狭山事件の再審を求める2・7東京集会に結集しよう!
1.集会の名称 狭山事件の再審を求める
2・7東京集会
2.日 時 2000年2月7日(月)
午後6時〜8時
3.場 所 千代田公会堂
千代田区九段南1−6−17
地下鉄九段下下車3分
4.内 容 フリージャーナリスト江森陽弘氏の講演を中心に狭山事件を徹底的に掘下げ、石川一雄さんの無罪を証明し、異議審闘争に勝利するまで闘う決意を固める集会にします。
5.集会の規模 800人
6.集会の基調については以下の通りです。
狭山事件の再審を求める2・7東京集会 集会基調(案)
1.狭山事件第2次再審請求に不当な棄却決定
1999年7月8日、東京高等裁判所刑事第4部(高木俊夫裁判長)は、狭山事件の再審請求に対して「棄却決定」をおこないました。再審請求に対する審理としては異例とも言える13年間もの時間を費やしながら、弁護団が提出してきた数々の新証拠について「いずれも確定判決をくつがえすほどの有力な証拠とはいえない」として、結局「再審はおこなわない」という結論を出したのです。
しかし、東京高裁は13年間、結局一度も証拠調べをおこないませんでした。まともに調べもせずに「有力な証拠とはいえない」というのは、あまりにも横暴な理屈です。これではいかなる事件においても再審・無罪の獲得は不可能です。えん罪者の裁判を受ける権利を全く認めないというにひとしく、断じて容認できません。
また、今回の決定が、司法・政治の反動化の大きな流れの中で出された事実も見ておかなくてはなりません。「ガイドライン関連法」「国旗・国歌法」「盗聴法」「住民基本台帳法改正案」の成立、有事法制や靖国問題の検討、憲法改悪論議など最近の政治反動の流れと、「再審を認めない」「白鳥・財田川決定を死文化する」司法の動きとは同一線上にあるものです。この動きに反撃していくことなくしては狭山の最終勝利は勝ち取れません。
7月12日、石川さんと狭山弁護団はこの「高木決定」を許さず、東京高裁に「異議申し立て」をおこないました。東京高裁では刑事第5部(高橋省吾裁判長)がこの「異議申し立て」の審理を担当します。私たち狭山東京実行委員会も全力をあげてこの闘いの勝利を目指します。
2.再審請求の手続きと狭山事件の異議審の今後
再審請求の闘いは、石川さんの異議申し立てに対する審理「異議審」へと舞台を移しました。
刑事訴訟法の規定によって、再審請求はその事件の確定判決を出した裁判所に対して申し立てることになっています。狭山事件では第2東京高裁の「無期懲役判決」が確定判決となっています。したがって再審請求を東京高裁に対しておこなっているわけです。
やはり刑事訴訟法によれば、再審請求に対する裁判所の「決定」に不服がある場合、異議を申し立てることができます。地裁に対して再審請求をしている場合は、上級審である高裁に対して異議を申し立てることができます。一方、高裁の決定に対してさらに不服がある場合は、今度はいきなり最高裁に不服を申し立てることはできません。そのかわり同じ高裁に対して「異議申し立て」をすることになっています。もしその「異議申し立てに対する決定」がさらに不服がある場合はどうなるか、今度は「特別抗告」と言って最高裁に対して不服申し立てをすることになります。
この刑事訴訟法の規定に従って、狭山事件では、同じ東京高裁に異議を申し立てたわけです。東京高裁では、「決定」(「高木決定」)を出した部(刑事第4部)とは違う別の部(刑事第5部)がこの異議申し立ての審理を担当します。
今後狭山事件の異議審では、石川さんの異議申し立てに理由があるかどうか、が争われることになります。石川さんは「『高木決定』は誤りである」という異議申し立てをしてますから、当然異議審では「『高木決定』が正しいかどうか」ということが争点になるわけです。弁護団は「高木決定」に対する批判を、この異議審で徹底的に展開することになります。
3.これまでの闘いの成果を拡大し、異議審闘争で勝利を勝ち取ろう
私たちは、1994年に狭山東京実行委員会を結成して以来、都内の闘うなかまたちとともに全力で再審を求める闘いを展開してきました。当初30団体でスタートしまた実行委員会も、2000年1月現在45団体となり、その形態も労働組合から宗教団体・民主団体など、幅広い組織の集合体となっています。
1997年には部落解放中央共闘会議や部落解放同盟中央本部から呼びかけのあった「事実調べを求める新 100万人署名」を実行委員会として取り組み、当初割り当てのあった20,000人をはるかにこえる46,000人分を集めることに成功しました。また、毎年2・7東京集会に向けて取り組んできた「再審開始を求める団体署名」「全証拠開示を求める団体署名」も、実行委員会の結成前からのものとあわせて、7年間でのべ10,000団体をこえる数となっています。狭山東京実行委員会の繰り広げてきた幅広い共同闘争がこうした成果をあげてきたことを、みなさんとともに再確認したいと思います。
また一方で、ここ数年徐々にではありますが各種集会や取り組みへの参加が漸減する傾向にあるなど、今後闘いをすすめるうえでの課題も明らかになっています。
今後異議審の闘いを始めるにあたって、私たちはつぎのような視点で当面する異議審の闘いをすすめていきます。
まず、中期的な展望を持って、地道に闘う体制を作っていきます。異議審闘争は、過去の例から見ても数カ月で終わる短期決戦ではありません。少なくとも数年の期間を要する闘いになるもと考えられます。また、過去に著明な再審開始決定が「異議審」で出たことでも分かるように、「異議審闘争」を全力で闘うことで「高木決定」を破棄させることも可能です。
また、成果の見える、達成感の共有できる取り組みや新しい取り組み、東京の特色ある狭山の闘いを造り出します。高裁・高検・マスコミ等への「はがき」「てがみ」活動を参加団体によびかけて取り組んだり、集会の中身についてもこれまでやってこなかったような工夫をこらして取り組んでいきます。東京の特色ある狭山闘争を展開し、この異議審の闘いで事実調べと全証拠の開示を実現することを目指します。
私たちは本日の集会を通じて、新たな段階に入った闘いに一歩を踏み出したました。これまで以上の積極的な取り組みを、地域や職場・教会など、それぞれの現場から積み上げ、石川さんとともに再審無罪を勝ち取りましょう。
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