茨城県・城取清掃工場周辺住民血液検査発表 1999/05/27
茨城県は5月27日、ダイオキシン問題で茨城県新利根町の城取清掃工場(昨年十二月操業停止)周辺住民の血液検査を発表した。発表では「ダイオキシン濃度は通常の範囲以下」とする中間報告を公表した。
報告によると、住民百二十人の血液を調べ、血中脂肪一グラム当たりのダイオキシン濃度の平均は9.7ピコグラム(ピコは一兆分の一)、最高は24ピコグラム(いずれもWHOの計算方式(=下限値で検出できない場合は下限値の1/2)で「極めて高濃度の汚染」とした住民独自の血液検査とは著しい食い違いを見せた。
県は昨年末に住民の血液を採取し、住民側の調査とは別の分析機関に依頼。調査結果はこの日、水戸市内で開かれた県の検討委員会で公表された。都道府県レベルで独自に百人を超える住民の血液検査を実施したのは初めて。
県の調査に対して住民側が三月に独自に公表した数値は平均176ピコグラム、最高は577ピコグラム(WHO方式)であり、平均値は18倍もの差がある。昨年六月、摂南大の宮田秀明教授が発表した調査でも平均99.8ピコグラム最高463.3ピコグラムの値が検出されている。
茨城県の調査を進めてきた検討委専門部会の森田昌敏部会長(国立環境研究所統括研究官)は「ダイオキシンについて国内最大規模の調査だったが、精度は高く、結果には自信がある」と話している。
一方住民側は「住民側の調査と数値が違いすぎる。真実は一つのはず。」としている。
県の発表に対する住民の声明文
私はこう思った
住民のデータとまったく異なる行政のデータ。所沢でも同じような結果が出ている。「汚染は無い」行政が声高々に発表するのに住民は余計不安になるのが現実だ。
今回は疑問も多い。
1)談合が指摘され、血液調査の実績の無い株式会社新日本気象海洋に検査を依頼したのか。
2)血中脂肪濃度が住民側は0.1〜0.57%(平均的に0.3%と言われている)に対し、0.6%と言われる値を使用したのか。
特に1)が住民との調査結果の開きでは無いかと考えられる。某農大教授が「カナダの調査期間は精度が低い」とコメントしていた。どちらが精度が低いのがなど言うべきでは無いが、住民が調査を依頼したMAXXAM社はWHO、EPAの仕事も行う会社で有る。彼の肩書きで額面通り受けとる人も多いのではないだろうか、心配だ。
住民側は自分たちの無け無しのお金、各地からのカンパによって身を切る思いで調査費を捻出している。一方行政側は我々の税金をふんだんに使って、ウソのデータを出してる。まったくでたらめだ。
どちらにも属さない、第3者の調査機関が必要だと思う。ただし、日本の現状を考えるとそれは不可能に近い。住民と行政が同じ検体でそれぞれ分析機関に調査を依頼する方法をとるのが現状では最善策だろう。もちろん住民側の調査費も行政が負担すべき。
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