東京平和運動センター93-2

TKOPEACENEWS

　2面　NO.93　2010.2.28


神奈川基地視察報告

東京交通労働組合電車部青年女性部
青年女性部長　坪田　竜作

　12月15日、神奈川平和運動センター主催による「第６回神奈川県内基地視察」に参加した。私ども東交電車部の参加者は勤務の都合上事前学習には出席できず、午後の船上視察からの参加となった。午前12時に横須賀市・三笠桟橋より乗船し、横須賀市から北上し横浜市、川崎市に至るまで、およそ３時間半に渡る船旅であった。
　まず、横須賀海軍施設を視察した。軍事施設はもちろんのこと、米軍住宅、病院、スーパーマーケットや映画館などのレジャー施設も備わっており、この中で米軍人と家族は、何不自由ない生活を送ることができる。まるで海上に浮かぶ米国という感じがした。
　また、米軍住宅は、一般的な神奈川県営住宅のおよそ２倍もの広さをもっており、光熱費は「思いやり予算」によって賄われている。海上には、数々の艦船が浮かんでおり、とある艦船からは、トランペットの音色が聞こえてきた。原子力空母ジョージ・ワシントンの姿もあり、その周りには空母打撃群を構成する護衛艦艇が多数配備されていた。また、米艦船に混じって自衛隊の艦船の姿もあり、日米一体となっているかのように感じた。

　船は北上し横浜市に入った。金沢区には、４年前に日本に返還された「小柴貯油施設跡地」、中区には、湾岸戦争時ペルシャまで米軍物資を輸送した貨物船の姿が見えた「本牧埠頭」、そして、横浜市北端の鶴見区には「鶴見貯油施設」と、横須賀だけでなく横浜にも数々の施設があることに驚いた。船は川崎市との境界付近で折り返し横浜ノースドック、軍事郵便局を視察した後、下船となった。
　今回の視察で、神奈川県の東側沿岸が、横須賀から川崎に至るまで、まさに、米軍施設で埋め尽くされているような印象をもった。
　われわれ東交青年女性部では、毎年５・１５沖縄平和行進に取り組んでおり、最近問題となっている普天間基地移設候補地である、名護市・辺野古沖を何度か訪れたことがあるが、サンゴやジュゴンが生息しているとても美しい海を、この神奈川の海のようにするわけには絶対にいかないという思いを新たにした。どれだけ立派な施設や立派な艦船がそろっていても、結局は戦争＝人殺しをするためのものであり、平和とは対極にあるものである。絶対に無くしていかなければならない。
　しかし、これだけのものを無くしてきれいな海に戻していくためには、長い長い年月がかかることだと思う。きっと自分が生きている間にはできないかもしれない。しかし、何も行動しなければそれもできない。子供や孫の代になるかもしれないが、平和運動は続けていかなければいけないという思いを強くした今回の行動であった。

活　動　報　告

■百里基地での日米共同訓練実施反対行動
　１月29日、航空自衛隊百里基地での米軍再編に伴う４回目の共同訓練の開始に対して抗議と申し入れ行動を行いました。この行動は雨の中をついて茨城平和擁護県民会議、平和運動センター関東ブロック連絡会、平和フォーラム、全国基地問題ネットワークの５団体によるものです。県民会議の川□玉留会長が、基地正門で渉外責任者に、百里基地での日米共同訓練は中止すること。米軍再編に伴う訓練移転の抜本的見直しを図り、基地周辺住民の負担軽減を行なうこと。共同訓練に参加している米兵の基地外出は認めないこと。共同訓練期間中における自衛隊機の夜間訓練は実施しないこと。民間共用に伴い、百里基地における訓練は見直し、縮小していくこと。共同訓練実施に伴う爆音状況調査の測定地域・地点を増やすこと等申し入れ、文書を手渡した。　　　　　
　憲法を無視し、米軍の世界戦略に日本を巻き込む、日米共同訓練の実施に対し、抗議の意思を表明しました。防衛省は在日米軍の再編について、｢長年の懸案でもある基地周辺の負担軽減の絶好の機会｣と言ってきましたが、負担軽減とはならず、むしろ日米共同軍事訓練の拡大による爆音被害を拡大し、自衛隊基地の機能強化につながるものであり断じて容認できません。しかも今回の訓練では、米軍機の参加規模が６機（90人）に増え、｢タイプ２｣訓練に位置づけられるなど、今後もなし崩し的に訓練規模が拡大されることに対して、強く抗議をしました。
昨年10月の訓練は大雨により戦闘訓練が中止となったものの、それ以前では戦闘機の離着陸時に100デシベルを超える爆音が測定され、周辺住民の負担は大きくなっています。訓練は嘉手納基地からのＦ15と自衛隊機のＦ15が鹿島灘沖で２月１日から４日までの共同訓練行った。

　　　　　　　　　
■普天間基地はいらない！辺野古・新基地建設を許さない　１・３０全国集会」
　１月30日に東京・日比谷公園野外音楽堂で、「チェンジ！日米関係　普天間基地はいらない　辺野古・新基地建設を許さない！１・３０全国集会」が開催されました。集会には平和フォーラム加盟の労働組合・民主団体・地域運動組織や、全国各地の市民運動団体など約6,000人が集まりました。また沖縄からも平和運動センター加盟組織や、市民運動団体など、約100人が参加しました。新政権の下で普天間基地の返還と辺野古新基地建設の問題は紆余曲折をしながらも、現時点では５月中までに国外・県外めざし決定するとされています。そうした中で沖縄では、11月８日には21,000人が参加しての県民大会が開かれ、１月24日に行われた名護市市長選挙では、新基地建設反対を訴えた稲嶺進さんが当選しました。今回の１・３０全国集会は、こうした沖縄の人々の動きに連帯するとともに、普天間基地の返還と新基地建設の中止を求める声を日米政府に伝えるために開いたものです。
　集会では、社民党党首の福島みずほさんが、「マスコミや自民党は、鳩山内閣は先送りしたという。しかし何が先送りか。自民党も14年間出来なかったではないか。海上基地建設など実現不可能。沖縄が、ジュゴンが、社民党が許さない」と発言しました。民主党衆議院議員の斉藤つよしさんは、鳩山首相が施政方針演説で語った「命を守りたい」という言葉を引用して、「昨日、鳩山首相の施政方針演説を聴いて、命を守りたい、という言葉に、じん、とした。命を守るためには武器はいらない、戦争はダメ、基地はいらない、そのことを訴え続けよう」と話しました。沖縄上京団を代表してあいさつに立った沖縄平和運動センター事務局長の山城博治さんは、「米国から日本政府に、常識を超えた圧力があることは承知でしている。しかし戦後65年を迎えるいま、主権国家日本に米国の植民地があることを忘れる訳にはいかない。鳩山内閣が米国からの自立を求めて、平和な東アジアを構想するならば、一刻も早くこのことを終わらせるべき」と訴えました。ヘリ基地反対協共同代表として連日辺野古に座り込んでいる安次富浩さんは、「私たちの望みは、県外移設ではない。米国に持って帰れ。元々米国の基地だ。米国が引き取らなければ太平洋の藻屑に消えればいい。」と語りました。ヘリパット建設に反対して東村・高江で闘っている「ヘリパットいらない」住民の会共同代表の伊佐真次さんは、「鳩山首相が県民の負担軽減を言うなら、訴訟を取り下げ、自然破壊、生活破壊のヘリパット建設はやめてもらいたい。普天間も移設先を探すのではなく、早期返還を求めよう。県内県外、国外もダメ。グァムに押し付けてもダメ。基地はどこにもいらない。憲法９条の精神を世界に広げよう。」と訴えました。
　連帯のあいさつとして、普天間基地の閉鎖・返還を求める自治体首長・自治体議員の共同声明にとりくんだ合志市議会議員の神田公司さん、前岩国市長の井原勝介さんから、発言がありました。
　WORLD PEACE NOW実行委員会の土井登美江さんが集会決議を読み上げて、全員で採択しました。
　最後に「普天間基地いらない」・「辺野古新基地許さない」・「U.S.BASES OUT NOW」のプラカードを掲げてシュプレヒコールを行い、新運転書記長の太田武二さんの演奏で「沖縄を返せ」を歌いながらデモ行進に出発しました。　
日比谷野外音楽堂を埋め尽くした参加者は３時半から解散地点の常磐橋まで銀座通りを５時半までデモ行進をしました。

■「建国記念日」を考える集会
　平和フォーラムは例年２月11日、戦前の「紀元節」を「建国記念の日」としていることに異議を唱え、集会を行っています。この間、自民党内閣のもとで繰り返されてきた歴史歪曲の発言は、東アジアとの関係を悪化させてきましたが、鳩山新政権は、発足直後から、東アジア共同体に向けた意欲的な姿勢を示しています。何よりも戦争の歴史と責任に関する認識を明確にすることが肝要です。2010年は「韓国併合」100年。植民地支配がもたらした人権侵害の歴史について改めて強い認識を持つことが重要となっており、新政権は「戦争責任」とともに「植民地責任」も明確にした「鳩山談話」を閣議決定するなどのとりくみが必要です。これらを踏まえて、「韓国併合100年、東アジア共同体に向けた課題－『建国記念の日』を考える２・１１集会」を名称に、会場の自治労会館に250人が参加して学習会を行いました。福山真劫代表の主催者あいさつにつづいて、「東アジア共同体と日本と中国」と題して知日派ジャーナリストの莫邦富（モー　バンフ）さんと、「愛するとき奇跡は創られる－在日三代史と未来への夢」と題して高麗博物館名誉館長で文化センター・アリラン副館長の宋富子（ソン　プジヤ）さんが、それぞれ講演。最後に藤本泰成事務局長の閉会あいさつで終了しました。
　このうち、莫さんは中国の経済成長とASEANと連携した共同体づくりについて紹介、日中間の問題点について、主に経済的側面から指摘し、日本人は自らの良さをもっと自覚すべきと強調しました。宋さんは自らの受けた子どものころから受けた差別と、民族・人権に覚醒した体験を歌やパネル表示もしながら講演。日本で初の朝鮮の歴史を展示した高麗博物館の設立したこと、そして現在、文化センター・アリランの存続と募金に奔走していることを訴えました。最後に行った文化センター・アリラン移転への会場カンパは、８万5371円集まりました。２月11日の「建国記念の日」は、何らの歴史的根拠もないのに、神話をもとに明治政府が制定し、植民地支配や侵略戦争を美化し天皇を賛美する日だった戦前の「紀元節」を、67年に政府・自民党が各界の反対を押し切って「建国記念の日」とした日です。　

■狭山東京集会
　狭山東京実行委員会（若林克俊議長）は、２月12日、台東区浅草の台東区民会館ホールで「狭山事件の最新求める東京集会」を250人の参加で開催した。当日は石川一雄さん夫妻が参加し再審開始に向けたアピールをしました。また、解放同盟東京都連を中心に作成した「朗読劇」が上演されました。また、狭山弁護団の中山武敏主任弁護士から狭山事件をめぐる報告を受けました。内容は昨年12月16日、東京高等裁判所刑事第４部（門野博裁判長）が証拠開示を勧告し大きな山場を迎えている。今回裁判所が開示を求めた証拠は「殺害現場とされる雑木林のすぐ近くで農作業をしていた男性の証言に関する記録」、「石川さんの取り調べを担当した刑事の捜査メモ」、「逮捕後に、石川さんが刑事によって書かされた『脅迫状』の練習分」等である。また、裁判長は、先に検察庁が「存在しない」と回答した「殺害現場とされる雑木林の血痕反応検査報告書」についても、「存在しないとは考えられない。もし本当にないなら、その合理的な理由を明らかにするよう」あわせて求めました。今回開示が勧告された証拠の多くは、「殺害現場」や「自白」の審議を検証するためにどうしても必要なものである。これらの証拠がすべて開示され詳細に検証されれば、石川さんの無実はより明らかになります。今回の「勧告」は再審開始に向けて大きな一歩だと言えます。狭山事件の重要証拠の開示が行われてこなかったことは、過去に国連の人権委員会でも問題になっています。これらに対して日本政府・法務省は「裁判所から求められれば開示している」と反論してきました。今回、もし検察庁が一部でも「勧告」を拒否したら、日本政府は国際社会を欺いたことになります。拒否は絶対許せません。
　本年５月には裁判所・検察庁・狭山弁護団による三者協議が再び開かれます。この時までに実際証拠開示を行わせ、事実調べに結びつけるために、広く社会に訴えることが重要であります。

■食とみどり、水を守る都民会議定期総会
　２月16日、田町交通ビル会議室で食とみどり、水を守る東京都民会議第10回定期総会を開催しました。総会議長に森本（前事務局長）氏を選出し、座光寺都民会議議長のあいさつ、本橋東京平和運動センター議長の祝辞のあと、報告・活動方針・役員選出・総会アピールを承認し、閉会しました。その後、食の安全・監視市民委員会事務局長の山浦康明氏から「エコナ問題から考える食の安全」の記念講演を受けました。22名の代議員が参加。第３部として交流会を行い、楽しい意見交換をしました。
　新役員　議長…座光寺成夫（自治労東京）、副議長…岩崎好道（全・東水労）、事務局長…小林和彦（全農林関東東京）同次長…関久（平和センター）

活　動　日　誌

12月17日（木）狭山東京実行委員会総会
12月19日（土）座間米軍司令部はいらない行動
　　相武台Ｐ２
１月18日（月）マリ向け第二次支援米発送作業　
１月30日（土）「普天間基地はいらない・新基地を許さない集会（仮称）」野音Ｐ２
２月８日（月）狭山東京集会駅頭宣伝（上野）
２月９日（火）地評ＯＢ会
２月11日（木）「建国記念日」を考える集会
２月12日（金）狭山東京集会
２月16日（火）食と緑、水を守る会議定期総会
２月16日（火）JR不採用問題解決へ中央集会
２月17日（水）厚木爆音訴訟口頭弁論・防衛省南関東防衛局抗議申し入れ行動
２月18日（木）沖縄米軍基地問題議員懇談会総会

今　後　の　日　程

２月27日（土）東京大空襲６５周年朝鮮人犠牲者追悼国際シンポジウム・追悼会
　　　　　　　　（9:30～江東区文化センター　15:00～東京都慰霊堂）
２月28日（日）ビキニ・デー関連企画「浜岡原発視察ツアー」
３月１～２日平和フォーラム全国活動者会
３月４日（木）日弁連／市民集会「えん罪はなぜ繰り返されるのか」(18:00～弁護士会館)
３月13～14日　第31回合成洗剤追放全国集会（さいたま市）
３月20日（土）ＷＯＲＬＤＰＥＡＣＥＮＯＷ（13:00～芝公園４号地）
３月26日（金）水基本法を求めるシンポジウム（14:00～憲政記念館）

編集後記　

　１月30日の集会は、6000人の熱気と怒りで感動する集会でした。しかし、何故か新基地を作らなければならないと、政権、マスコミ、学者など大騒ぎしています。先の政府はグアムに移転するための資金60億ドル、決めた。そしてさらに新たな基地を辺野古に作ろうとしている。嘉手納統合案やシュワブ陸上案など面浮上してきている。伊波宜野湾市長は2014年には、普天間の海兵隊部隊も含めて移転する予定で、1200から1500人くらいが残るそうだ。
　海兵隊やアメリカにとって沖縄や日本は住みやすいところであり、「思いやり予算も」期待できる天国なのだ。どうしても海兵隊を普天間から追い出し、２度と来ぬように頑張ろう。

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