蘇我最終処分場(千葉県)[1999/03]  

【簡易説明】
 蘇我駅から車で15分。川崎製鉄の敷地を通った先に処分場はある。殆どの人はここに最終処分場がある事さえ知らないような埋め立て地の端に位置する。この処分場は千葉県・千葉市によって運営され、千葉県が産業廃棄物、千葉市が一般廃棄物を埋めたてた。産廃800,000立方メートル、一廃800,000立方メートルでちょうど半分ずつ。現在管理を行っているのは千葉市。管理はpH・BOD・COD・SS・T-N・T-Pの値をモニターして排水処理を行っている。

【感想】
 この最終処分場は既に埋め立てが終了して、覆土も終了している。説明は千葉市の職員がしてくれた。非常に気さくな方達で自分達の思いを素直に話してくれた。
 一人の職員は「塩ビなどダイオキシンが発生するゴミを発生されるような社会でダイオキシンを出さない用にする事など無理。ダイオキシンを発生する商品は出さない用に上流で食い止めなければならない。」と思いを語った。まったくその通りだ、彼のようにゴミ処理に携わる全国の一人一人はおそらく同じ悔しい思いをしているはずだ。彼らが全国でいっせいに行動を起こせば国政を変えることが出来るだろう。だが、現在の縦割行政では彼らが発言する事は期待できないのも現実。
 「いつまで管理をする必要があるのか」の問いに対して「私見ではあるが、50年は必要。現在よりも規制水質が上がればさらに年数が増える可能性がある」と回答が得られた。今までこのような具体的な数値を聞いたのは始めてだった。「一年の管理費は幾らか」の問いに対しては「年間1億円」と。単純にこの処分場では管理費として最低で50億かかる事になる。
 また「処分場は埋め立てを行ってから管理が必要。埋めているうちは良いのだが、「埋め終わったのになんで予算が必要なのか」と聞く人もいる。」と語った。最終処分場を持っている某民間産廃経営者が「処分場は埋めてからの管理が一番大事な仕事」と語ったが、最終処分場の本質はここにある。埋めたてた後の管理が一番重要なのだ。
 今、日本に不法投棄が幾つあるのか想像もつかないが、1000として単純計算しただけでも50兆円必要になる。この処理費は結局我々の税金で処理することになるだろう。今からでも遅くない、こんな不良債権を増やさない社会にしていこう。

対岸に見えるのが蘇我最終処分場。いずれは運動公園にする予定だと言う。
川崎製鉄を通らなければ辿りつけない公園がはたして成り立つのだろうか。


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