01/10/30「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会(第13回)」議事録
「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会(第13回)」議事録
厚生労働省年金局年金課
「女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の
在り方に関する検討会(第13回)」議事次第
日時 平成13年10月30日(火)10:00〜12:07
於 厚生労働省省議室
1.開会
2.委員出席状況報告
3.議事
・女性と年金をめぐる諸論点についての討議
4.閉会
○袖井座長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから「女性のライフスタイルの変化等に
対応した年金の在り方に関する検討会」を開催いたします。本日は大変お忙しい中、お
集まりいただきましてありがとうございます。
それでは事務局より委員の出欠状況を報告していただきたいと思います。よろしくお
願いします。
○中原企画官
本日の委員の出席状況についてご報告申し上げます。本日は宮武委員と藤野委員、山
口委員が所用のため欠席されております。その他の委員は全員出席されております。以
上でございます。
○袖井座長
それでは、早速議事に入りたいと思います。本日は前回に引き続きまして、具体的に
論議すべき制度設計上の論点のうち、「短時間労働者に対する厚生年金の適用の在り方
」、「育児期間等の取扱い」、「どのような世帯をモデルとして年金の給付設計を行う
か」という3つの点についてご議論いただきたいと考えております。また、前回ご議論
いただきました「第3号被保険者制度」につきましても追加の資料を用意していただい
ておりますので、もう少しご議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします
。
それでは、事務局から資料のご説明を受けたいと思います。また、きょうも非常に時
間がかかるかと思いますが、資料の説明はまとめてお願いいたしまして、その後でそれ
ぞれの論点について議論をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、事務局よろしくお願いいたします。
○度山補佐
前回よりも資料の分量が多うございますので、要領よく説明をしていきたいと思いま
す。本日準備をいたしました資料は、お手元にございます資料1、資料2、参考資料て
す。資料の1は、きょうご議論をお願いをいたしております3つのテーマに関するこれ
までの議論の概要を抽出をして整理をしたものでございます。これについては特段の説
明は申し上げません。
資料2でございますが、きょう議論をお願いします3つのテーマにつきまして、資料
を準備をしてございますので、この3つのテーマにつきまして説明を進めていきたいと
思います。
まず1ページですが、きょうの3つのテーマでございますけれども、これらの問題を
どのように考えるかということにつきましては、既に様々な場で議論が行われておりま
す。ここには昨年の「社会保障構造に関する有識者会議」、政府・与党社会保障改革協
議会の「社会保障改革大綱」、そしていわゆる「骨太方針」の中から抽出をしてござい
ますが、全体を通じまして、就業形態の多様化に対応した被用者にふさわしい年金保障
というものをどのように確立をしていくのか。あるいは就業に中立的な社会制度にする
。就労と育児の両立を支援するということを通じまして、国民の能力発揮を支えるとと
もに、社会保障の支え手を増やす、このような方向性といいますか、視点というものが
全体を通じて指摘ができるかと思います。
こういったことを頭に置いていただきまして、最初のテーマでございます「短時間労
働者に対する厚生年金の適用に関する論点について」、3ページ目から入ってまいりま
す。
これまでもご説明してまいりましたが、サラリーマンの配偶者を例にとった場合、年
金保険上の立場がどうなるかということでございます。労働時間と収入で第1号被保険
者にも第2号被保険者にも第3号被保険者にもなり得ると。それに伴って保険料負担も
変わってくるという状況にあります。
4ページには、この4分の3でありますとか、被扶養者認定基準の130万について、
どのようなことを参考に設定したかという考えをまとめてございます。4分の3の方に
つきましては、昭和55年にこういう基準を明示をしたわけですが、そのときの雇用保険
法、人事院規則の非常勤職員の取扱いというものを1つの参考にして、このような取扱
いを決めたということでございます。
第3号被保険者の認定基準であります 130万ということにつきましては、昭和61年に
第3号被保険者制度がスタートいたしましたときに、健康保険の被扶養者の認定基準と
同額に設定をしております。この健康保険の被扶養者の認定基準と申しますのは、税の
控除額を基準に給与の伸びを勘案をして引き上げてきて、平成5年度より現在の 130万
になっているという現状でございます。
5ページ目にまいりますが、短時間労働者に対する年金制度の適用の在り方について
も様々なところで議論が行われております。最近の議論といたしましては、5ページの
下、社会保障改革大綱、これは政府・与党の社会保障改革協議会がまとめたものですが
、雇用形態の多様化に対応した制度の見直しという視点が出ております。
6ページ目は、いわゆる骨太方針でございますが、今の制度の非中立的な側面を見直
すという指摘とともに、就業形態の多様化に対応した在り方として年金適用の在り方を
見直していくということが盛り込まれております。
それから、産業構造改革・雇用対策本部のまとめですとか、7ページ目の総合規制改
革会議の関係でも同様の指摘が見られるところでございます。
このように、雇用形態の多様化が様々なところで指摘されているわけでございますが
、実際にデータで見てみたいと思います。8ページ目に、まず雇用者全体に対して第2
号被保険者というステータスを持っている者がどれぐらいいるかということでございま
す。これは第10回の資料、ライフスタイルの多様化をご説明いたしましたときにも紹介
をしたデータでございますが、一言で申しますと厚生年金に適用されない働き方という
のが増えてきているということが読み取れるかと思います。よりそれぞれ詳しく見てみ
たのが次の9ページ、10ページでございます。年齢階級別に少しデータのとり方が違い
ますが、非農業の雇用者と厚生年金の被保険者の比率をそれぞれ人口比で見て比較をし
たものでございます。
まず女性ですが、40歳代のところを見ていただきますとわかりますように、雇用者と
しての割合は約10%ぐらい、平成元年から11年にかけて増加をしておる。上の点線と実
線のことでございます。ところが厚生年金の被保険者比率、下の点線と実線はほとんど
変わっていないということですから、雇用者が増加をしたのに厚生年金に適用された比
率はそれほど変わっていないということでございます。
それから左の方に目をやりまして、20歳代の方にまいりますと、雇用者としての率は
若干マイナスが見られるもののそう変わってないわけですが、厚生年金の適用の割合は
下がっておるというのが現状です。若年の例えばフリーターの問題などがよく言われる
わけですが、こういうデータにもあらわれています。
10ページ目の男性の方でございますが、女性のように中高年というところでの変化は
そう顕著には見られませんけれども、若年層、20歳代前半、後半というところを見た場
合には、女性同様の落ち込みが見られるということでございます。多様な働き方の対応
、パートタイマーの話については女性が多いということで、この検討会でも検討をして
きたわけですが、こういった雇用構造の変化というものをとらえますと、女性と年金と
いう問題を超えて、将来の国民に対する年金保障の在り方にもかかわる問題ということ
が指摘できるかと思います。
11ページでございますが、これも第9回目、外国の諸制度をご紹介をしたときの短時
間労働者に対する適用のデータに、フランスとカナダを加筆したものです。1つひとつ
の説明は省略をいたしますが、大体年換算をいたしますと低いところでは約10万円程度
、高いところでも60〜70万というラインで、その額以上の収入のある者について強制適
用とするという仕組みがとられておると言えるかと思います。ただ、9回目のときにも
申し上げましたが、これらの国の制度は基本的に皆年金ということではなくて、収入が
ない場合には強制適用対象にならない。したがって、自身の納付記録による年金保障も
ないということですから、できるだけ低いところからカバーするということでこういう
額に設定されておるのではないかということが考えられるわけでございます。
12ページでございますが、短時間労働者に対します厚生年金適用の考え方について、
第7回の検討会におきまして、お招きをいたしました慶應大学の樋口先生から具体的な
ご提案をいただいておりますので、これを図示してみたものでございます。現在の労働
時間、労働日数によります4分の3という基準を2分の1に引き下げた上で、新たに収
入基準ということで65万円という基準も設定すると。どちらかを超えれば厚生年金適用
にするということでございます。
左側の方にサラリーマンの妻あるいはサラリーマンの配偶者を前提にどう適用の関係
が変わるかということで、左上の方は1号にも2号にも3号にもなり得るという現状の
図ですが、2号の右側の範囲が2分の1の方にぐっと広がってまいります。それから、1
30 万を超えたところで、第1号被保険者になっていた者も、下に広がった上で、それ
が第2号被保険者になるという図でございます。
それから、サラリーマンの配偶者でない場合には第3号被保険者にはなりませんので
、これは厚生年金に適用されなければ、第1号被保険者ということになるわけでござい
ますが、これについても同様に第2号被保険者の範囲が広がって、左、右通じて申しま
すと、第3号あるいは第1号という範囲がぐっと狭まるという適用になるということで
ございます。
13ページでございますが、このように適用拡大をしていったときに、給付と負担がど
のように変化をするかということの図でございます。これも前回、第3号被保険者の仕
組みをご説明をしたときにも申し上げましたが、現行の保険料と現行の給付体系をその
まま当てはめておりますので、この保険料を40年間納めればこの給付になるということ
ではありませんので、そういう前提で見ていただきたいと思います。
また、短時間労働者に厚生年金を適用拡大を考える場合に、1つは現行の標準報酬の
下限をどのように置くかということが1つ論点になるわけですが、ここでは応能負担を
徹底するということで、低い報酬に相応した標準報酬のランクが設けられて、例えば6
万円の報酬であれば、6万円の報酬に定率負担という考え方で設計をした場合というこ
とですが、もちろんこの場合の給付と負担の設計では一様ではないということで、ここ
では現行の仕組みを前提に、今ご説明申し上げたように、報酬下限を引き下げた場合で
シミュレーションしているということで見ていただきたいと思います。
一番上の箱でございますが、短時間労働者が第3号被保険者であった場合、報酬6万
円がありますが、第3号被保険者として、配偶者が被用者保険に加入しているというこ
とで、第3号被保険者として基礎年金給付が保障されているということですが、厚生年
金がご自身で適用になるということですと、このB1の方に新たに報酬6に相応した保
険料負担がかかってくる。それで給付も基礎年金部分だけでございましたのが、報酬比
例給付もそれに相応して保障がされるということに移行するということでございます。
結果として世帯の単位で見ますと、給付も負担も少しずつ増えるということになるわけ
でございます。
その次のケースですが、このB1という方が、第三号被保険者の立場ではない、すな
わち第1号被保険者であった場合のことを考えますと、今は国民年金で1万 3,300円の
定額の保険料をもちろんご自身で支払っておられますが、厚生年金の適用になるという
ことで、保険料もその収入に見合った定率の負担になるということでございますし、給
付も報酬比例給付が保障することでして、ここは給付と負担の関係が大きく変わること
になります。
それから、短時間労働者の中でも比較的高額で1号の方を念頭に置きますと、その報
酬に比例する形での保険料負担になりますものですから、すべての方が真ん中のケース
のように負担の減少ということになるわけではなくて、報酬が一定額以上高いようなケ
ースについては負担増にもなるということを示しております。
こういったことから、14ページ、「短時間労働者への適用拡大のポイント」をどのよ
うに考えるかという議論に移ってまいります。いろいろなところで指摘をされておりま
すように、就業形態の多様化に適切に対応して、就業の形態が変わっても、被用者とし
て一貫した保障を受けることができる。しかも働いた分、保険料を納めて、それが自ら
の年金に反映される仕組みとなる。特にパートタイムの期間が長い方が多い女性に対す
る年金保障の充実も期待できるのではないかという点。
それから、報酬に応じた定率の保険料ということですので、ある線を超えたら保険料
がかかるとかかからないとかという問題がなくなるわけでございますので、年収増加に
伴う手取りの逆転現象が解消して、より中立的な仕組みになるということが期待できる
わけでございます。
このことによって、よく年末ごろになると就労調整でなかなか人が得られないという
問題も指摘をされるわけでございまして、こういった雇用管理の改善、あるいは能力が
あるのに、そういう壁があることで、十分に能力が発揮できないと。生かされていない
能力を社会に生かすということで、トータルとしては企業としての利点も期待ができる
のではないかという指摘もあるところでございます。
それから、日本経済全体あるいはその中での社会保障システムということを考えてみ
ますと、長期的には労働力人口の減少が見込まれている中で、少ない労働力を有効に活
用するということが必要になってくる。こういった労働者の多様な働き方を認め、多様
な能力発揮を支えるということで国民経済も発展し、国民経済の発展を通じて賃金も上
がっていくことになれば、質、量ともに年金制度の支え手が拡大がされることになって
、社会保障にとっても支え手を増やすことにも寄与するということが期待できるのでは
ないかということでございます。
それから、制度の中の体系的な話で申し上げますと、保険料負担の公平性の確保、い
わゆる応能負担でカバーされる範囲が広がるということでございまして、これはより公
平な仕組みというふうになるのではないか。あるいは収入がある者から保険料負担を求
めるということで考えますと不公平感といったものの解消にも資することが期待できる
のではないかということがポイントとして挙げられるかと思います。
ただ、これについてはいろいろ問題点も指摘されておるところでございまして、最初
の問題点の下の方の箱にまいりますが、1点目は労使の負担増というものについて、そ
れぞれ受け入れられるかどうかという問題。
2つ目、適用拡大を機に相対的に報酬額の低い被保険者が増加することになるという
ことで、長期的に財政的にはどうだろうか。制度が移行するときを考えますと、第3号
被保険者からの移行ということであれば、今まで保険料負担してなかった方に保険料負
担いただけるということになりますので、保険料負担者が増えるということはあるわけ
でございますが、第2号被保険者全体で構造的に低賃金の方が増えるということが、将
来にわたる年金財政上どのように推移をするかということについては、財政検証が必要
であろうと考えられます。
それから、3点目、4点目に書いてございますのは制度的な問題でございます。厚生
年金だけの世界を考えるといいわけですが、実は負担の考え方が異なります国民年金の
体系と2つの保険料体系をとっているということとの問題です。自営業の夫婦世帯は、
国民年金の体系にいるわけでございますが、夫婦のうちの片方が短時間、低報酬で勤務
に出るということで、厚生年金の適用になると、この方については労働者としての保護
がかかるということでございますが、第3号被保険者制度を通じて夫婦ともに厚生年金
の体系で、しかも非常に低賃金の保険料負担というものでカバーされるという可能性が
ないだろうか。こういう可能性がある場合に、それは公平の問題から見てどうなのだろ
うかということが指摘ができるかと思います。
それから、就労調整がかなり解消されるのではないかと、現在では65万円を下回る年
収のパートタイマーはまれでありますのでかなり限定されると考えられますが、なお調
整行動というものが、特に短時間、低報酬のシビアなところで起こる懸念はないかどう
かということは考えておく必要があろうかと思います。あとは企業行動の変化、あるい
は被扶養配偶者をカバーしている医療保険との関係をどう考えるかという問題が指摘さ
れております。
このようなことをご議論をいただきたいと存じます。
次に15ページにまいります。育児・介護期間の年金制度上をどのように取扱うか、評
価をするか、あるいは配慮を加えるかどうかというテーマでございます。
第9回で諸外国においてどのような仕組みがとられているかということについてご説
明を申し上げました。これに介護期間の取扱いと育児休業制度の各国の実態を書き加え
て1表にまとめたのが15、16ページでございます。この日本を含めた6カ国をレビュー
いたしますと、我が国では育児休業中の期間の措置ということで、その間の保険料免除
ということがとられておりますが、諸外国においては、特に年金上配慮する期間と育児
休業の期間についてのリンクは認められないということが1点。
2点目は、所得のある者からはそれに応じた保険料は徴収をされている。いわゆる配
慮措置として保険料を免除をするということではなくて、収入ゼロであれば保険料負担
はない。それで給付の算定上、例えば平均賃金とみなす、ですとか、従前の額で働いて
いたとみなすという形で給付の算定上の配慮として行われていると言えるかと思います
。
3点目、育児期間と介護期間をよくパラレルに議論をするわけですが、年金制度上の
配慮ということを考えますと、各国の取扱いにおいては差が見られます。ドイツでは家
族介護者も年金加入しているということがあるわけでございますが、介護保険の方が年
金保険料を支払っているという現状にあるようです。
この資料についてはこの程度の説明といたしまして、次に17ページですが、我が国で
、今厚生年金で育児休業期間は保険料免除ということですが、これは一体どういう構造
でこのような問題になっているかということを少々解説をしたいと思います。育児休業
を取得した期間についての報酬をどうするかということについては法律上定めがなくて
、これは労使の合意によることになっておりますが、厚生年金制度においては、例えば
病気で一時休業したようなケースと同じように、たとえ無給であっても休業前の標準報
酬により適用しております。これは一時的な休業であるということと、標準報酬では0
円という設定はなくて、結局休業が終われば復職するということでありますので、休業
前の標準報酬をそのまま用いるという扱いになっておるということです。
この結果、平成4年から育児休業がスタートしてから、例えば無給という企業もあっ
たわけですが、無給の場合に給料はなくなるけれども、保険料負担は払わなければいけ
ない。これをどうしてくれるのかという議論がされたわけでして、平成6年に改正され
ました年金法においては、被保険者負担分は徴収しないという取扱いになりまして、更
に平成12年の改正においては、事業主負担分についても徴収しないこととなった結果、
現在では労使の保険料はない。
では給付の方はどうなるかというと、休業前の標準報酬によりずっと適用がされてお
るということでございますので、結局諸外国流に申し上げますと、無給の場合に保険料
負担を求めないという点では諸外国と同様の扱いになっておって、その期間について年
金算定上、従前の報酬額を得ていたものとみなす扱いがとられているというふうに考え
ることができるということができます。単純に保険料免除しているのとはやや違うとい
うことをご説明したかったわけです。
18ページ目でございますが、先ほど見ていただいた諸外国でとられております育児期
間の様々な評価方法について、我が国の制度と照らし合わせたときにどのようなことが
言えるかということでございます。例えばドイツでは育児期間は制度上平均賃金で就労
したというふうにみなす。あるいはイギリスですと育児のために稼得活動に従事できず
に収入が得られなかった期間を加入すべき年数から除外をして年金を計算する。逆にフ
ランスの場合は、子どもを一定年数以上を養育した場合には加入年数を加算をする。あ
るいはスウェーデンでは育児によって所得の減少・喪失があった場合に、それを減らな
かったとみなして、年金制度上は計算する。このような措置がとられておるわけですが
、それぞれ照らし合わせるとどういうふうに考えか。
少し細かい字でいろいろ書いてございますが、大きくとらえますと、基礎年金に対す
る給付について、このような諸外国でとられている措置は、結局1号か2号か3号であ
れ、どれかの制度の被保険者になって、40年フルペンションで設計をしておりますので
、このような措置はなかなか整合がしない。
逆に厚生年金の報酬比例部分については、例えば標準報酬額で何らかの配慮を加える
ですとか、あるいは年金算定上の加入年数について何らかの配慮を加えるということは
、理論的には諸外国のような措置は考え得るということで、そのような措置が、恐らく
我が国考えていくと、我が国の制度体系と整合するのだろうということです。もちろん
これは整合する可能性があるというだけで、このような措置を講じることの必要性や妥
当性は別に議論をしなければいけないわけでございます。
19ページにまいりまして、今講じている措置が大体どれぐらいの状況にあるかという
ことでございます。育児休業制度そのものは、出産に際しまして就業を継続できた女性
に関しては非常に利用が進んできているというのが現状でございまして、最近の調査に
よりますと、大きな企業を考えたときは7割の方が育児休業を取得しておられるという
現状にございます。
ただ、厚生年金の保険料免除の申請をして受けた者は、11年度末で年間大体5万人弱
ということがデータで出ておりまして、例えば出生数が 110万から 120万ということを
考えますと、その割合はわずかであるということでございます。これは結局多くの方が
、仮に働いていても、結婚や妊娠というタイミングで離職していることの結果、実際に
配慮措置の恩恵を受けている者は、出生数と比べるとわずかな割合にとどまっていると
いうことなのだと考えます。
20ページでございますが、育児休業をとらない労働者に対しましては、法律で例えば
短時間勤務制度、始業時間を繰り上げたり繰り下げたり、あるいは事業所内託児施設を
設けるなどの労働者への配慮措置をとることが義務づけられております。これらの措置
がどういうふうにとられているかということの現状でございまして、事業所単位で申し
上げますと、例えば短時間勤務制度ですと、約3割の事業所が導入をしておられるとい
うことでございます。それから、その3割の事業所にお勤めの女性労働者のうち、24.7
%ですから、概ね4分の1の者がこの配慮措置を利用しているという現状にあるという
ことでございます。
今、国会におきまして、この法律の改正法案の審議をいただいておるところでござい
まして、現在1歳未満の子どもを養育する労働者に対しましては育児休業というものが
権利として認められ、育児休業をとらない労働者に対しまして、今申し上げた配慮措置
が義務づけられているということでございますが、この対象を1歳以上、3歳未満の子
を養育する労働者に対しまして拡大をするということでございまして、育児休業の制度
に準ずる措置、今申し上げましたような勤務時間の短縮等の措置を講ずることが義務づ
けている改正法案を今国会で審議しておる状況にございます。
このようなことを考えまして、21ページですが、「育児期間に係る配慮措置を考える
上での論点」を被保険者のパターン別にまとめてみたわけでございます。やや話が細か
くなりますが、総括的に申し上げますと、今、2号被保険者で育児休業取得者にのみと
られている育児期間についての配慮措置について、ほかのカテゴリーのものを何か考え
るかどうかということ。
それから、配慮措置がもし整合的に今の日本の仕組みにとりうるとすれば、それは報
酬比例部分における配慮ということになるわけですが、そういう措置を講じるべきかど
うか。あるいは対象や措置内容をどう考えるかということ。
それから、各国の中でも、保険料免除という措置をとっている国はないわけでござい
ますが、我が国の場合でも所得がある者に対しては保険料負担をいただいておるという
ことですが、支援措置としての保険料免除をどう考えるかということが大きくとらえた
場合の論点かと思います。
21ページ、それぞれの説明に入ってまいりますが、今、育休を取得をされた方は、今
申し上げたとおり、被保険者、事業主とも休業前の標準報酬をもとに算定した保険料に
ついて免除する取扱いをしておりますが、更に何らかの措置をとることが必要かどうか
ということが論点かと思います。
育児休業をとらなかった方は、今、育児休業を取得した方で、申し上げたようなとこ
ろの特別な扱いはないわけでして、これの方々について育児休業取得者との均衡を考え
て、何らかの措置を講ずるべきかどうか。今申し上げた整合的な配慮措置に則して例を
申し上げますと、例えば短い勤務の時間になったということで報酬が減少したことがあ
りますならば、その報酬額についてどう考えるかといった問題。あるいは育児休業者に
準じたような保険料の軽減措置が考えられるか。ただ、これの場合には実際にはお仕事
をしておられて所得があるわけですから、保険料免除することが適当かどうかという問
題があろうかと思います。
今、国会で審議をしております1〜2歳の期間の措置ということを考えますと、今先
進的な企業では1歳を超えても育児休業がとれる企業がないわけではございませんが、
そういう企業で育児休業を1歳を超えてとったということですと、厚生年金の免除措置
は適用されておらずに休業前の標準報酬をもとに算定された保険料を納付していただく
扱いになっており、仮に勤務時間の短縮みたいなことがある程度とられたといたしまし
ても、そのことに対する配慮措置は上のケース同様ないわけですが、ここについて何か
現状の措置、先ほど申し上げた措置に対応した配慮措置が考えられるかどうかというこ
とでございます。
22ページにまいりまして、出産・育児を理由に退職して、3号被保険者になった方で
ございます。退職によって当然厚生年金の適用はないということですが、国民年金法上
は第3号被保険者となり保険料負担は要さずに、その期間の基礎年金給付については保
障されております。ただ、育児により退職をせざるを得なかった。結果、厚生年金への
加入期間が短くなって、40年勤め続けた人と比べると年金額が低下をするという事情に
配慮をして何らかの措置を講ずるべきかどうか。あるいは何らかの措置を講じた場合、
逆に離職促進的な形にならないようなことも一方では考えなければいけないと思います
が、そのようなことに対してはどういう工夫が必要か。
あるいは育児により離職といいますが、働く、働かないというのはほかにもいろんな
ファクターによって決まるわけでして、どういうふうに対象を考えるかといったような
問題が出てくるかと思います。
それから1号から1号、要はずっと自営業に従事をしておられる方を考えますと、サ
ラリーマンのように雇用関係で稼得能力が判断できない、就業や稼得の形態が一様では
ないということで、20歳から60歳までの期間は一様に保険料負担をいただいておって、
給付は基礎年金が保障されておるという現状にあるわけでございますが、結局休業によ
って報酬がなくなることに配慮したサラリーマンの措置と考えますと、このような方で
は保険料免除という措置を考えてみた場合に、そういった考え方ではない自営業に従事
をされておられる方について同様の考え方をとることができるかどうかというところが
、保険料負担に関しては出てくると思いますし、給付で考えますと、もともと基礎年金
しかない世界ですので、被用者のように報酬比例の年金給付について配慮する余地がな
いということでございますが、こういうことでどう考えるかといったことがございます
。
その次の下のパターンは、育児によって離職をしたが、配偶者が自営業従事であると
いうことで3号にならないようなケースが考えられます。この場合も、定額の保険料負
担が課せられて、給付は基礎年金が保障ということですが、退職して第3号被保険者と
なった場合と同様に何か措置が必要かどうかといったことが出てくるかと思います。
それから、ずっと非就業で3号であったという方も想定していまして、育児にかかわ
りなく保険料負担を要さず基礎年金給付が保障されている状況にあるわけですが、育児
によって稼得の減少もない。あるいは現行制度の下では特別保険料負担も求めていない
という中で、何かこれ以上の措置を講ずる必要があるかどうかといったことが論点にな
ろうかと思います。
ちょっと説明が長くなって恐縮でございます。
23ページでございますが、今申し上げたのは、年金制度の特に負担と給付ということ
に着目をした対応ですが、それ以外に年金制度として、特に世代間扶養を基本的な考え
方として成り立っているということに着目をいたしまして、何か対応が考えられるかど
うかということでございます。
ここに委員のお二方の書き物の中から抜粋して考え方をご紹介をさせていただいてお
りますが、宮武副座長、本日ご欠席でございますけれども、ぜひ委員会でも紹介をして
ほしいということでまとめでございますが、若い方に奨学金ということで年金の資金を
活用して、世代間扶養というものをライフサイクル全体に組み込むことによって年金制
度の理解を深めていく、あるいは一番お金のかかる高等教育の期間にこのような措置を
講ずることによって、子育ての負担も軽減できるということが考えられるのではないか
ということのご紹介でございます。
それから下の方は、永瀬先生にレポートをいただいたときの添付資料の中から抜粋い
たしましたけれども、継続して就業するときには、保育サービスというものがかぎにな
って、こういった費用について年金で考える。結果、就業継続が増えて、そういった女
性の働きやすい環境づくりと少子化対策という意味合いで非常に年金制度においても効
果的ではなかろうかということであったかと思います。
このようなことについてどう考えるかということについても議論をお願いしたいと思
います。
説明が長くなっておりますが、24ページでございます。
3つ目の論点といたしまして、モデル年金の考え方に関します論点でございます。ま
ず女性の年金、どういう状況にあるかということでございますが、各年度末現在で、65
歳の女性の老齢年金の受給権者数を比較いたしますと、非常に短い期間の厚生年金適用
という方も含めますと、厚生年金の加入期間を持つ者の割合は着実に増加をしておって
、現在では半分以上の方が、長い、短いの別はあっても厚生年金期間を持っておるとい
う現状でございます。
25ページでございますが、今のモデル年金で、これも何度も見ていただいたかと思い
ますが、ポイントは財政再計算の基準年における男子の平均的な標準報酬月額をもとに
、制度的な標準的な加入期間でございます40年加入した場合の、夫婦の基礎年金分を含
めた水準ということで設定をしており、それが現役時代の報酬と比べて何%かという説
明をしております。
モデル年金はずっと経緯がございまして、26ページにその経緯を非常に簡単にまとめ
てございますが、昭和60年以降は男子の平均的な標準報酬で、制度的な加入期間をとっ
て設定しておりますし、昭和44年から55年の間は、新規裁定の方の平均的な加入期間と
いうことですので、当時の平均的な加入期間を加入された場合の年金額ということでそ
れぞれ説明をしてきておるという現状でございます。
このようなことを頭に置いていただきまして、27ページでございますか、共働きが一
般的になってきたことを受けて、標準的な年金額を共働き世帯を想定して考えるときに
どういうことが論点として挙げられるかということでございます。男性は制度的な40年
の加入期間をモデルとして説明をしておるわけですが、女性も含めてということになり
ますと、例えば夫婦ともに40年間常用雇用の世帯を想定してモデルを考えるかどうか。
あるいはそうでなければ、女性の被保険者の賃金とか加入期間をどう考えるかというこ
とです。前々回になりますでしょうか、女性のライフスタイルの変化、多様化と年金制
度ということで、取りまとめた資料をここに添付をしてございますが、この図て見てい
ただくとわかるように、女性は現実には様々なライフコースをたどって、その結果、年
金の姿も多様であるということでございます。
こういう中でどういうところを標準に置いて考えるかということでございまして、下
の箱の方にまいりますが、現時点においては、被保険者の平均報酬額、あるいは厚生年
金への平均的な加入期間に差があるということでございます。そういう中で夫婦ともに4
0年間常用雇用の世帯をモデルとして考えることは可能であろうか適当であろうかとい
うことがあろうかと思いますし、賃金につきましても、今こういうふうに男女差がある
。これまでは男子の平均的な報酬額を用いて設定してきたけれども、現状では男性より
低い女性の賃金水準をどう考えるか。特に、女性の賃金は、平均的に申し上げますと22
万円という数字をご紹介いたしましたが、就労期間が短いためにこのような構造になっ
ておるという要素もあるわけでございまして、例えばある程度の期間を就労すると考え
ますと、この賃金額はそのまま使えるのかどうか。あるいは男女の差みたいなものをど
う考えるかということがあろうかと思います。
最近でしたか、交通事故の遺失利益の計算で、女性の方が亡くなったケースにおいて
、男女の平均で利益を計算するという判例があったということが報道されておりました
が、その場合、男性は下がるのかという議論があったわけですけど、同じような議論が
このモデルということを考えるときに出てくるのではないかと考えられます。
それから、加入期間ですが、例えば短時間労働者の厚生年金適用や育児期間の配慮措
置を併せて考える必要があるのではなかろうかということも指摘できるかと思います。
28ページにまいりますが、今度は年金の水準の問題でございます。今は夫婦の基礎年
金と報酬比例年金で夫の手取り報酬の一定割合、概ね6割という説明をしておるところ
でございますし、そのあたりを政策目標にして年金水準を設定してきておるわけでござ
いますが、共働きモデルにおいてどう考えるのか。いろんなパターンを、先ほどの図に
則して書いてみたわけですが、例えば現役男子の平均の手取り月収の40.1万円と今のモ
デル年金を比べると59.4%、これが概ね6割という説明をしておりますが、例えば、右
側から2番目にあります単身者40年という方で考えますと、基礎年金分が1個少ないと
いうことですから、この置き換えの率も変わってきまして、機械的に計算しますと42.6
%という数字になる。
あるいは夫婦共働きで夫が40年、妻が23年9月という期間がある方の年金額を分子に
置き、40.1万円を分母において計算してみますと、74.6とか68.3という数字になります
が、夫婦の報酬額で考えてみますと、女性の22万円からボーナスとか可処分所得の比率
を掛けまして、夫婦ともにどれくらいの手取りかということを考えて、それぞれのケー
スにつて分子、分母の割合を出してみると、40年加入ケースでいうと46.6%になります
し、23年9月のケースでいいますと50.4%になるということでございまして、ここで申
し上げたいのは、従前のように男子の報酬額のみを用いた説明はおそらく変わるのだろ
う。その際、何に対して大体どれぐらいの代替率を設定して年金の水準を考えていくの
かということが議論としては必要だということでございます。
次の29ページですが、平成11年の全国消費実態調査の結果から、高齢期の消費支出と
現役期の収入、消費支出の関係をまとめたわけですが、それぞれ世帯主だけが働いてい
る世帯、世帯主とその配偶者のみが働いている世帯の収入、支出の構造、高齢者夫婦の
世帯の消費の構造をまとめたわけでございます。
平均的に見ますと、共働き世帯は片働き世帯に比べて世帯主の収入だけで見ると低い
わけですが、夫婦合わせた収入で見ると高いということを示していると思いますが、一
方で、高齢者の生活について、現役時代どういう経歴であったかということのデータは
ありませんが、一般的には高齢期の生活は現役時代の片働きであったか共働きであった
かということとは依存しないと考えられますので、そうしますと片働き、共働きであら
われております勤め先収入、可処分所得と高齢者夫婦世帯の消費支出の割合を、機械的
な計算でありますが、置いてみますと下の表のようになります。
こういったデータも考えながら、夫婦合わせた報酬額をベースに考えた場合の適切な
年金水準、特に現役世代の手取り収入に対する割合をどう考えていくかということが論
点になろうかと思います。
最後、第3号被保険者に関する論点についての追加の資料でございますが、前回、特
に基礎年金の費用負担について図示をしたわけですが、その図示に関してのご指摘がご
ざいましたので、改めてその意を酌んで図示をしてみたわけです。前回の資料と比べま
すと、箱が3つ書いてございますが、真ん中の箱、第3号に係る拠出金負担は、第2号
、厚生年金制度の中全体で負担する。左側の箱が右側の箱のように薄く乗っかった上で
この費用を、実際には個々の被保険者が報酬に比例して負担をしているというふうに説
明ができるかと思います。
次の31ページでございますが、こういう考え方で、前回ご議論をいただいた第3号被
保険者の保険料負担に係る考え方のうち、夫の保険料に第3号被保険者の分を賦課する
3番目ないし4番目の考え方を併せて図示をしますと、31ページのような資料になりま
す。現行の仕組みは第2号被保険者全体で負担ということでございますが、3番目ない
し4番目いずれも「3号あり」、「3号なし」と書きましたが、要は第3号被保険者を
抱える世帯のサラリーマンのみにこの第3号分の負担を求める。負担の求め方が、上の
方、第3番目の考え方では、変更後の定率負担に一定の保険料を定額で加算をするとい
うことでございますし、4番目の考え方ですと、この考え方が定率の負担になるという
ことでございます。こういうふうに考えていただけると、それぞれの案の考え方がわか
っていただけるかと思います。
32ページ目でございますが、今回、短時間労働者への厚生年金適用のテーマで資料を
まとめたわけですが、前回ご議論いただいた第3号のケースと併せて考えますと、特に
保険料率に結果的に差がつくという4番目の考え方と短時間労働者への厚生年金適用と
いうものを併せて考えた場合にどういう結果になるかということで、この間と同じよう
な形でシミュレーションをしてございます。この短時間労働者の適用については、先ほ
どご説明したとおり、適用拡大後の報酬下限については、適用拡大に伴って引き下げて
、6万円なら6万円の比例負担ということで負担を求めるという前提での計算でござい
ますが、それぞれ移行後にどう変わるかということを示してございますが、右側の列を
縦に見ていった場合、報酬40のサラリーマンがいると。その配偶者が全く働かない場合
、あるいはぎりぎり適用される報酬6万円という水準で働いた場合、10万円という水準
で働いた場合の給付と負担を見たわけですが、これを縦に並べてみますと、わずかに働
くことによって保険料負担は下がり、給付は増える、こういった帰結になっていると。
言い換えますと、妻が厚生年金の適用になるぎりぎりの水準で働くことで、これが非
常に有利な選択になるという帰結になることをどう考えるかということも併せて考えな
ければいけないかと考えまして、このような指摘をいたしました。
以上、説明が長くなりましたが、終わります。
○袖井座長
どうもありがとうございました。大変丁寧に説明していただきまして、いろいろ問題
点がクリアーになってきたかと思います。
それでは、まず最初に「短時間労働に対する厚生年金の適用の在り方」につきまして
、御質問とか御意見ございましたら、どうぞ。
○永瀬委員
短時間についてですが、短時間にも適用拡大するというのは基本的に大変いいことな
のではないかと私自身は思っております。ただ、いただきました資料の13ページ目の表
ですが、どんなぐあいか計算をしてみました。払う方は報酬の17.35 %の保険料である
という仮定のもとで、 払うものに対してどのくらいの給付がつくかという点に関して
言いますと、第3号である人の場合には、実は基礎年金分の給付 1,675円は、もう既に
夫分でついているというふうに解釈できますので、自分が支払う保険料1万410円払
うのに対して追加的につくのは 1年あたり429円の年金給付です。これは月給6万円の
人についてです。
一方、第3号でない人については、同じ1万 410円払うのに対してつく給付部分は 2,
104円である。つまり、未婚者は1万円払って 2,100円分つくと。ところが第3号であ
る場合は、同じ1万円払っても 429円がつくのみであると。そういうような計算になっ
ております。なお、3号の配偶者がいる人については、同じ1万円に対して、2,100円と
1,675円をたして3,775円の年金給付として反映される。そうした差があることに変わり
ません。
そういった基本構造がなぜあるかというと、それは第3号という制度があるとからで
す。ここのところをどう考えるかというのを少し整理しませんと、私は短時間も入ると
いうのは非常にいいことだと基本的には思いますけれども、ただ、本当にここの論点の
中に書いてあるように、女性に対する年金保障の充実が期待されるのかというと、こう
いう改正をしただけであると、一番メリットを受けるのは単身の短時間、もしくは短時
間で第3号の妻がいる人に関しては一番メリットがいくかもしれませんけれども、本当
の意味で、短時間で共働きしているような世帯にとっては、保険料に対する対価という
意味では余りいい改正ではない。ですから今の制度をそのまま単純に短時間にまで拡大
するとよくなるかというと、そうではないということをご指摘したいと思います。つま
りもうひと工夫必要ということです。
○住田委員
私も3号を撤廃した上で短時間労働者へ適用拡大という考え方に賛成をしたいと思い
ます。14ページでその利点と問題点が区別してありますので、これに基づいて問題点に
ついて一言ずつ申し上げたいと思いますが、まず問題点の1つ目、これは事業主の保険
料負担の増加、これは事業主の問題ですから、ぜひコメントいただきたいと思います。
2つ目の「○」、これは3号を撤廃すれば、3号の方の負担を今度低い2号の方で負
担するということですが、これについては今回の改正のまさに趣旨でありまして、この
ことに対して合意がより広く得られる可能性があると思います。
3番目は、夫が第3号被保険者という、こういう事例を挙げてあるわけですが、3号
を撤廃すれば問題はクリアーできると。
その次の4番目ですが、調整行動が残る懸念はないか。私はあると思いますので、で
きれば適用拡大というよりも、所得に比例した保険料という考え方をとっていただきた
いと思います。
それから、その次の雇用コストの増加であるということですけれども、これにつきま
しては、専業主婦を前提として雇用していた事業主は、今後はパートが安上がりの労働
でなく、専業主婦を持っている夫を雇用するのはそれなりのコストがかかるのだという
ような意識変化をしていただく必要があり、このことは非常に結構なことだと思ってお
ります。
医療保険に関しましては、年金制度全般にわたる問題ですので、ここだけでのコメン
トは必要ないと思っております。
○袖井座長
駒村委員。
○駒村委員
今のお二方のお答えとほぼ同じなのですけれども、まず前提としては、社会保険のサ
ービス経済化の中で、また労働進出の中で社会保険の加入者をこういう形で適用拡大す
るのは賛成です。
応能負担の範囲が広がるということも大変結構な流れだと思いますけれども、2つほ
どまだ論点があると思うのは、1つは、先ほどお二方がおっしゃったように、3号の問
題をどう考えるか、決着がついてないと評価しづらい。というのは、仮にこの結果、残
った3号というのはどういう世帯の3号なのかというのが明確にならないと、逆に前も
申し上げたとおり、ピュアな3号が残ることになってしまうのではないか。そもそも3
号という問題が存在しないという見方を持っていれば、これはしようがないことになる
のですけれども、これをどう考えるか。
もう一点は、制度がこういう柔軟な働き方をしている人にかけることによってかなり
工夫をしないと制度が不安定化につながるのではないか。厚生年金という、今一番しっ
かりした部分が不安定化するのは非常に恐るべきことだと思います。というのは、これ
は17.35 %ですけれども、被用者保険全体で考えますと、政管又は健康保険の 8.5+児
童手当みたいなものも厚生保険特会からとりますので、1%引きますと 26.85%、事業
者負担が13.425ですから、雇用保険の 1.5%の比ではないということになるわけですね
。
こういう費用がどういう形で行動にあらわれるかというと2つあり得まして、労働需
要と労働供給の方がそれぞれ反応するわけでして、労働需要である企業の方は、これを
価格に転化するか、それとも投資家に対する報酬をカットするか、それとも労働者にこ
れを反映させる。価格に転化することは余りない。もう一つは、企業収益を減らすとい
う対応をするか。それとも労働者の人員減、機械に代替させるか、それとも賃金カット
にするのか。それとも一番まずいかもしれませんけれども、64万のところでパート需要
の方の壁をつくって、1人のところを2人に分けて、実際には透明にしてしまうという
反応だって労働作業の内容によっては可能なことになってくると思うのですね。
一方、労働者の方は、64万のところでとめられるわけですから、2カ所に行くと。マ
ルチパートみたいな形になってしまえば、まさに3号は透明化してしまうという問題が
起きて、かなり工夫をしなければならない。
もし、これをやるならば、先に3号問題をどうするか決めた後に、順序があって、そ
の後、このパートの範囲を広げていけば、例えば第IV案みたいな形で全員一応逃がさな
いという形にしておいて、あとは応能負担の範囲を徐々に広げていくという手順がある
と思うのですね。
こういう工夫が大変必要ではないかと私は思いました。
○大島委員
問題点の3号被保険者となった者が保険料負担を増加することをどう思うかという点
なのですけれども、この点に関しまして、川崎市のプラスワンという学習グループの方
がアンケートをまとめた「専業主婦の立場から年金制度を考える」という資料をいただ
きまして、ちょうどその中にパートの人にも厚生年金の保険料の支払いを求めて、将来
収入に応じた年金が受け取るようにするのはどうかという案があるけれども、これをど
う考えるかという設問がありまして、この問題に関する回答としては「納める」、「生
活が苦しくなるが、将来を考えて納める」という回答が55%に達しているという結果が
出されていました。
それから、また3号負担に関する設問でも、現行の1万 3,300円は重いけれども、 5,
000円か 7,000円であれば、負担はしてもよいというような結論を出されていたのです
けれども、ですから適用拡大ということでは、3号も受け入れることは可能なのではな
いかと思います。
私も3号を全員が支払うようにしていく方がいいという考えを持っておりますので、
今まで3つの層に分けられていた女性が、更に4つに分断されてしまうのではないかと
いうことは懸念されます。
2番目の給付設計に関する影響というところは、今お話されたように、専門家の方の
お話で、これがいいか悪いかということは、また考えていきたいと思います。
○袖井座長
どうもありがとうございました。ほかにどなたか、どうぞ。
○下村委員
どの例を見ましても、育児期間中の支援ということで、その期間は免除するとか、払
ったものとみなす、というふうな考えがあたかも子育て期間中の女性の支援というふう
に聞こえてくるのですけれども、ドイツの例などはそうかと思うのですけれども、乳母
車を押しているのが労働とみなされて、結局女性がその間育児に専念するということを
ますます進めるような感じがしなくもないのですね。
あと2025年くらいになりますと、これは旧労働省の推計だったと思うのですけれども
、20歳から60歳までの女性のほぼ7割くらいが就労するというふうに推計されてまして
、そういうときにでも、結局M字の底というのは依然として残っている形で推計されて
いますが、M字の底のところの期間を、年金額の給付の方の保障があるというふうにみ
なさせる錯覚を起こさせるような支援にさっきのはなりかねない。原則、私も3号から
も徴収し、あるいは育児休業中も、別途育児に対する手当という考えで手当てをしてい
くという感じで一応働く者、収入のある者からは全てそれなりにいただくといった方向
が望ましいのではないかと私は思っています。
○袖井座長
今、下村委員から育児に関する支援についても、そちらの方にも話が移っております
が、もし短時間勤務の問題について、特にご意見がこれ以上ないようでしたら、育児期
間……。
○中原企画官
駒村先生おっしゃった多重就労の問題については、ある程度労働問題についての専門
的な見地からの検討が必要かと思いますが、若干補足で、多重就労の問題について考え
る場合には、例えば樋口先生の案によることが適当かどうかということは今後の検討に
よるとして、例えば週20時間をもって適用するという案に仮による場合でございますが
、適用を免れることで、保険料負担面でのメリットが例えば労働者でどれぐらいである
かということで言えば、大体パートの平均時給 800円ぐらいとすると、月で7〜8時間
位の労働に相当し、週にすると2時間短縮することで適用を免れる人に限って労働者に
ついてはメリットが出てくる。つまり週20時間の所定労働時間とか、21時間の労働時間
の方であればメリットが考えられるけれども、それ以上の方が労働時間を短くすること
で適用を免れた場合には手取りが減ってしまうと、こういう問題が出てくるわけですね
。
それから、事業主の調査などでも、かなり短い短時間労働にした場合には管理が難し
くなるとか生産性が落ちるとか、そういう企業の意識もあるようでございます。企業の
側から言っても、例えば通勤費についてはパートでも多くの場合支給されておりますが
、短くして倍払うのかというと、恐らく通勤費を2人分払った場合には一番安い 5,000
円の計算の場合だと多分上回ってしまうことがある。
○駒村委員
上回るというのは何ですか。
○中原企画官
通勤費のコストが保険料を免れるメリットを上回ってしまうこともあるのだろうと。
それからもう一つ、パートのほうの供給の側の問題として、パートについては、厳し
い雇用情勢ではありますが、有効求人倍率は1倍を超えているような状況にありまして
、不況の中で労働移動自体は増えておりますけれども、例えば、週18時間で2つ働きな
さいということになった場合に、その地域に唯一そういう企業しかない場合であれば別
ですけれども、実際にはそういう状況にもないと。
ですから講学上の議論としては多重就労をやることで適用を免れるメリットというの
は考えられなくはないのですが、実際には、労働市場の状況を見た上で慎重に考える必
要があるのではないかと思っております。
○袖井座長
駒村委員どうぞ。
○駒村委員
私はまさにそれを申し上げたかっただけでして、それはそれでそういう形になってい
きますけれども、新しく出てきた事業主負担というのはどこかに吸収される。つまりす
っかり更に消えちゃうわけはあり得ないわけですよね。どこかに吸収されるという話で
、労働者の可能性もあるしと。しかし労働者のところに賃金カットなりで押しつけられ
ていくのでなければ、これは企業、また消費者が負担するだろうと、そういうことを申
し上げただけであって、ただのフリーランサーはないということを申し上げただけで、
可能性としては労働者の方に行くのかもしれないなと。
そのときに被用者保険全体の不安定化ということにつながらなければいいなと、こう
申し上げただけですので、そうなるというわけでもないですし、これは実態のところを
見てみなければ何とも言えない。これはサービス内容にもよると思うのですね。1人で
できることを2人に分けたら、こんなに非効率的なことはないものも多いと思うのです
ね。だから、企業はそう反論しないのかもしれないと思いますし、それはそうだと思い
ます。
○中原企画官
ありがとうございます。例えばパートの能力の有効な発揮につながることで、生産性
が向上するとすれば、それは場合によってはだれの負担もなく、社会全体として、それ
がそのまま利益につながる可能性もありますし、先生のおっしゃるように、業種とか企
業の状況によっては、いずれかにその負担が寄っていくということもあり得るだろうと
、それはご指摘のとおりではないかと思います。ありがとうございました。
○袖井座長
堀委員どうぞ。
○堀委員
短時間労働者に対する厚生年金の適用の問題ですけれども、今後労働力が減っていく
、少子高齢化が進む、そういう状況ですので年金制度の担い手を増やしていくというの
は、私は基本的にいい方向ではないかと思います。また、130万円という基準も、諸外
国と比べて高い。負担できる人は負担していく、そういう意味でこの額を引き下げるの
は基本的には賛成です。
ただ、負担能力がない者をどうするかが問題です。能力に応じて負担をしてもらい、
必要に応じて給付をする、そういった社会保障の原則からいって、第3号被保険者制度
を現在において廃止するのは私は行き過ぎではないかと思います。
言い忘れましたけれども、支え手を増やすという意味だけではなく、パートを雇って
厚生年金を適用してない事業主は、本来、負担すべきである労働費用を負担してないと
いう意味で、パートにも厚生年金を適用していく必要があります。パートに適用しない
のは産業間とか企業間で不公平な競争を招いているという意味でも、働いている人には
できるだけ厚生年金を適用すべきだと思います。
ただ、ほかの社会保障給付は大体納めた保険料に比例をするという、そういう仕組み
であるのに対して、年金制度だけは定額部分+保険料比例部分という仕組みです。した
がって、非常に低い賃金、すなわち低い保険料の場合には代替率が物すごく高くなる。
社会保障の仕組みとして、高所得者は低所得者に所得を移転するのは望ましいという考
え方もあるとは思います。しかし、例えば現在は標準報酬の最下限は9万 8,000円です
が、9万 8,000円の賃金を、例えば40年間もらい続けたとすると、9万 8,000円より高
い額の年金、10万円とか11万円とか出るのですね。代替率が 100%超すんですね。そう
いうシステムというのは果たしてどうか。
永瀬さんが先ほど数字挙げて矛盾があることをお話したのですけれども、第3号があ
るというだけではなくて、年金制度が定額プラス定率の給付であることも1つの原因だ
と思います。以上です。
○袖井座長
堀先生はそれをどうすべきだとお考えなのか、そのままでいいという感じですか。お
聞きしたいのですが。
○堀委員
時間とか日数についての4分の3の基準を下げたり、あるいは 130万円という基準を
下げると、そういうのが私の案です。これは前から言っているとおりです。
○袖井座長
ありがとうございました。堀岡さん。
○堀岡委員
パートの問題については、14ページに書かれているような課題、問題点がありますの
で、全体の皆さんの合意がとれるかどうかというのが問題だと思いますが、私自身が思
いますのは、適用拡大、4分の3だとかが2分の1になるとか、65万になると、今まで
保険料ない方が保険料負担されると、こういう合意がとれるかという問題。それから、
実際の給付の方で見て、例えばここには年金ではないのですが、健康保険も自己負担を
3割から2割にするというのがいいのか。
それから、給付についても、第2号被保険者になることで、標準報酬の月額が今の金
額だとすると、 8,500円程度で基礎年金+報酬部分が出るよと。そういう意味で納得性
が得られるのかという問題と、更に6万円に下げると、より少ない金額で基礎年金+上
が出ると、そういう合意がとれるのか。
私どもが一番心配しているのは、年金財政全体の問題で、労使が折半で保険料を負担
しているのですが、パートが増えるというか、適用拡大することによって給付の方も増
えていきますので、それが年金財政にどういう影響が出るのか、こういう問題とか、あ
るいは負担する、要は支える側が増えるという意味合いで本当に財政がよくなるのか。
そういう負担と給付の問題というのが明確にならないとなかなか判断できないのではな
いかと思っています。
それから第3号そのものの問題については、前回出てきた案を見ますと、幾つかいろ
いろ問題があって、事業主負担が前提であると、労使負担がこれ以上、先ほども出まし
たけれども、保険料の負担というのは限界があると思っていますので、少なくとも財政
できちんとするという意味から、給付そのものの見直しというのが必要ではないか。
これも前回言いましたが、3号の問題を解決するには、この間のIからVIという案で
はなくて、まさに1階の基礎年金については国庫負担、あるいは税方式、目的税方式、
こういうことにしない限り解決できないのではないか。抜本改革をしないと3号の問題
は難しいのではないか、こういう気がしております。
○坂本数理課長
今、堀岡委員のお尋ねのパートへの適用拡大に伴う年金財政の影響でございますけれ
ども、これはどういうふうな前提で見るかというところでかなり難しい面はございます
けれども、1つ達観して見てみますと、まず収入は増えて、将来的に給付が出ていくと
いう形になるわけでございますけれども、これで長期的には収支がバランスすると。ほ
ぼ中立的であると考えています。
また、このような適用拡大に伴いまして、今後非正規的な雇用が増大していくことに
伴います厚生年金の財政の不安定化がかえって防げるというメリットもあるのではない
かと考えております。
○堀岡委員
そういう意味では、具体的なそういうバランスがとれると、費用と負担あるいは年金
財政への影響という資料がもしございましたら、提供していただければと。
○坂本数理課長
そこはよく検討させていただきたいと思います。
○袖井座長
できますでしょうか。できれば、そういう資料も、ただ、人口推計とか経済成長とか
がどうなるかというのはかなりわからないのですが、お願いしたいと思います。ほかに
よろしいですか。どうぞ、高島委員。
○高島委員
皆さん、今提起された内容についてそれぞれの最終の答えを出していらっしゃいます
けど、私、ちょっと質問したいと思います。先ほど堀さんがおっしゃられたこととも関
係しますけど、4ページに書いてあります厚生年金の適用基準をどうして強引に決めて
きたのかということが資料として説明されているわけですね。これは労働省のことにな
るかもしれませんけど、パートタイマーというのは労働者なんじゃないですか。本来、
被用者扱いされるべきでなかったのですかと。だけど、収入要件を切ってきたというこ
とで 130万円。最初はここに書いてある70万円から倍の 130万円になっているのですけ
ど、こういうふうにしてきた理由ということについては、今のは一緒になっていますけ
ど、厚生省はどういうふうに説明されてきたのですか。なぜこうしたのですか。局長か
審議官で答えてほしいと思います。
○榮畑年金課長
今のお話でございますが、 130万かどうかというより、厚生年金で適用するかどうか
というより、むしろ4分の3かどうかというようなお話だろうと思います。それは厚生
年金、基本的にはある企業で働く普通の一般の労働者、常用労働者の方を想定して、そ
ういう方に対して社会保険・厚生年金を適用させていこうという考え方があってしかし
、その範囲をどうするかということでも、常用労働者の方の労働時間、日数の4分の3
ぐらいまでならば常用と考えてもいいのではなかろうかというような整理を過去55年の
段階でしたのではなかろうか。そこまでを厚生年金の適用の基準として、そこから下は
厚生年金ではないと。
あと、昭和61年に第3号制度が導入された際に、3号というのはどこまでかというの
で、当時の健康保険の基準に則して90万と。それがだんだん上がってきて 130万となっ
ているということなのだろうと思っております。しかし、基本的などういう人が厚生年
金で適用してカバーしているかという考え方が、就労雇用形態が多様化して変わってく
るときに、55年当時の考え方、普通に働く一般常用労働者の方を想定してやっていくだ
けだと、むしろ今お話のように、被用者・労働者としての年金保障という点からも欠け
るようなことがあるということで、そこを変えていけばどうかというような今回のお話
につながってきていると、そんな感じかなと考えております。
○高島委員
というと、それは数が少なかったからという説明ですか。数が少ないから、それでや
っているわけですか。
○榮畑課長
働き方が多様化してきているということに対してどういうふうに考えていくかという
ことなのだと思います。
○高島委員
実際には今だって事業主の方もパートタイマー本人も 130万円を上げてほしいという
要望というのは半分ぐらいありますよね。どうしてほしいですかというと。そういうも
のに対してはこれまで答えてきていますよね、ずっと昭和52年から。そして常用労働者
についてはそういうことは一切許されないで、これは義務なんだと。こちらについては
答えてきたというのは一体何なのでしょうか。
○榮畑課長
先ほどもちょっとお話させていただきました 130万をどうするこうするというのは厚
生年金の世界と関係ない世界でございますから、それを上げる、上げないというのは、
厚生年金の適用をどうするこうするというのとは基本的に違う話というふうに整理させ
ていただければと思っていますけど、現行は。 130万上げる、上げないということに関
して、別に企業側からどうのこうのというお話はきっとないのだろうと思います。
○高島委員
関係ないといって、ある意味で言えば、パートタイマーの人たちに対する、恩恵とし
て考えてきたのではないのか、私が言っているのは。このぐらいならいいでしょうと。
保険に加入しないメンバーにして、3号で、もともとこの人たちは3号扱いにしている
から、この人たちの分は2号で基礎年金分の保険料負担しているし、本人は、基礎年金
もらえるからいいじゃありませんかと。厚生省もそれで財政つじつま合っているから、
それでいいんじゃないですかというふうに考えていた。むしろ、入れる方が負担が増え
るから嫌なんだというふうな説明ではなかったんですか。
○袖井座長
堀委員、何か。
○堀委員
余計な説明かもわかりませんけれども、社会保障の歴史を勉強していますと、健康保
険あるいは厚生年金保険というのは基本的には労働者保険であったとされています。特
にブルーカラーに対して適用された。最初は労働者だけ、家族に対する給付もなければ
、ホワイトカラーに対する給付もない。厚生年金で言えば、女性にも適用していない。
それはなぜかというと、労働者が病気になったりけがをしたり、死亡したり老後になれ
ば、一家の働き手の所得がなくなるから、それに対して所得補填、あるいは医療の給付
をしましょうということで始まったんですね。
その後、家族、ホワイトカラー、女性に適用する、こういうふうになってきたのです
が、当初の考えはそういうことだった。今でも厚生年金保険法に、臨時的雇用には適用
しないと書いてあるわけです。すなわち、現在でも常用雇用を対象にするという建前な
んですね。 常用雇用の解釈について厚生省が一応4分の3を基準にすると決めたとい
うことです。
ただ、そういう常用雇用とパートタイマーの間に、だんだん境がなくなってきたので
、パートにどう適用していくかが問題になってきた。また、厚生年金は基本的には片働
き世帯をモデルにしてきた。男性が賃金を得て家族を養うという形です。それもだんだ
ん崩れてきたので、いろんな問題、社会経済の変化に伴っていろんな問題が生じてきた
と思います。
○袖井座長
ありがとうございました。ちょっと時間が。
○高島委員
今、堀さんがおっしゃられたような経緯があって、ここで議論しようとするわけです
から、先ほど課長が就労形態が多様化したからこういう検討が必要だということだとす
ると、これからの雇用労働がどうなるか、女性の実態がどうなのかというやつをもう少
し丁寧に見ないといけないのではないかと私思うんですね。さっき2つ雇用ができると
いったら、その次に2倍も払わないよというふうにおっしゃられましたけれども、本当
にそうなんだろうかと。
例えば、労働省の方で、労働基準法で有給休暇をパートタイマーの人も5日間適用し
ますと言ったら、途端にそれまで1年やっていた雇用契約が6カ月雇用に切り替えてし
まうようなことが行われたりというふうに非常に敏感に反応しているというのですか、
それを社会保険労務士の人たちが、こうした方が得ですよと教えるものだから、非常に
敏感に反応するという、これは例えば名義を変えて、2〜3日休ませて、また続けると
いう、5日休ませて続けるとかいろんな方法を考え出してくると思うんですよ。
私は基本的にパートタイマーであっても、外国の収入基準から見れば、日本は余りに
も高過ぎると。だから、この人たちは雇用労働者なんだと。だから雇用労働者は雇用労
働者として被用者保険に入れるべきなんだというふうに基本的にすべきだと思うんです
けれども、その入れ方について、これにかかわる問題についてもう少し議論をしないと
、総論だけで、これはいいとか悪いとかという話をしていいのかという疑問があるので
、それはこちらの14ページの方にいろいろ書いてありますけれども、これはもうちょっ
と続けて議論すべきだと思います。
もう一つ、派遣労働者の場合についての厚生年金の適用について議論になって、私は
詳しくはないのですけど、女性労働者が多い派遣労働者は今どういう扱いにしているの
ですか。
○榮畑課長
派遣労働者もいろんな形態の派遣がございますが、例えば登録型の派遣というふうな
ことを考えますと、派遣元の方で適用されますけれども、仕事があってどこかの企業に
派遣されているような期間、厚生年金に適用されて、仕事がなくて待機しているという
ような状態のときには適用がないと、そういうような形になってございます。登録型は
派遣されて仕事をしているような期間、派遣元の派遣事業者の方で適用されるというよ
うな形になります。
○高島委員
派遣労働者についても、年金の立場から言うと、この人たちの生活の主体というのは
何だというふうに思っているんですか。というのは、働いているときだけ労働者で、働
いていない期間は無業者だけれども。この人たちは労働者なので、基本的に給料もらっ
て生活している人だというふうに考えて、老後保障もそれに対応しなければいけないグ
ループの人だと考えているのか。いや、働いている期間だけ入っていればいいんですよ
と考えているのか、どっちなんですか。
○榮畑課長
そこはまさに派遣の期間なり、派遣の待機期間、これが実は派遣のいろんな形態にお
いてまちまちでございまして、なかなか一概に整理できにくいところなんですが、基本
的には今お話させていただきました派遣されて、まさに働いているような期間は労働者
・雇用者としての年金保障の対象になるべきなのだろうと思っています。
実態的には大体登録型の方の6〜7割ぐらいが厚生年金の適用を受けているというふ
うな感じの調査がついひと月ぐらい前に整理されて出されたところでございます。
○高島委員
どちらかというと、ここ数年は正社員の採用口がなくなっちゃっているものですから
、大学を卒業しても高等学校卒業しても最初からパートで働く人たちが出てきている。
最初から派遣で働く人、派遣の方はどちらかというと、時間当たり賃金はいいですから
何かいいみたいに思われていますけど、今度この人たちは逆に言うと、35歳ぐらいでも
う仕事がなくなっちゃう。仕事要件で働いているにもかかわらず、35歳ぐらいになると
もうだめですと言われてしまって、この人たちもまたパートに行かざるを得ないわけで
すよね。
だけど、この人たちの生活の主体は何なんですか。働いて得る収入じゃないですか。
それをもともと結婚して、夫の給料に依存しながら働けばいいんですか。そこをもうち
ょっと綿密な資料を私は出してほしいと思うんですよね。派遣労働者の内訳、一体どう
いうものなのか。パート労働者の内訳の、今少しここへ出てきましたけど、更に最近は
3年の契約労働も出てきていますよね。ですからここの3年の契約労働も、若い女性た
ちが、これはかなり入っている。
5.3%という失業率が出ましたけれども、長期失業がかなり出てきていると。失業は
ここでは余り言いませんけれども、失業している間というのは年金というのは一体どう
なっちゃうんだと。みんな国民年金に入ればいいじゃないですかという話だけなのか。
私たちは女子と年金について検討しているけれども、女性の就労安定と老後保障という
こと必要です。女子の年金という、制度のことと給付の話と負担の話が常に常にセット
で出てくるのですけれども、女性の生涯を制度的な面で、どのように整理するのかとい
うのがまず一貫してあって、その後、負担と給付の実態を女性の生涯に年金の果たして
いる実態を注意深くみていく必要がある。先ほど堀さんがおっしゃられた最初は男の世
帯主を考えてつくった年金制度なんですという話だけど、今や男の世帯主だけの話では
なくなってしまっていると思うのです。
○袖井座長
すいません。高島委員がちょっと長くなっていますので。
○高島委員
議論しなければいけないと思うのですけれども、それが足りないのではないでしょう
か。
○袖井座長
先ほどの事務局の説明で、確かに特に女性は非正規が非常に増えているという統計資
料が出ておりまして、できましたら派遣の資料も今度出していただきたいのですが、ち
ょっと私、高島委員で気になるのは、出してください、と言うのでなくて、私どもが検
討しなければいけないので、何でも事務局に出してくださいというのは見当違いではな
いですか。私たちでもやはり考えるべきだと思うんです。
それから、今の資料で、皆様ごらんになったんですけど、この4分の3条項みたいの
は、昭和25年にできているんですね。今戦後50年、半世紀以上ですから、それも見直し
ということで、そちらの方で一生懸命苦しい説明をなさっているけど、私は本当は、今
、高島委員のおっしゃったことは、旧労働省がもうちょっと本腰を入れてやらなければ
いけない問題ではないかなというふうに考えております。
申し訳ありませんけど、時間がだんだん押してきちゃって、司会していると大変スト
レスになっちゃうのですが、申し訳ありませんが、育児期間と時間もないので一緒にや
ってしまいたいと思いますが、育児期間等の取扱いと、それからどのような世帯をモデ
ルにするかということにつきまして、何か御意見ございますでしょうか。これもまた非
常に複雑でございますが、できましたら育児期間等の取扱いについて先に、駒村委員。
○駒村委員
この議論もこういう制度を入れる政策目標は一体何なのかというのを明確にしないと
議論が空回りしてしまいまして、子育て世帯へに対する生活保障支援みたいなものを意
図しているのか、それとも子どもがいて働けないため、年金加入が不利になることに対
する保障を意図しているのか、それとも年金への貢献、賦課方式の社会保険のシステム
では、少子化のリスクが一番恐ろしいリスクですから、それに対してそれを防止する年
金への貢献という点から、この政策目標に入っていると言えるのか、これがどれなのか
ということによって変わってくると思うのですね。最初の生活保障への支援ということ
であれば、これは年金でやる必要はないということになってしまいますけれども、一番
最後の年金への貢献ということになってくれば、これは年金の近いところでやるべきで
すし、被用者に限定せずに、全国民年金加入者に対しても受けられる仕組みを考えなけ
ればいけないと思います。
○高島委員
育児休業中の年金保険料免除の制度をつくるときに、当時の年金局長と話し合って、
こういう制度をぜひ入れてくださいといったときに話をしたのは、1つは第3号被保険
者制度があるではないかと。2号が3号の基礎年金部分を負担している。しかし、育児
休業で休んだ人たちは、収入がなくても社会保険料を払わなければいけない。これは2
号全部で休業中の保険料を負担してもいいではないですかということで、労働者分を先
に免除しましょうと。
その後、日経連の人に経営者分も経営者が全部で負担すればいいではないですかと申
し上げた。そういう議論をして、日経連も主張なさって免除されてきたという経過をた
どったと思うのですね。
雇用労働者は賃金で生活をしている。そのときの賃金がなくなってしまったら、育児
休業中だとしても生活費は必要なのですと。ましてや夫がいない子どものいる人、子ど
もが生まれてすぐ夫が死んでしまう場合もありますし離婚する場合もある。そういう人
たちは育児休業とるなということですかと。育児休業がとれるようにするためには育児
休業中の所得保障と、もう一つは社会保険料をどうするか。老齢年金を考えると年金加
入期間を継続しなければいけないという議論をした。
もう一つは、当時の労働省の人が言ったのは、やめる人については失業保険給付が出
るのですと。30歳前後だったら、2割程度の所得保障と同じだということです。現在は
4割になっていますが。では介護休業期間の休業保障はどうなんですというと、その理
屈は成り立たなくなっているけれども、そういう議論をした経過でこうなっている。厚
生年金の場合の育児休業中の保険料の取扱いについて全部に広げる問題とは少し違う段
階を経てきていると思うのです。
○住田委員
これは本当に女性にとっては大きな問題だと思いますが、今後の女性の働き方どうあ
るかということで、今、駒村先生がおっしゃったような理念ということで、私自身考え
ているところを申し上げたいと思います。
今の日本の女性の意識といいますのは、以前の表にありましたように、育児のために
仕事を中断するか、それとも仕事を継続するかというと、現在はかなり拮抗している状
況であると思いますが、仕事継続派が増加傾向であるということは間違いないと思いま
す。これは諸外国と我が国との大きな違い、M字型ですが、このM字型の一番大きな原
因というのは、日本は母性神話、3歳児神話、お帰りなさい神話、様々な神話によって
女性が家庭に入らざるを得ないという、そういうことと裏腹の問題ではないかと思って
おります。女性の経済的な自立、エンパワーメントのためには仕事を継続するという方
策をとることの方が今優位になってきております。これは女性の年金問題でも常に問題
になる低賃金の主要な原因であると思います。
育児休業制度自体を私は否定するものではありませんが、長期間の育児休業でべった
り休むという休業制度を取るとということは女性の労働力の質を低下させます。特に仕
事を中断してしまいまして、再就職した場合には非常に選択の余地が狭く、ようやく正
社員になったとしても経済的損失としては 7,200万円、パートでの再就職は1億 8,000
万円ぐらいの経済的損失が出ているという結果が出ております。今後終身雇用制や年功
序列制賃金が変わってくれば、ここまでの大きな逸失利益というのはなくなるかと思い
ますけれども、それでも経済的にも、また労働力の質という面からも、私は仕事を継続
する策というのを一方に優位に持っていくような方策であるべきだろうと思います。
少子化対策を言われるときに、常に女性に対して「産めよ増やせよ」政策と結びつけ
ることについては反対をしております。特に「女性は子どものために家庭に帰れ」とい
う政策についても、そろそろ最後なので、明確に自分の意見を言っておきたいと思いま
す。もちろん家庭でゆったりと子どもを育てられる幸せというのは、私自身も欲しいな
と思ったことがありましたけど、今現在振り返ってみれば、たくさんの方の支援のもと
に仕事を続けられたことのメリットの方が今大きかったと思います。それと育児が女性
の仕事であるということは、固定的な性別役割分担意識そのものでありまして、日本の
男性の家事時間は先進国で最低、世界でも非常にひどい実態がある。これを変えていか
ないことには女性は働きやすくならないと思います。
今の内閣は、仕事と子育て両立支援策というのを第1番目の政策に挙げました。両立
ライフへの職場改革、その他いろいろな諸政策がとられてきています。今回の育休に関
しましても、時間での育休はとれるということでかなり前向きになってきています。女
性が育児をするときに一番必要なのは授乳ですが、そのあたりの保障があれば、また、
病気のとき、病後のときは保育所、その他の様々な育児サービスが整ってくれば、仕事
の中断ないしはやめなければいけないというような状況まで追い込まれることはないと
思います。私の子ども2人は転勤に伴い10カ所ぐらいの保育園に行きました。たくさん
のお母さんを見てきましたけど、一番問題はお子さんが病気をすることによって仕事を
やめざるを得なかったという状況を見てきましたときに、こういう保育サービスが今後
増える。また延長保育も増えると。それも質の高い保育園サービスが増えるということ
になれば十分両立は可能であると思いますので、ぜひ、そういう方向での軸足をとって
いただきたいというふうに思っております。
○翁委員
私も先ほど駒村委員がおっしゃった、こういった措置をとるかどうかというのは政策
目標をどこに置くかということに基本的に依存すると思います。
私自身は働く女性の育児を支援し、また介護を支援するということであれば、年金制
度で対応するより、直接的にサービスを公的に支援していくという方が、いわば女性が
働き続けやすい環境をつくるためには一番よいのではないかというように思います。
そう考えますと、年金制度への要請というのは、そういった女性のインセンティブ、
就労を続けていこうというインセンティブを阻害しないという方向で設計を見直す、イ
ンセンティブ・コンパティブルな制度設計にするという方向でやっていくのが基本的な
方向観ではないかというように思います。例えば子どもの手当を支給するとか奨学金と
かいろいろな提案を委員の方はなさっているのですか、方向としてはもちろんそれはい
いかもしれませんが、今負担が上がり給付は引き下げなけれはならないという非常に厳
しい年金財政の下で、いろいろな政策目標を入れるよりは、むしろそういったインセン
ティブを阻害しないという方向で見直すということでいいのではないかと思います。
また、今ある積立金を活用して融資をするというような、宮武委員の、今、宮武委員
いらっしゃらないので申し上げるのは申し訳ないですけれども、新たな融資を公的部門
が始めるということになりますと、今の官民の役割分担で、民間でできることは民間で
という方向を考えますと、余りそういったところに新たな公的な部門が乗り出していく
ことについては少し懐疑的だということを申し上げたいと思います。
○袖井座長
そういう融資を始めると、また特殊法人ができてというような、天下りが増えるので
はないかということが考えられますが、ほかに、堀委員どうぞ。
○堀委員
今の意見というか、今まで出された意見に賛成で、基本的には就労と育児の両立支援
、両立できるような社会にしていくことが大事です。ただ、年金制度でどれだけできる
かということはじっくり考えていく必要があると思います。
先ほど座長がモデル年金についてもとおっしゃいましたので、それについて述べたい
と思います。先ほど説明がありましたように、今のモデル年金というのは基本的に片働
き世帯をモデルにしている。データにありますように、共働きというのか、厚生年金加
入期間がある妻が半分を超えているということですから、家族の年金額はモデル年金額
よりも高くなっているわけですね。そういう問題があるということが1つです。
私は基本的には共働き世帯をモデルにすべきだとは思うのですが、そうした場合、今
までのように代替率というのですか、従前の賃金に対する比率を基準にすることができ
るかという問題がある。女性が40年フルに働けばいいのですが、女性が働いていない時
期と働いている時期とでは代替率が違ってくるわけですね。資料の計算は妻の賃金額を
40年間でならしていると思います。しかし、それでも年金額の代替率を出すのは無理
なので、これからは、モデル年金は額で出さざるをえなくなるのではないか。従来も1
万円年金とか2万円年金とか5万円年金とか、年金額で出した時期もあります。今は従
前賃金の6割ということですけれども、これは少し変えていかざるを得ないのではない
か。今は片働きで23万 8,000円がモデル年金額なのですが、この年金水準を基準に、女
性の厚生年金加入期間を加味して水準を決めていくべきではないかと私は思います。
○袖井座長
中田委員と堀岡委員どうぞ。
○中田委員
今、モデル年金のモデルの話が出ましたので、少し私の意見を述べさせていただきた
いと思います。何回か前に、宮武委員が夫婦共働きのモデルというのに変えてみたらど
うかとご提案をされていろいろ議論もされてきたのですが、夫婦共働きの場合、難しい
のは、特に女性の方がモデルというのがうまくなかなか設定できないということだと思
います。男性の方は、共働きであっても片働きであっても、独身であっても、それ程極
端に所得の差、勤務期間の差がないと思うのですが、女性の場合は働き方によって勤務
期間も非常に違いますし、所得も恐らく違うというのがあろうかと思います。したがい
まして、モデルといった場合に何をモデルにするかというのがなかなか難しいのではな
いかと思います。
それで、このモデルについても、恐らく目的によって、どう使うかによって、どうい
うのがいいのかという話が出てくるのではないかと思います。現在の使い方ですと、恐
らく2つあって、1つは設定された年金制度がどのような水準にあるかというのを具体
的に情報として流すことがあります。そのために、実際にはフルペンション、40年にな
っていますが、フルペンションのときの水準はどうかということ、それから、実際にそ
の時点で給付を受ける人はどうかというのを2つ出されています。これは私は非常にい
いと思うのですが、そういうできた制度について、どの程度かという、情報として流す
という意味ですと、必ずしも1つに限る必要はなくて、わかりにくければ幾つか出せば
いいという話になろうかと思います。
ただ、もう一つ意味がありまして、このモデルを使って水準の議論をするということ
があります。水準の議論をする場合には、これが幾つもあるとなかなか話がしづらいの
で、1つにできるだけ絞った方がいいということは賛成なのですが、その場合に、すぐ
に共働き世帯ということにいくには、典型的なものがなかなかわかりにくいという問題
があります。
それから、細かいことまで申し上げれば、共働きといったときに就労期間で見ている
のか婚姻期間で見ているかとか、共働きかどうかというのは一時点の話なわけですが、
年金の場合は期間がありますので、何をもって共働きにするのかという問題がございま
す。
もう一点は、これ迄との連続性の話で、ずっと片働きということで水準を議論してき
ていますので、それを変えるのであれば、何か大きな制度変更があったときの方ができ
れば好ましいと思っております。以上です。
○堀岡委員
男女共同参画社会とかそういうのはぜひ実現しなければいけないと思いますし、女性
の就労を抑制するような制度は撤廃しなければいけないと、こう思っていますが、育児
の問題についても、基本的には年金制度で解決するというよりも、むしろいろんな雇用
の問題、税の問題、総合的な見地から検討すべきではないか、こういうふうに思ってお
ります。
また、前回、私は価値観が多様化して家庭に入る方も多いと言いましたけれども、逆
に結婚・出産後も働きたいという人も多くなってきているのも事実ですし、やめてから
もう一度再就職したいと、こういう方も増えているのも事実です。
そういう中で、モデル年金については実態に合わせたモデルの見直しが必要ではない
か、こう思っておりますが、ただ、モデルの水準の問題ですが、資料に出ていましたよ
うに、夫婦とも40年加入では29.9万円、23年9カ月では27.4万円という数字が出ており
ます。 一方、実際の消費支出というのは25万 3,950円とこういうふうに書かれており
ましたが、年金水準というものを、その前の6割とか7割とか、そういう観点で考える
のか、公的年金というのはどこまで賄うのか。いわゆる消費支出全部賄うのが公的年金
なのかと、こういう意味で、私も従来から言っていますように、老後というのは公的年
金があって、私的年金があり、私的年金の中に企業年金があり個人年金がありと。ある
いは個人の所得もあると。
そういう意味からすると自助・自立と自己責任という部分を打ち出していかなければ
いけないので、どこまでが公的年金で保障すべきなのか、社会保障という観点からです
ね。そういう意味からすると、現行の水準は高いのではないだろうか。なぜこう言うか
といいますと、財政という問題が気になって、このままでいくと、将来負担が必ず増え
ると。そうなると企業あるいは個人の負担というのは限度があるので、そういう観点か
らも公的年金という意味の給付水準を見直してほしい、こう思います。
○袖井座長
どうもありがとうございました。駒村委員どうぞ。
○駒村委員
今のモデル年金に関して、これは2つモデル年金という意味合いがあって、1つはマ
クロ的な意味合いがあると思うのです。世代間の公平性の1つの尺度みたいな形になっ
て、賦課方式のときにこれはどのくらいのイメージになるかというのは非常に重要です
けれども、これともう一つは、ミクロ的なイメージをつけるという問題があるわけです
ね。かつてはそれはかなり似たような形でよかったわけですけれども、ミクロの方のば
らつきはかなり大きくきているわけです。ただ、そうは言っても、モデル年金というの
はマクロ的な意味でも大変重要な尺度になってくるわけでして、私は先ほど堀先生がお
っしゃったように、標準的な、ミクロとマクロのギャップが余り大きいと問題になりま
すので、標準的な女性の厚生年金の加入期間が延びるということを加味した形で、一応
こんな尺度で考えるという数字は必要ではないかと思っております。
もう一個だけ、終わりが近いので、32ページのコメントに関して一言反論しておきま
すと、上から2番目のケースが逆転するというケースですけれども、これは夫の所得が4
0万円の家計において、 2,000円とか 3,000円で果たして就業行動が変わるかというこ
とは実証経済学上ちょっとあり得ないので、余り気にしなくても厳密にはありますけど
、気にするほどの問題ではないと思います。以上です。
○永瀬委員
最初にちょっと戻りますが、駒村委員が子育て世帯の保障か、子を持つことが女性の
年金を下げるということへの保障か、あるいは年金への貢献として見るかということを
整理なさって、それはすごく重要なことだと思うのですけど、私は3号を何らかの形で
変えることと、そのことを育児介護期間を考えるということが代替的なのかなと。そう
いう意味で2番なのかと私は考えております。
あと年金への貢献という点では、私のつたない論文を今回また配っていただきました
けれども、このころは年金への貢献というのはもっと考えていいのではないかと非常に
強く思っておりまして、それは今でも変わりませんけれども、それは社会保障全体の中
で考えていく必要があるということも事実、つまり年金だけでは考えがたい点もあるだ
ろうということは事実と思いますが、この点へのもう少し社会的関心が高まってもいい
のではないかということは強く思っております。
それから、先ほど翁委員からのインセンティブ・コンパチブルという話ですけど、私
もそのとおりだと思います。どういうことかというと、社会保険料を払ったことへの見
返りというものをもう少し考えていくということだと思うのです。それは今まで出てき
たモデル年金の水準を考えるということとはやや違う視点のことのわけであります。し
かし、基本的には保険料を払ったことの見返りどう考えるかというのをもう少し明確に
出していくということであって、今まで出てきた短時間に関するものに関して言えば、
既婚女性に対するインセンティブ・コンパチブル、つまり新たな負担をしてもいいよと
いうほどの話にはなってないところで大きな問題があるということを申し上げたいと思
います。
そして駒村委員が、いろいろ問題はあるにしても、1つのモデルとして、共働き世帯
のものも流すべきだとおっしゃいましたけれども、私もそれには同意いたします。年金
制度というのは一見複雑で、かなり詳しそうな人でもよく知らないわけなのですが、そ
ういう人たちがこうなのかと考えるに当たっても、そういうモデルを出していくことが
必要なのではないかと思います。
○袖井座長
モデルについてはどれをご支持なさいますか、永瀬委員は。
○永瀬委員
どれをといいますと。
○袖井座長
いろいろ挙げていただきましたよね。平均でいくかとかいろいろ。
○永瀬委員
老後の公平という話と保険料の見返りという話と両方あるのですけれども、男性に関
しては保険料の見返りと老後の公平が両方表に出てきているのですけど、女性に関して
は余り出てないのですね。出てなくて、ただ老後の公平だけが中心に示されています。
そこを直すべきだと思います。
○袖井座長
高島委員どうぞ。
○高島委員
15ページに戻りまして、上の「○」の3つ書いてあります、介護期間の扱いには差が
認められるという結論で、よその国の事例が書いてあるだけで、その後何も出てこない
のですけれども、私はさっき被用者について、介護休業が法律で認められているその扱
いについて、年金に貢献する、しないということで、どうも分けているらしいのですけ
れども。しかし外国には介護休業制度というのは、例えばアメリカで2週間、スウェー
デンで1カ月ですよね。日本と全然違うのではないでしょうか。介護休業というのが、
これだけみんなが必要だと叫んだのは、継続雇用がしたいから叫んだのですよね。外国
の場合は転職しても日本ほど不利にならないし、家族介護が基本になっていない。介護
休業の必要性の意味が全然違っていて、3カ月で足りない、公務員は6カ月あると。更
にこれが延びるという傾向になってきているときに、外国にもないし、育児と違います
からいいのですと切り捨てるというのは私は賛成できないです。介護休業の扱いについ
て、女性が安定的に働くためには絶対必要な期間だと。もちろん男性もですよ。必要な
期間として年金の中で措置していいのではないでしょう。
次に、私、育児休業にかかわる問題で、先ほどおっしゃられているように、例えば21
ページに書いてありますように、ここに幾つか例として書いてあります。こういうこと
はもう少し綿密に議論してもいいと思います。それはどこのレベルか、また新しく始ま
る年金のところでやるのですか。あるいはここでやるのですか。もう少し綿密に議論し
ておく必要があると思います。例えば一番最初の2号→2号のところに点線で書いてあ
る中は非常に重要な問題ではないかと思います。時間ありません、これ以上言いません
。
次に29ページに、前回私が意見を言って、こういう表をつくっていただいてありがと
うございます。ただ1点注文をつけると、2つ目に書いていただいたのは制度の話です
。一番下の表は実態の話ですから「保険料負担の実態」という言葉をつけるべきだと思
います。そうしないと正確でないと思います。
それから、27ページに戻りまして、一番右側に男性単身者があって、なぜ女性の単身
者がないのですか。いや、わかりますよ、6.7 + 3.6だということでわかりますけれど
も。
○度山補佐
本日お配りした資料には入れております。
○高島委員
この問題こそ共働きとかそうではなくて、今増えてきている単身の女性の年金水準が
これでいいのかと。さっき見返りの話が出ましたけど、基本的に社会保障制度の水準と
いうのは、老後の生活安定ですから、基本的には低い部分をどうするかということをや
らないと、低い部分を生活保護に行かせてはいけないのだという考えを基本に置くべき
だというのが私の主張でして、見返り論を余りやるのは賛成ではない。
○袖井座長
堀委員とその次、永瀬委員。
○堀委員
モデル年金なのですが、実はモデル年金はモデルではないのですね。これはフィクシ
ョンの額です。40年男性が加入して、給料が三十何万円で、妻が生涯家庭にいるという
仮定の計算です。モデル年金額は平均額とも違うのですね。私はこれは給付水準を決め
るための1つのモデルであると思っています。このモデルを基に、2階部分の年金の給
付乗率、今は1000分の7.125ですか、1階部分の年金の定額単価、加入1カ月当たりの
単価、そういうものを決めるためのものであって、モデル年金自体を世の中の普通の人
がもらっているのだということではない。夫婦共働き世帯をモデルにするというのはそ
ういう意味なんですね。例えば妻の平均的な加入期間が8年なら、8年加入ということ
を前提にして、その世帯の年金を23万 8,000円にする。そうすると給付乗率はどうなる
か、定額単価はどうなるかが決まってくる。それが10年に延びたら給付乗率・定額単価
をどうするか、そういう意味のモデルであると私は思っています。
○袖井座長
永瀬委員どうぞ。
○永瀬委員
さっき言い忘れたので、宮武委員の奨学金についてのお話ですが、とてもいいのでは
ないかと私は個人的に思っています。それは現在の、なるべく民のものは民でやろうと
いう方向に反するというのは事実かもしれませんが、日本で学費が非常に高い。特に大
学の教育費が高いというのは、全国消費実態調査や家計調査等を見ると際立った点でご
ざいまして、これに対してより有効な融資方法ができてくるとよいのではないかという
基本的な視点があります。とくに、それを若い人が利用できる。つまり老後になるまで
でなくて、若いうちに年金制度の中で利用できるというのはいいことなのではないかと
私は思っております。
○度山補佐
時間が押しているところに事務局からの発言で恐縮です。女性の加入するメリットと
いうことの点について、特に60年改正で「女性と年金権の確立」ということがテーマに
なったときは、結局夫に年金が出ていても、離婚をした場合になくなるではないかとい
うところが大きなポイントだったわけでございまして、それと則して考えますと、ずっ
と3号であり続ける限りにおいてメリットは薄いかもしれませんが、必ずしもそうとは
言えないというところがライフスタイルの変化であり、女性の年金権をより深い意味で
確立していくという視点まで含めて考えると、これは重要なことではないかということ
が指摘できると思います。
○袖井座長
そろそろ時間ですが、どなたか一言という方いらっしゃいますか。どうぞ。
○下村委員
12ページの樋口さんのご提案をもとにした図が65万円で、このときも私質問させてい
ただいたのですけれども、65万円が本当に妥当な数字なのかどうかということと、この
ときも申し上げたかと思うのですが、これをもう少し低く設定するとどうなるかといっ
たときに、大沢さんは、これを限りなくゼロにせよというふうなご提案があったかと思
うのですが、ゼロということは、全額国庫ということで、ここにはシミュレーションし
なかったのでしょうか。それだけ申し上げたいです。
○度山補佐
この資料に書きましたのは、これまでの委員会の議論の中で、実際にこういう考え方
の提示があったということで、それを引いておるということでございますが、第7回の
樋口先生の説明は、65万というのはそんなに根拠が強くなくて、現行の 130万の半分ぐ
らいで設定をしてみたということであったかと思います。
それから、今の1号、2号、3号の体系をもとに組んでいますので、例えばここをゼ
ロまで限りなく持っていくということは、それは一方で別の原理で動いている国民年金
の話とは別の話になりますので、今の年金制度の体系を大きく変えてしまう中の話でな
いとできないということで、ここではこのテーマからはそれるということで整理をして
おります。
○袖井座長
どうもありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。だんだん混迷を
深めてくるというような感じもいたしますが、大変きょう重要なご指摘もございました
。公的年金でどこまでカバーすべきかとか、年金というのは生活費のどこまでを保障す
べきかという、女性と年金を超えたような議論もございましたし、パート労働者の規定
などの見直しとか、非常に大きな話も出てまいりましたが、基本的にはどういう社会を
目指すかということに帰着するのではないかということです。先ほど大島委員が紹介に
なった川崎市の女性たちがつくった報告を見ましたら、最近では男女ともに両立生活を
望む人が非常に増えてきているというような調査結果も挙がっておりまして、どの辺の
社会を目指すかということでは割に合意が得られているのではないかという気がいたし
ます。ただ、そこへどういうふうにアプローチしていくか、どういう方向性をとるかと
いうことで少し違いがありますが、ほとんどの方が男女共同参画社会の実現というとこ
ろでは合意が得られているのではないかと考えております。
また議論は次回にもより深めていきたいと思いますので、本日は時間がなくなりまし
たので、検討会はここまでといたしたいと思います。
次回の検討会の予定につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○中原企画官
次回は以前ご報告のとおり、来月11月9日(金曜日)の午後2時から、場所はこの厚
生労働省内の17階にございます専用会議室、専用18〜20会議室でございます。別途開催
案内をご送付申し上げますので、よろしくお願いいたします。
また、次回の検討会では、引き続き「女性と年金をめぐる諸論点について討議」とい
たしまして、離婚時の年金分割と遺族年金についてご議論をお願いしたいと考えており
ますのでよろしくお願いいたします。
なお、本日、ご指摘いただきました資料につきましても準備をさせていただきたいと
考えております。よろしくお願いいたします。
次に次回以降の日程でございますが、お手元に資料をお配りしてございますが、11月2
9日の10時からでお願いしておりました第16回検討会につきましては、12月7日午後2
時からに変更させていただきます。それに伴いまして、改めて12月14日午後2時からを
予備日として予定いただきますようによろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
○袖井座長
どうもありがとうございました。それでは本日の検討会はこれで終了いたします。
○高島委員
いいですか。
○袖井座長
はい。
○高島委員
11月9日が離婚時の年金、11月16日は何なんですか、15回は。
○榮畑年金課長
事務局がお答えしていいかどうか迷うのですが、9日は離婚と遺族とか、きょう出た
宿題の資料を出させていただいてご議論をお願いして、そのご議論の中身によって、ま
た16日の持ち方も変わってくると思っております。
○高島委員
そうすると次回で今まで出していた課題は一応終わったというふうな考えですか。
○榮畑年金課長
それは9日のご議論の持ち方によって変わってくるのだと思っております。今、私が
9日について、こういう議論でこうだというふうな申し上げられないと思っています。
○高島委員
3号の議論だって、まだ私は終わってないと思いますし、きょうの議論だって、入り
口やっただけだと思うのですね。これで12月7日で、あと予備日になってますから、7
日で終わるというのは、私はこの議論というのはいかにも不消化のまま終わることにな
ると思うのですね。
私は一番最初の第1回の会議のとき、大臣も出席なさったときに、今年中に仕上げる
のは無理があるのではないですかということを言って、頻繁に開くという意味ではあり
ませんよ。もう少し時間をとって、私自身も、ここに出された資料を全部消化している
わけではないし、もう少し議論を尽くすべきではないですか。そうしないと、多くの人
たちが期待しているものに対して、この検討会の委員が期待に応えたような作業をした
のかというのでは、大変私は危惧を持ちます。
○袖井座長
よろしくお願いします。
○辻年金局長
事務局側の物の考え方というものを少しお話しさせていただきたいと思います。
女性と年金というのは、前回、再計算で積み残された非常に大きな問題で、ご議論い
ただいていますように、考え方も非常に分かれていますね。それで一応私どもは大きな
改正のスケジュールは2004年と考えております。それぐらい大きな問題だと思います。
次の次期再計算ですね。これだけ大きな問題ですので、本当に年金というのは国民的な
論議で決めていただかなければご支持いただけないと、そういうふうに考えますと、こ
れはちゃんとこれまで冒頭でどういう説明したか、細かいニュアンスまで承知せずに、
現時点での認識を申させていただきますけれども、この検討会の仕事というのは、国民
の皆様にご議論いただくための踏み込んだ整理をいただきたいということで、したがい
まして、結論を急ぐというよりも踏み込んだ議論を整理してまとめていただきたいとい
うことでございます。その意味では相当踏み込んだ主張というものが明確にこれまでな
されてきたように私は感じます。
したがって、そのような主張をどう整理して織り込んでいただくかということであっ
て、そういう意味では、これまで相当、むしろ委員の皆様方のご発言を主体とする議事
運営を行っていただいてまいりました。
そういう観点から、今言ったような方針で、何とか年内にと。年明けますと、率直に
申しますけれども、人口推計も出ますし、また様相が異なってくると思います。そうい
う観点から、何とぞ議事運営にお力をくださいましたらというふうに思います。
○袖井座長
高島委員よろしいでしょうか。
○高島委員
そういうのは納得できない。
○袖井座長
多分納得いただけないと思いますが、一応個別の問題につきましては、次回で終わり
まして、それ以後、まとめ的に議論をするということになるかと思います。大変申しわ
けありませんが、多分ご不満の方も何人かいらっしゃるかと思いますが、事務局側のそ
ういうご説明もございましたので、よろしくご協力のほどお願いいたします。
それでは、本日はどうもお忙しい中、ありがとうございました。これで終了させてい
ただきます。
以上
(照会先)
厚生労働省年金局年金課
課長補佐 度山
企画法令第3係長 三浦
電話03-5253-1111(内3338)
03-3591-1013(夜間)