべきなのか。

 (4) 育児期間等の取扱いをどうするか。

 (5) 離婚時の年金分割の是非。

 (6) 遺族年金制度の在り方。

 この6つが具体的な検討課題で収斂されてきたと思われます。

 そこで、個別の問題について簡単に私から報告いたしますが、これは15ページから始

まることになっておりますので、15ページをお開きください。

 15ページの真ん中より少し下に「個別の課題」と書いてありまして、1番目が「標準

的な年金(モデル年金)の考え方」です。

 ご承知のように、今の厚生年金、共済年金は、夫が40年働いて、そして妻はその間ず

っと専業主婦でいた、そういう専業主婦世帯をモデルにしているわけでありますが、現

実に今、生涯一回も働かない女性というのは極めてまれになっているわけで、現実とモ

デルとが乖離が余りにも激し過ぎる。新しいモデルをつくる必要があるわけで、それを

私どもは、共働き世帯というものを想定して、これからの年金のモデルをつくり直して

いきたい。これについては大方の方がほぼ合意していただいたのではないかと思われま

す。

 2番目でございますけれども、「短時間労働者に対する厚生年金の適用」というのが1

6ページの下に書いてございます。2番目の課題として厚生年金の適用基準というのは

、パート労働者に代表される短時間労働者に対しては、その職場の常用労働者の4分の

3以上の時間働いているということと、もう一つは、年収が 130万円以上であるわけで

すが、この時間と収入の壁がむしろ女性の就労を阻害しているという点はこれまでも指

摘されてきたわけです。

 そこで、この検討会は、厚生年金の適用をもっと短時間労働者に対しても拡大をして

いく、こういう意見がほぼ多数派ではなかったかと思われます。

 その方法については、その下段に書いてございますけれども、これはあくまでもたた

き台でして、これから具体的な方策については考えていかなければいけないということ

になります。

 続いて次のページ、18ページに、3番目、一番難問でした第3号被保険者制度につい

ての検討の結果が載っております。結論から言いますと、第3号被保険者問題について

抜本的な改革案、改善案、問題解消というのは意見集約できませんでした。意見集約で

きませんでしたけれども、我々のできる範囲内で、この検討会で提案をされた改善案、

世間一般で流布されている改革・改善の提案、これについては6つのパターンに分けて

リストアップをして、国民の選択というか議論に委ねたいという形に持っていきました

。そこまでこぎ着けたといった方がいいかもしれません。

 それは23ページをお開きください。23ページの箱の中でございますけれども、第I案

から、次のページにかけて第VI案までが掲載されております。

 第I案というのは、例えば無職の専業主婦であったとしても、家族労働を無償でやっ

て、夫を支えているわけでありますので、潜在的持分権というのが妻にもあるわけで、

それに着目をして賃金分割をすると。そうすると妻も分割された賃金に対して、その賃

金に応じた応能負担の保険料を払えばいいのではないか、こういう考え方です。この考

え方をとれば、片働き、共働きを通じて夫も妻もそれぞれに負担と給付の関係が明確に

なります。また離婚した場合の年金の分割もごく自然にできるわけです。

 そういう意味では理論的には優れているわけですが、この検討会においては、例えば

潜在的持分権というのがあるということで、妻が夫の勤める企業から給与の半分を受け

取るというような形が社会的に認められるかどうかという疑問が呈されたり、あるいは

共働き世帯もこういう形で賃金分割するのであれば、共働きの夫と妻には当然ながら収

入の開きがあるわけですので、それを合算して平均した場合には、今度は事業主負担の

方が実態と違った形の負担になるというアンバランスが出てくる。そういうのをどう解

決するのか、様々な疑問や反論もございました。

 第II案、第III案ですが、これは検討会で出たというよりも、むしろ世間一般に言わ

れている改善策と考えた方がいいかと思います。この考え方は、妻が払うか夫が払うか

別にして、専業主婦は定額の負担、国民年金でいいますと、現在は月額1万 3,300円を

払えということになるわけです。これについてはもともと自営業者の所得把握が困難で

あるから定額の負担を課しているという苦肉の策が今は適用されているわけですが、将

来的にはむしろそれは改善されなければいけないにもかかわらず、定額負担を新たに持

ち込んでしまい、むしろ矛盾を拡大してしまう。能力に応じるのではなくて一律に負担

を徴収するということはむしろ矛盾を拡大するという意見がこの検討会でも大勢を占め

たと思われます。このII案、III案の支持者というのはほとんどおられなかったと私は

判断をしております。

 第IV案でございますけれども、応能負担という形をとりながら世帯単位で受益者負担

の考え方を導入するという考え方でして、第3号被保険者に係る負担についての不公平

感を解消できるメリットがあるかと思われます。

 少し異訳いたしますと、専業主婦のいる夫は、同じ専業主婦の世帯という仲間うちの

中で、妻の基礎年金の拠出金を自分の収入に応じて負担をすると、こういう方式になり

ます。これは優れた点もあるわけですけれども、問題点も指摘されました。もともと応

益負担という仕組みを応能負担の体系の中に組み込むことになるわけですので、いわば

矛盾が制度全体に及ぶのではないか。3号にのみ応益負担を求めるのであれば、所得の

低い2号の共働きの人々との公平性というのは保てるのかどうか、こういう問題点が指

摘されました。

 また、専業主婦は、3号被保険者の抱えている専業主婦だけでグルーピングするとい

うのであれば、例えば子どものいる、いないでもってグループに分けて、そこで負担を

変えていくというような考え方も出てくると収拾がつくのかという指摘もございました

 第V案ですが、次の25ページにまいります。現在は共働きであっても片働きであって

も、その合計収入が同じ収入であるならば負担と給付は同じという体系になっているわ

けですが、実は標準報酬の上限は62万円ですので、高い収入、例えば 100万円の収入が

ある専業主婦世帯の夫がいて、その人は 100万円であったとしても62万円相当しか払わ

ないで済むわけですから、高収入になりますと、当然ながら共働きとの間に負担が不公

平になるわけですね。それに着目をして標準報酬の上限を引き上げて保険料の追加負担

を求めると、こういう提案ですが、これについては、部分的な改善策にすぎないという

、批判がございました。

 VI案でございますけれども、従来は第V案としていたものですが、他の案と組み合わ

せる形になるもので、VI案として最後に回しました。第3号被保険者を、育児・介護を

やっている期間だけ3号としての特典を与えるという案で、そういう大変な負担の時期

だから理解を得やすいのではないかということです。この案についても、育児や介護の

期間以外にいる3号をどうするのかということについては、なお具体的な提案に欠けて

いるという弱みがございました。

 その辺のところが第VI案までのご紹介でございます。

 続いて27ページまで飛びますけれども、「4 育児期間等の取扱い」というのが、27

ページの一番下の方にございます。育児をやっていることについては、次の世代の年金

の支え手を当然ながら育てているわけでもありますので、現行の育児期間に係る配慮措

置をもっと拡充していく、そういう点については大方の方が賛意を表されましたけれど

も、具体的にやるとなるとどうするのか。そういうところで疑問や批判が出てまいりま

した。報酬比例部分について、年金算定上の報酬額を上積みするとか加入年数の加算措

置をやるとか様々な提案がございましたけれども、離職を勧めてしまうような働きをす

るのではないかとか、自営業である第1号被保険者とのバランスを考えて、では1号は

どうなのか、ほっといていいのか、そういうような疑問が呈されました。

 続きまして、31ページまでまいります。「5 離婚時の年金分割」でございます。

 現在は、例えば厚生年金で専業主婦だった方が、夫と別れた場合には基礎年金しか受

け取ることができず、報酬比例部分は全て夫が持っていく。それは余りにひどいではな

いかと、大方の委員の方々が賛意を表され、改善をしなければならないという問題意識

ではほぼ共通であったかと思います。それは次の32ページに書いてございますけれども

32ページの2番目のパラグラフ、「夫婦二人で二人の生活を支える年金が離婚しても

なおそれぞれの生活を支えるものとなるよう、離婚時に夫婦の間で年金の分割が可能と

なるような仕組みを講ずる方向で検討を続けていくことが適当である」、こういう集約

にいたしました。

 ただし、具体的にどういう形で分割をするかについては、まだ多くの問題点が指摘さ

れました。例えば一律に年金分割するのではなくて、それは当事者が年金分割もできる

仕組みにする方が適当ではないか、というご意見です。

 次に33ページに移りますけれども、「分割の方法」についても、年金権そのものを分

割するのか、それとも支給された年金額を分割するのか、2つの方策があるわけですけ

れども、年金額を分割するやり方では、別れた相手が死んでしまうと年金が全て消えて

しまうわけですので、現実的ではない。年金権の分割の仕組みの方が望ましいという意

見の方が強かったと思います。

 更に次のページで34ページに移りますけれども、「分割の手続」については、当事者

の合意のみでは本当に納得であったのかどうかわからないわけでございますので、何ら

かの形で裁判所等の関与が必要であるというご意見が出ました。

 例えばそれ以外にも事実婚というのをどうするかという問題も出てまいります。税と

違って社会保険の場合は事実婚というのを認めているわけですので、どう認定をしてい

くのか。一定の婚姻年数以上の方を対象にすべきではないのか。あるいはこの仕組みを

変えた場合にいつを起点に対象とするのか、こういう問題が残りました。しかし、前向

きに分割を認めていこうということで大方の方が合意なさったかと思います。

 「6 遺族年金制度」でございます。34ページ、同じページでありますけれども、年

金制度の中で、年金制度を個人単位化していくということであれば、これは廃止すべき

だというご意見もありましたけれども、次のページ、35ページにわたって書いてござい

ますけれども、若い年齢の方であったとしても、高齢の方であったとしても、配偶者が

ない後に給付の必要性というのは今も非常に高いわけですので、これを存続するという

意見が大方を占めたと思います。

 更に次の36ページにまいりますけれども、36ページには遺族厚生年金と老齢厚生年金

の併給を選択をした場合の水準をどうするのかということが論議されました。これも結

論得ておりませんけれども、幾つかの具体的な提案がございました。これをもとに議論

を先行き進めていけるのではないかと考えております。

 また、強調しておきたいことは、女性たちが自分が働いて保険料を納付した。その納

付したことが無に帰さないような形の方策を年金制度の中で考えてほしい。特に遺族年

金の場合には、自らの給与水準が低く、保険料負担が少なかったものですから、結局は

自分の納めた保険料は何の意味もなさないという批判がございます。それは非常に納得

できる意見ですから、それに応えていこうという方向で皆さんほぼ合意ができたのでは

ないかと思っております。

 「終わり」は、この検討会そのものが、今座長がおっしゃったように、1つの結論を

押しつけるのではなくて、できる限り多くの選択肢を示して、国民的な議論を起こして

ほしいということでございましたので、合意できる点、合意できない点も多々ありまし

たけれども、できる限りこれから年金制度の在り方を考える上での選択肢を示し得たの

ではないかと起草委員会では考えております。

 以上でございます。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございました。大変要領よくまとめていただきましてありがとうご

ざいます。

 そこで、ただいまから議論をしたいと思うのですが、全体をやってしまうと話が混乱

してしまいますので、大きく4部に分けて議論したいと思います。まず最初はからIVの

「社会保障制度としての年金制度に係る基本的論点」まで。これは非常に基本的な背景

的なこと、基礎的なことですね。その次に個別問題といたしまして、1と2、「モデル

年金」と「短時間労働者に対する厚生年金の適用」。その次は3と4で、「第3号被保

険者制度」と「育児期間等の取扱い」。4番目に、5から最後までで、「離婚時の年金

分割」と「遺族年金制度」、そして「終わりに」というところまで。

 というふうに、大きく4つに分けてご議論いただきたいと思います。

 まず最初に、Iの「はじめに」から、IV「社会保障制度としての年金制度に係る基本

的論点」まで、ページでは1から15ページまででございますが、質問とかご意見がござ

いましたらお願いいたします。高島委員どうぞ。

 

○高島委員

 11月9日に起草委員会が設置されて、わずかな期間に起草委員の人たちが、私の印

象では一回ずつしか議論してないのに、こんなに整理をしていただいて、本当に御苦労

さまと申し上げたいと思います。

 最初に、Iの「はじめに」というところについて、もう少し文章が書かれるのかどう

なのかよくわかりませんが、最初にこの検討会が立ち上げたときに、前の年金審議会が

こういうことについては専門的検討会をつくって議論することが望ましいというふうに

言われていましたね。そこに課題が書いてありました。その経過からここに書くべきで

はないかと思うのです。なぜこの検討会が設けられたのかを明確に示すことが必要だと

思います。 次は言葉のことですが、ここで「女性のライフコース」とか「ライフスタ

イル」という言葉を使ってありますけれども、これは私は極力日本語で書いた方がいい

と思います。何を言いたいのか、文章が書かれていたらわかるかもしれませんが、わか

りにくいと思います。

 次に標準的な年金(モデル年金)のところを申し上げたいのですけれども、いいです

か。

 

○袖井座長

 ちょっと待ってください。頭の方でもしありましたら。一応モデル年金はその次に回

したいと思うのですが、ほかの方、何か。住田委員どうぞ。

 

○住田委員

 まず細かい論点から申し上げますと、私は第3号が今回の検討会の中で一番大きなテ

ーマであり、一番時間がかかったものだと思いますので、その観点で専業主婦に保険料

の負担能力があるかどうかというところが非常に重要なポイントだと思っております。

 そうしますと、5ページの(イ)、ここでテーマとして保険料負担能力についてです

が、このときの理由づけは帰属所得だけになっております。その後、20ページにも保険

料負担能力について、ここが一番詳しい記述でして、あともう1カ所、24ページの第IV

案、これは「応能負担」、「応益負担」という言い方をしながら結局専業主婦には負担

能力がないということを前提につくられた考え方だと思っておりまして、私の意見が非

常にわかりにくくて、どうもご理解いただけないまま急遽ここのあたり、20ページも書

き換えていただいたのですが、私の説明が悪かったのか消化不足のきらいがありまして

、負担能力について一貫した理由づけがどうもなされていないと思います。

 恐らく負担能力がないという頭でずっといらしたから、負担能力があるという意見に

ついてはどうも飲み込み悪く、あえてこういう書き方をされたのかと思ってしまうので

すけれども、婚姻費用分担請求権、その他のところで、私は具体的に保険料程度であれ

ば、将来の生活費の最低限度のものですから当然あるはずであると。それは2号の夫が

いる限り、3号の妻にも負担能力があるというような考え方をとっておりますので、こ

こら辺もう少し詰めた形で具体的な案文としてご提案したいと思いますので、また、発

想もそういうつもりで言っているということだけはよくよくご理解いただきたいと思い

ます。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございます。ほかに、どうぞ。

 

○高島委員

 次の2ページの「標準的な年金(モデル年金)の考え方」というところでありますが

、先ごろ朝日新聞がまだ話を整理してないのに大きな記事を出したり、きょうも日経新

聞に出ていましたけれども、何か答えを出したみたいに書かれて方向づけが示されてい

ました。この検討会でモデル年金の考え方の議論で、確かにこういう議論もしました。

 しかし、私は一貫して主張したのは、夫婦世帯と単身世帯を常に意識したモデルをつ

くるべきではないでしょうかということを言ったのですね。しかし、ここの2ページの(

1)のマルポツの2つ目ですと、この文章はよくわからない書き方をしている。「ライフ

コースが多様化する中で、女性の一定の被用者年金加入期間を前提としたモデル年金を

設定し」、これは何を言っているのでしょうか、これだとわかりません。「給付と負担

のありかたを考えていくべきではないかという点が課題となっている」。

 どうしてこういうふうな結論になるのでしょうか。そして、これに基づいてずっと後

ろまで一貫してこの説明になっているのですけど、どうしてこうなったのでしょうか。

 そして、その次の(2)の中で、確かに「単身女性の年金額は男性に比べて低くなって

いる」、これは実態として書いてあります。

 60年改正のときに、従来の年金の仕組みを変えましたので、そのときに、これは原因

は賃金ですけれども、賃金が安い女性たちは結果として制度変更に伴って一番割を食っ

たという不満がとても強かった。だからそのことを大事にしなければいけないと思うの

です。 だから片働き夫婦世帯のモデルと単身世帯の、一人暮らしの人も単身世帯です

から、単身世帯の水準、それで生活できるかどうかが吟味される必要がある。この前、

モデルのときの数値が、そのときの現役世代のときと年金受取り額との代替率が何%と

出され、単身女性が結構高いではないかという数値でした。しかし、それはもともと低

いのに、生涯働いてきてもそれだけしか年金がもらえないということであったら、余り

にも寂し過ぎる、生活保護と一緒という感じになってしまっているという、女性と年金

検討会が提起するならば、そのことについてもっと注意を払うことが大事だと思うので

す。そういう視点がどうもこの中には一貫して抜けていて、先ほどのスローガンではあ

りませんけれども、片働きから共働き夫婦で年金にしましょうと、こんなことを言われ

たら、女性たちの多くは怒ると思うのです。一人暮らしの女性たちが、私たちのことは

年金では考えてくれてないのですかと、何かどこか「家族」というのが、家族を否定し

ているのではないですよ。実態としてはそのとおりですけれども、女性と年金検討会が

議論するにしては余りにもその視点が抜けているということはまずいと私は思います。

 

○袖井座長

 2ページ目のところは、特に単身とか夫婦世帯ということは言ってなくて、要するに

働いた者が反映するようなシステムをつくりたいということを言っているのでございま

して、そして後で、16ページのところに片働きも単身も共働きと同じように考えるべき

だというふうに入れているのですが、確かに女一人で全部人生を全うできるという強い

線は入っていなかったという気がいたしますので、その辺はもう少し考えさせていただ

きますが、ほかにどなたかございませんか。

 もし、特に前段階のところでご質問とかご意見ございませんようでしたら、今、高島

委員のお話も標準的な年金(モデル年金)の考え方に踏み込んでいましたので、「モデ

ル年金」と「短時間労働者に対する厚生年金の適用」というところに移らさせていただ

きたい。どうぞ。

 

○永瀬委員

 一応起草委員という立場でありながら、こういうところでコメントをするのは申し訳

ないのですが、ただ、これは1週間でやりまして、しかも一回の会合、その後にメール

で何回も書きましたけれども、どれだけそれが入ったかというのに関しては回答のない

ものもいろいろありました。起草委員全員が会えなかったから、そうであったという面

もあろうかとも思いますが、少しコメントをしたいと思います。応能負担と応益負担と

いうのが非常に大きく出されていて、そして応益負担の原則というのをとる場合には、1

2ページの下から2つ目のポツのところですけれども、「応能負担原則を離れ、基礎年

金給付という受益に対応した保険料負担を求めていくという方法をとることを意味する

」とありますが、社会保険は再分配を入れますから応能負担と応益負担というのは対立

概念というよりはバランスだと思います。それを対立する概念と必ずしも言えないので

はないかと思いますので、もう少し今後のところで少し詰める余地があります。

 

○袖井座長

 よろしいでしょうか。ほかにどなたか。もし、前段のところで特にご意見ないようで

したら、先ほど申し上げましたように、「モデル年金」と「短時間労働者の厚生年金の

適用」についてご意見をお伺いしたいと思うのですが、15ページから18ページあたりで

す。堀岡委員あたりは何かございませんか。よろしいですか。

 

○堀委員

 16ページの上のところで、女性が働いていたことを前提としたモデルにすると書かれ

ていますが、私はその方向に向かっていくべきだと思います。問題は、16ページの次の

段落、3の上のところです。給付水準はどうあるべきかという点については別途議論さ

れるべきであると、そこに書いています。そのとおりなのですが、現在の片働き世帯を

モデルにしているということは、2階部分の年金は夫婦二人のものだと、こういうこと

になるわけですね。そうすると妻についても2階部分の年金があるということを前提に

モデル年金を設定すると、片働きをモデルにしている場合の2階部分の給付水準の問題

に直ちに響いてくるのではないかと私は思う。ここで検討しないというならそれでも結

構ですけれども、モデルを変えると給付水準に響いてくるということは何か触れておく

必要がないのかという感じがいたします。

 

○高島委員

 私もこのモデルを変えるということは、今、堀さんがおっしゃられたように、給付水

準の問題と非常にかかわり合いの深い問題ですよね。「別途検討されるべき問題である

」とすらっと書いてありますけれども、こういうことをするとどういう影響が出てくる

のかという議論は全くしてないわけです。ですから、これは非常に微妙な問題であり、

連合で大変な議論を呼ぶことです。したがって、これについては非常に微妙な問題であ

り、すんなりこれでいいとはいえないと言っておきたい。

 

○宮武委員

 おっしゃるとおりなものですから判断放棄をしたわけでありまして、これをやってい

たら、またもう一回1年やらなければいけないということですね。ですから給付水準の

問題については別の場でご検討いただきたい。それは老後の基本的な生計費というのは

いかにあるべきかという議論と相まってやるしかないわけです。なおかつ、高島さんが

おっしゃるように、共働きだけではなくて、むしろこれから増えていく単身世帯の老後

保障をどうするかという問題にもかかわってくるので、冗談でございますが、判断放棄

に近い形で、これは別途おやりくださいと言って逃げました。

 

○高島委員

 別途やっていただくにしても、私たちの中で、特に女性の観点から、こういう点が大

事ではないかということぐらいはまとめるための議論を深めておくべきではないでしょ

うか。今までこうした議論をしてないから、この検討会をつくった意味ということにな

るのではないですか。

 

○袖井座長

 ここら辺、大変微妙なところでいろいろ苦慮したのですけど、共働きをモデルにする

と給付抑制になるというような推測も行われたりして、それでは困りますので、ちょっ

とこの辺のところは先延ばしにしてしまったということでございます。

 ただ、高島委員がおっしゃるように、どのような婚姻形態であろうと、どのような就

業形態であろうと、老後の女性が経済的に自立して生きられる生活費を保障するという

スタンスは、欠かせないので、何らかの形でもうちょっとどこかに書かせていただきた

いと思います。ただ、具体的に数字を出すという、もちろんこれまでの討論の中でモデ

ルはありましたよね。こうなったらこうなるこうなるとあったけれども、あれはあくま

でも現在のシステムでやって、ああなるというだけの話で、あれを直ちに私どもが採用

するということではございません。あれはただ計算したということでございます。

 

○高島委員

 3番のところに「モデルとして共働き世帯を想定する際の論点」と書いてあるのです

けれども、そうでなくて複数モデルをつくる、想定するときの論点というふうに書くべ

きではないのかと思うのです。

 

○袖井座長

 そうですね。

 

○高島委員

 これだと1つのことを際立たせてしまっている。

 

○袖井座長

 わかりました。どうぞ、住田委員。

 

○住田委員

 このモデルという意味が、私ひょっとしてよく理解できていないのかもしれないので

すが、典型例を挙げて考えるときの1つの参考資料とするという意味であるとすれば、

今までは片働きモデルしかなかったと。そうすると今後は共働きモデルも考える必要が

ある。それは当然のことだと思いまして、そうすれば、その前提としては、共働きモデ

ルというのは、女性のライフスタイルの多様化というよりも、これは今後増加すること

が必至であると、そういう前提をきちんと入れておく必要があるのだろうと思います。

 そして今後も単身世帯モデルを想定していくことは必要だろうと思いますが、その他

、片働き世帯モデルも考え、私はいろいろな世帯が違うけれども、それぞれがどのよう

な選択肢をとっても公平であるという理念が必要であると思います。ですから給付水準

に響くというのであれば、それぞれが給付においても負担においても公平であるという

ことを比べるためには、逆に並立的に出していくのがいいのではないかと思いますが、

これがモデルというものの意味内容と違っていれば、ご訂正いただきたいと思います。

 

○袖井座長

 はい、わかりました。どうぞ、堀委員。

 

○堀委員

 モデルというのはどういう意味なのか。私は給付水準を決めるためのものであると考

えています。給付乗率とか定額単価をこのモデルによって設定する、そういうものだと

考えております。幾つかの類型をつくってはどうかということについてですが、給付乗

率とか単価が決まればそれは自動的に決まってくる。それに加算するか何とかまた別の

問題はあるのですが、基本的にはそういうふうにして決まってくる。給付水準を決める

ためのモデルだと私は理解しています。

 

○袖井座長

 堀委員は1個でいいというふうにお考えですか。

 

○堀委員

 そういう意味ではない。乗率や単価が決まれば、後の類型の水準は決まってくるわけ

ですね。

 

○中田委員

 今の関連ですが、15ページの1の(1)にモデルの意味というのが書かれておりまし

て、年金水準を設定したり、説明したりする際に1つの標準として用いるということだ

と思うのです。説明する場合にはモデルが幾つあっても可能だと思うのですが、年金水

準の設定の場合に、モデルを幾つもつくって同時決定的にするのはかなり難しいという

意味から、年金水準の設定に当たっては1つの方が恐らく議論がしやすいだろうと思い

ますので、私は年金水準の設定に当たっては1つでいいのではないかと思います。

 

○高島委員

 これまでそういうふうに言われて、そういうふうにつくられてきましたよね。だから

、それは結果として単身者はこうなりますよ、共働きはこうなりますよという話ですよ

ね。だけど、それが同時に示されていることによってこれでいいのかという、それぞれ

の姿の水準の議論もなされなければ公平にならないではないですか。女性の立場から見

たら、男の人はそれでいいかもしれませんけど、女性の立場から見たらそれでいいのか

ということがこの委員会で議論しているわけですから、私はそれが大事だと思います。

 

○袖井座長

 男の方いかがですか。

 

○堀岡委員

 モデルという部分は、前回も私言いましたのは、会社の中でも賃金のモデルをつくる

のも、あくまでもそれが標準だということではなくて、あるそこをモデルにして賃金配

分を考えるとか、そうすると何歳の人はどれぐらいの賃金になるのですかというのが決

まるのがモデルなので、全体として、今どの層がマジョリティといいますか、理想なの

かというので、片働きなのか共働きなのかと。そういう意味では今の流れからすると共

働きが多くなるだろうと。そういう意味で、モデルという形の基準を決めるのを、どち

らかというと片働きより共働きがすべきではないか。

 それによって、こういう片働き世帯はその給付水準、確定給付ですから、給付の水準

が決まれば、片働きがどうだという、それは出るのではないかという意味で、片働きは

これぐらいの給付、共働きはこのぐらいの給付という給付を変えるのであれば、これは

非常に制度設計は難しいと、こういう意味だと私は理解していまして、男だとか女だと

かという意味合いは全然ないと、こういうふうに思っています。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございました。どうぞ、翁委員。

 

○翁委員

 16ページに書いてありますモデル年金の変更のところで、さっき高島委員がおっしゃ

っていましたけれども、まず共働き世帯をマジョリティとして標準的モデルを考えてい

くということに対してはそのとおりだと思いますけれども、その他のところで、片働き

も従来どおり提示していくことが必要であるし、また、世帯類型の多様化が進展してい

る中では単身世帯モデルも提示していくことが必要であると思います。標準的モデルと

それ以外の多様なモデルも全部示していくことが必要であると書いた方がいいのではな

いでしょうか。多様化していくわけですから。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございます。ほかに何かございますでしょうか。

 

○高島委員

 2番目の「短時間労働者に対する厚生年金の適用」のところですけれども、あのとき

に、私は、派遣労働者のことを言いましたけど、派遣労働者のことには、ほかの文章の

引用のところには入ってくるのですけど、ここの検討会の文章の中には1つも入ってい

ませんので、派遣労働者についても、ある一時点でとると6割の人が入っているという

ことだそうですけれども、その人の1年間の捕捉率はどうなのかといったら、とてもそ

んな高い数字ではないと思われるのですね。ですから派遣労働者についてもここの中に

記述をしてもらいたい。

 私こういう時間を減らすとか、収入要件を下げることについては賛成なのですけれど

も、そういうことをすることによって、また社会保険料負担を逃れようとする人たちが

出てこないようにきっちり補足する仕組みをつくることが大事だということを記述して

ほしい。そうしないと、結局労働者は自分で払いたいといっても、事業主を通じてしか

払えないわけですから、事業主の責任を明確にし、お互いにちゃんとまじめな事業主に

ならって、一部の事業主がずるをしないようにしてもらいたいと思うのです。

 

○袖井座長

 そのとおりです。住田委員どうぞ。

 

○住田委員

 18ページの上から4行目でございます。短時間労働者と第3号の問題についてどうい

う書き方をするかですが、ここでは「公平性の観点から、第3号被保険者に対しては保

険料負担を適切に求めていくべきではないかという問題があるとの意見があった」と。

これは今読んだら、いろんなところから失笑が沸いたようなことでして、ここはきっち

りと書くべきだろうと思います。多くの意見は、第3号被保険者の制度がなくなり、そ

れを前提としてこういう形で広げていくというのが、私は意見としてかなりあったとい

うふうに記憶しております。もちろん私もそういう意見でございます。

 

○袖井座長

 ありがとうございます。少し先に戻りまして、高島委員から派遣労働者の問題があり

ましたが、全体で派遣労働者について余り議論しなかったものですから、ちょっと書き

落としてしまいましたが、実際に今派遣労働者非常に増えておりますし、女性だけでな

くて男性にも増えているということなので、ぜひその派遣については入れさせていただ

きたいと思います。

 それから、きっちり捕捉するシステムということですが、それは具体的にはわかりま

せんが、そういう事業主の責任ということもできればどこかに入れたい思います。

 ほかにどなたかございますでしょうか。どうぞ。

 

○永瀬委員

 先ほどの短時間の労働者について、企業側がずるをしないようにという話が出ました

けど、プラス短時間の労働者が自分から所得を申告したいと思うような、そういうイン

センティブのあるような年金の在り方を1つ考える必要があるのではないかと思います

 それは先ほどのモデルともかかわるのですが、今の仕組みというのは、納めた保険料

に対しての給付というのもありますけれども、被用者保険においては、拠出の有無にか

かわらず、支給される1人頭分の給付という部分がかなり大きくあるわけで、これには

3号に対する給付が含まれますが、そうすると先ほど高島委員がおっしゃったように、

低賃金の労働者が少ない収入の中から個人単位で拠出したということに対する見返り部

分をどう考えるかというところが少しまだ議論すべき余地もあるところもあるのではな

いか。そういうことを含めてどうかなと思います。

 

○袖井座長

 大変いいご提案ですけど、どういうふうにやったらいいでしょうね。確かに、全体と

して自分が払った保険料が反映させるというシステムを構築していくというのは全体の

スタンスですけれども、払いたくなるような何かいい知恵がございますでしょうか。

 

○宮武委員

 手前みそですけれども、私は年金の積立金を使って奨学金制度をつくれと提案をして

おりまして、その1つの考え方は、要するに年金に加入することによって、自分の子ど

もたち、高校から大学院まで行く場合に無利子で奨学金を出すという、それは被用者年

金なり国民年金に加入しているということを唯一の条件にしてお金に貸したらどうかと

提案しておりました。もちろん20歳以上になれば、ご本人が加入していることが条件で

すね。そうすることによって、派遣労働者も年金制度に入ることによって、具体的なメ

リットを得ることができる。

 ちょっと言葉が悪いのですけれども、今、日本の親たちが一番悩んでいるのは、私は

教育費と住宅ローンだと思うのですけれども、教育費の方を軽減する方策を年金制度の

中で組み込んでいく。本体に触らずに積立金の活用でそれが済むのであれば、極めて有

効ではないかと考えています。たまたま私が海外出張でこの会を休んだときに、それが

資料としては提出させていただきましたけれども、そのことはぜひ皆さんでご賛同いた

だければと、手前みそですが、思います。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございます。ほかに何か。

 

○高島委員

 今、宮武さんがおっしゃられたことは確かに資料でお出しになりましたが、まともに

議論をしないままに来ているのですね。ですから文部省がやっている奨学金制度ありま

すけれども、あれだと貧しいとか成績がいいとかという条件がついちゃいますね。そう

いう条件なしに、だれもが利用できるような奨学金制度ということを本気になって考え

るとすれば、それは大きな課題だと思いますから、それはそれで私は論点として、ここ

の中では、そういう話をされても、いや、それでは奨学金の実態は今どうなっているの

だと。どこで足りなくて、どういうところで一番必要とされているのかという話をして

ないんですよね。

 

○宮武委員

 資料も全部ございますので。

 

○高島委員

 ここの中で議論十分したとはとても言えないと思うんですけど。

 

○宮武委員

 ここの中には、非常に短いですけれども、一部ほかの方のご提案になったことも含め

て短く触れてはおります。ページで言いますと……。

 

○榮畑年金課長

 29ページの一番下からです。

 

○宮武委員

 この下、ちょっと分かれているのですが、30ページの上の方のパラグラフに、「若者

奨学金制度の創設」とか「年金制度としての保育費用の助成」というところで短く触れ

てはいただいております。

 

○袖井座長

 余りこの辺は議論しなかったのと、目的外使用と申しますか、公的年金でどこまでや

るかというような議論ございまして、いわゆる民間でやれるのではないかとか、あるい

はそういうことをやる上での事務費の問題とか、そういう何か財団みたいなのをつくる

と、天下り役人ができるのではないかというような意見もございまして、宮武委員がい

らっしゃらないときでしたけど、余り積極的なご支持はなかったような気がするのです

。アイディアとしてはいいかなという気もしますが、多分そういうことを始めると、今

の小泉内閣の方針と違っちゃうのかなという気もいたします。

 

○永瀬委員

 短時間のインセンティブの知恵ということなのですけど、これはどうしても3号とか

かわってしまうのですが、3号という利益がある上で短時間パートとして保険料を負担

するインセンティブというのはどうしても弱いのですね。なので、私は以前から、介護

や育児等、一定の期間だけにそういう免除制度があって、残りの期間に関しては、働く

と、ああ、こんなに年金が増えたと、そういうシステムがあるといいと、私自身は思っ

てはおります。そういう考え方を申し上げたいと思います。

 

○袖井座長

 先ほどの宮武委員の説明で、要するに3号は、育児・介護に限るというのが入ってお

りまして、VI案ですね。かなりの賛同が得られたのではないかなという気もいたします

 それでは、一番大物が3号でございますので、3号と育児期間の取扱いについて、こ

の辺がちょっと議論が十分ではないのかなという気もしますし、委員の中でも必ずしも

合意が得られないというか、非常に難しい問題が積み残されておりますので、このあた

りの議論とか質問とかありましたら。下村委員どうぞ。

 

○下村委員

 よくここの3号のところの説明では、夫婦世帯で報酬が同一であれば、保険料も給付

も同じだというふうなフレーズでよく言われているのですけれども、これは遺族年金と

絡みますので、必ずしも給付が同一となるとは私は思っていないのですね。それで、大

体ここが抜本的な改革の本当の手を入れなければいけない部分だと私は思っているので

すが、今までの年金に関する改正というのは、常に常に現行制度を前提にしたいじり直

しみたいなところがあって、ここを思い切って変えることの姿勢を、この検討会の姿勢

としては示せないというのはちょっと残念なんですね。ですから、ここの改革をどう進

めるかというところの私たちなりの意見も出ているはずなので、それを少し盛り込んで

いただくとありがたかったなというふうに思っています。

 

○袖井座長

 3号をやめていくということは後の方に書いてあるのですが、もう少しここら辺に書

いた方がいいのかもしれません。どこでしたか、後ろの方に書いてはあるのですね。

 

○宮武委員

 やめていくということではなくて、これは私の勝手な解釈ですから、委員の方の中で

も意見が違います。要するに夫でも妻でも、共働きであろうが片働きであろうが、単身

であろうが、働いて保険料を払うという、そういう人が増えてくる。増えてくるに従っ

て、結果として3号は少なくなっていって、極めてレアケースになると、こういうとこ

ろに持っていこうというのがこの全体から出てくる結論ではないかと思うのですね。

 今、下村さんがおっしゃるように、これが問題だと思っているのですと、具体的な解

決策が、私たちが考えてもなかなか出てこない。もちろん6つの提案があったわけです

から、それをどれを選ぶかということを国民が議論してもらって、これだと思われれば

、当然ながら、それは選んでいただいていいわけですけれども、この中でこれが決め手

だというのは結局見つからなかったということです。

 見つからなかった帰結としていうと、そのVI案の1つ、どれかを選ぶ以外であれば、

自然的に女性の就労が長引くに従って、3号というのは結果として少なくなる。言って

みれば例外のない規則はないというわけだから、例外が若干あったとしても、それは認

めるかどうかということですね。認めざるを得ないのではないか、そういうふうに流れ

ていっていると、私は解釈しています。

 

○堀岡委員

 その抜本的なという意味合いも含めて、21ページの「基礎年金の税方式による〜」云

々というところ、これは私が言った意見なのですけれども、ここでちょっと気になりま

すのは、税方式化するというのは、負担の給付の関係がわからなくなるよと、そういう

意味合いもあるのだと思うのですが、私としてはここは目的間接税という明確なところ

に直していただけないかと、こういうふうに思いますので、そういう抜本的な改革をす

れば、第3号の問題も、そういう意見もぜひこれからの議論につなげていただきたいと

思います。

 

○袖井座長

 わかりました。

 

○住田委員

 今、宮武委員のお話を聞いて、初めて宮武委員の3号に対するお考えを私はお聞きし

たような気がしております。それは要するに3号の専業主婦というのも、自然になくな

るから、3号問題もそのうちになくなるだろうという、そういう自然消滅論のように私

は初めてお聞きいたしました。

 私自身は、専業主婦は今まで主流であったし、また今後もライフサイクルの中の1つ

として当然残るだろうと思います。そういう方は意図して選ばれて、それぞれのいろい

ろなところでの自分の生き方というのをなさるのだろうと思っています、ボランティア

活動とか地域活動とか。ですからそういった専業主婦が今後幾らかでも残るときに3号

をどうするかという問題は今後とも残ってくる問題なので、それを自然消滅するだろう

という言い方、ある意味で、これから専業主婦を選ぶ方に対しては非常に失礼な言い方

に受け取れる可能性もありますので、私はもっと正面から今の専業主婦、これからの専

業主婦に分けて3号をどうするかということはきちんと考えるべきであるし、それが私

はこの検討会に課された一番の使命だったと理解しております。

 その中でいろいろな論点が出てまいりましたが、順番に申し上げますと、まず負担能

力については私はあると。あるけれども、それでどの程度課すのが適当かとか、そうい

うふうな国民的合意が得られるかという政策的妥当性というのはこれからの問題ですの

で、いろいろなご意見を聞き、場合によっては夫婦別姓のように世論調査をするなりし

てきちんとした形で意見を集約していく方向はぜひともあるべきだと思いますし、私は

そういう意味で、専業主婦の方が勉強しておられるというのはその流れの一環であろう

と思っております。

 次に21ページの(4)の60年改正前の任意加入のことなんですけれども、このまとめ方

は私の意図とは違っております。要するにこれは現在でも払うことができるということ

をいえないと考えられるということなのでしょうが、私は60年改正前には7割から8割

の女性が任意加入をしていたという実績を重く見ております。その人たちはきちんとし

た形で自ら進んで払っておられて、しかもそれが過半数でなくて7割、8割であったと

いうようなことの実績を重く見ているわけでして、ですから、あとそこから漏れる2割

、3割の方をどういうふうに考えるか、そのときに義務化できないというのか、それと

も払えない場合にどういうふうに考えるか、そこはよく検討しなくてはいけない問題で

、場合によってはセフティーネットの問題をかけなくてはいけない場合もあるかと思い

ます。ですから、これで否定する切り方をしていることに対しての異論がございます。

 それから、その下の(6)ですが、先ほども堀岡委員がおっしゃったご意見で、私はこ

れも重要な論点だろうと思っております。ただ、この場で財源問題をやりますと、年金

財政全般にかかわる問題で、余りにも論点が広がると思いまして、私は一切コメントを

いたしてまいりませんでした。この切り方は、今、堀岡委員はもっときちんとした議論

として残すべきだとおっしゃって、私はそのとおりだと思います。これはまるで社会保

険方式が採用しているところであるという切り方だと議論の余地なしという切り方のよ

うに思っています。

 そういう意味では、22ページの2行目、自立自助という我が国社会保障の基本的あり

方と適合しないということで税方式を蹴っておられますが、第3号はまさに払わないで

もらうという自立自助という、社会保障というよりも、私はですから生活保護に近い扶

助制度ではないかと言っているので、そういうのともかみ合ってない問題ですから、3

号の問題は非常にこのあたりに大きく絡む問題であろうと思っております。

 それから、I案からV 案までの問題で、宮武委員は今回は決め手は見つからないとい

うふうにおっしゃいましたけど、それほど深く実は議論したのでしょうか。それほど時

間はなかったのではないでしょうかというのが私の率直な気持ちです。私はあのときに

IV案を申し上げましたし、このときにこれは受益者負担の考え方だから、制度的に整

合しないという、いわば理論的原理主義の方のご意見があったわけなんですが、私は負

担能力は夫の資力から見てあり得ると思いますから、それを応能負担という言い方して

もいいと思いますし、受益者負担からもしかみ合わせても、私は別に制度として絶対に

あり得ない問題ではないと思っております。

 すいません、長くなりまして、26ページですが、最初の方の天引き制度で、未納の増

加を招くということですが、私はこれは極めて技術的問題で、嫌なときにこういうこと

を言っておけば、難しいという、その議論の1つではないかと思っております。こうい

う技術論については引き続き検討するほど大きな問題ではなくて、きちんとした形で夫

の給料から取るとか、承諾書1枚とか、私は紙1枚の問題だと思っております。

 中ほどの諸外国の年金制度で、定型的に所得がない者から保険料負担を求める仕組み

とはなっていないという、これを聞くと日本というのはすごく変なことをしなくてはい

けないのかというふうに思われる書き方ですが、実は所得がない人に対しては保険から

外しているという制度とか、3号のような制度は死にゆく制度だとか、私はほかの国の

制度のときにコメントとしてそういうふうに申し上げました。違った見方ができるわけ

で、諸外国の法制を比べるときには、そういう意味できちんとした見方をしていただか

ないと、日本だけが非常に特異な制度をこれから生み出そうとしているというような変

な違和感を生み出すことに対しての、私はこの書き方には非常に抵抗を持ちました。

 以上です。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございました。

 

○宮武委員

 私の申し上げたのは、3号は消滅するとは全く言っておりません。少なくなっていく

と言いました。例外のない規則はないと言ったことがまさにそのとおりでございまして

、夫も妻も、あるいは単身でも共働きでも働いて保険料を払っていく人たちを増やして

いかなければいけないし、現実にそうなっていくだろう。結果として3号被保険者は少

なくなっていくだろう。例外のない規則はないわけだから、そういう意味ではそれを容

認するかどうかという問題だ。もし、それは容認できないということを言うのか、先に

申し上げたように2段階の議論でして、今3号被保険者の問題に対して、国民の多くが

納得をし、この委員会においても、これだという案が出なかったわけですから、出なか

った結果としていえば、そういう道筋が見通せるということを申し上げました。

 とりわけ専業主婦にとどまる人は当然ながら出てくるわけで、それは例えば子どもが

たくさんいて、働きたくとも働けない人もいる。ハンディキャップを持っている子ども

を抱えて、働きたくても働けない人も残るわけですね。あるいは住田さんがおっしゃる

ように、ボランティアやNPOの活動、非営利の活動をやって、お金もうけではないけ

れども、そこに生きがいを求めている人が専業主婦に残ることもあり得ますし、極めて

お金持ちの人たちで働かなくて済む人も出てくるわけで、ゼロになる、消滅するわけで

はないと思います。そこのところだけちょっと誤解をされたと思いますので、言い訳を

しておきます。

 

○袖井座長

 ありがとうございました。高島委員。

 

○高島委員

 私は住田さんがおっしゃられた3号問題についての議論が不十分であるという意見は

賛成です。議論は全然足りないと思います。これが一番大きな皆さんの検討してもらい

たいというこの検討会に対する期待であったのだと思います。この文書ではもう少しい

ろんなところに国民的議論が必要である、論点である、綿密な議論が必要であるという

ふうに一段落ごとにそういう言葉が入っていて、これを読んだ人たちから何を検討した

のと言われかねない、この文章のまとめ方というのは実にまずい、それは例えば論点な

ら論点で、以下のとおりとかというふうにして、皆さんが議論しやすいようなところま

で整理することが必要なのではないでしょうか。

 ここに書かれている文章の中で、先ほど26ページの第I案、第II案というところに未

納の問題が出てきましたけれども、それでは2号の人たちが払っていることでいいので

すかという問題の答えにはなっていませんよね。

 それから、例えば、私はこういう表現に対しては非常にこだわります。例えば真ん中

辺に書いてある、夫から取ると企業の人を採用することについての影響が大きいという

ことが書いてあります。しかし今だって男性を採れば、男性は世帯者としてたくさんの

給料が払われている。結果として社会保険料をたくさん払っているわけです。ですから

、それを加速しますよと言いたいのかもしれませんけれども、しかし、それは今までの

ことで、今からそれ減ってきているのですよ。しかし、今までの方がずっとそれが大き

かったのに、そんなこと使用者は何とも思っていなかったではないですか。何でそんな

ことを強調しなければならないのか非常に違和感を覚えますね。

 それから、その次の社会連帯ということでいろんなことを書いてありますけれど、崩

れたからという説明というのは、そのときそのときの社会的合意の中で社会連帯という

ものができてくるのではないでしょうか。だから社会連帯が崩れたから費用負担の問題

が出てきたのだとか、子どもがいるという主張をする人がいるということは、社会連帯

が崩れるという、こういう考え方というのは私間違っていると思います。

 また、子どもはどういう位置づけなのかということも、本来ならば議論しなければい

けないことだと思いますけど、こういうふうに非常にわかりやすく出やすい意見がいっ

ぱいありますよというふうに書いて、これは一体何を言いたいのかわからない。

 ですから、26ページ、27ページのここら辺に書いてある文章というのは、1つひとつ

議論をしていくと、こういう考え方っておかしいよ、みんな反論しやすいことがいっぱ

い書いてあるのですね。ですから私はもう一遍整理し直すべきではないかと思います。

 

○堀委員

 この原案を読ませていただいたのですが、割と丁寧に書かれていると思います。第3

号については、この検討会で意見がかなり分かれているわけで、その点についてかなり

丁寧に書かれているという印象を受けました。文言とか言葉遣いについて問題はあるこ

とはあると思いますが、私は基本的な流れはこういうことではないかと思います。

 1つわからないのは、住田委員が前から言っておられるのですが、専業主婦に負担能

力があるという根拠なのです。1つは帰属所得、2つは潜在的持分、3つは夫の所得と

いう、こう言われたのですが、まず帰属所得というのは、永瀬さん、あれは夫に生ずる

のですね。妻が家事をする場合は夫に生ずるんですね。

 

○永瀬委員

 その家庭全体ではないですか。夫だけではありません。

 

○堀委員

 帰属所得についてはここに書いてあるとおりで、前も言ってあるので言いません。

 2番目の潜在的持分、これもよくわからない議論なんですが、ストックの問題とフロ

ーを分けて考える必要があることは、前に言ったことなので省きます。

 なお、第3号について1回しか議論していないとおっしゃっているのですけど、そう

ではないのですね。第1回のときから繰り返し繰り返し同じような議論がなされている

のですね。だから、私はそんなに議論が不十分であるとは思いません。

 それから、3番目の夫に所得があるから妻は負担能力があるということについてです

。これは夫に例えば50万円の賃金があるのなら、50万円全部に保険料が課されている。

それを家計に出したところで50万円分の保険料は既に納めている。妻の負担能力がそれ

で増えるわけではないと私は思います。

 第3号改革のIV案についても支持する意見があったのですが、私はその後、重大な問

題に気づいて、追加意見ということで文書で出しましたが、この問題についてはどう考

えておられるのか。

 原理論とかということで批判されたのですが、技術論についても何か批判された。そ

れでは何を書けばいいのかという気がします。私はこういう議論が分かれている問題に

ついて丁寧に書いて、世の中にこういう議論があったのだということを示していくこと

は大変重要なことであると思います。

 もう一つは、専業主婦は保険料払ってないのではないかということについてです。考

え方としては、健康保険と同じように、世帯単位で応能負担の保険料を課しているのだ

、保険料は払っているのだということになるのではないか、そういうふうに私は思って

おります。

 その他、いろいろありますけれども、原案は全体的には大変よくできているのではな

いかと思います。

 

○袖井座長

 山口委員どうぞ。

 

○山口委員

 女性の年金、きちんと年金制度の中で確保していくということで、そもそもこの基礎

年金をつくって、女性の自分の名義で年金がもらえるという仕組みをつくったわけです

が、それは皆保険体制の下で、必ず女性の年金権として位置づけたものが女性の手に届

くと、これは大変大事なことだと思うのですね。

 任意加入のご指摘も、これもしばしばありますけれども、任意加入というのは、ここ

にも説明があるように、現状の年金、プラスアルファとして拠出をすればもらえますか

ら、みんな加入されたらどうでしょうかと、そのことに対して、当時の専業主婦がそう

いうことならということで7割の人が入られたということですから、これもしばしばご

説明しているように、女性の年金権を確保する。基礎年金部分をとりあえず確保すると

いうときには、前の厚生年金制度の夫婦単位の仕組みを分割をすることによってその分

を確保したということで、年金の水準としては全く変わらないのですね。

 その中で、そういうやり方で基礎年金ということを確保したということですから、そ

のときに新たに定額の保険料を取るということで、皆保険、皆年金という実態が本当に

確保できるか、これは大問題であって、その状況は今でも全く同じではないのでしょう

か。

 だから3号被保険者の保険料の取り方というものが、いろんな案がありましたけれど

も、少なくとも例えば皆保険体制が崩れるような仕組みであれば、3号の今の仕組みを

抜本的に変えて、そちらの方に移行するというのは非常に問題があると。そういうよう

な観点も含めて、幾つか議論かあった中で、今の3号の制度より、より公平であって、

しかも皆保険、女性に対する年金権を確保するという意味で、それを上回るような工夫

がこの委員会でできたかということになると、そこには非常に問題が多かったので、そ

の点はもう少し大きな検討が必要であろうというのが、この検討会での議論の内容でな

かったかと私は理解をしています。

 

○袖井座長

 ありがとうございました。

 

○駒村委員

 第IV案のところについては、住田委員のおっしゃるような帰属所得を注目した考えの

整理もありますし、もう一つは、第IV案を応益負担のグループの範疇に入れるのは、必

ずしも正確ではない。これはグループ別応能負担という処理の説明の方法もある。した

がって、私は説明したときの応益配分、応能という2つの性格を持っているといいます

ので、ここを応益とIII案とまとめて一緒にしてしまうとちょっと問題はあるかもしれ

ないと思います。

 それから、先ほどの高島先生の27ページ、26からのコメントについては、これは私が

連帯の云々という説明もこの中に書いておりますけれども、私の理解は、働き方が専業

主婦から共働きへと変わってくる過渡期であると。そのときにはリスク集団が変化して

いる時期である。そのことを連帯が少しずつ変わっているのだという理解で、これはど

こかにそれを書いていただいてあります。

 そして、27ページで、そういうことを言うと保険集団が細かくなってしまうのではな

いか。この点については、1950年の社会保障制度審議会の勧告の中にも、社会的にコン

センサスの得ている。それは多子、疾病、貧困、失業とか、こういうことは社会的なリ

スクと考えていいのだということで、「社会的リスク」という言葉が入っている。子ど

もの有無とか年齢の有無とか、こうなってくると、それは社会保険の話ではなくなって

きてしまいます。

 

○袖井座長

 ありがとうございました。どうぞ、大島委員。

 

○大島委員

 主婦の意識の変化というようなことについては何も書かれてないのですけれども、一

応主婦のヒアリングをしたとき、あるいはアンケート等で主婦の意識が変化してきて、

3号からも負担してもいいのではないかというふうな意見も増えてきているというよう

なことはどこかに動きとして入れていただいてもいいのではないかと思います。

 それと、私3号の問題のときに発言しなかったのですけれども、素人が単純に考えま

すと、定額というのは逆進性があっていけないというのですけれども、税方式、全額は

無理ということであれば、今、税を2分の1ということが言われていますので、2分の

1入った上で、20歳以上の国民が全員が基礎年金に関して一律の保険料を払うと。サラ

リーマン、厚生年金の今一律で基礎年金と一緒に2号の人はなっていますけれども、そ

の人たちも給与の表の中で基礎年金の保険料と厚生年金の保険料としますと、今のよう

な、男性もだんだん働き方が多様化してくる場合は、男性がリストラされて1号になっ

ても、その分だけの保険料は常に払っているというような形にすると非常にわかりやす

いのかなというふうに思いました。

 それで税が2分の1入っているということで、保険に入っている方が将来的にプラス

になるのですよというような言い方もできるのかなという、非常に素人的な発想ですけ

ど、こんなふうにしたらわかりやすいのではないかというようなことをちょっと考えた

ことがありますので、一言言わせていただきました。

 

○袖井座長

 今、1号の話も出ましたし、住田委員から、3号は支払い能力があるというようなご

発言がございまして、確かに収入が高い3号の階層の人は払ってなくて、でも1号です

と、所得が低くても払わなくてはならないという、こういうアンバランスもございます

が、今井委員に、1号でいらっしゃいますので、何かその辺でご発言いただけますでし

ょうか。

 

○今井委員

 今、大島さんおっしゃったように、私もずっと1号で来たときに、基本は、私も素人

感覚で細かいところがよくわからないのですけれども、みんな一律に1号という、大島

さんのような考え方が基本にあると、すごく庶民の人はわかりやすいかなとずっと思っ

てきました。ここで討議されるときは、大島さんの考えが全然話の中に出てこなかった

のですけれども、あくまでも基本があって、そこに二段、三段という応能という形がす

ごくわかりやすい。

 実際1号は、皆さん統一した1万 3,300円払っていますが、すごく所得の差があり過

ぎます。そのうちに所得の申告がはっきりされるようになると1万 3,300円がいろんな

形になるかと思うのですが、早くそういう形にしてもらいたいです。その辺のところも

ここでは触れられていませんけれども、女性の年金ということを考えたときには、1号

の中にもそういうこともあるのだということもちょっと話が出たらなとは思っていまし

た。以上です。

 

○袖井座長

 ありがとうございました。確かに主として2号、3号の話が多くて、1号のことは余

り議論されてこなかったのですけれども、1号についても本当にちゃんと書かないとい

けないと思いますし、所得の把握については、後ろの方に少し書かせていただいてあり

ますが、今、ご存じのように9・6・4とか10・5・3とかいいまして、なかなか所得

把握が難しい。でも、これは私はそれこそさぼっているのではないかという、高島委員

の話ではないですけど、把握をしないでさぼっているのではないかという気がするので

、やはり将来的には1号についても、所得比例で本当は、全体が所得比例になればいい

というふうに私は個人的に思っております。その辺について、少しどこかで触れた方が

いいかとも考えております。

 

○高島委員

 さっき山口元年金局長が、60年改正はその前の年金水準とモデルは変わっていません

とおっしゃられましたよね。だから、ちょっと余分なことを言うようですけれども、ど

うしてもそういう認識であることがおかしいと思うんです。だから複数のモデルをつく

らないと、水準変わっていませんよ、と言ったって、共働きの男女、一人暮らしの人た

ちは、私たちの年金だけ切り下げられたと思っているんですよね。だから、そこのとこ

ろがこれが適正であるか。そのことがいい、悪いという話をしているのではないですよ

。それが適切かどうかという議論を常にしてもらいたいということを言っているわけで

すね。だから複数のモデルをつくり、この水準ですよということをオープンにして議論

をしてもらう必要があると思います。

 それから、さっき税方式のところについて発言がありましたので、22ページの(@)

と(A)というのが書いてありまして、「〜等の基本的問題があり、社会保険方式が採

用されているところである」、これは現行のことを言っていますよね。ここの議論は、

「という問題がある」というならわかるけれども、「社会保険方式が採用されていると

ころである」という結論は、ここはここの中の議論と現行の採用方式とのところは分け

ておかないと、税金で払っても、間接税というのは消費税方式をとれば、消費税という

のは収入があるとかないとかという話でありませんので、買う能力のあるかないかの話

でして、買い物をする力のある人はお金持ちということですね。給料でもらうかどうか

という仕組みとは変わってくるわけですから、給付と負担のつながりのない税方式とい

うけれど、国民の側から見れば私は一緒だと思います。ですから、これは真剣に議論し

てみるべきだと思います。

 

○山口委員

 ちょっと話が出ましたので、年金の水準についての60年改正前は世帯単位でやってお

ったのを、1階部分だけ基礎年金で単身化したということですから、モデル年金との関

係で言えば、今度世帯単位でできている年金の1階部分だけを単身化するということで

考えていたモデル年金の実態が夫婦の両方が働く、それが大勢を占めていくような世の

中になるのだから、そこをモデルとして年金の水準を考えていこうということですから

、確かに60年改正でやったときは、夫婦単位で考えていたものを、1階だけを単身化し

たと。したがって、2階の部分は一応今の考え方としては夫婦単位の年金水準というこ

とを前提にして考えているわけですね。

 したがって、そういう面からすれば、今度モデル年金を共働きの世帯を前提にして考

えていこうということになれば、これは先ほど議論ありましたけれども、私も年金の具

体的水準をどうするかということは別にして、当然そこには年金の水準が今後どうある

べきかという問題がかかわってはくると思います。

 

○袖井座長

 いかがでしょうか。大分時間もたちましたけど、例えば永瀬委員など、育児期間等の

取扱いなど、何かご意見ありますか。

 

○永瀬委員

 育児期間に突然飛んでしまったのですけど、その前、1つ申し上げたいことがあった

のですが、これは申し上げてあるのですけれども、連絡が遅かったので入っていないの

かどうかわかりませんが、20ページの(3)のところで、「第1号被保険者と第3号被保

険者の公平性について」ということで、第1号の定義が13ページのところで自営業者で

あるということがまず書いてあった上で、自営業者と第3号とは比べられないというこ

とが書いてあるのですけど、現実問題として自営業ではない1号もかなりいるというこ

とはどこかに入れておく必要があると考えます。

 それから、あと「第3号被保険者に対する基礎年金の水準について」というところで(

5)ですけれども、下の2行で「検討会においては、現行の給付体系としての基礎年金制

度を前提として議論を進めることとした」と書いてあります。しかし一方で堀委員、山

口委員から共働き世帯モデルとしたらば、水準調整の可能性があるというご意見があっ

た。そこでこの際是非申し上げたいところですが、水準のどこを変えていくかというこ

とです。3号問題というのは、3号の負担を上げるのか、あるいは3号の給付を下げる

のかという2つの考え方があり得ます。短時間雇用者の就業インセンティブを高めると

いう意味でいえば、第3号からもらえる水準を保ったまま、共働きの妻が拠出の反対給

付としてもらえる部分である報酬比例水準を下げる調整をするよりは、3号部分を下げ

て、代わりに働きに出た場合の水準を上げるという方向の方がより就業インセンティブ

という点ではあるのではないかと私自身は考えます。

 しかし、今後の女性像なのですけれども、女性に「被扶養配偶者」という地位を与え

て、20歳から60歳の間、全期間にわたって、夫の保険料を通じて、老後の基礎年金部分

全てを保障されるべき存在として位置づける、そういう時代は、昔は妥当性があっても

、これから先を見通すと、それほど稼得能力がない存在とみなすべきなのか。もちろん

そうとは思えない。自分で働くことが、自分の未来をひらいていくという、そういう方

向が強まる姿勢を鮮明にするべき。保護をして守ってあげるというよりは、もっと自分

で切り開いていけるという、そういう方向を志向し打ち出すべきであると思います。

 ただ、もちろんそれでも残る無所得の被扶養配偶者のことはほったらかしにはしない

と。そこについてはもちろんそれなりのことは考えるけれども、方向としては自分で切

り開くという方向がいいのではないかと私は思います。

 

○袖井座長

 多分、皆さんそういうお考えではないか。特に女性の方たちは、夫のかさの下にいる

よりも、しんどくても自分で生きていきたいというのが合意ではないかと思います。男

性の方は、保護してあげましょう、という方もいらっしゃるかもしれませんが、永瀬委

員のご意見には多分皆様ご賛成だと思います。どうぞ、佐藤委員。

 

○佐藤委員

 38ページをごらんいただきたいのですけれども、これは起草時からあったものですが

、「終わりに」のすぐ上の段落で、「男女が等しく働くようになった場合には、第3号

被保険者制度はその役割を終えるという性格のものである」と書いてあって、これは先

ほどの宮武先生のご発言とも直接に絡む点なのですけれども、今の制度を当てはめれば

3号になるという人が実態としていなくなるとはだれも言ってないのだと思うのです。

それは選択として、自分は営利活動はせずに非営利のことをやろうとか、そういう方は

いらっしゃるだろう。

 ただ、その人たちに特別に手を差し延べる3号制度というものは恐らく役割を終える

というのであろうというのがこの起草の基本的なスタンスであって、恐らく永瀬さんが

おっしゃったこともここに書いてあるし、それから宮武先生がおっしゃったこともここ

に書いてあると、起草委員会の端に座った者としては理解をしております。

 

○袖井座長

 ありがとうございました。ほかに、どうぞ。

 

○住田委員

 先ほどおっしゃった38ページのそこに飛んでよろしければ、その点についてコメント

したいのですが。

 

○袖井座長

 それでは、最後のパートに行ってよろしいですね。

 

○高島委員

 その前にちょっと。

 

○袖井座長

 はい。

 

○高島委員

 さっき今井さんと大島さんが、1号被保険者の立場の発言をなさいましたね。ですか

ら1号被保険者のことについてほとんど議論してなかったのですね。1号被保険者で男

女別に未加入者や未納者がどのくらい出ているのですかというのでデータ出してほしい

と。皆さんのところへ配られていないと思いますけど、決して男女でそんなに差がない

みたいですけれども、これはほそく率が何%かよくわかりませんけれども、1号被保険

者の問題についてちょっと書き加えたらどうでしょうか。

 

○袖井座長

 そうですね。3号と1号の不公平ということもちょっと書いてありますので、1号に

ついて、もう少しデータなども加えた方がいいかもしれません。よろしいでしょうか。

住田委員。

 

○住田委員

 まず先ほどの38ページの3号の役割を終えるという性格というところで、初めて終期

がここで書き込まれたわけなのですが、私自身はここの検討会で3号についてどうする

かというときに、今後は撤廃すべきであると。それは時期としてもある程度明言すべき

であろうと。それがこの検討会の使命ではないか、アナウンスメント効果ではないかと

いうことを申し上げたのですが、それが私一人の意見であれば無視なさるのもやむを得

ないかと思いますが、もしほかにもいらっしゃるのであれば、そういう意見も少数意見

でも結構ですので書き入れていただきたいということです。

 その関係でいきますと、今回の検討会の第3号問題の扱いにつきましては、きょうの

日経新聞に、「意見が割れ、当面は現行どおり免除制度を維持する方向」というまとめ

がありますし、また「現行制度を維持する方向だ」という本文がございまして、そうい

うまとめ方をされたということです。

 そもそも、なぜ、またこの日経新聞がこの段階で、こんなふうに書いてしまったかと

いうことに対して、またかと。しかも「働く女性、優遇へ改革」、単に公平さを目指し

ただけで、専業主婦優遇と言われることからの、私は公平性の変更にすぎないものをこ

ういうふうに非常にバランスを失した書き方をしていると。

 ですから、きょう事務局にこの切り抜きを配付してくださいと、これについてコメン

トしたいからという趣旨で申し上げたのですが、どうもご検討の結果、配付していただ

けなかったということは極めて残念でございます。

 ですから私自身はこのようなまとめ方で新聞記事がなされたことに対しては、私は個

人的にこういうつもりではないということをはっきり申し上げたいというふうに思って

おります。ですからだれかに聞かれたときには、私の意見はこうではないし、この新聞

記事のまとめ方については、私としては異論を言ったと。しかも、なぜ、きょうペーパ

ーが配られる前に、この朝刊にこのような記事が出たかということについても、私個人

としては非常に気持ちの上で納得できないものがあるということは、今後いろんな場で

申し上げていきたいと思っています。これが1つ。

 もう一つは、年金分割の点でございます。前回、どうしてもやむを得ない事情があっ

て欠席して、それがまた新聞記事報道では、「導入の方向」という書かれているので異

論はないのかなと思っていまして、きょうのペーパーを見ましたら、ああ、やっぱりか

と思いました。32ページの下でございます。例の一身専属性からだめだというような、

理論的には無理だというような、また民法を極めて大きく振りかざした意見でございま

すので、ここも私が書き込む義務があるだろうと思っております。一身専属性というの

は、全く生計を共にしない第三者に対して譲り受けたり、担保に入れたりということが

基本的にはいけないと。それはその人の生活の最低保障のものであるからという、そう

いう趣旨から出てきているものでありまして、生計を共にしている、ましてや応能・応

益負担を一緒に考えている世帯の中での夫婦の中の譲り合いのときに、これがだめだと

いうところまで決めつけているものではないというふうに考えております。

 ですから一身専属性の趣旨から、全てを譲渡するような分割や1/2 を超える割合での

分割は認められないという意見が先に出たことに対して、大いに私としては不満がござ

います。当然給与分として、離婚やら死亡の場合は当然半分来るのは当たり前でして、

これもまた詳しく言いますけれども、民法は改正になって1/2 ルールはできておりませ

んが、民法の精神からいけば、夫婦共に1/2 ずつの貢献があるというのが当たり前のこ

とでして、それを明文にするかどうかだけの問題です。それに対して法学者の中ではコ

ンセンサスはほぼ得られております。

 そういう意味でいきますと、分割についても1/2 の分割というのは、民法の議論から

いくと当たり前のことでして、一身専属性からだめだという理屈の方が逆に民法的にお

かしいと思っております。今違う違うとおっしゃって声が聞こえましたので、私はこれ

を読んでそういうふうに感じましたので、もしそうでないなら、誤解のない書き方をお

願いしたいと思っております。

 それで、この関係ではこの前申し上げなかったので、もう少し積極的な意見を申し上

げたいと思いますが、離婚時、死亡時においても年金分割というのは導入の方向できち

んとやっていただきたい。あとは手続的にどうするかの、そういう技術論的な検討を課

題として残していただくにとどめていただきたい。そういうふうに理念的にはオーケイ

だというつもりであれば、それでぜひよろしくお願いいたします。

 

○袖井座長

 事務局いいですか。

 

○堀岡委員

 今回の全体の報告のまとめは、どちらかというと厚生労働省がまとめたということで

はなくて、我々が議論した内容を起草委員の方たちがこう出されているので、そういう

意味では各意見は全体の意見が出ていると私自身は思っていまして、そもそももとから

議論がかみ合わないと私も申し上げていましたけれども、年金の問題そのものの、十何

ページに書かれてあります公平性の視点、応能負担、応益負担、そういうものの見方、

年金そのものに由来する問題と現実の現行制度の中の公平感というものがごっちゃにな

ると議論がなかなか、最初の方にも書いてありましたが、両方とも負担と給付が片働き

、共働き、単身で整合性がとれないと。

 したがって、応益負担なり、社会保障、保険原理を入れるとか、それで私ども日経連

は、1階の部分は社会保障的な税でやられてはどうですかと。2階的な部分は私的年金

的な発想も踏まえて応益負担でやられたらどうでしょうかと、そういう意見もあると。

 そもそも年金そのもの、ここにも最後に書いてありますが、公的年金そのものの考え

方について、社会保障という感じで、個人単位なのか世帯単位なのか、応能負担なのか

応益負担なのか、この辺の多くが国民的な合意がとれない限り、なかなか3号だけがど

うのこうのというのは持ち出しませんね、というトーンが書かれていますので、委員の

皆さんの意見が反映されてないとは思わないのですが、ここで方向をつけることで、前

回の報告にもありましたように、こういう意見が広く出たということを、次の本格的な

審議につなげていきたいということですから、ここで結論をつけるというのはつかない

というふうに思いますので、かなり意見が入っていると、こういうふうに私は思います

けれども。

 

○袖井座長

 事務局何かありますか。よろしいですか。

 

○堀委員

 離婚分割については、基本的には前回大体ほぼ意見の一致をみていると思うのですね

。分割割合についてなんですが、これも大体意見一部みられたと思うのですが、住田さ

んは出席しておられなかったですね。1/2 ですけれども、死亡の際の相続はそうなって

いますね。離婚なのですが、現行民法はそういうふうになっていません。1/2 について

、裁判離婚のことはよく知りません。1/2 になっているのかもわかりません。

 ただ、日本の実態としては、協議離婚が大半で、協議離婚の場合にはそもそも財産分

与はない場合も多いし、1/2 が原則であるというのを、私は余り聞いておりません。

 この資料、あるいは前回の資料に載っていましたけれども、民法改正案がでています

。夫婦の間というのはいろんな形があるわけですね。妻が家事、育児何もしないとか、

そういう場合でも本当に1/2 にするのか。いろんな要素を考慮して財産分与の割合を決

める、こういう考え方が私は民法改正案の考え方だと思うんですね。

 社会実態としても、協議離婚のことを考えると、1/2 にもなってないし、民法改正案

でもそういういろんな要素を考慮するという中で、年金権についてだけ1/2 というのは

本当に妥当なのかどうか、私は疑問に思って、前回も同じような趣旨を申し上げた。

 

○住田委員

 前回、もう一回お話をしておけばよかったのですが、1/2 ルールといいますのは、い

ろんな要素を考えたときにわからない場合も1/2 ですし、要するに原則1/2 から出発す

るということでいろんな要素を考えるのは当然のことです。民法だけがというより民法

が私法における基本法ですので、まずそういう発想があって特別法があるはずですので

、民法だけを別物にするという言い方自体が民法と特別法との関係を逆におっしゃって

いるような感じがして非常に私は今違和感を覚えております。民法の法律学者では、本

来、相続分、妻1/2 をきちんととれるというのが法定されていますので、それを離婚の

際にも明文で書こうというだけのことで、明文にするというのは、明文で初めて決まっ

たわけでなく、そもそもそういう思想があって、それを明文化しようというだけの改正

案ですので、発想としては1/2 にあると。そして実態としての分割の際にいろいろな要

素が考慮されて、いろんな場合あるし、逆に言うと、今の日本の男性の現金の支払い能

力が余りないので、1/2 にいってないことも極めて多いというようなことは現実として

ありますけど、だからといって、それを半分ないのだという、権利は1/2 ないのだとい

うことを追認しているものでも何でもないと思います。

 これだけ申し上げておきたいのですが、年金分割の考え方というのは、女性がやむを

得ず離婚をした場合の極めて有用な制度になり得る。そういう意味では形骸化した結婚

、離婚に対してはきちんとした形で再出発するためのそういう制度になり得ると。離婚

を奨励するわけではありませんが、しかし現実にはきちんとした妥当な解決策をとると

きの有用な制度になるということです。法律学者の中でも、また実務法律家においても

待たれておりますので、これはもっと積極的に取り組んで、あとは手続的、技術的なも

のをクリアーするというところに早くいっていただきたいと思っております。

 

○袖井座長

 ちょっと住田委員にお聞きしたいのですが、1/2 になりますよね。そうすると、その

別れた夫の人がまた再婚して、また別れたときは、今度1/4 とかどんどん小さくなって

いくのですか。

 

○住田委員

 そこを婚姻期間に応じてするとか、それから機械的ではなくして、ある程度、協議離

婚の際にこの部分については、将来何歳になったとき、これだけやるという一種の合意

をつくっておきまして、その書類があれば、機械的に年金がだれだれの口座に振り込ま

れていくという形で年金の受給権を法律的に一部担保できるような制度があればいいな

と、そういうことです。

 今、離婚給付について、本当に強制する制度はなくはないのですけれども、実効性は

非常に薄いわけですので、それが支払いのときにきちんとどこかの口座に振り込まれる

ということになると、それは確実なものになりますので、この制度についての早い実施

が待たれているということでございます。

 

○袖井座長

 この前、住田委員お休みだったので、いらっしゃらなかったのですが、日本の場合、

協議離婚が非常に多いですね。だから、そこで難しい問題が起こるのではないかという

議論もあって、裁判所が介入するかということになったりしたのですが、その辺のあた

りはどういうふうにお考えですか。

 

○住田委員

 日本の協議離婚制度は世界的な法制の中から見ても極めてまれです。その意味では柔

軟に動いていますが、その中で実効性を担保しなければいけないものが養育費と慰謝料

などの給付の問題です。また、子どもの面接交渉権とかその他、もろもろ当事者間で話

し合いつかないものというのはたくさんございますので、私はある程度、家庭裁判所の

調停や審判の中できちんとした執行力を担保した、強制力を担保したような形での和解

調書的なものをつくるということを離婚の中に位置づけるのも新しいやり方としては非

常によろしいのではないかと思っています。

 その書類を持っていくことによって、あと年金の窓口に持っていって、こういう形で

、今後何歳になったら、この割合で支払ってくださいという口座の届出をするという形

で実務的に動くのではないかと思っております。

 

○佐藤委員

 従来からの住田委員のご意見で1点よくわからないところがあるのですが、仮に財産

分与は1/2 が原則になるという、仮にそういう前提に立ったとして、年金権が従って1/2

 になるという結論は直ちには出てこないのではないか。それは財産分与をする上で、

将来の年金権を半分与えるという協議というか、私は裁判所の手続があった方がいいと

思っていますが、そういう命令が出ることもあるだろうし、居住用の不動産を財産分与

するから、将来の年金権には手をつけないという協議が整って裁判所が認めるというよ

うな例もあると思うんです。

 ですから私も年金分割の制度を技術的に詰めていくべきであるという意見は前回も申

し上げましたけれども、年金権が常に1/2 になるというところには、今の理由で賛成が

できません。以上です。

 

○袖井座長

 堀委員どうぞ。

 

○堀委員

 1点よくわからない点がある。民法学と特別法、社会保障法との考えが違うというの

がよくわからない。私は現在の民法の考え方で言っているのです。

 2点目は相続についてなのですが、潜在的持分が半分なら、妻の相続権もっと多くな

るべきではないのですか。例えば夫が死んで、妻と子どもが残された場合、妻の潜在的

持分はそもそも1/2 ある。そうすると妻は夫の持分の1/2を相続する から3/4 になるの

ではないのですか。妻に潜在的持分がそもそも1/2あるのなら、現在の相続割合はむし

ろ少ないのではないかという疑問を持ちますが。

 

○住田委員

 数字上の1/2 に対しての、お二人の委員の疑問だと思います。この話、もう少しして

よろしいのでしょうか。基本的には夫婦が1つの共同体で生活を共にして、外からの所

得を得、うちの家事労働で寄与しということであれば、それは通常はかりがたいものな

ので1/2 で分けようという、それが大きな原則で、民法はそれ以上のものをきちんと決

めたものでも何でもありません。ただ、分割する場合においては、寄与度、貢献度を考

慮して分ける。これは相続でもそうですし、財産分与のときも当然ですので、先ほど堀

委員言ったように、家事をしなかった妻に半分やる必要があるかと言われたら、貢献し

てなかったら半分やる必要がない場合があるわけで、そういうのは通常当然決まるべき

ものがあります。 それから、今、佐藤委員がおっしゃったように、財産分与の際に大

きな不動産を1/2 に分けたら、年金はいいかというと、半分もらい、かつ年金も半分と

いうのも1つの案としてあり得ますし、家を全部あげるから、年金は要らないという、

一時金をもらった場合には年金を要らないというのは、当然それはあり得る話で、要す

るに大きな意味として、一応半分を目安に考えようという考え方を民法学者は異論がな

いものというふうに考えているわけで、細かい調整、それぞれの貢献度、寄与度を考え

て分けるのは当然ですし、今ある現金をどういうふうに分けるか。今ある不動産をどう

分けるかということまでが、今までの離婚のときの財産分与の対象だったわけですが、

今後離婚のときの対象として、資産がちっともない男性を相手にしても、年金がある場

合には、将来の年金ももらえるというような道が1つ、それも確実な道があるというこ

とは非常に意味が大きいと申し上げているわけです。

 

○永瀬委員

 今のと話が少しずれてしまうかもしれませんけれども、この1年間話してきたことの

まとめに関してですが、前回局長が、これはいろんな考え方でもいいから入れて、そし

て、今どういうところまで議論が来ているのかというのを示す必要があるという報告書

の目的についてのお考えを示されました。それに関しては、私自身が例えば『年金白書

』を、ああ、こうだったな、と確認するレファレンスに用いていますが、この報告書を

女性と年金について課題と現状と議論を掲示するという、そういうものであってもいい

と私は思います。ただ、それが1つの立場ではなくて、いろんな立場がきちんと入って

いることが、それが重要なのではないかというふうに思います。というのは、確かに変

更の結論まではここで決められない、国民に問うべきだろうと思うからです。ただ、例

えばここの12ページに、私はこれは何度読んでもひっかかったのですが、(1)のとこ

ろで、「我が国の年金制度は、全国民を対象として強制適用を行う国民皆年金制度の下

、能力、即ち所得に応じて、保険料を負担するという応能負担原則と所得保障の必要性

の度合いに応じて給付を行うという必要給付原則を基本として運営されている」。

 そして、この後、ずっと読んでいくと、第3号というのは応能負担と必要給付という

考え方を貫かれたものであって、公平だというようなことが書いてあるのです。しかし

、これについては別の形の公平のあり方もある得るのではないかと私はかねてより思っ

ていました。それは給付と負担とのバランスのあり方には様々な再分配の形があるから

です。

 事務局の方には、私はこの点、何度も申し上げて、事務局は直してくださったとおっ

しゃっているのですが、読み取れない私が大変申し訳ないと思いますが、また、大変短

い時間なので余り説明を十分受けてなかった、そのせいかもしれません。必要性の度合

いに応じた給付というのは、要するに基礎年金が人間頭一人について、誰もが設計上同

額であるというのを必要に応じた給付と言っているのだろうと思うのですけれども、日

本の年金の思想は、これだけだとは私にはちょっと思えない。拠出とリンクした報酬比

例部分が大きい訳ですし、貧しい世帯で満額の基礎年金がないケースも多い。我が国の

原則はと、こういうふうに書いてある上で、第3号というのはその原則に則ったもので

ある、と書いてあるところはもう少し修正すべき点なのではないかと感じるということ

を申し上げたいと思います。

 

○袖井座長

 たしか、これは堀委員かなんかのご発言ではなかったかと思うのですけど、そうでは

なかったですか。

 

○翁委員

 例えば3号のところでも税方式にしたらどうかとか、基礎年金のレベルをどう考える

かとか、そういった話が出てくるのですけれども、これはさっき堀岡委員がおっしゃっ

たのですけど、公的年金全体の設計と非常にかかわる話で、特に今の現状というのは厚

生年金という所得再分配政策というのが、少子高齢化というもの見越しますと、どうし

ても小さくしていかざるを得ない。そういう状況にあって、そういう中でこの問題をど

う考えていくかという視点がもう少し打ち出されてもいいのかなと。

 年金財政の問題というのはあちこちでぽんぽと出てきていますけれども、そういった

年金制度全体の枠組みの中で、どういうふうにこれを位置づけていくかということが最

後の方にまとめてあってもいいと思いました。例えば確定拠出型年金とかそういったも

のも導入されましたけれども、それはあくまでも企業型と個人型で女性とかには開かれ

ているものではありませんし、そういう意味で年金制度全体の観点でこの問題を考えて

いくという視点をもう少し打ち出してもいいというような印象を受けます。

 

○袖井座長

 ただ、そういう議論はほとんどなかったんですよね、年金財政の話は。非常に重要な

ご指摘とは思いますけれども、それをやるとまた大変なことになってしまう。

 

○翁委員

 問題意識としてということですね。

 

○袖井座長

 そうですね。だから、例えばそういうふうになった場合に、女性が退職されるとか、

そういうような形ではと思うんですけど、年金財政そのものは全く議論されなかったの

で、ちょっと入れにくいのかなという気がしております。

 

○翁委員

 何回か年金財政全般に対する危機感というか、そういう発言はいろいろあったと思う

んですね。

 

○袖井座長

 はい。堀岡委員などのご発言はそういうところに関連していたかというふうに理解し

ております。

 

○大島委員

 内容ではなく、この報告書自体の構成なのですけれども、私、基本計画づくりなどに

何回か携わったこともあるので、流れとして気にかかるのですが、報告書とするとこれ

でいいのかという気もするのですけれども、1章が「はじめに」とありまして、次に「

『女性と年金』問題とは?」と来るのですけれども、普通は次に目指すべき方向と基本

理念みたいなものが来るとわかりやすいのかなということで、私の1つの案としまして

は、2章に3章を持ってきて、3章に全体の問題として4章を持ってきまして、4章に

2章を持ってきまして、そこに「『女性と年金』の問題とは?」というのをしますと、

そこの最後にあります年金制度において対応が考えられる課題が6つ挙がりまして、そ

れでVの「個別の課題」についてというところに割合スムースにつながって読みやすい

のではないかというふうに思いました。

 それで少しそのほかにもダブりなどちょっと変えた部分ありますので、後でこれを事

務局の方に出させていただいてよろしいでしょうか。

 

○袖井座長

 どうもありがとうございます。大変いいご提案いただきました。ほかにどなたかあり

ますでしょうか。どうぞ。

 

○佐藤委員

 タイムアウトになりそうなので、起草するときに非常に困るだろうなと思っているの

が1点ありまして、16ページのさっきのモデルをどうするのだというところ、このまま

では非常に書くのが難しいと思います。起草委員会の人たちはわかっているのですが、

モデルは年金水準を決めるときに使うのだというのは15ページの(1)でご指摘のとお

りで、したがって、1つの標準であるわけで、1つである必要があるのですね。

 起草の14日バージョンまでは、「この場合」というところは実は別段落になっている

のです。そして「この場合、年金水準を説明するという観点からは」とあって、この文

章が入っていたので、年金水準の決定論について言うと、これはモデルの意味というと

ころに当たっていて、そして高島委員や住田委員や、もう帰られましたが、翁委員がお

っしゃったような問題を明確化するために、別のモデルも、説明するためには必要なの

だという、そういう区分けになっていて、それは非常に筋が通っていたと思うのです。

 それが、きょうのバージョンで、16ページでこの場合が続いてしまうと、同じ意味で

モデルというのが幾つもつくれるというように読めるためにやや議論が紛糾しているの

だと思います。

 私は、一番基本のモデルを変更するというのが、まずここでの一番大事なところで、

それは一個である。先ほど来、堀先生やほかの方がおっしゃったように、そこから当然

に単身モデルであるとか、あるいは片働きモデルであるとかということは導き出されて

くる。それらは、例えばですが、9ページの第3の「女性に対する年金保障の充実」と

いうような考え方に照らして、それでいいのかという問題を常に検討するツールになる

のだと、そういう位置づけで、このモデルのところを整理すれば、次の起草が可能では

ないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○永瀬委員

 ただ、共働きといった場合に、就業期間が様々ですよね。だから男子のずっと40年働

いて、専業主婦というモデル、これは水準として意外と出しやすいですけれども、様々

な履歴を持ちうる人について、本当に世帯単位でこれだと出せない。それはある意味で

少し個人化の要素が入ってくる。個人単位化とは言いませんけれども、個人の履歴の要

素が入る、もう少し別の思想が入ってくるのではないかなと私は今までの議論は理解し

ていたのですけど。

 

○佐藤委員

 すみません、時間が過ぎて。まさにおっしゃった問題は、16ページの3の論点の(1

)、(2)の問題であって、ここで大事なのは、そういうふうに生きる人がいるわけで

はないということだと思います。モデルというのはぴったりこの人がいるというのでは

なくて、ある種のフィクションなわけですね。そのフィクションは1つに決めないと、

全体の形が決まってこないということだけを申し上げているので、そういうふうに生き

るのがあるべきだとか、そんなことは少しも私は申し上げる能力も、そういうつもりも

ないです。

 ただ、それは1つに決めないと書けませんよということを申し上げている。それを1

つに決めた上で、それから帰結するほかの生き方やほかの給付のされ方、あるいは負担

の仕方を見たときにおかしいということがわかれば、それは本体を直していかないとい

けないだろう、そういう議論なのです。

 

○袖井座長

 多分モデルという言葉の理解が違っているんですね。モデルというと、何か理想とか

そういう感じですが、年金におけるモデルというのは、あくまでもフィクションですね

。だから、そこからどれだけあるかということで、ちょっとモデルにこだわるというと

話が進まないのではないかと思うんですね。

 確かに今女性の働き方が多様化していますし、就業年数もばらばらなので、どのあた

りをとったらいいかということはかなり難しいかと思われます。でも平均的で見るより

しようがないのか。一番多数の人が集まっている、平均値でいくか、中央値でいくか、

また別問題ですが、その辺のところで、別にこれがあるべき像であるとか、そういうこ

とではないというふうに私は理解しておりますし、佐藤委員がおっしゃったように、そ

うでないと確かに、これもあります、あれもありますというふうになると話が混乱して

しまう気がいたします。

 確かに、これまでの白書などでも、モデルは夫40年(フルタイム)、妻(無業)とい

うのが挙がっていたけど、でもその横に「単身の場合は」とかと、それで現役の何割と

いうのも出ておりましたので、やはりそういう形で提示するということは、これからも

必要ですし、していきたいと考えております。その辺で少し議論がかみ合わないのかし

らという気がいたします。

 時間がなくなってしまったのですが、はい、どうぞ、ぜひという方は。

 

○高島委員

 全体にかかわって、今のお話もそうですけれども、意見はいつまでに出したらよろし

いのですか。それを決めてほしい。もう一度、意見を出したいと思います。

 

○袖井座長

 そうですね。

 

○高島委員

 それから、まとめ方について、さっき大島さんから発言がありましたように、私もこ

の文章は最後まで読まないと意味がわからない、非常に疲れる文章ですから、もっと最

初になぜやるのか、どういう方向を目指すのか、そして……というふうに、なるべく結

論を早く持ってきて、なぜそういう議論をしたのかというのを後ろにつけた方がいいと

思います。

 

○袖井座長

 そうですか。

 

○高島委員

 文章の並べ方、そして会議の中の意見なのか、厚生省の考え方なのか、よくわからな

い記述になっているところもできるだけすっきりさせてもらいたい。

 

○袖井座長

 わかりました。22日起草委員会を夜、開くことになっておりますので、それまでに事

務局にできましたらFAXでいただいた方がいいかなと思います。多分いろんな形で文

章もちょっとわかりづらいところもありますし、長ったらしいところもありますので、

皆様方の中でご意見がございましたら、事務局の方に22日の午前中ぐらいですか、なる

べくそれ以前にお願いしたいと思います。

 

○中原企画官

 すいません。事務作業の関係ございまして、もう少し早くしていただければ、大変幸

いでございます。

 

○袖井座長

 午前中でなくて、どうしましょう、21日、でも余り時間ないですね。

 

○榮畑課長

 起草委員会で文章をまたお願いすることになりますけれど、当然のことながら書くの

に時間もかかりますから、ご意見いただけるとしたら、きょうが金曜日ですから、来週

月、火、22日が木曜日でございますから、火曜日ぐらいまでにいただければと思います

が、ただ、その後も当然のことながら、起草委員会何回かまたやっていただきますし、

何回も行きつ戻りつつになりますから、そこで終わりということでもございませんから

、そのまた過程の中でご相談もさせていただければいいのだろうと思います。

 ただ、一番最初の報告書の案文をつくっていただくための起草委員会が一番大事であ

るということを考えれば、できれば火曜日中にいただければと思っております。

 

○袖井座長

 高島委員よろしいでしょうか。

 

○高島委員

 わかりました。

 

○袖井座長

 ちょっと忙しいかもしれませんが、火曜日までにFAXで、ほかの方もぜひよろしく

お願いします。いろんなご意見が出まして、なかなかまとめるのは難しいかと思います

が、きょういただきましたご議論、ご意見などを参考にして、また22日に起草委員会を

いたしまして、報告書の原案をまとめていきたいと考えておりますので、よろしくお願

いいたします。

 では、次回の検討会の日程につきまして、事務局からご説明ください。

 

○中原企画官

 次回は12月7日(金曜日)午後2時から、場所はちょっと離れますが、全国都市会館

でございます。別途開催のご案内を申し上げますのでよろしくお願いをいたします。

 次回は、ただいま座長からお話がございましたように、この検討会の報告書の原案に

ついてのご議論をお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

 

○袖井座長

 本日はどうもありがとうございました。検討会はこれで終了させていただきます。

                                     以上

                      (照会先)

                       厚生労働省年金局年金課

                       課長補佐     度山

                       企画法令第3係長 三浦

                                            電話03-5253-1111(内3335)

                                              03-3595-2864(夜間)